聖剣を錬成した宮廷錬金術師。国王にコストカットで追放されてしまう~お前の作ったアイテムが必要だから戻ってこいと言われても、もう遅い!

つくも/九十九弐式

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四天王に侮れない人間がいると噂される

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「……あら。遅かったじゃない」

 王国に戻った魔人ネメシスは仲間に迎え入れられる。

「どうだったの? って、ネメシス、あなた怪我をしているじゃないの」

 ゼロティアに心配される。魔人は通常驚異的な回復力があり、怪我を負ってもすぐに回復する。その上に四天王には『Sランク以下の攻撃の無効化』のパッシブスキルがあるのだ。
 滅多な事では攻撃自体を食らう事はない。だから怪我を負っている事自体が異常な事なのだ。

「どうしたのであります? 随分と無様な姿ではありませぬか。くっくっく」

 カーミラに笑われる。

「うるさい。人間を侮るなよ。人間の中にも侮れない存在がいるぞ。この怪我はその人間に負わされた傷だ」
「ほう。そんな人間がいるんでありますか」
「ああ……」

 あのロンギヌスの槍は『防御障壁絶対無効』の付随効果があるが、聖属性の武器として破格の性能を持つ。それ故にネメシスの自動回復力を以てしても回復には大きな時間がかかっているのだ。

「それはどんな人間なのですか?」
「錬金術師だ。奴はロンギヌスの槍をその場で錬成し、俺にダメージを与えてきたのだ」
「ほう。ロンギヌスの槍を。それは厄介でございますね。ロンギヌスの槍といえば我々が生きていた2000年前に存在していた伝説の槍ではないですか。でも、食らわなければどうという事はないのではないですか? ネメシス、あなたは人間だと思って油断していたんではありませんか? くっくっくっく」

 カーミラは笑う。

「……うるさい。油断していたのは確かだ。だがそれだけ侮れない相手だったのだ」
「それで何か成果はあったんですの?」
「王国スターティアにあった魔王の宝玉は破壊した。これで後三つだ。三つ探し出せば魔王様は復活する」
「そうでありますか。それはよかったです」
「それでそっちはどうなんだ? まさか何も成果がなかったわけではないだろうな」
「そんなわけないじゃないですか。魔王の宝玉のうちのひとつはエルフの国にあるらしいです」
「そうか……誰が行くんだ?」
「……私がいこう」

 ゼロティアが立ち上がる。

「ゼロティア……そうか。元々はお前はダークエルフであったな。因縁がある相手なのだろう」
「そうだ。私はダークエルフだ。エルフは長命な種族だ。生きているエルフもいるやもしれない。色々と因縁があるんだ。魔王様の魂を解き放つついでではあるが」

 ゼロティアは笑う。

「その借りをついでに返させてもらおう」

 ゼロティアは元々はエルフの国の出自ではあったが、突然変異のダークエルフという事で追放されたという過去があった。そしてその後に今は亡き魔王に拾われ、育てられたのだ。
 その時覚えた魔法も剣技も全ては魔王から教わったものだった。

「……そうですか。ゼロティアが行くのですか。では私達は残りの魔王の宝玉を探しましょうぞ」
「ああ。そうしよう」
「どうかしたのですか? ガウェイン。随分と静かですが」
「人間にも手練れがいるのだな。2000年の時が経て随分と弱くなった印象だが」
「あなたも元々は人間ではないですか。何を言っているのですか」
「そうだな……2000年前の勇者は強かった。なにせ我々の魔王様を倒したのだからな」
  
 ガウェインは2000年前の事を思い出す。最近まで死んでいたようなものなので、この前の事のように思い出す事ができた。
 
「十分に気を付けていくのでありますよ。ゼロティア」
「わかっている。油断はしない」
「私達は一応あの豚に呼ばれているのであります。一応機嫌を伺ってくるであります。ゼロティアはエルフの森へ出発したと伝えておきます」
「ああ。助かる。では行こうか」

 ゼロティアはエルフの森へと出発した。
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