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第1章 開戦、硫黄島の戦い
第5話 日本神国連合艦隊VSアメリカ海軍第5艦隊(2)
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翌日の午前六時、各空母の飛行甲板にエンジンを始動させた航空機が並べられいた。
愛鷹、剣、相碁、浅間、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、大凰の航空隊が作戦開始の合図を待っていた。先行した彩雲からの連絡を待った。
午前六時四十分、アメリカ軍の攻撃が開始された。
それを合図に護衛の烈風が艦首に移動して行く、甲板員が主脚を甲板に固定していく。それをパイロットが確認するとエンジン出力を上げた。甲板員が発艦の合図を出し、烈風が急加速して発艦していった。それを合図にするように次々発艦していく。神国が開発したカタパルトだ。
戦闘機隊の指揮官は、愛鷹飛行隊長の板谷茂大尉、雷撃隊の指揮官は、飛龍飛行隊長の友永丈市大尉、艦爆隊は、蒼龍飛行隊長の江草隆繁少佐、それぞれが編隊を組み、硫黄島を目指した。総指揮官は淵田美津雄少佐。
先行した彩雲は五機と五機に別れて、別々の方向から硫黄島を目指した。
先行した彩雲の別れた五機が硫黄島の反対側に飛行して行く。
アメリカ軍の攻撃が開始されてから一時間半後、搭載していた爆弾のような形状の物が開いた。中からキラキラ光る紙のような物が大量にばらまかれた、レーダーに無数の機影を写すチャフだ。これは銀紙にレーダーを反射させ、レーダー機能を落としたり、そこに敵がいると思わせる陽動なのに使われる。それを使い、時間を別けて、数回ばらまき、アメリカ軍を誘き出す。
その隙に反対側からジャミング装置を搭載した彩雲五機が三方向からアメリカ軍のレーダーを狂わせ、VT信管の効果を下げ、被弾率を低下させる。
午前九時、アメリカ軍第4、第5海兵師団が上陸を開始した。
その時に艦載機が発艦していく、レーダーに写った偽の攻撃隊を迎撃に向かう為にF6Fヘルキャット、F4dコルセアが硫黄島とは正反対の方向に編隊を組んで行く。それが罠とも知らずに。
その後、午前十時までに第 24、第25海兵師団と第4、第5海兵戦車大隊も上陸開始していた。
まさにその時、空母、戦艦を中心に爆発が起こった。神国の攻撃隊が獲物に襲い掛かった音だった。
攻撃が始まる一時間前、チャフを搭載している彩雲から散布を開始したと無線が入った。
編隊を指揮している淵田少佐は全機に無線で、指示を出した。
『全機、彩雲が作戦を開始した。我々は硫黄島を目指して、進む。目標は米海軍の空母と戦艦を含む、すべての艦船だ!行くぞ!』
『『おおー!』』
全機から声が上がった。
その後、敵編隊が視界に入った。
『高度50(5000メートル)、敵戦闘機編隊60を確認、第一小隊、第二小隊、第三小隊上昇しろ、第四、第五、第六小隊は、三式空対空ロケット弾で混乱させろ。その後、第一、第二、第三小隊は混乱している敵機を食い散らかせ!』
『『了解!』』
制空部隊である烈風が速度を上げ、先行する。上昇するこちらに気付いたヘルキャットが上昇してくる。
先行する第一小隊を率いるのは、笹井醇一中尉。射撃精度が高く、三機のP39を瞬く間に撃墜した記録が残るほどの名手である。
笹井は無線で、指示を出した。
『各機、敵の何機かがこちらの動きに気付いた。エンジン出力を生かして殺るぞ!』
『『『了解!!』』』
烈風の誉エンジンが唸りを上げ、高度を上げていく。ヘルキャットも追尾しようと高度を上げる。どうやら零戦だと思っているようだ。
ほぼ、垂直に上昇してくる。だが、限界速度になったのか、機体を水平戻し、こちらの機体を探している。だが見つかるわけがない。笹井中尉の機体はそれよりも上にいるのだから。
(この世界では、ヘルキャットが主力なのか、そんな機体では、この烈風の動きについてこれないぞ!)
