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06 精霊王と精霊姫
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シャラララ~~ン!
「はッ! 精霊界!」
人間界の王宮の『控室D』から有無を言わさず飛ばされた精霊姫。
突如目の前に広がる世界にやはり精霊界に戻されてしまった事を知る。
全く、こんな事が出来るなんて、モーブ猊下は本当に人間なのかしら?
シャラララ~~ン!
「はッ! 精霊宮!」
精霊界の入り口だったはずなのに、今度は精霊宮の入り口に飛ばされていて、ギョッとした門番と目が合い、お互いにアワアワしていると――
シャラララ~~ン!
「はッ!?
お、お父様ッ!?
何をやって‥‥」
「おわぁッ!?
精霊姫ッ!?
なッ‥‥どうやって私の隠れ別邸に――
私の結界をどうやって突破したのだ!?」
「きゃあぁぁぁッ!
精霊姫様ッ!?
どうして正妃様の御令嬢がコチラへ!?」
どうやら精霊姫が最終的に飛ばされた先は精霊王の隠れ別邸の寝室。
まさに愛人との ”真っ最中 ”だった精霊王は強い結界を張っていたにも拘らず室内に現れた娘・精霊姫にビックリドッキリを隠せない。
「はッ‥‥この残滓ですらキラキラと美しい魔法は――」
「ちょ‥精霊王様ッ」
精霊王がガバと裸のままベッドから立ち上がる。
急に精霊王に退かれて大開脚状態で全裸が露わになってしまった愛人は足を閉じるのも忘れてシーツを手繰り寄せる。
もはや愛人の存在など完全に忘れ、精霊王は恍惚の表情で語り始める。
「あぁ、我が花、
我が光、
我が命‥‥
我が憧れ、
我が永遠の恋人――
この我の愛を拒んだ唯一の人間、
モーブ猊下であるな!」
「お父様ッ!
ちゃんと服を着て下さいませ!」
精霊姫は全裸で元気いっぱいの父の姿にドン引きである。
魔法で瞬時に身なりを整えさせ、口を開く。
「確かに私をここへ飛ばしたのはモー‥」
カッッ!
シュォッ!
「ああ、私だ」
一瞬の雷光と僅かに空気を揺らしただけで、モーブ猊下が姿を現わす。
「「モーブ猊下ッ!!
‥‥ウッ!?」」
「…まぁ!
何て美しい人間‥‥
是非お近付きに‥‥
くはッ!?」
モーブ猊下の出現に嬉しそうに声を上げた精霊父娘と興味津々の精霊王の愛人だが、金縛りにあった様に体を動かす事が出来ない。
モーブ猊下は淡々とした声で精霊王に告げる。
「精霊姫が私に近付かない様に、精霊姫が人間界のゲートを通れない様にすると約束したはずだが簡単に反故にされ怒りを禁じ得ない。
やむを得なく精霊界から人間界への全ゲートを消滅させる」
「なッ!
ま、待て!
そんな事をしたら、モーブ猊下に会いに行く事も、覗き見する事も出来なくなる!」
「その為にやる!
(覗き見?そんな事していたのかキモチワルイ!)」
カッと強く光ったモーブ猊下から光が四方八方に飛んで行く。
「これでゲートは消滅した。
私が死ぬまでゲートは再生されない。
私の寿命が残りどれほどか分からないが、精霊にとっては大した長さではない」
「ま、待てッ!」
「話を聞いて‥‥」
精霊王と精霊姫が同時に声を上げるが。
「私はポエムバトルで忙しい」
とつれない声。
直後、
カッッ!
シュォンッ!
一瞬の雷光と僅かに空気を揺らし、モーブ猊下が姿を消す。
『ポエムバトル』という魅惑のワードを残して。
モーブ猊下が消えたと同時に金縛りが解けた父娘は顔を見合わせた後ガックリと床に伏す。
「お父様、どうにか」
「――ならない。
モーブ猊下は人間とは思えない魔法を使う。
全く‥‥お前が本気で怒らせるからここまでバッサリやられるのだ。
もう会えない‥‥
どうしてくれるのだ」
「『ポエムバトル』、面白そうですわね」
愛人が呟く。
言うな。
言ってくれるな。
精霊父娘は滂沱の涙を流す。
「はッ! 精霊界!」
人間界の王宮の『控室D』から有無を言わさず飛ばされた精霊姫。
突如目の前に広がる世界にやはり精霊界に戻されてしまった事を知る。
全く、こんな事が出来るなんて、モーブ猊下は本当に人間なのかしら?
