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第21話 他パーティーは苦戦
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それで、今度は俺を煽ってきたということか。
その中心人物であるリーダー「ヒデヤ」が腰を曲げて嫌味な笑みを向けてきた。
まるで、時代劇とかに出てくる小悪党みたいだ。正直軽蔑しかない。
「この前のはまぐれだったんだろ?」
「どうせ化けの皮が剥がれるよ」
「あいつらに金を渡したんだろ。目立ったことをして少しでも再生数と登録者数を稼ごうとしてるんだろ。やらせで、この底辺」
大笑いで、俺のことをバカにしている。言葉を返す気にもならず身視していると、ネフィリムが納得いかないのかぷんすかと怒って言い返す。
「待つのじゃ。澄人はそんなことしない。腹が立つのじゃ」
「なんだこの女。どうせ雑魚だろ。見たことないしな」
「こやつ」
ちょっと怒ってるから、肩をつかんでとめる。
「放っておけ、つまらない挑発に乗るな」
「しかし」
「いいから。今は目の前の敵に集中しろ。俺がその程度の挑発に乗ると思うか?」
「そうじゃな。わかったのじゃ」
大きくため息をついて、何とか納得してくれた。ネフィリムなら、こういう小物と言い争ったところでいいことないとわかっている。相手にしても無駄だし無視するしかない。
戦いは続いている。やることは他に燃えると思い、こいつらを無視して戦いを続けた。
敵は数種類いる。大きな翼をもち、空から攻撃を仕掛けてくる「デス・マンドラゴ」。
強力な肉体を持ち、腕っぷしの強さを生かして肉弾戦を仕掛けてくる「パープル・ウルフ」。
ネフィリムと一緒に、1体ずつ倒していく。
やはり、胴体付近でないと当たり判定がない。ウルフが殴りかかってくるタイミングでマンドラゴが急降下してくるときついものがある。
マンドラゴの攻撃を受けてカウンターでマンドラゴの肉体を真っ二つに切り刻んだ。しかし背後から2体のウルフが突っ込んでくる。どっちもマンモスのように鋭い牙を持っていてまともに食らえば大けがは必至。
相打ち覚悟で強引に体を方向転換して、ウルフに立ち向かおうとすると。
「させぬのじゃ!!」
ネフィリムが応戦してくれた。大きなステッキを出して、ウルフ2体に向ける。
「ミラージュライト・ストーム!!」
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!
強い光が突然出現し、それがウルフたちに向かっていく。光はウルフに直撃した瞬間大爆発を起こし、2体のウルフの肉体が木端微塵に消し飛んだ。
あれ、ネフィリムの中で一番弱い呪文だったはず。それでも一撃で仕留めるとは──さすがだ。
にっこりとした笑顔で、親指を立ててくる。
それからも、2人でモンスターを次々と倒していく。
俺もネフィリムも、初めて一緒に戦ったのにそれなりにコンビネーションが良い。
ネフィリムのことは、戦ってきたライバルだけによくわかっている。どんな戦い方をするか、どんな力を持っているか。
ネフィリムも、同じように考えているのだろうか。俺を信頼しているように思えた。今までも、戦っている時も。
あっという間に、半分近くの敵を倒してしまった。流石はネフィリムというわけだ。
「この辺りはいい。別のところに行って他の人たちを助けよう」
「わかったのじゃ」
一方、背後にいた「カタストロフ」からは悲鳴の声が聞こえていた。
「魔法攻撃が全然通らないぞ。俺Aランクなのに??」
つんつん頭で、目つきの悪い男「テツロウ」がステッキから電撃の魔法攻撃を放ちながら叫ぶ。
他にも困惑して、苦し紛れに何度も魔法攻撃を放つ冒険者もいる。
いずれも、マンドラゴに向けての攻撃。
でも俺が切り刻んだ時は全く強いと思わなかった。ネフィリムがウルフにはなった時は攻撃は通っていた。
