執着男に勤務先を特定された上に、なんなら後輩として入社して来られちゃった

パイ生地製作委員会

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全ての元凶の正体

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 そんな酷いコンディションだったからだろうか、俺は今日の面談でミスをして、担当していた大きな取引先の不興を買ってしまった。これに対して上司は大激怒だった。以降、俺のサポートに成績の良い晴陽が付けられることになった。
 そして先日の大失態を埋め合わせるための大事な商取引の前日、俺と晴陽は県外の取引先のところへ出張に出かけた。前日入りしてその日はホテルに泊まり、翌朝早くにスタートする手はずだ。その夜、俺は「直前の打ち合わせをしたいから。」と晴陽に呼びだされた。

「月夜さん、枕営業って知ってます?」

 部屋に着くと開口一番、彼は笑顔でそう言った。

 枕営業……業務上で付き合いのある人間同士が、性的な関係を築くことによって物事を有利に進めようとする営業方法のこと、だったはず。

 俺は嫌な予感を感じつつも、なぜ彼がそんな質問をする意図が分からず、恐る恐る「うん…。」と曖昧に返事をした。すると俺の嫌な予感は的中したようで……彼は俺に近付いてきた。そして俺の腰を抱いて部屋の隅に向かいながらこう言ったのだ。

「先輩は俺がいないと困りますよね?一人で取引先と面談なんて、明日の大事な大事な商談なんて、俺なしじゃできないですもんね?」

 晴陽は相変わらず笑顔だ。だけどその目は笑っていないどころか、まるで思い通りに事が進まず癇癪を起こしそうな子供のような怒りに満ちていて、そのアンバランスさに俺は思わず身震いする。
 しかしそんな俺を他所に彼は話を続ける。

「……でも、どうします?俺が〝何らかの理由で〟明日突然体調を崩して参加できなくなったりしたら。」

 それはまるで悪魔の囁きのようで……俺は必死で考えないように抵抗するが、彼は止まらない。そしてそのまま両手を頭上に拘束され、体を壁に押し付けられる。

「あんた一人で行って、また失敗して。今度も部長にどやされますよ。最悪会社クビになるかも。…きっと路頭に迷っちゃうね?」

 鋭利な刃物が喉元に突きつけられるかのように背中がゾクリと冷える。
 カタカタと震える体を押さえたいが、残念ながら今の俺に体の自由はない。

「あ、…俺は、ど、どうすればいい…?俺に、どうしろっていうの…?」
「『晴陽に体売ります。俺の全部が太陽 晴陽の所有物です』…って言えば、あの日俺から逃げたこと…、俺の前から何も言わずに消えたことも全部許して、付いて行ってあげるけど。……どうする?」
「そんなっ!――んんぅ!」

 抗議をしようとした次の瞬間には唇を塞がれていた。突然のことに頭が追いつかない。
 慌てる俺など気にも留めず、彼は舌まで入れようとして俺の唇をチロリと舐めてきた。チュ、チュと何度も角度を変えて落とされる獣のような激しいキスに俺は息苦しくなり、酸素を求めて口を開ける。
 その瞬間を待っていたかのように彼の舌が俺の口内に侵入してくる。歯茎から上顎まで余すことなく舐め回され、挙句の果てには俺の舌を絡めとられてしまう始末だ。

 その間も彼の手は俺の身体を、胸を、腰をまさぐっていて……とうとう下半身へと伸びていく。そしてズボン越しに俺のモノを優しく撫でてきたのだ。その刺激に思わず腰が引けてしまうが、後ろは壁だ。さらに晴陽はそれを許さないとばかりに一層強く手を押し付けてきた。

 しばらくして俺のモノが服越しに完全に起立したのを確認すると、彼はもう片方の手で俺のお尻を撫で回してきた。俺の手は自由になったが、背後に壁、目の前に晴陽、そして急所を完全に握られている状況下では逃げることなど到底できなかった。

「んんぅ!」

 彼は長くて骨ばった男らしい手をローションで包み、あろうことか下着の中へと突っ込んできた。
 彼の指先が穴に触れた瞬間、俺は慌てて彼を押し退けようとしたが……それよりも早く彼の手が俺の中に入り込んできて、中をかき回され始める。