笹井中尉は、機体を減速させ、反転させた。
そのまま、機体を急降下していく。
水平飛行しているヘルキャットを照準機にとらえ、操縦捍の発射レバーを引いた。
九九式20ミリ二号五型機銃四門、三式13.2機銃二門が火を吹く、発射された曳光弾が真っ赤な線を描きなからヘルキャットに向かっていく。20ミリがエンジンと翼に当たったのか、翼を折られ、火を吹きながらクルクルと落ちていった。
(奴ら素人か?後方は最も警戒すべき場所だぞ。)
笹井中尉は機体を水平戻し、辺りを見渡した。上昇を命じられた小隊は、敵を全部落としたらしい。
本隊の方向を見ると敵編隊に向かって三式空対空噴進弾を発射したところだった。
三式空対空ロケット弾。通称三式弾は三式空対空爆弾を元に開発された対航空機用のロケット弾で重量は十キロ、起爆は五秒後、敵編隊の目の前で、起爆すれば、内部に内蔵された百発の焼夷榴弾が全方100°に飛翔し、敵機にダメージを与える。
それを搭載している烈風は五十機、それぞれ八発づつ搭載している。
全滅とは行かないがかなりの数が損傷を受ける。
四百発の空対空ロケット弾がヘルキャットに向かって飛んでいく。
攻撃隊が速度を上げる前。
「レーダーに敵影!ものずこい数です!」
旗艦であるサラトガのCIC(戦闘指揮所)が慌ただしく動いていた。
「どこに見ていた‼敵編隊は別方向に要るんじゃなかったのか⁉」
「敵編隊!増速しました!あと10分もすれば艦隊上空に到達します‼」
「艦隊の護衛のヘルキャット部隊を迎撃に向かわせろ、どうせ、寄せ集めの機体だろ。レーダーの諸元を各砲座に送れ、突破してきた機体を叩く。」
上空では護衛のヘルキャット部隊が神国の攻撃隊に向かっていった。
『お前ら!ジャンプの旧式機を落としにかかるぞ!だが、油断するな、敵の中には、化け物もいる、気合いを入れろ‼』
『了解!』
艦隊の護衛隊指揮官のシャーリー・レイモンド大尉は、神国の攻撃隊に向かっていった。すぐに空の一部が黒くなってきた。
その中から十数機が上昇していく。
『チャーリー、ブラウン、小隊と共に俺に着いてこい。上昇した奴らを殺るぞ。残りのものは、このまま進め。』
『了解、チャーリー小隊続きます。』
『ブラウン小隊も続きます。』
レイモンド大尉とは別の小隊が上昇していく。そのまま、二機一組に別れた。
『ライアン、俺が奴を追う、お前は援護を頼む。』
『了解です。大尉。』
レイモンド大尉の機体は笹井中尉の機体を捉えた。そのまま、笹井中尉の烈風が上昇していく、それを追うようにレイモンド大尉のヘルキャットも上昇する。
(上昇力ならこちらの方が上だが、気のせいか?ジークより、大きくなかったか?)
レイモンド大尉は上昇限界まで行って上昇し、水平飛行に戻した。
「ジークの奴なら下にいるはず、何処にいる?」
レイモンド大尉は辺りを見渡した。この時、レイモンド大尉は戦闘機パイロットなら当たり前の後方警戒を怠っていた。
後方斜め上方から烈風がヘルキャットに襲い掛かった。機体に走った。
「何!?後ろから!?」
愛機はコントロールを失い、落ちていく。レイモンド大尉は、燃え上がる機体からなんとか脱出した 。
幸いにも艦隊からそう遠くない位置に着水した。
「何なんだ!あの機体は、ジークじゃなかったぞ!あんな機体を日本が造れるなんて。」
海に浮かびならが叫んでいた。その後、彼は、硫黄島の日本軍に収容された。
その頃、他の迎撃隊は、
『メーデー、メーデー!こちら敵に追われている!誰か助け・・・』
『何なんだ!あの機体は!?速すぎる・・・』
『奴ら何か撃ってきた‼グァァァ!・・・』
倍以上の烈風に囲まれ、艦隊を護衛していた艦載は全滅した。その通信を聞いていたサラトガの戦闘指揮所は、パニックになっていた。
「せ、戦闘機隊が全滅しました!」
「何!?何かの間違いないじゃないのか!?」
「SGレーダーとSCレーダーからの反応が消えました。映っているのは、敵だけです!」
「各砲座に諸元を送れ!くるぞ!」