シャラララ~~ン!
「はッ! 精霊宮!」
精霊界の入り口だったはずなのに、今度は精霊宮の入り口に飛ばされていて、ギョッとした門番と目が合い、お互いにアワアワしていると――
シャラララ~~ン!
「はッ!?
お、お父様ッ!?
何をやって‥‥」
「おわぁッ!?
精霊姫ッ!?
なッ‥‥どうやって私の隠れ別邸に――
私の結界をどうやって突破したのだ!?」
「きゃあぁぁぁッ!
精霊姫様ッ!?
どうして正妃様の御令嬢がコチラへ!?」
どうやら精霊姫が最終的に飛ばされた先は精霊王の隠れ別邸の寝室。
まさに愛人との ”真っ最中 ”だった精霊王は強い結界を張っていたにも拘らず室内に現れた娘・精霊姫にビックリドッキリを隠せない。
「はッ‥‥この残滓ですらキラキラと美しい魔法は――」
「ちょ‥精霊王様ッ」
精霊王がガバと裸のままベッドから立ち上がる。
急に精霊王に退かれて大開脚状態で全裸が露わになってしまった愛人は足を閉じるのも忘れてシーツを手繰り寄せる。
もはや愛人の存在など完全に忘れ、精霊王は恍惚の表情で語り始める。
「あぁ、我が花、
我が光、
我が命‥‥
我が憧れ、
我が永遠の恋人――
この我の愛を拒んだ唯一の人間、
モーブ猊下であるな!」
「お父様ッ!
ちゃんと服を着て下さいませ!」
精霊姫は全裸で元気いっぱいの父の姿にドン引きである。
魔法で瞬時に身なりを整えさせ、口を開く。
「確かに私をここへ飛ばしたのはモー‥」
カッッ!
シュォッ!
「ああ、私だ」
一瞬の雷光と僅かに空気を揺らしただけで、モーブ猊下が姿を現わす。
「「モーブ猊下ッ!!
‥‥ウッ!?」」
「…まぁ!
何て美しい人間‥‥
是非お近付きに‥‥
くはッ!?」
モーブ猊下の出現に嬉しそうに声を上げた精霊父娘と興味津々の精霊王の愛人だが、金縛りにあった様に体を動かす事が出来ない。
モーブ猊下は淡々とした声で精霊王に告げる。
「精霊姫が私に近付かない様に、精霊姫が人間界のゲートを通れない様にすると約束したはずだが簡単に反故にされ怒りを禁じ得ない。
やむを得なく精霊界から人間界への全ゲートを消滅させる」
「なッ!
ま、待て!
そんな事をしたら、モーブ猊下に会いに行く事も、覗き見する事も出来なくなる!」
「その為にやる!
(覗き見?そんな事していたのかキモチワルイ!)」
カッと強く光ったモーブ猊下から光が四方八方に飛んで行く。
「これでゲートは消滅した。
私が死ぬまでゲートは再生されない。
私の寿命が残りどれほどか分からないが、精霊にとっては大した長さではない」
「ま、待てッ!」
「話を聞いて‥‥」
精霊王と精霊姫が同時に声を上げるが。
「私はポエムバトルで忙しい」
とつれない声。
直後、
カッッ!
シュォンッ!
一瞬の雷光と僅かに空気を揺らし、モーブ猊下が姿を消す。
『ポエムバトル』という魅惑のワードを残して。
モーブ猊下が消えたと同時に金縛りが解けた父娘は顔を見合わせた後ガックリと床に伏す。
「お父様、どうにか」
「――ならない。
モーブ猊下は人間とは思えない魔法を使う。
全く‥‥お前が本気で怒らせるからここまでバッサリやられるのだ。
もう会えない‥‥
どうしてくれるのだ」
「『ポエムバトル』、面白そうですわね」
愛人が呟く。
言うな。
言ってくれるな。
精霊父娘は滂沱の涙を流す。
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