転生侍女は完全無欠のばあやを目指す

ロゼーナ

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第二十一話 三年目:いつか伝説となる日

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 前代未聞の第一王子の婚約解消から始まったふたりの姫のエスコート役交代のあと、観衆からの大歓声に包まれて講堂を後にした赤百合の姫ピヴォワンヌ様とナディル様、白百合の姫リーリエ様とアルベール様の二組は、儀式が行われる神殿へと向かった。

 国王陛下ご夫妻を始め、来賓の方々が先に神殿に入場するため、その間四名は神殿の控室で待機することとなる。講堂からの退場時には幸せそうな笑顔を振りまいていた二組だが、講堂を出て極度の緊張から解放された瞬間に、それぞれがどうにも気恥ずかしくなってしまったようで、控室に到着するまでは誰一人口を開かなかった。私はサラさんと共に、ふたりの姫の化粧直しのため控室へと同行した。

 控室のソファーに腰掛け、ようやく人目につかない場所で一息ついたところで、あらためてアルベール様とナディル様はピヴォワンヌ様とリーリエ様に大変な騒動にしてしまったことを深く謝罪した。ピヴォワンヌ様はアルベール様が何やら動いていたことは知っていたため、そこまで大きな動揺はなかったものの、リーリエ様は自分のせいで大変なことになってしまったと、かなり落ち込んでしまっていた。

 私たちは必死でリーリエ様が自分を責める必要などないことを説明した。それぞれが自分と友人の幸せのために選んだ道であること、また、あの場ではあのような形になったが、王家とピアニー侯爵家、カクトゥス大公国のディセントラ公爵家には、アルベール様とナディル様である程度話を通していたことも告白し、ようやくリーリエ様も事態を飲み込めたようだった。その後、余計なことを言わずに素直にアルベール様のエスコートを了承していれば、あのような公衆の面前での告白は避けられたと気付いたリーリエ様が卒倒しそうになっていたところに、クラスメイトがやってきた。

「みんな、儀式の前から大仕事だったね。お疲れさま!」
「リーリエさんー!ピヴォワンヌ様ー!どうなることかと思いましたが良かったですー!おめでとうー!」

 オリアンダー伯爵家のイーサン様とエヴリン様は笑顔で労いと祝福のことばをかけた。エヴリン様はリーリエ様とピヴォワンヌ様に抱き着いている。

「それぞれ反省したり凹んだりしてると思ったから、朗報を仕入れて来たよ。アール、エマ、報告よろしく」

 イーサン様の言葉でアールさんとエマさんの従者兄妹が一歩前に進み出た。

「はい、イーサン様。まず、来賓の反応ですが、当初はアルベール殿下の婚約解消に困惑の声が上がりましたが、その後の一幕で王子の気まぐれではなく真剣な想いであることが伝わったこと、また、ピヴォワンヌ様の幸せそうなご様子から、ピアニー侯爵家の顔に泥を塗ったわけでもないと分かったため、概ね好意的に受け止められています。元々評判の高いピヴォワンヌ様とリーリエ様ですので、そこを押しのけて自分の娘を殿下の新たな婚約者に据えようとする動きも今のところありません。学生たちの反応からも、幸せそうなふたりを邪魔しようとすれば批判の声が自分の方に向くと考えるでしょう。陛下が二組をお認めになる姿勢を見せたことからも、反対ではなく賛成の姿勢で王家への忠誠を示す方が良いという意見が大半のようです」

 アールさんの淀みない報告にエマさんが続く。

「学生の反応は、私が言うまでもないですが、おとぎ語のような純愛として非常に好意的です。ピヴォワンヌ様につきましては、これまでの毅然としたご様子や妖艶な雰囲気とは違う、花が綻んだようなお可愛らしさが大評判となり、ファンクラブ会員が今日だけで二割増加しています。これまでは女性ファンが圧倒的でしたが、心を撃ち抜かれた男子生徒の加入も増えているようです」

「ふぁ、ふぁんくらぶ…?わたくしにそのようなものが…?」

 Sクラスの貴族子女には、非公式のファンクラブが存在している。私たち従者・侍女は当然ながらその動向は常に抑えているが、当人たちには必要がなければ知らせていない。アルベール様とナディル様はそのような存在があることは把握しており、さらにイーサン様とエヴリン様については、ファンクラブを自分の情報収集と拡散の駒としてうまく活用しているが。つまり、知らなかったのはピヴォワンヌ様とリーリエ様だけである。

「ピヴォワンヌ様、そのような些末なことは気にしなくて良いのですよ。一部の生徒が勝手に結成しているだけなのですから。男子生徒のファン増加は少々心配ですので、これからはしっかりと私がお守りいたします」