「了解!ッ!」
「どうした?」
「レーダーがホアイトアウトしました!諸元を送信できません!無線もです!」
「何なだと!?対空諸元を光学照準システムに切り替えろ!連絡には伝令を出せ、他の艦には光学信号で、連絡を取れ!」
「了解!」
レーダーに無線、アメリカ軍の濃密な弾幕を形成する最も重要なものを潰されては、有効な対空手段は、人の手に頼るしかない。
そして、伝令や光学信号が届きにる前に神国の攻撃隊が襲い掛かった、
『艦爆隊!我々の狙いは、空母と巡洋艦に駆逐艦だ!仕留めるぞ!』
艦爆隊を率いる江草大尉は、各小隊に無線を入れた。
各小隊が四方向に散開した。彼らが操る彗星が機首を下に向けた。彗星に搭載されているのは、戦艦の甲板装甲をも貫く二式五〇番通常爆弾一型。150ミリ以上の装甲を貫ける貫通力を持つ500キロ爆弾。
主翼に五式一番九号噴進弾を四発搭載し、対空砲座、または、駆逐艦を攻撃するのに用いられる。
「降下かする、流星隊は戦艦を狙え!」
先頭を行く、江草中尉の彗星がサラトガに向かって降下していく。
サラトガからは閃光が見える。対空砲がこちらを狙っている。
だが、爆発は全くと行っていいほど検討ちがいない場所出来で爆発している。
「噴進弾発射!さらに距離を積める‼」
「投下!」
江草中尉と同じように降下した機体から噴進弾が発射される。発射された噴進弾は飛行甲板や対空砲座に命中した。敵が混乱したいる隙に、抱えていた五〇番爆弾を千メートルから投下した。
甲板に施された64ミリの装甲を貫き、エルジンルーム、格納庫に壊滅的なダメージをもたらした。
爆撃の少し前・・・
「おい!なんで、あいつら墜ちないんだ!」
「レーダーがしよう不能のため、VT信管が使えません!」
「通常弾で狙え、やらないよりはましだ!」
「て、敵機直上!急降下してきます‼」
「エリコンと40ミリは奴を狙え!弾幕を張るんだ!」
銃座に付いていた、エリック二等兵は、必死に照準を合わせていた。20ミリの反動が体を揺する。その時、敵機が光った。
「対衝撃防御、伏せろ!」
指揮官が叫んだら瞬間、爆風で飛ばされた。
「何が、起こったんだ!?」
そう思っていると二度目の爆発が起こった。
二度飛ばされ、気を失しなったが誰かに起こされた。一緒の銃座にいたジョンだ。辺りを見渡すと、
「消火急げ!」
「こっちに怪我人だ!衛生兵!」
衛生兵やダメージコントロールチームが救助や消火を行っていた。
回りの戦艦や空母も黒煙を出していた。
「くそ!あいつらロケット弾で銃座を狙ってから爆撃しやがった‼」
「ジョン、見たのか?」
「一瞬だったが甲板に当たるのが見えた。」
「くそ!ジャンプの奴らそんなものまで、持ち出して来やがった。」
悪態を吹きながら、銃座に戻った。水平線を見ると何かが見えた。
「うん?何だあれ、」
「ああ!ッ!雷撃隊だ!」
爆撃隊の混乱に乗じて、天山と流星改を主力とした。友永大尉率いる雷撃隊だ。
「江草隊は上手く行ったようだな。」
「はい、他の艦爆隊も上手く行ったようです。」
航法士の前島一飛曹が報告してきた。
「こちらも行くぞ!」
「はい!」
友永大尉率いる雷撃隊が海面すれすれを這うように飛行して行く、ほとんどの空母や戦艦、巡洋艦は艦爆隊の攻撃により、対空射撃が散漫となっている。
その隙を雷撃隊が襲い掛かった。
雷撃隊は搭載していた九一式航空魚雷改四を投下した。
軽くなった機体を上昇させながら反転させ、離脱していく。
「魚雷命中しました‼」
後方機銃主が声を上げた。後ろを振り返ってみると艦橋程の大きな水柱が上がっていた。
流星隊はそのエンジン出力を生かして魚雷を二本搭載し、戦艦に投下していく。
戦艦から射撃があるがロケット弾と爆撃でほとんどの銃座が使えなくなっているため、余裕をもって魚雷を投下した。
次々魚雷が命中していく、ダメージコントロールが間に合わなければ沈むだろう。
艦隊から離れて行くと、編隊長から無線が入った。