「ひっ!」

 あまりの激しい動きに俺は耐えられず、思わず声を上げてしまった。しかしそれがかえっていけなかったらしく……彼はより一層激しく手を動かし始めたのだ。

「言え。さもないと今ここで犯すよ。」
「そ、そんな、こと、く、ふあっ、あ、ああーーっ!!」

 いくら抵抗しても無駄で、結局俺はそのまま絶頂を迎えてしまった。

 すると射精後で力が抜けた俺をベッドに連れて押し倒し、晴陽は無理矢理全ての服を脱がせ始めた。抵抗しても彼の力にはかなわず、俺は為す術もなく裸にされてしまった。まるで、あの時みたいに。

 遠い、埃を被った嫌な記憶が蘇ろうとしていると突然彼が俺の乳首を強くつねってきた。しかも思いっきり。

「いたっ!、いたい、よッ…!やめて…!」
「なあ、早く言えよ。『痛いとか言いながらちんぽおっ立ててるこの淫乱な体を使って下さい。俺には晴陽くんが必要なんです。』ってさあ…!」

 あまりの痛さに思わず声が出てしまうが、それでも彼は止めてくれない。それどころか今度はもう片方の乳首に吸い付いてきたではないか。
 その感覚に背筋がゾワゾワとして気持ち悪い……だけどそれと同時になぜか変な気分にもなってくる自分がいて……それが嫌で仕方がなかった。
 俺はなんとかして逃れようと暴れるが、彼にとってはその抵抗も楽しいようで更に強く乳首に噛み付かれ、くっきりと歯形が残った。晴陽は行為中に跡を付けるのが大好きなのだ。

 やがて彼は口を離すと今度は俺の首筋を舐め始めた。
 その感覚にくすぐったさと気持ち良さが同時に襲ってきて、思わず声が出そうになる。
 そして鎖骨まで来たかと思うと、彼は突然歯を立ててきた。またかよ、と思いながらもそれは食い千切らんばかりの勢いで……あまりの痛みに俺は悲鳴を上げた。しかしそれでも止めてくれる気配はなく……それどころかさらに強く噛み付かれてしまった。あまりの痛さに目から涙が溢れてくる。

「ひぐっ、ごめんっ!なさい、ごめんなさい!ごめんなさい…!」
「『ごめんなさい』?何に対して謝ってんの?」
「お、俺、晴陽のこと、裏切ろうとしてっ!……もうしないからっ!だから許して!」
「ふーん。じゃあさ……自分が悪いと思ってるんならこれくらいの痛みなんて耐えられるよね?大したことないんだから、……俺の心の痛みに比べれば。」

 彼は俺の耳元で囁くように言った。

 痛みに泣く俺を他所に彼はどんどんエスカレートしていき、ついには俺の下着の中へと手を入れてきた。
 そしてあろうことか再び俺のものを掴んできたのだ。それを上下に擦り始め、さらにもう片方の手は俺のお尻の穴の中にまで侵入してきた。先程立ったままほぐされていたからか、ソコはすんなりと晴陽の指を三本、簡単に受け入れてしまっていた。

「あーあ、もうこんなにぐちょぐちょになっちゃって。」

 指で何度も前立腺を刺激され、俺のモノはその先端から先走りをダラダラと流している。
しかし俺は快楽よりも恐怖の方が勝っていて少しでも快感から逃れようと必死に腰を引いた。

「ひぐっ?!あ、あっ、ああ、やめ、あっーー!」

 すると突然、彼は俺のナカに入っている指を激しく動かし始めたのだ。それと同時に前の方も強く扱かれてしまい……俺はとうとう限界を迎えた。
 あまりの気持ち良さに頭が真っ白になるが、それでもなお彼はやめてくれない。それどころか晴陽の手はさらに勢いを増してきた。

 もう無理……!と思った瞬間だった――目の前が真っ暗になったかと思うと意識が遠のいていく感覚に襲われる。やがて体から力が抜けていき完全に抵抗をやめた。

 そんな俺の様子を見て、彼はようやく手の動きを止めた。
 そして彼は自分のベルトをカチャカチャと外し始めたのだ。俺はこれから何をされるのかが分かってしまい……恐怖に震えた。

「は、はるひ、おねがい、やめて、あ、あやまったじゃん…!おねがい…!」

 ボロボロと無様に涙を流し、泣いて懇願する俺を無視して彼はズボンを下ろすと下着の中から大きく反り立ったものを取り出した。それは赤黒く血管が浮き出ていて、とてもグロテスクで……思わず目を逸らしてしまった。