 ファンクラブの存在を知り驚いているピヴォワンヌ様の手を、ナディル様が良い笑顔で握っている。その笑顔は私には真っ黒にしか見えないが、ピヴォワンヌ様が幸せそうなので良しとする。

「続いてリーリエ様のファンクラブですが、こちらは元々は男子生徒が中心だったところ、女生徒の加入が急増しております。殿下を想うがゆえにエスコートをきっぱりと断った凛としたお姿と、勇気を出してはっきりと想いを告げられたお姿に心打たれた者が多いようです。元々アルベール殿下とピヴォワンヌ様の間に割って入ろうなどという不届き者はいなかったため、殿下への恋心ゆえに嫉妬する女生徒もおらず、素直に祝福する声が大多数です。まあ、陰で泣いている男子生徒は数えきれないでしょうが、リーリエ様のお気持ちに反して殿下に対抗しようなどという者はおりません。結果的に、リーリエ様のファンクラブというより、リーリエ様とアルベール様の恋を応援する会へと変わっていきそうです」

「エマの報告に補足します。来賓の貴族の中には、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジプソフィラ子爵家との縁組みを狙っていた者も少なくありませんでしたが、相手が王家ではどうにもならないと弱気になっております。今後は陛下もおふたりの交際を認める方針だとさらに情報を流し、完全に諦めさせる予定です」

 エマさんとアールさんはこの短時間でこれだけの情報を集めて来たらしい。さすがはオリアンダー伯爵家の従者だ。

「つまり、結果的にはリーリエさんがアルベール様のエスコートを断ったのは大正解だったんだよ。あれで、リーリエさんとジプソフィラ子爵家はこの婚約解消にはまったく関わっていないことが誰の目にも明らかになったし、大勢の証人の前で愛の告白をした殿下とその想い人を応援しようという風向きになったんだ」

 状況をまとめたイーサン様は、リーリエ様の目を見て話している。今いちばん自分を責めていたのがリーリエ様だと判断し、安心させようという配慮が感じられた。

 ようやく冷静に状況を受け止め、安心した様子のリーリエ様が、次に心配したのはアルベール様とナディル様の衣装のことだった。
 ふたりはそれぞれ赤百合の姫と白百合の姫のエスコートのため、姫に合わせた色を纏っていたからだ。アルベール様は黒の礼服に赤のマント。ナディル様には濃い灰色の礼服に白のマント。儀式の参列者は誰もが事の次第を知っているとはいえ、エスコート役が入れ替わったことで服装が浮いてしまっているのは明白であった。

「せっかくターニャが素敵な衣装を用意してくれたのに…申し訳ないわ…」

 リーリエ様が気にしたポイントはそこだった。どうしよう、うちのご主人様が可愛すぎる…!と私が心の中で悶えたことは言うまでもない。

「ああ、それなら心配ありませんよ」

 私が説明しようと思ったところで、ナディル様がそう言ったので、実際に見てもらうことにした。アルベール様とナディル様はジャケットの肩の部分の飾りを外し、前身頃に流す形になっていたマントを背中側へバサりと翻した。私はふたりの後ろに回り、飾りボタンで調節する。これによって一瞬でアルベール様のマントは赤から白に、ナディル様のマントは白から赤に変わり、それぞれの姫の色合いと調和する。ふたりのマントは元々リバーシブルで作っていたのだ。

「ピヴォワンヌのことは任せたぞ、俺が言えたことじゃないが、絶対に大事にしろ」

「確かにあなたが言えたことではないですね。ご心配なさらず、誰よりも幸せにします。リーリエさんのこともしっかり守ってくださいね」

「無論だ」

 そう言ってアルベール様とナディル様は、胸元に差していた赤百合と白百合を交換し、あらためて自分のポケットに花を差した。これでエスコート役の衣装も完璧に整えられた。

「さすがターニャですわね」

「ああ、ターニャがリーリエさんを悲しませるようなことをするわけがないからな」

 衣装に問題がないことをその目で確認し、ピヴォワンヌ様とアルベール様の言葉で胸がいっぱいになったリーリエ様は、その瞳にまた涙を溜めて、私に抱き着いてきた。今日の舞台上を除き、リーリエ様が私の前で涙を見せたのも、このように甘えてきたのも初めてのことだった。

「…っ!ターニャーーー!」

「リーリエ様、前もって何もお伝えせず、お辛い想いをさせてしまい申し訳ございませんでした」

 ぎゅうぎゅうと締め付けてくる力の強さには、リーリエ様の苦しさ、緊張、安堵、感謝といったいろんな気持ちが込められているのが分かった。うん、私のご主人様はやっぱり本当に可愛い。そして、主人の幸せを考えてのこととは言え、黙っていたことで辛い思いをさせてしまったことに、胸を締め付けられた。このお詫びは生涯おそばにお仕えすることでなんとか許していただきたいものだ。

