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新しい朝がきてしまった。
ダンジョンで朝が来る、すなわち朝食問題である。


ぱしゃりぱしゃりと、吐い信者としてのイノチである美しい顔を入念に洗い新しい1日のスタート。
このまま最高のルーティンといきたいが丘梨栄枯のモーニングに必須であるコーヒーがない。この厳しい死のダンジョンの環境下でそれは当たり前の事である。

粗悪なベッド製の取手のないのが逆に洒落た木のコップを人数分。
澄んだ泉の水を飲むのも体内の毒素が浄化される気がして気分の良いものだ。
泉の水は格別、苦いコーヒーがなくとも栄枯はその爽やかな朝にひじょうに満足していた。


「ええですがこのおいしいお水でコーヒーを淹れれないのは少々ざんねんですね、ふふ」

「っすね!」


ぼこ:これいる?
ぼこ:↑っすね!
ぼこ:↑チンキス


しかしそんな爽やかな朝にもアレはやってくる。
いつものブルーシートの陣地の上で吐い信者が青年と雑談していると、

パーティーメンバーである4人はまたもアレを食することになってしまった。

「あ、昨日のよりフルーツいっぱい、あこれなんだろ? アーモンド味? うわ、これたのしい美味い!」
「ダンジョンの朝にちょうどいいのぅこの一切れで栄養の宝庫だわい、ナイスチョイスじゃ異国の者よ」

金ポデはお茶目に指でオッケーマークを作り2人に応えている。
ダンジョンでのパーティー間異文化コミュニケーションほど新鮮でたのしいものはない。
明るい異国美少女のオッケージェスチャーは破壊力抜群である。


じろり、エメラルドの瞳が粗悪なベッドにちょこんと腰掛ける黒黄の長身を見つめている。
昨日のあの事件で……へこんではいないようだ、むしろアレをまた自分から出してきたということは、挑戦。日本人とはちがう異国の強い折れないメンタリティ、言葉にはしない金ポデだがメラメラと伝わってくるものがある。
辛口評価されたにも関らずどこからそんなんチカラと気概が湧いてくるかは彼女にしかわからない……この焼き菓子に対する負けられないバックボーンがあるからだ。

しかし栄枯はその熱視線すら気に留めない。
忖度は一切ない。

美しい角度の顎に手をやり、洗い清潔になったバーベキュープレート上のアレを見ながら熟考していく……。


ぼこ:栄枯アレ回避失敗
ぼこ:栄枯お嬢様のきらいなやつ
ぼこ:金ポデ「逃さん」
ぼこ:朝はアレ
ぼこ:金ポデ「ダンジョンの朝はアレに決まってんだろ栄枯?」
ぼこ:だから結局アレはなんやねん
ぼこ:白繭ふたたび
ぼこ:懐かしい味だから……
ぼこ:懐かしくてパサついててクソ甘くて美味い!

AI栄枯:アレとは、シュトーレンまたはシュトレン。ドイツ発祥の伝統的なクリスマスケーキです。一般的にパン生地にバターマーガリン、洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツ、砂糖、塩、スパイスお好みで、ええ、これらをごろっと練り上げパパッと焼き上げ更に最後に粉砂糖をべらぼぅにまぶし出来上がりちぱちぱちぱ。保存期間は1ヶ月から3ヶ月べらぼぅに保存の効く死のダンジョン向けのあまぁいあまぁい超高カロリーな最高のケーキだと言えます。

