22 / 99
第22話 お姫様抱っこ(される側)
しおりを挟む
こいつ、ここにいたのか。ヒデヤと女は2人がかりで立ち向かおうとするが全く歯が立っていない一方的な戦いになっている。ヒュドラを倒すならAクラスの実力は必要のはず。
彼らでは荷が重そうだ。
「なんだこいつ、強くね?」
「この雑魚が!!」
ヒュドラが魔剣「デス・ガノン」を地面にたたきつけると、大きな爆発を起こし2人は吹っ飛ばされる。
「死ね」
空中で身動きが取れない2人に、ヒュドラは体から翼を生やして一直線に飛んでいく。
「助けて、助けて、助けてくれぇぇぇぇぇぇ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ」
仕方がない──嫌な奴だからといって、無視するわけにはいかない。こんなことはいくらでもあった。両足に魔力を込めてジャンプして、ヒュドラの元へ。
何とか2人とヒュドラの間に割って攻撃を受ける。間に合った。剣に魔法を込めて、それを使って空中で身体を維持。魔力効率が悪いが、これしか宙に浮く手段はない。
ヒュドラに視線を向けると、にやりと気味の悪い笑みを浮かべた。
「勇者め、かかったな」
ヒュドラがピッと指をはじくと、周囲にマンドラゴが出現し始めた。それも、次々と現れ20体ほどとなる。
「狙っていたのか?」
「お前がお人好しなのは知ってる! この状況ならば、たとえ危険を承知でもお前は2人を助けようとする。たとえどんなクソ野郎だろうとな」
何度も戦ってきただけはあるな。俺のことを知り尽くしているとは──。
「まともに戦っても勝てないのは知ってる。だから策を講じたのさ」
「待てヒュドラ、わらわもいるぞ!」
ネフィリムが慌ててこっちに向かってくる。灰色の鳥のような翼を生やして。
「これはこれはネフィリム様。勇者様とデートですか?」
「もう人間たちを襲うような真似はさせぬのじゃ」
ネフィリムがヒュドラに突っ込んでいくと、ヒュドラは大きく後退して2人は俺と距離を取る形となった。
「フン──ネフィリム様とて今は敵味方関係。剣を抜いたからにはこっちも相応の答えを出す」
その瞬間、ネフィリムの周囲にもマンドラゴ。それも俺の時の倍近く。20体はいる感じだ。
「真剣勝負に卑怯もクソもあるか。勝ち残ることこそ正義なのだ。ちなみに俺の魔力を憑依させていて普通のよりも倍近い強さがあるぞ」
「変わってないな──」
じっとヒュドラをにらみつけるネフィリム。負けはしないが時間はかかるかもしれない。
考えていると、こっちのマンドラゴが一斉に突っ込んできた。四方八方から──これはまずい。
無茶苦茶だが、突っ込むしかなかった。ここにいたら、袋叩きにされるだけだ。
またヒュドラは何か策を講じてくるだろう。それでも逃げるわけにはいかない。みんな、決死の覚悟で戦い人々を守っていった。
俺だけがそんな思いをするなんて納得いかない。
まずは正面のマンドラゴの首を飛ばし1体。それから反転して2体。少しでも反応が遅れれば袋叩きになる中、何とか素早く反撃に出て1体ずつ倒していく。
そして──。
「今度こそ俺の勝ちだ」
7.8体のマンドラゴを倒した瞬間にヒュドラが上から突っ込んできた。正面のマンドラゴをしてにしていて対応できなかった俺に向かって一気に剣を向けてきた。何とか対応したものの振り向きざまの対応でパワーを殺しきれず、真上から攻撃を受ける。
受け身をとれないまま一直線に落下。
体が地面に直撃しようとしたその時──。
「間に合いました」
どすっ!!
首の後ろと膝周りに暖かい感触。地面に落下した感触とは違う、暖かい感覚。人の顔が見えて──状況を理解した。
お姫様抱っこ。
ピンク色のロングヘア。絶世の美少女ともいえる幼さと美しさを兼ね備えた顔つき。
以前助けたNO1配信者、璃緒だ──落下寸前で、俺をお姫様抱っこしてきたみたいだ。
璃緒は俺をお姫様抱っこしながらヒュドラの攻撃を受ける。
「澄人さん、大丈夫ですか?」
璃緒が俺の顔を体の方に寄せてきた。
大きなおっぱいに視界が遮られ、顔が見えないが声からわかる。心配してくれてる。
「あ、ありがとう」
「いいんです。私もからすみさんに助けられましたから」
そして俺は璃緒の抱っこから降りる。女の子にされるお姫様抱っこ──初めてだけど、いざされるとちょっと恥ずかしい。この恩は、絶対どこかで返さないと。
璃緒と一緒に宙を見上げると、「マンドラゴ」と対峙したネフィリム。
「わらわが相手じゃ。たとえもと配下だとしても、容赦はせん」
じっと睨みを利かせるネフィリム。ヒュドラは、ゆっくりと後退しながらも剣を
「あんたと戦うのは不本意だが──仕方あるまい」
今にも戦いになりそうになる2人。隣の璃緒は──剣をヒュドラに向け腰を下ろして両足に魔力を込め始める
「今度は私が行きます。澄人さんを傷つけさせたりは──しません!!」
「待って、今行くのは危険だ」
「私なら大丈夫です!」
俺の言葉を無視して自信満々に突っ込んでいってしまった。ネフィリムと連携なんてしたことがないはず──心配だ。
「なんだお前」
「からすみさんの仇です」
一気に突っ込んでいくが、ヒュドラに対応されてしまう。ネフィリムも助けに行くが、連携することもできずバラバラな戦いになってしまっている。
おまけに璃緒の攻撃は防御を無視した力押しの攻撃ばかり。ヒュドラには対応され──。
