その声に弱いんだってば…。

あきすと

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たまには、甘えたい。

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『企画に対するものが7割ほど千紘に対する読み聞かせプレイって…』
これは、酷い。とでも言いたそうに真幸は苦笑いして動画のコメント欄を見ていた。
「プレイって…。でも、動画ではそんなの無理!おかしなチャンネルだと思われたら
どうすんだよ。」
真幸との関係をつまびらかにしたけど、いかがわしい企画には俺もどうかと思うし。
事務所から叱られるのは真幸と俺なのである。
そーいうのを売りにしてる訳じゃない以上は、節度あるものにしていきたい。
『まぁ、最初はね…手堅く基礎を築いていかなきゃね。』
最初は、って言ってるんだけど…真幸の奴。

最近、色々と忙しくって…ちゃんと2人でゆっくり出来てない気がする。
恋人としての時間というのは、意識して取らないと。
だんだんとお互いが空気になって行くんじゃないかと、時々思う。
はぁあ~…とソファでお気に入りのクッションを抱えていると、真幸が俺を見て
髪をサラサラ撫でて来た。
真幸は、雰囲気に対する察しが異様にいい。
思わず、心の中を見透かされたんじゃないかと思う程に。
『切ないため息だね…、どうしたの?千紘。』

改めて、聞かれると困ってしまう。どうしたんだろう?自分でも、どう表現したら良いのか
分からないけど。大きな安心感が欲しい。
「ん…ちょっとね、」
『そうやって、抱っこしてるけど…何か不安なんじゃない?』
「ぅーん…」
煮え切らない態度では、真幸は踏み込んでこない。
真幸は、俺には強引さがあまりないからだ。
『…あれ?もしかしてさ』
真幸が身を乗り出して、俺の額に手をあてて、ジィッと瞳を見つめて来る。

ドキドキする…。なぁんだ、もう伝わっちゃたのか?
妙な静寂が、くすぐったい。
『ちょっと、微熱あるんじゃない?』
思いがけない真幸の言葉に、俺は目を瞬いていた。
するっと、手が離れて真幸は引き出しにある体温計を取りに行った。
アルコールのウエットティッシュで、肌の接触面を拭きながら
『目が、潤んでるし…どうかな?』
相変わらずの甘い声で、俺のシャツのボタンを一つ外して体温計を差し込んだ。
脇に下から垂直にあてて、しばらくは静かにしつつ計測音が鳴るのを待つ。

真幸は、ソファの下で膝をついて一緒になって待っていてくれる。
こういう所が、ふわふわ優しくてなんだか心がむず痒くなる。
電子音が響いて、ビクッとしていると
『じゃ、貰おうか…』
俺は、体温計を真幸に渡した。何度だったかは自分で確認してない。
受け取った真幸は、眉をハの字にして
『37.4って、微妙な…一番怠いくらいの体温だよ。』
うげ、最悪…。今日、というか今夜真幸といちゃいちゃしたかったのに…
「ぁー…マジなの?」

『喉は大丈夫?イガイガしてない?』
「全く。ただ、ちょっと体がいつもよりあったかい位かな。」
『あったかくして、寝るのが一番いいよ。俺も今日は早く寝よう。最近、動画撮りとかで
結構夜更かししてるし。』
ね、と真幸に言われたけど。
「…ん、まだ起きてる。」
真幸に抱き付いて、抱き留めたはずの真幸をゆっくりとラグの上に転げた。
『ぁはは…っ、ダメだよ?そんな子供みたいな事言って、俺困っちゃう。千紘に甘いから
許したくなるよ~』
流されちゃえばいいのに。心の奥底では、思っていた。
「今夜は、真幸といちゃいちゃするつもりだったのに…」
ぽそぽそと、真幸に伝える。
俺にだって、欲はある。真幸は、嬉しそうに笑いながら
『そうだったの?気づかなくってゴメンね…でも、今日は千紘、無理させられないよ。』