数体倒したが、俺が戦ってきたやつらと差があるとは思えない。ということはつまり──。
「あのマンドラゴ、魔法防御が固くて物理防御がやわらかいんだ」
魔法攻撃が聞きにくい、魔法を捨てて物理で殴ればいいってやつだ。
物理攻撃に対する防御は比較的低い。
「なんだよそれ、ずるくね」
「卑怯だろ」
「なんだよそれ」
ぶつぶつと、不平不満を愚痴る配信者。確かに、以前の俺だったら同じ反応をしていたかもしれない。しかし、異世界で勇者として戦ってきた俺にそんな発想は出てこなかった。
あっちの世界は、理不尽だらけ。魔王軍は──俺たちを倒すためにありとあらゆる策を講じてきた。
寝込みを襲ったり、料理のコックに裏金を渡して傷んだ料理を渡して体調不良を起こさせたり──。
それでも最後まで戦い抜いた。
だって、俺達だって魔王軍だって命がけで、自分たちの存亡をかけて戦っている。
戦場で、後ろから撃たれて「卑怯だ」と騒いでも誰も理解されない環境でいた俺にとって、この程度なんでもなかったのだ。
「魔法攻撃は通らない。物理攻撃で対抗しろ!!」
周囲に向かって叫ぶ。
それからも、他の配信者のサポートをしながらモンスターたちを倒していった。
気が付くと7割ほどのモンスターは死体となっていて次第に有利な状況に。
“すげぇ、AランクやBランクが苦戦してる魔物たち相手に、無双しまくってるじゃん”
“こいつ、やっぱり本物だよ”
“Bランククラスが苦戦してるのに、余裕そうだもんな”
俺とネフィリム、いいコンビかもしれない──そう考えた時。
「死にたくない死にたくない死にたくない」
悲鳴を上げて叫んでいるのは、さっき俺をバカにしていたパーティ「カタストロフ」の「ヒデヤ」と赤髪の女。
金髪で、ヤンキーっぽい外見のヒデヤが戦っているのは……。
「ヒュドラだ」
その中心人物であるリーダー「ヒデヤ」が腰を曲げて嫌味な笑みを向けてきた。
まるで、時代劇とかに出てくる小悪党みたいだ。正直軽蔑しかない。
「この前のはまぐれだったんだろ?」
「どうせ化けの皮が剥がれるよ」
「あいつらに金を渡したんだろ。目立ったことをして少しでも再生数と登録者数を稼ごうとしてるんだろ。やらせで、この底辺」
大笑いで、俺のことをバカにしている。言葉を返す気にもならず身視していると、ネフィリムが納得いかないのかぷんすかと怒って言い返す。
「待つのじゃ。澄人はそんなことしない。腹が立つのじゃ」
「なんだこの女。どうせ雑魚だろ。見たことないしな」
「こやつ」
ちょっと怒ってるから、肩をつかんでとめる。
「放っておけ、つまらない挑発に乗るな」
「しかし」
「いいから。今は目の前の敵に集中しろ。俺がその程度の挑発に乗ると思うか?」
「そうじゃな。わかったのじゃ」
大きくため息をついて、何とか納得してくれた。ネフィリムなら、こういう小物と言い争ったところでいいことないとわかっている。相手にしても無駄だし無視するしかない。
戦いは続いている。やることは他に燃えると思い、こいつらを無視して戦いを続けた。
敵は数種類いる。大きな翼をもち、空から攻撃を仕掛けてくる「デス・マンドラゴ」。
強力な肉体を持ち、腕っぷしの強さを生かして肉弾戦を仕掛けてくる「パープル・ウルフ」。
ネフィリムと一緒に、1体ずつ倒していく。
やはり、胴体付近でないと当たり判定がない。ウルフが殴りかかってくるタイミングでマンドラゴが急降下してくるときついものがある。
マンドラゴの攻撃を受けてカウンターでマンドラゴの肉体を真っ二つに切り刻んだ。しかし背後から2体のウルフが突っ込んでくる。どっちもマンモスのように鋭い牙を持っていてまともに食らえば大けがは必至。
相打ち覚悟で強引に体を方向転換して、ウルフに立ち向かおうとすると。
「させぬのじゃ!!」
ネフィリムが応戦してくれた。大きなステッキを出して、ウルフ2体に向ける。
「ミラージュライト・ストーム!!」
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!