「そんな攻撃で、俺が負けるかぁぁぁ!!」
彼らでは荷が重そうだ。
「なんだこいつ、強くね?」
「この雑魚が!!」
ヒュドラが魔剣「デス・ガノン」を地面にたたきつけると、大きな爆発を起こし2人は吹っ飛ばされる。
「死ね」
空中で身動きが取れない2人に、ヒュドラは体から翼を生やして一直線に飛んでいく。
「助けて、助けて、助けてくれぇぇぇぇぇぇ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ」
仕方がない──嫌な奴だからといって、無視するわけにはいかない。こんなことはいくらでもあった。両足に魔力を込めてジャンプして、ヒュドラの元へ。
何とか2人とヒュドラの間に割って攻撃を受ける。間に合った。剣に魔法を込めて、それを使って空中で身体を維持。魔力効率が悪いが、これしか宙に浮く手段はない。
ヒュドラに視線を向けると、にやりと気味の悪い笑みを浮かべた。
「勇者め、かかったな」
ヒュドラがピッと指をはじくと、周囲にマンドラゴが出現し始めた。それも、次々と現れ20体ほどとなる。
「狙っていたのか?」
「お前がお人好しなのは知ってる! この状況ならば、たとえ危険を承知でもお前は2人を助けようとする。たとえどんなクソ野郎だろうとな」
何度も戦ってきただけはあるな。俺のことを知り尽くしているとは──。
「まともに戦っても勝てないのは知ってる。だから策を講じたのさ」
「待てヒュドラ、わらわもいるぞ!」
ネフィリムが慌ててこっちに向かってくる。灰色の鳥のような翼を生やして。
「これはこれはネフィリム様。勇者様とデートですか?」
「もう人間たちを襲うような真似はさせぬのじゃ」
ネフィリムがヒュドラに突っ込んでいくと、ヒュドラは大きく後退して2人は俺と距離を取る形となった。
「フン──ネフィリム様とて今は敵味方関係。剣を抜いたからにはこっちも相応の答えを出す」
その瞬間、ネフィリムの周囲にもマンドラゴ。それも俺の時の倍近く。20体はいる感じだ。
「真剣勝負に卑怯もクソもあるか。勝ち残ることこそ正義なのだ。ちなみに俺の魔力を憑依させていて普通のよりも倍近い強さがあるぞ」
「変わってないな──」
じっとヒュドラをにらみつけるネフィリム。負けはしないが時間はかかるかもしれない。
考えていると、こっちのマンドラゴが一斉に突っ込んできた。四方八方から──これはまずい。
無茶苦茶だが、突っ込むしかなかった。ここにいたら、袋叩きにされるだけだ。
またヒュドラは何か策を講じてくるだろう。それでも逃げるわけにはいかない。みんな、決死の覚悟で戦い人々を守っていった。
俺だけがそんな思いをするなんて納得いかない。
まずは正面のマンドラゴの首を飛ばし1体。それから反転して2体。少しでも反応が遅れれば袋叩きになる中、何とか素早く反撃に出て1体ずつ倒していく。
そして──。
「今度こそ俺の勝ちだ」
7.8体のマンドラゴを倒した瞬間にヒュドラが上から突っ込んできた。正面のマンドラゴをしてにしていて対応できなかった俺に向かって一気に剣を向けてきた。何とか対応したものの振り向きざまの対応でパワーを殺しきれず、真上から攻撃を受ける。
受け身をとれないまま一直線に落下。
体が地面に直撃しようとしたその時──。
「間に合いました」
どすっ!!
首の後ろと膝周りに暖かい感触。地面に落下した感触とは違う、暖かい感覚。人の顔が見えて──状況を理解した。
お姫様抱っこ。
ピンク色のロングヘア。絶世の美少女ともいえる幼さと美しさを兼ね備えた顔つき。
以前助けたNO1配信者、璃緒だ──落下寸前で、俺をお姫様抱っこしてきたみたいだ。
璃緒は俺をお姫様抱っこしながらヒュドラの攻撃を受ける。
「澄人さん、大丈夫ですか?」
璃緒が俺の顔を体の方に寄せてきた。
大きなおっぱいに視界が遮られ、顔が見えないが声からわかる。心配してくれてる。
「あ、ありがとう」
「いいんです。私もからすみさんに助けられましたから」
そして俺は璃緒の抱っこから降りる。女の子にされるお姫様抱っこ──初めてだけど、いざされるとちょっと恥ずかしい。この恩は、絶対どこかで返さないと。
璃緒と一緒に宙を見上げると、「マンドラゴ」と対峙したネフィリム。
「わらわが相手じゃ。たとえもと配下だとしても、容赦はせん」
じっと睨みを利かせるネフィリム。ヒュドラは、ゆっくりと後退しながらも剣を
「あんたと戦うのは不本意だが──仕方あるまい」
今にも戦いになりそうになる2人。隣の璃緒は──剣をヒュドラに向け腰を下ろして両足に魔力を込め始める
「今度は私が行きます。澄人さんを傷つけさせたりは──しません!!」
「待って、今行くのは危険だ」
「私なら大丈夫です!」
俺の言葉を無視して自信満々に突っ込んでいってしまった。ネフィリムと連携なんてしたことがないはず──心配だ。
「なんだお前」
「からすみさんの仇です」
一気に突っ込んでいくが、ヒュドラに対応されてしまう。ネフィリムも助けに行くが、連携することもできずバラバラな戦いになってしまっている。
おまけに璃緒の攻撃は防御を無視した力押しの攻撃ばかり。ヒュドラには対応され──。
「そんな攻撃で、俺が負けるかぁぁぁ!!」
24
お気に入りに追加
95
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる