~~異世界帰りの最強勇者~~  なぜか理不尽だらけのクソダンジョンで実力を発揮。助けた美少女配信者や元魔王様から好意を受けバズってしまう

静内燕

文字の大きさ
上 下
43 / 99

第43話 4人の激闘

しおりを挟む

 戦闘狂との戦い。情け容赦は必要ない。セラフィールか持っていた槍が真っ青な炎に包まれる。
 セラフィールの特徴だ。真っ青で、普通の炎属性より魔力も温度も強力で高いのが特徴。

 振りかざしてきた槍を、軽く横跳びになってかわす。
 振りかざした時に触れる風が、熱風であるかのように熱い。火だからといって水属性の攻撃を当てても水自体が一瞬でしまうほどだ。

 彼女の攻撃を防御しきるのは不可能といってもいいそれなら手段は一つ。

「こいつの炎は防ぐことは難しい。受けに回ろうとするな。最後まで攻めて勝つ」

「わかりました」

 コクリとうなづく璃緒。こいつの攻撃を受け続けたら体の中が焼け爛れる。何度も攻撃を続けるしかない。

 ネフィリムとアイコンタクトを取り、同時にセラフィールに向かっていく。

「来いよ!!」


 息はぴったり合ってる。同じタイミングで左右から剣を振りかざす。いくら魔力が強かろうと1本の槍でこの攻撃を防ぎきるのは困難。どっちかの攻撃が通る可能性は十分にある。

 しかし、セラフィールはニヤリと笑みを浮かべた。

「ほう──闇雲に突っ込んでくるわけじゃねぇみてぇだな。だが、甘ぇよ!」

 そのまま体を回転させる。

「光をも焼き尽くす業火。そびえたつ柱となり闇を差す力と鳴れ 火災旋風!!」
 セラフィールの槍から、炎が強く出現。天井まで舞い上がる柱となった。

 素早い回転で俺とネフィリムの攻撃をはじく。はじかれた瞬間、槍から衝撃波のように熱波が俺たちを襲い始めた。


「ゴホッゴホッ──」

 何とか魔力を防御に回すがそれでも苦しい。璃緒に至ってはこういった経験がなかったのか、強く咳き込んでいた。
 マジで肺が焼けそう。思い出すな、こいつの広範囲の攻撃。浴びたやつのほとんどは気管支が腫れ上がり窒息して死んだ。

 こいつの強いところがこれだ。普通の奴なら、いくら攻撃事態が強くても動きを読み切ってかわしたり無理やり強い術式を放って相打ちにさせるという事もできるがこいつはそうもいかない。

 こいつは、攻撃させること自体させちゃいけないんだ。熱波自体で周囲の人間を殺せるんだ、
 息を止め、攻撃を再開。攻撃するスキを与えてはだめだ。


 無理やり体勢を立て直し、一気に突っ込んでいく。それから、前がかりになって連続攻撃。
 横一線に薙ぎ払い、突きを見舞う。カウンターを食らう可能性もあるが、どんな戦いをしたってリスクはある。それなら、攻め続けたほうがはるかにいい。

「無謀な突進だな」

 無謀ではない。こっちが攻撃を続ければセラフィールは防御に転じなければいけなくなる。それならば、攻撃をする意味はある。


「そうかもしれないな。でも、無茶をしなくちゃ、おまえには勝てないってわかってるから」

「そうなのじゃ!」

 俺の攻撃をセラフィールが受けたのと同時に、ネフィリムが背後から攻撃を掛ける。

「さっきと同じ攻撃なら、同じ結果しか出ねぇよ」

 セラフィールが再び体を回転させようと腰をひねる。

「火災旋風!!」


 しかし、さっきと違うのはこれからだ。自信満々の表情のセラフィールはさらに熱風を繰り出してきた。

「お前たちを、燃やし尽くしてやる!」

「それはどうかな!」

 大丈夫、対策はしっかりできてる。俺は後ろを向いた。

「璃緒、行け!」

「わかりました。行きます!!」


 後方から叫び声が聞こえた。そう、璃緒だ。体を回転させているセラフィールは無防備とも言っていい状態。璃緒の遠距離攻撃が入る。璃緒は、自身の件に思いっきり魔力を叩き込んでセラフィールにぶつけていった。

「聖なる輝きの力。悠久の戒め解き闇を打ち払え!! スターアライズ・エアレイド」

 背中で魔力の気配を感じながら、璃緒の攻撃を避ける。

「やるねぇ」

 高速でセラフィールに向かっていく白い光を纏った光線。セラフィールにぶつかった瞬間大爆発を起こす。

「あぶねぇ、俺の攻撃が相打ちに持ってかれるとはよぉ」

 セラフィールが放っていた衝撃波が璃緒の攻撃にぶつかって互いに打ち消しあう形に成った。

「もう一撃です!」


 それでも璃緒はあきらめない、というか最初からそのつもりだったのだろう。特に驚きはなくもう一撃攻撃を放っていった。

「聖なる輝きの力。悠久の戒め解き闇を打ち払え!! スターアライズ・エアレイド」

「連射かよ。この女もただもんじゃねぇな」

 璃緒の攻撃がセラフィールにぶつかっていくと、セラフィールは体を無理やり投げてその攻撃をギリギリで回避。これで仕留められないのか……。しかし、怯んではいられない。常に攻撃を続けていかないと。

「いいねぇ、コンビネーションの良さ。流石だな」


 セラフィールが着地した瞬間に前後から挟み撃ちにするように攻撃を仕掛けたが、セラフィールがネフィリムに向かって突進してきた。

 目に見えないくらいの速さで連撃を放ってくる。連続攻撃にネフィリムは防戦一方。

「なんだよ、俺の元上司なんだからもうちょっと粘ってくれよ」

「黙れなのじゃ」


 やはり、異世界にいた時よりも数倍は動きが早くなってる。俺はネフィリムともセラフィールとも戦ったことがあるがやはりネフィリムの方がパワーもスピードも1真央上手だった。
 それが今──セラフィールが完全に上回っている。

「俺は──お前が勇者に負けて遊んでいる間強くなるために努力していた」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

処理中です...