「まだ、言われてない。『月夜には晴陽が必要だ』って言ってないから。」

 すると彼はそれを俺の顔の前に持ってきてこう言ったのだ。
 ―――〝舐めて〟 。

 拒否権はなかった。俺は押し倒されていた体を少し起こし、晴陽の剛直に恐る恐る舌を這わすと、その先端に小さくキスをした。

 すると彼はいきなり俺の頭を掴んだかと思うと、強引にソレを口の中にねじ込んできた。そしてそのまま前後に動かし始める。

 最初は苦しくてえずきそうになったが、次第に慣れてきたのか段々と我慢できるようになってきた。しかしそれと同時に変な気持ちにもなってきてしまい……俺は必死に耐えた。
そんな俺の様子を察してか彼はさらに激しく動かしてくるものだから、俺はもう限界だった。
 そしてついにその時が来てしまう。
 突如として口の中に苦い味が広がった。
 俺は急いでソレを吐き出すと、何度も咳き込んだ。
 涙目になりながらも彼を見上げると……彼は俺の足を持ち上げて足を開かせてきた。そして俺の穴に彼のモノをあてがい、指で存分に解されたソコを一気に奥まで貫いてきた。あまりの重い衝撃に俺は悲鳴を上げるが、それでも彼は止まってくれなかった。何度も何度も激しく腰を打ちつけてくるものだから、俺はただ喘ぐことしかできなかった。

 やがて彼が果てるとようやく一度俺のナカから彼が出て行ったが……、それも一時のことで今度は仰向けの体を腰からググっと折り曲げられ、膝が顔の隣に来るような体勢にさせられた。これでは晴陽のが上から垂直に刺さる形になってより深く繋がってしまう。恐怖なのか、……それとも期待なのか。俺はただ震えて晴陽のモノを受け入れるのを待つしかなかった。

 それから何度も何度も中に出され、その度に俺のお腹は膨らんでいく。そしてついに限界を迎えたのか彼の動きが止まり、俺のナカに熱い液体を吐き出したのだ。俺は思わず身震いをしたが……それと同時に身体中の力が抜けてぐったりとしてしまった。

 そんな俺を必死そうな表情で見下ろすと、晴陽はそのまままた動き始めたのだ。今度は後ろから覆い被さるような体勢になり、まるで獣のように激しく腰を打ち付けてきた。そのあまりの激しさに俺はもう何も考えられなくなってしまった。

 そして何度目か分からない絶頂を迎えたあと、ようやく彼は自分のモノを抜いてくれた。俺はもう限界だったようで、そのまま意識を失ってしまった、……のもほんの一瞬のことで、過ぎた快感によって強制的に起こされる。
 それから彼は俺の体を抱き起こして、膝に乗せるような形で座らされた。そしてそのまま下から突き上げられ、俺はもう何も考えられずただ喘ぐしかなかった。

 何度も絶頂を迎えている俺の体は敏感になっていて、すぐに果ててしまう。それでも彼は動きを止めることはなく、むしろ激しさを増していった。そしてついに限界を迎えたのか彼のものが脈打つのを感じて……熱いものが大量に注ぎ込まれたのを感じた。
 その感覚は今までで一番気持ちよくて……俺はまた達してしまった。しかしそれでもまだ満足できないのか、彼は再び動き始めてしまったのである。
 もう無理だよ……と言おうとしたが上手く言葉にならず、代わりに出たのは小さな喘ぎ声だけだった。

「あっ……あああんっ……ん、ああぁ……!」
「エロい声出してないで、『俺の全てが晴陽くんのです。一生離れません』って言え。」

 それはあまりにも屈辱的な言葉だ。でも今の俺にはそれを拒否する権利なんてなかったし、そもそも拒否する気力すら残っていなかった。だから俺は素直に言った。言うしか他に選択肢がなかった。

「お、おれは、晴陽の、です……一生、離れ、ません……だから、ッ!許して、…下さい……。」

 すると彼は満足そうに笑って、「そう、じゃあご褒美にまた射精させてあげる。」と言ってイジメられ過ぎてぷっくりと腫れた前立腺をまた刺激してきた。射精し過ぎて、もう出すものがない俺は、もう意識を保っていられるのが限界で……とうとうそのまま気絶してしまったのだった。

「逃げたら、何度だって見つけ出してやる。」

 そう言って、晴陽が俺の頬を優しく撫でる。

「もう一生、離さないから。」

 恋人同士のように絡める手にぎゅっと力を入れるのも、知らないまま。
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