 この後、涙がおさまったリーリエ様の化粧を直し、服装を整え、神殿へと送り出した。一般生徒は今日は神殿には入場できず、主役四名以外のクラスメイトは儀式には参列できなかったため、これは後でリーリエ様に聞いた話となる。

 作法に則りふたりの姫は神殿の祭壇に赤百合サンライトリリーのブーケと白百合ムーンライトリリーのブーケを奉納した。元々この組み合わせで練習していたのではないかと言われたほど、姫とエスコートの息はぴったりで、後で来賓が絶賛するほど、スムーズに儀式を終えられたという。

 そして緊張しすぎて入場時には気付かなかったそうだが、退場の際にリーリエ様は、参列席のいちばん後ろに、父であるジプソフィラ子爵の顔を見つけて飛び上がりそうなほど驚いたそうだ。

 そもそもこの一連のエスコート問題は、ジプソフィラ子爵が仕事のために学院祭に来られないというのが発端になっていた。ジプソフィラ子爵、つまりジプソフィラ家の侍女である私にとっては旦那様であるが、今年の学院の夏休みに子爵家の領地にて過ごした際に、旦那様には今後起こりうる可能性について私からこっそり報告済みであった。リーリエ様ならばきっと学院祭の姫役に選ばれるため、その際にはエスコート役は断るようにもお願いしてあったのだ。

 双花奉納の儀には、姫とエスコート役の親族は参列可能なので、愛娘の晴れ舞台を見るために、旦那様はリーリエ様には内緒でこっそり学院祭に来ていた。ちなみに、リーリエ様がいない隙を狙って、リーリエ様の学習発表の掲示物や、展示されていた作品等もこっそりと鑑賞していた。

 父親が学院祭に来ていた、つまり講堂で起きた騒動、とくに自分が公衆の面前で第一王子に愛の告白をされ、また同じ告白を返した場面をばっちり見られていたことに気付いた瞬間、リーリエ様は今度こそ本当に気を失いそうになったという。白百合の姫として、アルベール様にエスコートされている状況で、これ以上の失態は見せられないと、必死で意識を手繰り寄せたそうだ。…本当に、リーリエ様に大変なストレスをかけてしまって申し訳なく思ったのであった。


 ∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴

 神殿にて双花奉納の儀が執り行われている間に、使用人科の学生によって講堂は後夜祭仕様に整えられた。また、貴族科の学生はこの間にドレスアップを行う。

 儀式を終えた赤百合の姫と白百合の姫が再度講堂に戻り、エスコート役と共にファーストダンスを披露したら、後夜祭の舞踏会の幕開けだ。

 普段は陰に徹しているが、ターニャを除く貴族科特別クラスの従者・侍女は、全員が貴族であるため、この舞踏会への参加は可能である。しかし、姫たちが儀式を終えて講堂に入場したとき、従者たちの姿はなかった。白百合の姫役のリーリエは珍しくターニャの姿が見えないことが気になったものの、主役としての最後の大仕事であるファーストダンスに集中する。おそらく何か魔術道具で調節されているのだろう、音楽の開始と共に、講堂の照明が調節され、ふたりの姫とエスコート役が照らし出される。

 第一王子アルベールは、リーリエの手を取り、愛おしそうに見つめながら、軽やかなステップを踏む。一方、リーリエは初めて想い人とこれほど長時間近くに体を寄せ合っていることに動揺している。しかも今日の告白劇によって学院中の生徒からの注目はさらに増しており、そんな状況でダンスを披露することに必死であった。

「…リーリエ」

「…!」

 初めてアルベールに呼び捨てで呼ばれたリーリエは、彼の漆黒の瞳を一瞬見つめ、恥ずかしげに目を反らす。アルベールはそんな彼女の様子に目を細め、的確なリードでダンスを続けながら、話しかける。

「これまでも、今日も、たくさん辛い思いをさせてしまってすまなかった。…本当はふたりきりのときに、きちんと愛を告げたいと思っていたのだが…」

 アルベールは困ったような顔で笑う。

「おそらくこの後もふたりになれる機会はそうそうないだろう。だから、今言わせてほしい」

 密やかな声ながら真剣な様子のアルベールに、リーリエは頷く。

「乗り越えなければならないことは多くあるが、俺はあなたを正々堂々と迎えられるよう全力を尽くす。だからそれまで待っていてもらえるだろうか。…いや、違うな。俺と一緒に、乗り越えてくれないか」