『攻撃隊、攻撃を終えた機体は集合地点に集合せよ。帰投は烈風が支援する。』
編隊長である、田美三雄少佐は、そう指示を出した。
続々と攻撃隊が戻っていく。
この作戦は、神国の完全勝利と言えるだろう。
生き残ったアメリカ第5任務部隊は、動ける船は、離脱を始め、駆逐艦が漂流者の救助にあたっていた。
自沈処分できない艦はそのまま放置された。
愛鷹、剣、相碁、浅間、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、大凰の航空隊が作戦開始の合図を待っていた。先行した彩雲からの連絡を待った。
午前六時四十分、アメリカ軍の攻撃が開始された。
それを合図に護衛の烈風が艦首に移動して行く、甲板員が主脚を甲板に固定していく。それをパイロットが確認するとエンジン出力を上げた。甲板員が発艦の合図を出し、烈風が急加速して発艦していった。それを合図にするように次々発艦していく。神国が開発したカタパルトだ。
戦闘機隊の指揮官は、愛鷹飛行隊長の板谷茂大尉、雷撃隊の指揮官は、飛龍飛行隊長の友永丈市大尉、艦爆隊は、蒼龍飛行隊長の江草隆繁少佐、それぞれが編隊を組み、硫黄島を目指した。総指揮官は淵田美津雄少佐。
先行した彩雲は五機と五機に別れて、別々の方向から硫黄島を目指した。
先行した彩雲の別れた五機が硫黄島の反対側に飛行して行く。
アメリカ軍の攻撃が開始されてから一時間半後、搭載していた爆弾のような形状の物が開いた。中からキラキラ光る紙のような物が大量にばらまかれた、レーダーに無数の機影を写すチャフだ。これは銀紙にレーダーを反射させ、レーダー機能を落としたり、そこに敵がいると思わせる陽動なのに使われる。それを使い、時間を別けて、数回ばらまき、アメリカ軍を誘き出す。
その隙に反対側からジャミング装置を搭載した彩雲五機が三方向からアメリカ軍のレーダーを狂わせ、VT信管の効果を下げ、被弾率を低下させる。
午前九時、アメリカ軍第4、第5海兵師団が上陸を開始した。
その時に艦載機が発艦していく、レーダーに写った偽の攻撃隊を迎撃に向かう為にF6Fヘルキャット、F4dコルセアが硫黄島とは正反対の方向に編隊を組んで行く。それが罠とも知らずに。
その後、午前十時までに第 24、第25海兵師団と第4、第5海兵戦車大隊も上陸開始していた。
まさにその時、空母、戦艦を中心に爆発が起こった。神国の攻撃隊が獲物に襲い掛かった音だった。
攻撃が始まる一時間前、チャフを搭載している彩雲から散布を開始したと無線が入った。
編隊を指揮している淵田少佐は全機に無線で、指示を出した。
『全機、彩雲が作戦を開始した。我々は硫黄島を目指して、進む。目標は米海軍の空母と戦艦を含む、すべての艦船だ!行くぞ!』
『『おおー!』』
全機から声が上がった。
その後、敵編隊が視界に入った。
『高度50(5000メートル)、敵戦闘機編隊60を確認、第一小隊、第二小隊、第三小隊上昇しろ、第四、第五、第六小隊は、三式空対空ロケット弾で混乱させろ。その後、第一、第二、第三小隊は混乱している敵機を食い散らかせ!』
『『了解!』』
制空部隊である烈風が速度を上げ、先行する。上昇するこちらに気付いたヘルキャットが上昇してくる。
先行する第一小隊を率いるのは、笹井醇一中尉。射撃精度が高く、三機のP39を瞬く間に撃墜した記録が残るほどの名手である。
笹井は無線で、指示を出した。
『各機、敵の何機かがこちらの動きに気付いた。エンジン出力を生かして殺るぞ!』
『『『了解!!』』』
烈風の誉エンジンが唸りを上げ、高度を上げていく。ヘルキャットも追尾しようと高度を上げる。どうやら零戦だと思っているようだ。
ほぼ、垂直に上昇してくる。だが、限界速度になったのか、機体を水平戻し、こちらの機体を探している。だが見つかるわけがない。笹井中尉の機体はそれよりも上にいるのだから。
(この世界では、ヘルキャットが主力なのか、そんな機体では、この烈風の動きについてこれないぞ!)
