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そして向かう北の塔
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「あなた達のおかげでこの国は救われました」
エルフの国王はそう感謝する。
「ありがとうございます。皆さん。エルフを代表してお礼申し上げます」
「いえ、私達は何もしていません。全部先生のおかげです」
「……本当に何もしてないのが辛い」
「謙遜になってないのが辛いですね」
「国王陛下、残念ながら何者かにより魔王の宝玉は破壊された様子。四天王のゼロティアはそれを理解していたから撤退した様子です。肝心の目的は果たせておりません」
「うむ。宝物庫は何者かに襲撃され、そして魔王の宝玉は破壊されてしまった。しかし、それでも諸君等がこの国を救ってくれた事には代わりが無い。あのままだったら我が娘ゼロティアはより多くのエルフの民を殺めていた事だろう」
「本当にありがとうございます」
「ええ……本当ならあんな事にならない方がよかったんですが」
親子、そして姉妹という関係で憎み殺し合う様など見たいものではない。そんな凄惨な状況見たいはずがなかった。
「国王、何卒エルフの国を通る許可だけは頂きたい。北の搭へ行き、強きに到る手段を得たいのです」
「無論だ。許可しよう。貴公らはこの国の恩人なのだからな。だがそんなものが褒美でいいのか?」
「何よりの褒美であります。この娘達が今より強くなる事が私にとっての何よりの褒美なのですから」
「そうじゃの。それが混沌としたこの世界を安定させる唯一の方法なのかもしれない。期待しているぞ。黄金の原石の四人よ」
「はい。必ずやこの世界に平和を齎します」
全ての混乱を鎮める事はできない。だが魔王の力、そしてその恩恵を受けた四天王の力は些か理を外れすぎている。無視できる存在ではなかった。混乱が大きくなりすぎれば多くの人が死ぬ。そして最悪は世界は滅ぶ。そこまではいかなくても魔王の支配下におかれるだろう。
「うむ。期待しているぞ」
「何もできない事を申し訳なく思います。エルク様」
「いえ。そんな事はありません」
「何もできない事を恥じた上、こんな無茶なお願いをして申し訳ありませんエルク様。どうか姉、ゼロティアを止めてください。我々にはゼロティアを止めるだけの力がありません。力なき言葉は無力なのです。止められるのはあなた達だけです」
「はい。必ずやお姉様であるゼロティアを止めてみせましょう」
「吉報を待っています。私達に出来る事があったら何でもおっしゃってください」
システィアは笑みを浮かべた。どこか悲しげではあった。悩み事は多いのだろう。
こうしてエルフの国王達と別れ、黄金の原石の四人は北の搭へと向かった。
エルフの国王はそう感謝する。
「ありがとうございます。皆さん。エルフを代表してお礼申し上げます」
「いえ、私達は何もしていません。全部先生のおかげです」
「……本当に何もしてないのが辛い」
「謙遜になってないのが辛いですね」
「国王陛下、残念ながら何者かにより魔王の宝玉は破壊された様子。四天王のゼロティアはそれを理解していたから撤退した様子です。肝心の目的は果たせておりません」
「うむ。宝物庫は何者かに襲撃され、そして魔王の宝玉は破壊されてしまった。しかし、それでも諸君等がこの国を救ってくれた事には代わりが無い。あのままだったら我が娘ゼロティアはより多くのエルフの民を殺めていた事だろう」
「本当にありがとうございます」
「ええ……本当ならあんな事にならない方がよかったんですが」
親子、そして姉妹という関係で憎み殺し合う様など見たいものではない。そんな凄惨な状況見たいはずがなかった。
「国王、何卒エルフの国を通る許可だけは頂きたい。北の搭へ行き、強きに到る手段を得たいのです」
「無論だ。許可しよう。貴公らはこの国の恩人なのだからな。だがそんなものが褒美でいいのか?」
「何よりの褒美であります。この娘達が今より強くなる事が私にとっての何よりの褒美なのですから」
「そうじゃの。それが混沌としたこの世界を安定させる唯一の方法なのかもしれない。期待しているぞ。黄金の原石の四人よ」
「はい。必ずやこの世界に平和を齎します」
全ての混乱を鎮める事はできない。だが魔王の力、そしてその恩恵を受けた四天王の力は些か理を外れすぎている。無視できる存在ではなかった。混乱が大きくなりすぎれば多くの人が死ぬ。そして最悪は世界は滅ぶ。そこまではいかなくても魔王の支配下におかれるだろう。
「うむ。期待しているぞ」
「何もできない事を申し訳なく思います。エルク様」
「いえ。そんな事はありません」
「何もできない事を恥じた上、こんな無茶なお願いをして申し訳ありませんエルク様。どうか姉、ゼロティアを止めてください。我々にはゼロティアを止めるだけの力がありません。力なき言葉は無力なのです。止められるのはあなた達だけです」
「はい。必ずやお姉様であるゼロティアを止めてみせましょう」
「吉報を待っています。私達に出来る事があったら何でもおっしゃってください」
システィアは笑みを浮かべた。どこか悲しげではあった。悩み事は多いのだろう。
こうしてエルフの国王達と別れ、黄金の原石の四人は北の搭へと向かった。
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