 リーリエは嬉しそうな、それでいて今にも泣きだしそうな表情を浮かべ、答える。

「…はい。アルベール様に相応しい者として皆に認めてもらえるよう、私も努力します」

 リーリエは決意を込めた目でアルベールを見つめ、そして勇気を振り絞り、最上の微笑みを浮かべて告げる。

「…アルベール様、…愛しています。この気持ちを口にできる日が来るなんて思いもしませんでした」

 思わぬリーリエの攻撃に、アルベールは生まれて初めてステップを踏み誤りそうになったのを全力で修正した。

「…可愛すぎるだろう。あなたのその言葉だけでこれからどんなことでも頑張れそうだよ」

 第一王子として育てられたポーカーフェイス力を総動員しているアルベールは、傍目には表情の変化は分からない。しかし、今彼のいちばん傍にいるリーリエには、彼の耳が真っ赤に染まっているのが見えた。

「リーリエ、俺もあなたを心から愛しているよ」

 白百合のような、清楚でありながらも人々を惹きつけてやまない微笑みを浮かべたリーリエと、愛おしそうに彼女を見つめた第一王子の姿は、この後何年も、王立学院の生徒の間で語り草となるのであった。


 ∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴

 赤百合の姫を務めたピヴォワンヌと、エスコート役となったナディルも、息の合った華麗なダンスを披露していた。しかし、ナディルはピヴォワンヌが微笑みながらもどこか不機嫌そうであることに気付いた。

「ピヴォワンヌ様とこうして後夜祭の場でファーストダンスを踊れるなど、夢のようです。…ですが、ピヴォワンヌ様、あなたに黙って一方的にこのような画策をした私のことは、やはりお許しいただけないでしょうか…」

 ナディルは顔には出していないが、内心ではだいぶ焦っていた。公衆の面前で、断れない状況を作り強引なやり方をしたことが、誇り高い彼女を傷つけてしまったのかもしれない。

「…別にナディル様のことを怒っているわけではありませんわ…」

 ピヴォワンヌも表情には絶えず微笑みを浮かべているが、声はやはり不機嫌だ。ナディルが次の言葉を考えていると、ピヴォワンヌが続けた。

「わたくしは、自分自身に腹を立てているのですわ。確かに今日の事態には驚きはしましたが、アルベール様も、ナディル様も、そしてリーリエさんも、誠実で立派だったと思っております。…わたくしは、勇気ある友人たちの傍らにありながら、わたくしだけが自らの気持ちを語らず、楽な方へ逃げたことが許せないのです」

「…ピヴォワンヌ様?」

 ナディルは、後に続くピヴォワンヌの言葉が予想できず、ただ言葉を待つ。

「…ナディル様。今日わたくしがナディル様からのエスコートのお申し出をお受けしたのは、ただ都合が良かったからでも、あの場の空気に流されたからでもありませんわ」

 ピヴォワンヌの紅玉の瞳に射抜かれたナディルは、彼女の瞳から目が離せない。そしてピヴォワンヌは、ナディルだけにしか聞こえない、小さな小さな声で、そっと本音を告げた。

「…わたくしも、ナディル様をお慕いしております」

「…!」

 ナディルが沈黙したままなので、ピヴォワンヌは慌てて言葉を続ける。実際にはナディルは感激しすぎて言葉を失っているだけなのだが。

「わ、わたくしが、今日舞台上でお伝えしたように、今すぐにお気持ちにお応えできないのは事実ですわ。侯爵家の娘として生まれた以上、父の了承も得ずに勝手なことはできませんもの。ですが、大切な友人であるアルベール様とリーリエさん、そしてナディル様が真摯に想いを告げていたのに、わたくしだけが何も言わなかったのは卑怯だと思いましたの。…わたくし、ナディル様のお気持ちが本当に嬉しくて……きゃあ!」

 小声で話していたピヴォワンヌが悲鳴を上げた。それまで型通りのダンスを踊っていたナディルが、彼女をリフトアップしてくるくると回したのだ。ダンスを見ていた観客からは歓声が上がる。

「ちょ、ちょっとナディル様!こんなステップはございませんでしてよ!」

「ははは、これは我が祖国カクトゥス大公国のダンスですよ」

 ナディルはさらりと嘘をつく。そして再び通常のステップに戻り、そっとピヴォワンヌの耳元に顔を寄せる。

「…やっとあなたの気持ちを聞けました。ピヴォワンヌ様、私も心から愛しています」

「…あ、あなたのお気持ちは、お手紙で十分に存じておりますわ」

「いやだなあ、私の気持ちはあのくらいでは全然伝えきれておりません。これからは伝えさせてくださいね」

「…もう!」

 少し拗ねたような表情を見せながらも幸せそうなピヴォワンヌに、周囲の生徒は釘付けになっていた。第一王子の婚約者として、常に美しく隙のない印象だった彼女が、これほど表情豊かに、楽しそうに踊る姿を誰もが初めて目にしたのだ。心から幸せそうな赤百合の姫の姿に、今日の第一王子との婚約解消とナディルからの求愛は、美しい恋物語として広められていくのであった。

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