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心境の変化
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真幸と、一緒にBLのお話をドラマCDとして収録に参加する事に
なったんだけど。
「声だけで演技って、こんなにも大変なんだよなぁ…」
別に、自分には出来ると思ってた訳でもないし。
相手がそもそも本当に、彼氏でもある真幸だって言うのが
事務所からの嫌がらせかと思うくらい。
(もちろん、2人の交際に関しては公言してないし)
生活の中で重なる時間があれば、演技指導は真幸から直接してもらえるし
ものすごく、恵まれた環境ではある。
ただ、公私混同してしまいそうになるし。
真幸を好きな気持と、キャラとしての恋愛感情が同じになっていく気がして
演技なのかさえも分からなくなる時がある。
2人にしかソレは、きっと分からない事だから
あまり気にしなければ良い。
好都合だと割り切ればいいのかもしれない。
全部収録が終わったのは、数日前。
実際、ドラマCDは予約も結構大々的に受け付けるし
音源としてDLコンテンツの販売も決まっている。
真幸と言う、ベテランとも呼べる声優とほぼ声優の仕事を
した事がないモデルの俺との共演が、少し話題にはなったりもしている。
俺自身は、ただの素材を提供するだけ。
淡々としていたけれど、今までの仕事の中で1番難しくて
苦労したのは間違いない。
昨日の夜に、打ち上げがあって。
真幸も俺も参加して、製作陣の方々と労をねぎらい合った。
で、今は早朝。
部屋の中はエアコンで結構冷えている。
真幸はタオルケットをはだけてまだ寝ている。
「…あにき…?」
なーんちゃって。
最近まで何回、真幸の事を兄貴って呼んでただろう?
泣いたり、鳴かせられたり、嫉妬したり、怒ったり。
それもこれも、俺が演じた役の青年・星明がブラコンだから。
そっとタオルケットを掛けなおして、自然と笑みがこぼれる。
いつでも、どんな時でも俺を傍で支えてくれている。
真幸には、恋愛感情もあるけど感謝の想いの方が強い。
『千紘、おはよう…』
「うん、おはよう。でも、まだ寝てていいよ?まだ6時前。」
俺は、あの仕事がなかったらきっと…愛おしいとか、恋しいって感覚をあんまり
理解できていなかったと思う。
『おやすみ…星明。』
真幸は、また目を閉じて眠りについた。
本当によく働く。俺との共演もしながら、他にもいくつかの仕事を抱えて。
家に帰ってからも俺のライブ配信に出てくれたりもして。
好きだなぁ、とかより尊敬が先に来てる。
俺はと言えば、相変わらずモデルとしての仕事や自ブランドの新作を考案したりと
マイペースにやっている。
近頃は、家でできる仕事も増えて来てるから楽ではある。
スタジオに入った時の、独特の緊張感もドキドキして好きだけど。
今日は、真幸が午前中から収録に出かけるから。
それまでに、朝食の準備に洗濯をして…と頭の中で1日のイメージを組み立てていく。
なんだか、すっかり生活する事に慣れて来た感じがする。
真幸と一緒に暮らす事が、当たり前になって来てる。
いつまで、一緒なのかは俺もよく分からないけど。
ベランダにでて、朝の少し冷えた外気を身にまとう。
朝陽は少しだけ遠くに感じる。
小鳥のさえずりが、かすかに聞こえる。
忙殺されていた日々は、こんな外の世界さえも感じられずに過ごしていた。
今は、余裕が出来てきた。
全然、私用で外出もしてなかったし。
ぶっちゃけ、真幸ともマトモにデートも出来てなかった。
打ち合わせとか、合わせて台本を読んだりとか。
そう言うので膝を突き合わせることは多かったけど。
「…はぁ……。」
ちょっと、肌の手入れをちゃんとし直そう。
食事も、外で飼って帰る事も多かったから。自炊したい。
のんびりとお風呂に入って、お湯と一体化したい。
あー、あと植物園に行きたい。
自然と触れ合いたい。
真幸に、どれから伝えたらいいかな?