ぼこ:しってた
ぼこ:しゅってた
ぼこ:しゅっとれん
ぼこ:アレ、シュトーレンだった。
ぼこ:白繭じゃなかっただと……
ぼこ:あー、これは当たりはずれあるやつ
ぼこ:てかドイツ!?
ぼこ:アメリカ人「What's!?」
ぼこ:金ポデまさかのドイツ人
ぼこ:アメリカ人「ハニー!?」
ぼこ:ドイツ人とは限らんやろ
ぼこ:ドイツ人以外んなの食べんやろ
ぼこ:↑シュトーレン!
ぼこ:↑↑言ってはいけないことってしらんのじぶん?
ぼこ:うるせぇシュトーレンするぞ!
ぼこ:シュトーレンぐらい知っとけよおまえら……そこらのパン屋でも売ってるやろ、たぶん
ぼこ:シュトーレンVS丘梨栄枯
ぼこ:ドイツ伝統菓子持参のドイツ人なんて最中持参する日本人やろ
ぼこ:↑あのパサつき皮とありがたみのなさなら対抗できるわな
ぼこ:不意に最中を殴るな!
ぼこ:↑でも朝食が最中2個だとぶん殴るよね?
ぼこ:シュトーレンと最中に謝罪しろジャパニーズ!!
ぼこ:日本代表は最中か誇らしいな(パリッひっつく音)
ぼこ:ふざけんなシュトーレン買ってくる!
ぼこ:シュトーレンはむしろありがたみしかないだろ
ぼこ:ドイツ人はダンジョン行く前にシュトーレン焼くからな
ぼこ:だからおまえらシュトーレンは美味いから……
ぼこ:最中なんかと比べられるシュトーレンさんに謝れ!!
ぼこ:さすがに最中は格が足りない
ぼこ:るせぇ、最中皮に挟むぞ!
ぼこ:色んな方々を傷つけてますよ、ええ、ひじょうに
ぼこ:殴れたら殴り崩す、お菓子の世界は甘くねぇ
ぼこ:保存まで効くとか無敵やん
ぼこ:ダンジョン脱出までじっくり楽しめるわね
ぼこ:さすがドイツ伝統菓子、耐久性が日本産とは違うぜ
ぼこ:栄枯どうやっても逃れられない
ぼこ:金ポデ「毎朝出したら好きになるやろ」
ぼこ:シュトーレンさんのダンジョン向きすぎる性能にぼく唖然
ぼこ:だれか最中買えや
ぼこ:わかったモナカアイス買ってくる!
ぼこ:そのうち熟成されるやろ(涙目)
ぼこ:死のダンジョンで生き残れ、丘梨栄枯! ダンケシェーン!!




吐い信者の脳内プランは出力される。
丘梨栄枯とはアレンジのプロ、死鳥舎様にサプライズをお届けするエンターテイなー。
アレのアレンジはこんがり巻き巻きと実行されていく。


AI栄枯:シュトーレンシルファンカレーロールスタイル(SSRs)とは、死のダンジョンの吐い信者丘梨栄枯が開発した全くあらたしいシュトーレンアレンジレシピです。

材料
・厚さ1.3cmのシュトーレン×4枚
・余っていた冷めたシルファンカレー
・モンスター肉塊脂

先ず、シュトーレンを粗悪なベッドで作った綿棒で伸ばします。ええ、ひじょうに。

次に、伸ばしたシュトーレン生地の上に冷めたカレーを塗り乗せていきます。くるくるくるくるよちよちよちよちと巻き4本のシュトーレンロールが完成しますね、はい。

そして栄枯がモンスターの肉塊から取り置き漬け物液水に浸しておいたモンスター肉塊脂を、ホットプレートの上に箸でいい感じに塗り伸ばし油の代わりにしていきます、ええ、入念に。

十分に温まった低温ホットプレートの上でコロコロころころよちよちよちよちシルファンロールを育てていきます、よちよちよちよち。

シュトーレンはお砂糖たっぷり焦げやすいので注意、よちよちよちよち完成です!

吐い信者丘梨栄枯考案! シュトーレンシルファンカレーロールスタイル(SSRs)、ちぱちぱちぱちぱ。


ぼこ:ドイツ人「What's!?」
ぼこ:タイムワープ? ナニが起こった
ぼこ:あこれドイツ料理!
ぼこ:なんやこれ……
ぼこ:ドイツ人の日常
ぼこ:シュトーレン×カレー
ぼこ:合体魔法
ぼこ:なんなん
ぼこ:あこれ美味いやつ
ぼこ:カレーパン?
ぼこ:栄枯は朝弱いからな
ぼこ:栄枯「ジャパンをドイツで巻いてみた」
ぼこ:これはまず……
ぼこ:栄枯はアレンジ癖あるからな
ぼこ:栄枯は天才だ
ぼこ:ダンジョンだからな
ぼこ:こんなのダンジョンで狂ってないと生まれねぇよ、くるくるしただけに
ぼこ:↑チンキス!


