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あの子が欲しい
あの子が欲しい-9
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「落ち着け。渡した石を握ってみろ。ルリの霊が視えるか?」
よほど僕は青ざめた顔をしていたのだろう。
丸藤さんに肩を叩かれ、僕は恐る恐る冷たい石に触れる。
同じく冷たいけれど、猫の遺骸と比べて、かすかに温かみを感じた。そのことにほっとする。
落としていた視線をゆっくり上げる。
けれど、白石さんの幽霊なんかいなかった。
その代わりに見えたのは、にゃあにゃあと鳴く子猫が、自分が死んだことに気づかないのか、親猫に無邪気にじゃれる姿。
それがいっそう哀れだった。
「見えない、けど」
「大丈夫だ、ルリは生きている。犯人にどこかに連れていかれたのか、それとも」
そう言って、彼は公園内を睨みつける。
もし犯人が本当に子供ならば。
いくら白石さんが華奢な女の子とはいえ、どこかに連れまわすのは大変だろう。
それなら、どうする?
「僕だったら、近くに隠す」
そうして、僕らの視線はある一点で交差した。
『防災倉庫』とでかでかと書かれた、小さな物置のようなもの。
「おい、ルリ。いるのか?」
ドンドンと扉を叩いて、丸藤さんが叫んだ。
その声に答えるかのように、かすかにトン、と何かが当たる音がした。
「やっぱり、このなかに閉じ込めらているみたいだな」
丸藤さんがギリ、と歯を食いしばる。
きっとこの中は冷房なんてないし、もし昨晩から閉じ込められていたのならもう半日以上になる。
「けど、鍵が」
焦る気持ちそのままに、僕は乱暴にチェーンを引いた。
引き戸の持ち手に鐵鎖が巻かれ、かちかちと回して番号を入れるタイプの鍵ががっちりとつけられていた。
試しに適当に数字を入れてみるものの、まるっきり開く気配がない。
「わたし、ニッパー買ってくる!」
確かこの商店街の入り口の方に、小さな日用生活用品を置いている店があった。
そこでこの鎖を切れるものを手に入れて、と駆け出そうとした僕の腕を探偵が掴んだ。
「ちょっと、早く行かないと!」
「……ここの住所、調べられるか?」
そう問われ、僕は慌ててスマホを開く。いやでも、そんなまさか。
「宇土市○○、102―4」
確かに、災害時に開けれらる人間がここに来れなかったら意味がない。
だとしても。
「1024」
探偵がシリンダーを回す。カチリ。あっけなく鍵は開いた。
「小学生が開けられるくらいだ、考えるまでもない」
そう返す声はいつもなら余裕シャクシャクな感じだったのだろう。
けれど今はそれどころじゃないとばかりに、探偵は大きく扉を開いた。
とたん、もわっとした空気と、埃とカビとアンモニア臭が混じったような、つまり悪臭が僕の鼻についた。
中は当たり前だけど暗くて、光に慣れた目がその中を認識するのに少しかかった。
けれど、確かに彼女はそこにいた。
両手を両足を縛られて、目にはハンカチのようなものが巻かれ、口にはガムテープ。
そんなありさまで、乱雑に置かれた段ボールばかりの中に、同じく荷物のように放り込まれている。
「こんな、ひどい」
放心する僕をよそに、丸藤さんが彼女を抱き上げて外に出す。
やっぱりなんて読むのか分からない英字Tシャツに、学校のジャージを穿いている。
それがところどころ汚れていて、彼女はぐったりとしたまま。
「もう大丈夫だ」
そうかける探偵の声には焦りの色がにじんでいた。そして、口元のテープを慎重に剥がしていく。
はあ、と大きく息をつくのが聞こえた。しばらくむさぼるように空気を吸い込んだのち、
「丸藤さん、うち」
彼女がかすれた声でしゃくりはじめた。
よかった、無事だったんだ。
探偵は彼女をそっと地面に降ろし、手足を縛る紐を解く。
僕も慌てて目隠しを外した。
「ナオも来てくれたの、よかったあ」