真幸の優しさが、時々俺を程よく苦しめて来る。
嫌じゃないけど、ジタバタしてしまいたくなる。
「大丈夫…、平気だから」
じれったくて、真幸にキスをして。どうにか心が変わってしまわないかと
期待を込めて、唇を重ねる。
『……』
ふと、真幸は俺の顔を一瞬見て何か言いたげだったけど
俺は、それを目をつむる事で、気付かないフリをした。
舌のあったかさや滑らかさが、気持ちいい。真幸の唾液と絡んで
伝う透明な雫でさえも、愛おしくて言葉は必要のないやりとりと化していく。
頭の奥がぼーっとして、柔らかい快感を味わいながら涙が自然と零れてしまう。

求めていたものが、じわじわ満たされて行くのがよく分かる。
真幸の唇は、ゆっくりと耳朶へと移って
「…ぁ、…ちょ…ん、耳は…っ」
耳朶をきゅっと摘ままれてくにゅくにゅ、揉まれる。
細い吐息が吹き込まれると、体に電気が走ったみたいにビリビリと刺激が駆け抜ける。
「ひゃぁ…ぁ…ぅ…、」
だめだめだめだめ!無理…気持ち良すぎる。
最近、真幸にあんまり触られてなかったせいもあって、体はかなり刺激にも敏感になっている。

ぞくぞく、ぞわぞわして頭おかしくなりそう。
耳朶を真幸は口に含んで、食んでる。
こんなの耐えられる訳ないし…。ヤバイ…、今の耳ふ―されたせいで
ちょっと、下の方が…。
「真幸ぃ…、」
『…ん?』
くちゅ、と間近で舐める音が聞こえるのが…はぁぁんってなる。
我慢してるけど。
「ちょっと…するんなら、ベットにして。ラグがガビガビになるのだけはイヤ。」
あぁ、と真幸が白々しく今気が付いたような顔をしてから離れて立つと
『ホント、千紘は耳に関する部分には弱いよね。』
「うるせー、お前のせいで…下着が」
『ぇ?あらら…。それは申し訳ない。でも、どうせ脱がすんだからいいでしょ?』

真幸の情緒の無さが異常だ。

はぁ、やっぱりベッドの上でないと落ち着かない。シーツの上にタオルを引いても
然程意味は無い気もしたけど。
真幸が照明を落として、ほの暗い部屋の中。案の定、お約束と言うか真幸に背後から
ボトムを脱がされていく。
変態みたいな事を平気でやってのけるけど、この良い顔と声があるからか簡単に許せてしまう。
じゃないと、面白くないよ。とさえ思う。
「心変わりしたんだ?」
『するしかないでしょ?あんな声聞かされて、こんな姿まで見せられたらね。』
腰を少し浮かせて、するすると脱げていく下着を見ていた。
「よかったぁ、真幸が今日も変態で…」
『理性のない子だね…、いいよ?それも可愛いからさ』

今日は、なんだか沢山キスがしたくって…。
何度も、キスを交わしながら俺は真幸に抱かれていた。
向かい合って繋がりながら、キスをされている時が一番きゅんきゅんして
脳が満たされていく。
『…よかったの?千紘』
「は…、…ぁ…なにぃ…?」
『いや、ゴム使わなかったからさ』

はぁ!?…ぁ、そういえばそんな事言ってたかもしれない。
俺がいい。って、言っちゃったんだった。
目の前の欲に流されて、言った事すら覚えて無いなんて…我ながら淫乱。

『やっぱり、熱あるよ千紘。だって、いつもよりナカ、温かかったし』
「…やめてくれます~?生々しい。」
あー、でも、汗かいたからスッキリはしたかもしれない。
ここで、ちゃんとしておかないと。
『大丈夫?せめて…体は拭いてあげるね。』
「シャワーする。」
『えぇ!きつくない?』
「しんどいけど、頑張る…」
俺が言い出したら聞かない事は、真幸も十分承知だ。

結局、真幸に手伝って貰って風呂場で茹りそうになった。

「もー!あの一回は余計だろ」
『だって…千紘がえっちな声で誘うから~』
「誘ってないし!掻き出されたら、声でちゃんだよ…馬鹿。」
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