「乙女だなぁ…、俺…。」
結局、全部が真幸に向かうんだもん。
絶対、俺の方が…想いが大きそうで何かヤだ。
なったんだけど。
「声だけで演技って、こんなにも大変なんだよなぁ…」
別に、自分には出来ると思ってた訳でもないし。
相手がそもそも本当に、彼氏でもある真幸だって言うのが
事務所からの嫌がらせかと思うくらい。
(もちろん、2人の交際に関しては公言してないし)
生活の中で重なる時間があれば、演技指導は真幸から直接してもらえるし
ものすごく、恵まれた環境ではある。
ただ、公私混同してしまいそうになるし。
真幸を好きな気持と、キャラとしての恋愛感情が同じになっていく気がして
演技なのかさえも分からなくなる時がある。
2人にしかソレは、きっと分からない事だから
あまり気にしなければ良い。
好都合だと割り切ればいいのかもしれない。
全部収録が終わったのは、数日前。
実際、ドラマCDは予約も結構大々的に受け付けるし
音源としてDLコンテンツの販売も決まっている。
真幸と言う、ベテランとも呼べる声優とほぼ声優の仕事を
した事がないモデルの俺との共演が、少し話題にはなったりもしている。
俺自身は、ただの素材を提供するだけ。
淡々としていたけれど、今までの仕事の中で1番難しくて
苦労したのは間違いない。
昨日の夜に、打ち上げがあって。
真幸も俺も参加して、製作陣の方々と労をねぎらい合った。
で、今は早朝。
部屋の中はエアコンで結構冷えている。
真幸はタオルケットをはだけてまだ寝ている。
「…あにき…?」
なーんちゃって。
最近まで何回、真幸の事を兄貴って呼んでただろう?
泣いたり、鳴かせられたり、嫉妬したり、怒ったり。
それもこれも、俺が演じた役の青年・星明がブラコンだから。
そっとタオルケットを掛けなおして、自然と笑みがこぼれる。
いつでも、どんな時でも俺を傍で支えてくれている。
真幸には、恋愛感情もあるけど感謝の想いの方が強い。
『千紘、おはよう…』
「うん、おはよう。でも、まだ寝てていいよ?まだ6時前。」
俺は、あの仕事がなかったらきっと…愛おしいとか、恋しいって感覚をあんまり
理解できていなかったと思う。
『おやすみ…星明。』
真幸は、また目を閉じて眠りについた。
本当によく働く。俺との共演もしながら、他にもいくつかの仕事を抱えて。
家に帰ってからも俺のライブ配信に出てくれたりもして。
好きだなぁ、とかより尊敬が先に来てる。
俺はと言えば、相変わらずモデルとしての仕事や自ブランドの新作を考案したりと
マイペースにやっている。
近頃は、家でできる仕事も増えて来てるから楽ではある。
スタジオに入った時の、独特の緊張感もドキドキして好きだけど。
今日は、真幸が午前中から収録に出かけるから。
それまでに、朝食の準備に洗濯をして…と頭の中で1日のイメージを組み立てていく。
なんだか、すっかり生活する事に慣れて来た感じがする。
真幸と一緒に暮らす事が、当たり前になって来てる。
いつまで、一緒なのかは俺もよく分からないけど。
ベランダにでて、朝の少し冷えた外気を身にまとう。
朝陽は少しだけ遠くに感じる。
小鳥のさえずりが、かすかに聞こえる。
忙殺されていた日々は、こんな外の世界さえも感じられずに過ごしていた。
今は、余裕が出来てきた。
全然、私用で外出もしてなかったし。
ぶっちゃけ、真幸ともマトモにデートも出来てなかった。
打ち合わせとか、合わせて台本を読んだりとか。
そう言うので膝を突き合わせることは多かったけど。
「…はぁ……。」
ちょっと、肌の手入れをちゃんとし直そう。
食事も、外で飼って帰る事も多かったから。自炊したい。
のんびりとお風呂に入って、お湯と一体化したい。
あー、あと植物園に行きたい。
自然と触れ合いたい。
真幸に、どれから伝えたらいいかな?
「乙女だなぁ…、俺…。」
結局、全部が真幸に向かうんだもん。
絶対、俺の方が…想いが大きそうで何かヤだ。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/695046973/996635390天乃屋兄弟のお話、貼っておきますね。この兄弟の声を演じていると…妄想しつつ
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