とたん、彼女はわあと泣き出した。
良かった、無事だった。
きっと僕だって、こんな目に遭ってたら泣いている。
よほど怖かったのだろう、彼女は自分を支える丸藤さんに抱きついた。
「わたし、水買ってくるね」
あんな暑い中に飲み食いせずにずっといて大丈夫なわけがない。そうだ、早く何か用意しないと。
わたしは抱き合う二人に背を向けて、公園の向かいへと目をやった。
その時だった。
「なんだ、もう見つけちゃったの?」
人を馬鹿にしきったような、冷たい声。
くすくすと厭らしい笑みが聞こえた。
公園の入り口に立つ、銀縁メガネの、背の高い男の子。
あの子は、見覚えがある。まさか。
「スグル君……」
その姿を認めたのだろう、白石さんが怯えた声でその名を呼んだ。
「えらいえらい、ご主人さまの名前、ちゃんと覚えてくれてたんだね」
僕のペットなんだから、勝手に連れてかないでもらえる?と『スグル君』が不気味に笑った。
「ペットって、何を言ってるの?」
得体の知れない恐怖を覚え、わたしは後ずさる。
この子は、あの時の子だ。やっぱり、あのままにしたのが良くなかったんだ。
「何って、ちゃんと小屋に入れてあげてただろ?」
少しも悪びれる様子もなく、男の子がゆっくりと近づいてくる。
「これでもちゃんと、エサをあげてたんだよ?はじめは嫌がってたけど、ようやく食べてくれるようになったんだ」
そう言って彼は、手に下げたコンビニ袋を持ちあげる。
「大丈夫、毒は入ってないよ。人間を殺せるくらいの毒なんて、そうそう手に入らないからさ」
思ってるより人間て丈夫みたいだからさ、と男の子が言った。
「君、正光寺で悪いことしたでしょう」
僕はお腹に力を入れて、スグル君、と呼ばれた彼を睨んだ。
「悪いこと?」
本当に、何のことか思い出せないような顔で、彼はオウム返しに繰り返した。
「悪いことって、なんのこと?」
「仏様の絵が描かれた衝立、壊したでしょう?」
そこまで言われてようやく思い出したという風に、彼はまるで大人みたいに肩をすくめてみせた。
「ああ、あれね。違う、アレは事故だよ。僕はやめろって言ったんだ、けどバカが中に入るって言い聞かないからさ」
僕がやったわけでもないのに、なんで謝らなきゃいけないのって感じ、と大げさにため息すらついて見せた。
「ほんと、みんな暇なんだね。あんたもそうだし、その人だって」
レジ袋を持った手で、白石さんを指さした。
「わざわざ注意しにきたりしてさ。別に猫が死んだくらいで誰か困るわけでもなかとに、いちいち。そんなことしてる暇あったら、勉強したら?」
やはり白石さんは僕の話を聞いて、ケンちゃんの――彼氏の弟に思い当たったのだ。
それで、それを止めようとして、こんな。
僕は拳を握りしめる。後ろで白石さんが荒い息をしているのが聞こえる。
丸藤さんは、黙ったままだ。
「なんでこんなのが、よかやろうね」
ぽつり、とスグルが呟いた。
「僕はこんなに頑張ってるんのにさ、自分は遊んでばかりで」
そして、憎しみのこもった目を僕らに向ける。
いや、それは僕らだけではなく。
「兄さんは呑気でよかよな、こぎゃん女と遊んどって」
その表情に、侮蔑の色が浮かんでいた。
よほど僕は青ざめた顔をしていたのだろう。
丸藤さんに肩を叩かれ、僕は恐る恐る冷たい石に触れる。
同じく冷たいけれど、猫の遺骸と比べて、かすかに温かみを感じた。そのことにほっとする。
落としていた視線をゆっくり上げる。
けれど、白石さんの幽霊なんかいなかった。
その代わりに見えたのは、にゃあにゃあと鳴く子猫が、自分が死んだことに気づかないのか、親猫に無邪気にじゃれる姿。
それがいっそう哀れだった。
「見えない、けど」
「大丈夫だ、ルリは生きている。犯人にどこかに連れていかれたのか、それとも」
そう言って、彼は公園内を睨みつける。
もし犯人が本当に子供ならば。
いくら白石さんが華奢な女の子とはいえ、どこかに連れまわすのは大変だろう。
それなら、どうする?