「ええ、お待たせしました、完成です。死鳥舎参加枠パーティーのみなさまお熱いうちにどうぞ、あ、火傷に気をつけてくださいね、ふふ」

たのしいたのしい料理風景はこんがりと良い色に終わり……


ホットプレート上のいい感じの焼け色、混じり香るスパイスなどの豊かな匂い。
各々は箸でそれをつまみ食していった。
サクっと、そこそこのサク音が静寂に響き。

「こ、これすごいえっとなんだろ……カレーパン! ダンジョンでカレーパン! カレーロール! ですよねおかなしさん!? このシュトーレン? シュトレン? ちょっと甘いからカレーとは合わない? と思ってましたけどっカレーパンとしてならこれ、この甘さのパンイケますよ! それに……たのしいスパイシーお菓子サクふわ美味いです!!」

「これは愉快じゃのぅ、ダンジョンではこういう即座の機転発想力をワシも見習いたいものじゃ栄枯」

「ンーーーー~~★★☆♡♪」

ピースサイン、栄枯に向けて何度も揺らし送ったピースサイン。
険しい顔で汗を垂らし栄枯の料理工程を見守っていた金ポデも一転満面の笑みだ。
本場のドイツ人すら納得させてしまったぶっつけのシュトーレンアレンジ、これには栄枯も金ポデへと普段は見せないやさしい笑顔をしている。

「ええ、はい、ふふ、くすっ、そうですシュトーレンシルファンカレーロールスタイル。最初はええ、私2枚のシュトーレン生地でカレーを包み日本のカレーパンを作るつもりでした、ですがそれでは所詮劣化カレーパン、シュトーレンの性能も活かしきれないと思いロールスタイル、ええ、こうして巻き巻きと見た目にも楽しく、中はしとっとシルファンカレーの旨味チカラが染み込み外はサクっと甘い焼きシュトーレン菓子の食感を楽しめます、熟成しきっていないシュトーレン特有のパサつき欠点もサクしとで解消されました、ええ、これはひじょうにハイクオリティな仕上がりに育ちました!! ええ、ひじょうに!!」

ダンジョンの朝食はアレ、吐い信者丘梨栄枯の朝食はアレのアレンジ。
エンターテイんメントを常に心がけて死鳥舎様にお届けする彼女。
好評、ということで余ったシルファンカレーをシュトーレンで更に巻き巻きよちよちし昼食の準備も完了し次の行動へと移る。

死のダンジョンではパパッと思考パパッと行動それが最初から出来ている吐い信者はめったにいない。
丘梨栄枯は死のダンジョン2日目の朝、最高のスタートを切ることに成功した。


ぼこ:こいつらを止める方法
ぼこ:すごい結束力
ぼこ:なんなんやろねこいつらは……
ぼこ:ひとつわかった独裁者を野放しにする周りにも責任がある
ぼこ:つい先日まで他人だったんだぜ
ぼこ:またも全会一致の美味い
ぼこ:こいつら栄枯の親戚やろ
ぼこ:クソ長長文丘梨栄枯
ぼこ:もう一度聞くけど、これ合ってんの?
ぼこ:↑本格カレーパン屋だけど合ってるよ、ええ、ひじょうに
ぼこ:ほんまに出来上がるのかこれ?
ぼこ:ぜんぶ栄枯の妄想です、ええ、ひじょうに
ぼこ:混ぜるな巻くな危険
ぼこ:カレーはナンにでも合う!
ぼこ:全国の料理研究家たちもシュトーレン巻き始めた
ぼこ:食べ物であそぶな!
ぼこ:ダンジョンだからな
ぼこ:死のダンジョンは栄枯の庭



拠点メルヘン&ぐりーんに別れを告げ必要な荷物を持ち、黒いトートバッグを引っ提げ丘梨栄枯吐い信者パーティーは本格的なダンジョン攻略を開始した。

▼第1死はじまりのダンジョン▼とぼこぼこチューブを通し何故か変わらず称されている死のダンジョンの入り口、その内部構造やモンスターはランダムであり同じものはおそらく存在しない。