強い光が突然出現し、それがウルフたちに向かっていく。光はウルフに直撃した瞬間大爆発を起こし、2体のウルフの肉体が木端微塵に消し飛んだ。
あれ、ネフィリムの中で一番弱い呪文だったはず。それでも一撃で仕留めるとは──さすがだ。
にっこりとした笑顔で、親指を立ててくる。
それからも、2人でモンスターを次々と倒していく。
俺もネフィリムも、初めて一緒に戦ったのにそれなりにコンビネーションが良い。
ネフィリムのことは、戦ってきたライバルだけによくわかっている。どんな戦い方をするか、どんな力を持っているか。
ネフィリムも、同じように考えているのだろうか。俺を信頼しているように思えた。今までも、戦っている時も。
あっという間に、半分近くの敵を倒してしまった。流石はネフィリムというわけだ。
「この辺りはいい。別のところに行って他の人たちを助けよう」
「わかったのじゃ」
一方、背後にいた「カタストロフ」からは悲鳴の声が聞こえていた。
「魔法攻撃が全然通らないぞ。俺Aランクなのに??」
つんつん頭で、目つきの悪い男「テツロウ」がステッキから電撃の魔法攻撃を放ちながら叫ぶ。
他にも困惑して、苦し紛れに何度も魔法攻撃を放つ冒険者もいる。
いずれも、マンドラゴに向けての攻撃。
でも俺が切り刻んだ時は全く強いと思わなかった。ネフィリムがウルフにはなった時は攻撃は通っていた。
数体倒したが、俺が戦ってきたやつらと差があるとは思えない。ということはつまり──。
「あのマンドラゴ、魔法防御が固くて物理防御がやわらかいんだ」
魔法攻撃が聞きにくい、魔法を捨てて物理で殴ればいいってやつだ。
物理攻撃に対する防御は比較的低い。
「なんだよそれ、ずるくね」
「卑怯だろ」
「なんだよそれ」
ぶつぶつと、不平不満を愚痴る配信者。確かに、以前の俺だったら同じ反応をしていたかもしれない。しかし、異世界で勇者として戦ってきた俺にそんな発想は出てこなかった。
あっちの世界は、理不尽だらけ。魔王軍は──俺たちを倒すためにありとあらゆる策を講じてきた。
寝込みを襲ったり、料理のコックに裏金を渡して傷んだ料理を渡して体調不良を起こさせたり──。
それでも最後まで戦い抜いた。
だって、俺達だって魔王軍だって命がけで、自分たちの存亡をかけて戦っている。
戦場で、後ろから撃たれて「卑怯だ」と騒いでも誰も理解されない環境でいた俺にとって、この程度なんでもなかったのだ。
「魔法攻撃は通らない。物理攻撃で対抗しろ!!」
周囲に向かって叫ぶ。
それからも、他の配信者のサポートをしながらモンスターたちを倒していった。
気が付くと7割ほどのモンスターは死体となっていて次第に有利な状況に。
“すげぇ、AランクやBランクが苦戦してる魔物たち相手に、無双しまくってるじゃん”
“こいつ、やっぱり本物だよ”
“Bランククラスが苦戦してるのに、余裕そうだもんな”
俺とネフィリム、いいコンビかもしれない──そう考えた時。
「死にたくない死にたくない死にたくない」
悲鳴を上げて叫んでいるのは、さっき俺をバカにしていたパーティ「カタストロフ」の「ヒデヤ」と赤髪の女。
金髪で、ヤンキーっぽい外見のヒデヤが戦っているのは……。
「ヒュドラだ」
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