俺だけ成長限界を突破して強くなる~『成長率鈍化』は外れスキルだと馬鹿にされてきたけど、実は成長限界を突破できるチートスキルでした~

つくも/九十九弐式

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第4話 ゴードンとの決闘

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「ん? てめーは……エルクか」

 俺がスライム退治を終え、冒険者ギルドに戻った時の事だった。

 偶然、俺はあのゴードン達と再会する。

「どうしたんだよ? またスライム退治を延々と繰り返してるのか?」

「懲りねー奴だな。いつまでFランクの冒険者をやってるつもりだよ? 俺達が冒険者になってからもう一年経つんだぜ」

「俺達はもうすぐBランクの冒険者になるんだ。レベルだって、もう30を超えてるんだ」

「お前みたいないつまでも最底辺のFランクを彷徨ってる屑とは出来が違うんだよ! 出来が!」

 ゴードンとその取り巻き達は、俺を嘲ってくる。不思議なものだった。前よりもずっと強くなった今、なぜかその嘲りに大して感情が揺らがなくなったのだ。俺は連中を無視して別の場所に移動しようとした。

「待てよ」

 だが、その態度がゴードンにとっては酷く気に入らなかったようだ。格下だと思っている俺が馬鹿にされても涼しい顔をしているものだから、酷く苛立っている様子だ。

「何無視してるんだよ! エルク! お前何様のつもりだよ!」

 ゴードンは俺に掴みかかってくる。

「ま、待って下さいよ、ゴードンさん」

「ここは冒険者ギルドっすよ……いくら何でも、ここでヤっちゃうのはまずいっすよ」

「お、おう……そうだな。エルク、てめー、面貸せよ。ただじゃ済まさねぇからな」

 こうして俺は人気のない路地裏まで連れていかれたのだった。

 ◇

「へっ……ここなら誰もこないだろ」

 俺は路地裏でゴードンと対峙する。

「てめぇら! 手出すんじゃねぇぞ! こんなFランクの雑魚冒険者、俺様一人で楽勝なんだからよ!」

「へへっ。わかってますよ。やっちゃってくださいよ。ゴードンさん!」

 取り巻き達がゴードンを囃し立てる。

「エルクのくせに、この俺様を無視しやがって、後悔しても遅いんだよ」

 ゴードンは剣を抜いた。その目には殺気が籠っていた。間違いない。俺を殺すつもりで来ている。

 だったらこっちも手加減するつもりがなかった。俺の剣技のスキルレベルは『60』を超えている。この数字がハリボテでなかったのなら、例えゴードンが相手でも遅れを取る事はないはずだ。

「運が悪かったな……エルク。最近、俺様の剣技のスキルレベルは『40』になった。このままいけばそのうちに最高値である『50』に到達するだろうよ。俺様はもうすぐ、剣聖と呼ばれるような、達人の領域に達するんだ。てめーみたいな底辺のFランク冒険者じゃ、決して手の届かないように高みに俺様は行くんだよ」

 ゴードンは俺を見下したような目で見てくる。

「ちっ! エルクのくせにスカしたような目で見やがってっ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

  ゴードンが俺に斬りかかってくる。

 キィン!

 甲高い音が響いた。俺はブロンズソードでゴードンの攻撃を受け止めたのだ。

「な、なに!?」

 予想外の出来事に、ゴードンは驚いたような表情になる。

「ふ、ふざけるなっ! Fランク冒険者のエルクのくせに、この俺様の攻撃を受け止めただと! 今のは何かの間違いだ!」

 キィン! キィン! キィン!

 ゴードンは幾度となく、攻撃を繰り返す。しかし、その攻撃を俺は完璧に捌き続けた。

「はぁ……はぁ……はぁ……そ、そんな馬鹿なっ!」

 ゴードンは俺を倒すどころか、すっかりと疲弊してしまって、肩で息をしていた。

「くそっ!」

 俺はゴードンの攻撃を避けた。

「う、うわっ!」

 ゴードンは勢い余って、近くにあったゴミ捨て場に突っ込んでしまう。

「ゴードン様!」

 取り巻き達が心配そうに声を上げる。

「ち、ちくしょう!」

 ゴードンは立ち上がる。ゴードンの身体はゴミで汚れ、悪臭を放っている。

「この俺様をこんな目に合わせやがって、ただじゃおかねぇぞ! エルク! お前達、やっちまえ!」

 ゴードンは取り巻き達に命ずる。

「い、良いんですか!? ゴードン様!」

「お、俺達は手出ししちゃいけないんじゃ!」

「それはさっきまでの事だ! 今の俺様がやれって言えばやるんだよ! いいからこのエルクを袋叩きにしちまえ!」

「「「はい! ゴードン様!」」」

 取り巻き達はそれぞれが武器を取り出す。剣だったり、ダガーナイフだったり、斧だったり、多種多様な武器を彼等は持っていた。

「「「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」」」

 取り巻き達が一斉に襲い掛かってくる。

 剣が走る。

 バタ、バタ、バタ。

 取り巻き達が倒れた。

「うっ……ううっ」

「そ、そんな……馬鹿な……」

「な、なんで俺達があのエルクなんかに……」

 死んではいない。皆、意識を失っただけだ。力の加減をするくらいの余裕は俺にはあったのだ。

「嘘だろ……」

 ゴードンは絶句していた。俺は確信した。やはり、俺のステータス画面はただのハリボテではなかった。スキルレベルの上昇は確実に俺を強くしていたのだ。
 
 それを確認できたのは収穫だった。幾千にも及ぶスライム退治の末に、俺の剣技のスキルレベルは上昇限界を突破してしまっていたのは、確かなようだ。

 俺はその場を去ろうとする。

「ま、待ちやがれ!」
  
 ゴードンは叫ぶ。

「まだやるつもりか? ゴードン」

「い、いや……なんでもない」

 俺が見やると、すっかりとゴードンは大人しくなった。

 もういい。用は済んだだろう。俺は宿屋へと向かう。最初の頃泊まっていたような安宿じゃない。まともな宿屋だ。そこで今後の身の振り方を改めて考えようと思ったのだ。

 

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