死のダンジョン第1死のダンジョン探索初心者のクリア率は65%であり手放しに楽であるとは言えない。運悪くモンスターハウ巣に入ってしまい死ぬ者や未知のダンジョン環境下で精神が壊れてしまう者、ただ単純にダンジョン環境に適応し凶悪なモンスター達と向き合い剣を振るい動き戦えるそれだけでも探索者としての素晴らしい才能なのだ。


そしてまたも“ゴガゴガゴガ”と恐怖心をポップに煽る音が鳴る。

運が良いのか悪いのか閉じ込められた土色の空間で戦闘は鮮やかな爆撃とともに始まった。
【SR】金平糖手榴弾は栄枯と金ポデ2人の手から投げ捨てられぞろぞろと姿を見せたターゲットにぶち当たり効果を発揮した。

安定の大火力は甘い粒菓子から出力され向かってくる雑魚部隊は散らした。
モンスターを迎え撃つばかりではないカラフル爆炎を斬り裂き、今度はこちらから打って出る。

丘梨栄枯は臆せずブラック包丁を振るう、ウルフぐらいの動物の動きならば彼女には既に朝飯前。仮に食らってもちっとやそっとじゃ死にはしない。
吐い信者は冷静なイチゲキ一死のもとにモンスターを光の粒へと両断していく。

金ポデも負けてはいない、黒警棒を振るい叩き潰す突き刺す。
死鳥舎様のぼこも彼女の大きな助けだ。
あこがれの吐い信者と肩を並べてたたかうそれはひじょうに金ポデにとってうれしいことだ。
並のビギナー以上の光る躍動を見せる。


個々のチカラを合わせ強い集となった3人は遠方視界をジャミングされてなかなか見えない巣を見つけるために大部屋をモンスターを蹴散らしながら移動していく。

ブラック武器の性能があればヤレる、確かな計算があり栄枯も金ポデも襲いかかってくるモンスターに対し怯みはしない、返り討ちに次ぐ返り討ちで心地の良い断末魔をうしろに。
道を拓いてついに目視できたモンスターの巣、破壊目標のモンスターハウ巣。

こんもりと盛り上がった土で固め出来た大きな巣、そこから一定の頻度でわき続けるモンスター達。無限にはわかないが囲まれる前に迅速な破壊が推奨される。
しかし、ここは死のダンジョン、モンスターハウ巣はただで壊れてくれる案山子ではない。
当然巣を守る守護者がいる、防犯体制は万全空き巣ではないのだ。


AI栄枯:
【ゲートキーパー・スライムジャグラーシューターⅣ】×2。
死のダンジョンを彷徨う独り身のオークさんが寂しいからと始めたボックススライムのジャグリング。いつしか仲良くなった4匹はココロを通わせ絆を深め切っても切れない関係となり……。
オークがジャグリングする3匹のボックススライムのオールレンジ射撃攻撃に注意してください、ええ、ひじょうに凶悪なモンスターです。


ぼこ:オーク、ジャグリングするってよ
ぼこ:あほみたいやな
ぼこ:名前のオークどこいった
ぼこ:モンスターはモンスターらしくあれ
ぼこ:死のダンジョン?
ぼこ:死のダンジョンさんはたまにふざけるからな
ぼこ:たまに?
ぼこ:エンターテイんメント!
ぼこ:まぁこいつクソ強いんだけどな
ぼこ:そういや俺の友達もこいつに殺されてたな
ぼこ:さらっと怖いこというなよ
ぼこ:死のダンジョンだからな!
ぼこ:てかチート仙人は?
ぼこ:仙人なら後方よぉーー
ぼこ:アイツ出てくると全部仙人ビームで終わってまずいからな
ぼこ:↑やめろっチンキスっ!


GKスライムジャグラーシューターⅣは、ジャグリングを開始した。
恐怖のお手玉音がシャカシャカと空間にこだまする。
 
その間にも駆けつけた増援のモンスターたちは栄枯たちへと襲いかかる。

「ええ、ここはアタックカードを切りましょう。ええ、【UR】フィンガーバルカン」

栄枯はパパッと秘蔵のカードを発動、前に構えた10の指から黄色いエネルギー弾を発射。
広げバラバラと乱れ打ち広範囲射撃にさらされた雑魚モンスターたちは肉壁の役割を果たし光の粒へと還る。