「僕だったら、近くに隠す」
そうして、僕らの視線はある一点で交差した。
『防災倉庫』とでかでかと書かれた、小さな物置のようなもの。
「おい、ルリ。いるのか?」
ドンドンと扉を叩いて、丸藤さんが叫んだ。
その声に答えるかのように、かすかにトン、と何かが当たる音がした。
「やっぱり、このなかに閉じ込めらているみたいだな」
丸藤さんがギリ、と歯を食いしばる。
きっとこの中は冷房なんてないし、もし昨晩から閉じ込められていたのならもう半日以上になる。
「けど、鍵が」
焦る気持ちそのままに、僕は乱暴にチェーンを引いた。
引き戸の持ち手に鐵鎖が巻かれ、かちかちと回して番号を入れるタイプの鍵ががっちりとつけられていた。
試しに適当に数字を入れてみるものの、まるっきり開く気配がない。
「わたし、ニッパー買ってくる!」
確かこの商店街の入り口の方に、小さな日用生活用品を置いている店があった。
そこでこの鎖を切れるものを手に入れて、と駆け出そうとした僕の腕を探偵が掴んだ。
「ちょっと、早く行かないと!」
「……ここの住所、調べられるか?」
そう問われ、僕は慌ててスマホを開く。いやでも、そんなまさか。
「宇土市○○、102―4」
確かに、災害時に開けれらる人間がここに来れなかったら意味がない。
だとしても。
「1024」
探偵がシリンダーを回す。カチリ。あっけなく鍵は開いた。
「小学生が開けられるくらいだ、考えるまでもない」
そう返す声はいつもなら余裕シャクシャクな感じだったのだろう。
けれど今はそれどころじゃないとばかりに、探偵は大きく扉を開いた。
とたん、もわっとした空気と、埃とカビとアンモニア臭が混じったような、つまり悪臭が僕の鼻についた。
中は当たり前だけど暗くて、光に慣れた目がその中を認識するのに少しかかった。
けれど、確かに彼女はそこにいた。
両手を両足を縛られて、目にはハンカチのようなものが巻かれ、口にはガムテープ。
そんなありさまで、乱雑に置かれた段ボールばかりの中に、同じく荷物のように放り込まれている。
「こんな、ひどい」
放心する僕をよそに、丸藤さんが彼女を抱き上げて外に出す。
やっぱりなんて読むのか分からない英字Tシャツに、学校のジャージを穿いている。
それがところどころ汚れていて、彼女はぐったりとしたまま。
「もう大丈夫だ」
そうかける探偵の声には焦りの色がにじんでいた。そして、口元のテープを慎重に剥がしていく。
はあ、と大きく息をつくのが聞こえた。しばらくむさぼるように空気を吸い込んだのち、
「丸藤さん、うち」
彼女がかすれた声でしゃくりはじめた。
よかった、無事だったんだ。
探偵は彼女をそっと地面に降ろし、手足を縛る紐を解く。
僕も慌てて目隠しを外した。
「ナオも来てくれたの、よかったあ」
とたん、彼女はわあと泣き出した。
良かった、無事だった。
きっと僕だって、こんな目に遭ってたら泣いている。
よほど怖かったのだろう、彼女は自分を支える丸藤さんに抱きついた。
「わたし、水買ってくるね」
あんな暑い中に飲み食いせずにずっといて大丈夫なわけがない。そうだ、早く何か用意しないと。
わたしは抱き合う二人に背を向けて、公園の向かいへと目をやった。
その時だった。
「なんだ、もう見つけちゃったの?」
人を馬鹿にしきったような、冷たい声。
くすくすと厭らしい笑みが聞こえた。
公園の入り口に立つ、銀縁メガネの、背の高い男の子。
あの子は、見覚えがある。まさか。
「スグル君……」
その姿を認めたのだろう、白石さんが怯えた声でその名を呼んだ。
「えらいえらい、ご主人さまの名前、ちゃんと覚えてくれてたんだね」
僕のペットなんだから、勝手に連れてかないでもらえる?と『スグル君』が不気味に笑った。
「ペットって、何を言ってるの?」
得体の知れない恐怖を覚え、わたしは後ずさる。
この子は、あの時の子だ。やっぱり、あのままにしたのが良くなかったんだ。
「何って、ちゃんと小屋に入れてあげてただろ?」
少しも悪びれる様子もなく、男の子がゆっくりと近づいてくる。
「これでもちゃんと、エサをあげてたんだよ?はじめは嫌がってたけど、ようやく食べてくれるようになったんだ」
そう言って彼は、手に下げたコンビニ袋を持ちあげる。
「大丈夫、毒は入ってないよ。人間を殺せるくらいの毒なんて、そうそう手に入らないからさ」
思ってるより人間て丈夫みたいだからさ、と男の子が言った。
「君、正光寺で悪いことしたでしょう」
僕はお腹に力を入れて、スグル君、と呼ばれた彼を睨んだ。
「悪いこと?」
本当に、何のことか思い出せないような顔で、彼はオウム返しに繰り返した。
「悪いことって、なんのこと?」
「仏様の絵が描かれた衝立、壊したでしょう?」
そこまで言われてようやく思い出したという風に、彼はまるで大人みたいに肩をすくめてみせた。
「ああ、あれね。違う、アレは事故だよ。僕はやめろって言ったんだ、けどバカが中に入るって言い聞かないからさ」
僕がやったわけでもないのに、なんで謝らなきゃいけないのって感じ、と大げさにため息すらついて見せた。
「ほんと、みんな暇なんだね。あんたもそうだし、その人だって」
レジ袋を持った手で、白石さんを指さした。
「わざわざ注意しにきたりしてさ。別に猫が死んだくらいで誰か困るわけでもなかとに、いちいち。そんなことしてる暇あったら、勉強したら?」
やはり白石さんは僕の話を聞いて、ケンちゃんの――彼氏の弟に思い当たったのだ。
それで、それを止めようとして、こんな。
僕は拳を握りしめる。後ろで白石さんが荒い息をしているのが聞こえる。
丸藤さんは、黙ったままだ。
「なんでこんなのが、よかやろうね」
ぽつり、とスグルが呟いた。
「僕はこんなに頑張ってるんのにさ、自分は遊んでばかりで」
そして、憎しみのこもった目を僕らに向ける。
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