笹井中尉は、機体を減速させ、反転させた。
そのまま、機体を急降下していく。
水平飛行しているヘルキャットを照準機にとらえ、操縦捍の発射レバーを引いた。
九九式20ミリ二号五型機銃四門、三式13.2機銃二門が火を吹く、発射された曳光弾が真っ赤な線を描きなからヘルキャットに向かっていく。20ミリがエンジンと翼に当たったのか、翼を折られ、火を吹きながらクルクルと落ちていった。
(奴ら素人か?後方は最も警戒すべき場所だぞ。)
笹井中尉は機体を水平戻し、辺りを見渡した。上昇を命じられた小隊は、敵を全部落としたらしい。
本隊の方向を見ると敵編隊に向かって三式空対空噴進弾を発射したところだった。
三式空対空ロケット弾。通称三式弾は三式空対空爆弾を元に開発された対航空機用のロケット弾で重量は十キロ、起爆は五秒後、敵編隊の目の前で、起爆すれば、内部に内蔵された百発の焼夷榴弾が全方100°に飛翔し、敵機にダメージを与える。
それを搭載している烈風は五十機、それぞれ八発づつ搭載している。
全滅とは行かないがかなりの数が損傷を受ける。
四百発の空対空ロケット弾がヘルキャットに向かって飛んでいく。
攻撃隊が速度を上げる前。
「レーダーに敵影!ものずこい数です!」
旗艦であるサラトガのCIC(戦闘指揮所)が慌ただしく動いていた。
「どこに見ていた‼敵編隊は別方向に要るんじゃなかったのか⁉」
「敵編隊!増速しました!あと10分もすれば艦隊上空に到達します‼」
「艦隊の護衛のヘルキャット部隊を迎撃に向かわせろ、どうせ、寄せ集めの機体だろ。レーダーの諸元を各砲座に送れ、突破してきた機体を叩く。」
上空では護衛のヘルキャット部隊が神国の攻撃隊に向かっていった。
『お前ら!ジャンプの旧式機を落としにかかるぞ!だが、油断するな、敵の中には、化け物もいる、気合いを入れろ‼』
『了解!』
艦隊の護衛隊指揮官のシャーリー・レイモンド大尉は、神国の攻撃隊に向かっていった。すぐに空の一部が黒くなってきた。
その中から十数機が上昇していく。
『チャーリー、ブラウン、小隊と共に俺に着いてこい。上昇した奴らを殺るぞ。残りのものは、このまま進め。』
『了解、チャーリー小隊続きます。』
『ブラウン小隊も続きます。』
レイモンド大尉とは別の小隊が上昇していく。そのまま、二機一組に別れた。
『ライアン、俺が奴を追う、お前は援護を頼む。』
『了解です。大尉。』
レイモンド大尉の機体は笹井中尉の機体を捉えた。そのまま、笹井中尉の烈風が上昇していく、それを追うようにレイモンド大尉のヘルキャットも上昇する。
(上昇力ならこちらの方が上だが、気のせいか?ジークより、大きくなかったか?)
レイモンド大尉は上昇限界まで行って上昇し、水平飛行に戻した。
「ジークの奴なら下にいるはず、何処にいる?」
レイモンド大尉は辺りを見渡した。この時、レイモンド大尉は戦闘機パイロットなら当たり前の後方警戒を怠っていた。
後方斜め上方から烈風がヘルキャットに襲い掛かった。機体に走った。
「何!?後ろから!?」
愛機はコントロールを失い、落ちていく。レイモンド大尉は、燃え上がる機体からなんとか脱出した 。
幸いにも艦隊からそう遠くない位置に着水した。
「何なんだ!あの機体は、ジークじゃなかったぞ!あんな機体を日本が造れるなんて。」
海に浮かびならが叫んでいた。その後、彼は、硫黄島の日本軍に収容された。
その頃、他の迎撃隊は、
『メーデー、メーデー!こちら敵に追われている!誰か助け・・・』
『何なんだ!あの機体は!?速すぎる・・・』
『奴ら何か撃ってきた‼グァァァ!・・・』
倍以上の烈風に囲まれ、艦隊を護衛していた艦載は全滅した。その通信を聞いていたサラトガの戦闘指揮所は、パニックになっていた。
「せ、戦闘機隊が全滅しました!」
「何!?何かの間違いないじゃないのか!?」
「SGレーダーとSCレーダーからの反応が消えました。映っているのは、敵だけです!」
「各砲座に諸元を送れ!くるぞ!」
「了解!ッ!」
「どうした?」
「レーダーがホアイトアウトしました!諸元を送信できません!無線もです!」
「何なだと!?対空諸元を光学照準システムに切り替えろ!連絡には伝令を出せ、他の艦には光学信号で、連絡を取れ!」