カードは予想通りの高い威力を発揮しつづけ吐い信者はパーティーメンバーに目配せし頷く。

綺麗になった場に残るは2体、栄枯は雑魚を一掃し金ポデに道をつくった。

2体のゲートキーパーそのうちの右の一体に狙いを絞り、既にカード使用クールタイムを見計らい発動していた【SR】身体能力1.1倍上昇と【SR】ダブル斬りのカード。1分間の身体強化と、8秒間の一振りで二重斬撃を与えるダブル斬りの効果、死鳥舎が金ポデに指示した鉄板のインファイトカードコンボだ。

肉薄していく。
だが、お手玉の発動ルーティンを終えオーク2体のテンションは極限まで高まる……GKスライムジャグラーシューターⅣのオールレンジ攻撃は成された。

ジャグリングしていた計六のボックススライムはその立方体の色を徐々に黒紫に満たし、攻撃の合図。ふわり浮遊し接近した六は接近する金ポデを囲み溜めた色エネルギーを放射、えげつない多方向からのビーム攻撃が貫こうと。

スキルが発動され空間が歪む──

「【UR】パーティーシルド、・ホトプス!!」

金ポデの窮地にあり得ない謎チカラで瞬間移動し現れたみずいろカッターシャツの彼、
縦にしたホットプレートを器用に盾にしオールレンジ射撃を黒いプレート、その背、全身にビーム軌道を歪め集め直撃し受ける。
吐い信者に指示されたプラン通りに颯爽と現れてターゲットにされた金ポデの身代わりとなった。

黒紫色のビーム爆炎につつまれ……もろにその数々の探索者を屠ってきた斉射を受けてしまいガックリと経験する初ダメージ地に片膝をつくが……、
心配しおもわずチラリ後ろ目をした金ポデに対し大丈夫のピースサインは掲げられた、金ポデにもハッキリと伝わる彼は無事だ。


AI栄枯:【URパーティーシルド】とは、自身の電子保護シールドの耐久性を5秒間強化し探索者メンバーの元へと一瞬で駆けつけることの出来る強力な万能防御型カードです。しかしこのカードは盾装備を持ち今現在装備しているとみなされたものにしか使用出来ないルールがあり、使用者が限られているのが欠点ですね、ええ、ひじょうに。

【自・ホトプス】青年モブのみが使うことを許されたスキル。
自分の体にメインウェポンのホットプレートのプラグを突き刺し接続する事により自身の電子保護シールドをそこそこに強化、更に、周囲半径約45cm以内の味方に向けられた射撃系の攻撃をその低温ホットプレートのもとへと捻じ曲げ集める事ができる、ええ、ひじょうにお馬鹿で使いどころの難しいスキルですね、ええ、ひじょうに。


ぼこ:くっそながい!
ぼこ:誰もやってないカードゲームみたい
ぼこ:ホトプレ専用カードとか都合良すぎやろ
ぼこ:へぇーホトプレって盾だったんだ
ぼこ:ホトプス
ぼこ:ホトプス!
ぼこ:死のダンジョンあたまわるいな!
ぼこ:なんやねんそれ!
ぼこ:肉やきモブがそんな効果持つな!
ぼこ:これは抗議ですよ、ええ、ひじょうに
ぼこ:散々な言われようには笑う
ぼこ:ちょっとホームセンターで盾買ってくる
ぼこ:ホトプレの盾プレに濡れたぜちくしょー
ぼこ:ホットプレートは盾じゃない!



マリアレポート22★
クールタイム

バトルカードにはおのおのクールタイムが設定されてある。
強力なカードレアリティが高いカードほどクールタイムが長く設定されている傾向にあるな。
それを踏まえてパーティーで役割分担したたかうことも重要だ。
死のダンジョンでのバトルではカードの使い方のタイミング良しあしが生死を分かつこともあるだろう。

ちなみにカード、バトルカード……死のダンジョンにおいてカードとは情報の塊だ。
1枚でとてつもない情報量をほこる。あらゆる場でカードとはルールや時間、空間、場や事象ステータスを決定づけるフェアなスパイスだ。
わたしはスキルだけではなくカードにも注目し研究に興じている。
いわばはるか未来のメッセージカードだ、同じ人間なら読めないわけはない……そう期待したい。
フフ
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