「了解!」
レーダーに無線、アメリカ軍の濃密な弾幕を形成する最も重要なものを潰されては、有効な対空手段は、人の手に頼るしかない。
そして、伝令や光学信号が届きにる前に神国の攻撃隊が襲い掛かった、
『艦爆隊!我々の狙いは、空母と巡洋艦に駆逐艦だ!仕留めるぞ!』
艦爆隊を率いる江草大尉は、各小隊に無線を入れた。
各小隊が四方向に散開した。彼らが操る彗星が機首を下に向けた。彗星に搭載されているのは、戦艦の甲板装甲をも貫く二式五〇番通常爆弾一型。150ミリ以上の装甲を貫ける貫通力を持つ500キロ爆弾。
主翼に五式一番九号噴進弾を四発搭載し、対空砲座、または、駆逐艦を攻撃するのに用いられる。
「降下かする、流星隊は戦艦を狙え!」
先頭を行く、江草中尉の彗星がサラトガに向かって降下していく。
サラトガからは閃光が見える。対空砲がこちらを狙っている。
だが、爆発は全くと行っていいほど検討ちがいない場所出来で爆発している。
「噴進弾発射!さらに距離を積める‼」
「投下!」
江草中尉と同じように降下した機体から噴進弾が発射される。発射された噴進弾は飛行甲板や対空砲座に命中した。敵が混乱したいる隙に、抱えていた五〇番爆弾を千メートルから投下した。
甲板に施された64ミリの装甲を貫き、エルジンルーム、格納庫に壊滅的なダメージをもたらした。
爆撃の少し前・・・
「おい!なんで、あいつら墜ちないんだ!」
「レーダーがしよう不能のため、VT信管が使えません!」
「通常弾で狙え、やらないよりはましだ!」
「て、敵機直上!急降下してきます‼」
「エリコンと40ミリは奴を狙え!弾幕を張るんだ!」
銃座に付いていた、エリック二等兵は、必死に照準を合わせていた。20ミリの反動が体を揺する。その時、敵機が光った。
「対衝撃防御、伏せろ!」
指揮官が叫んだら瞬間、爆風で飛ばされた。
「何が、起こったんだ!?」
そう思っていると二度目の爆発が起こった。
二度飛ばされ、気を失しなったが誰かに起こされた。一緒の銃座にいたジョンだ。辺りを見渡すと、
「消火急げ!」
「こっちに怪我人だ!衛生兵!」
衛生兵やダメージコントロールチームが救助や消火を行っていた。
回りの戦艦や空母も黒煙を出していた。
「くそ!あいつらロケット弾で銃座を狙ってから爆撃しやがった‼」
「ジョン、見たのか?」
「一瞬だったが甲板に当たるのが見えた。」
「くそ!ジャンプの奴らそんなものまで、持ち出して来やがった。」
悪態を吹きながら、銃座に戻った。水平線を見ると何かが見えた。
「うん?何だあれ、」
「ああ!ッ!雷撃隊だ!」
爆撃隊の混乱に乗じて、天山と流星改を主力とした。友永大尉率いる雷撃隊だ。
「江草隊は上手く行ったようだな。」
「はい、他の艦爆隊も上手く行ったようです。」
航法士の前島一飛曹が報告してきた。
「こちらも行くぞ!」
「はい!」
友永大尉率いる雷撃隊が海面すれすれを這うように飛行して行く、ほとんどの空母や戦艦、巡洋艦は艦爆隊の攻撃により、対空射撃が散漫となっている。
その隙を雷撃隊が襲い掛かった。
雷撃隊は搭載していた九一式航空魚雷改四を投下した。
軽くなった機体を上昇させながら反転させ、離脱していく。
「魚雷命中しました‼」
後方機銃主が声を上げた。後ろを振り返ってみると艦橋程の大きな水柱が上がっていた。
流星隊はそのエンジン出力を生かして魚雷を二本搭載し、戦艦に投下していく。
戦艦から射撃があるがロケット弾と爆撃でほとんどの銃座が使えなくなっているため、余裕をもって魚雷を投下した。
次々魚雷が命中していく、ダメージコントロールが間に合わなければ沈むだろう。
艦隊から離れて行くと、編隊長から無線が入った。
『攻撃隊、攻撃を終えた機体は集合地点に集合せよ。帰投は烈風が支援する。』
編隊長である、田美三雄少佐は、そう指示を出した。
続々と攻撃隊が戻っていく。
この作戦は、神国の完全勝利と言えるだろう。
生き残ったアメリカ第5任務部隊は、動ける船は、離脱を始め、駆逐艦が漂流者の救助にあたっていた。
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