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イケメンと遭遇

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「君!大丈夫だったか?!」

声がした方にぱっと振り向く。

ガサガサと草木をかき分けながら出てきたのは、黒髪の美丈夫だ。歳は30代半ばだろうか、大人の色気が滲み出ている。

「は、はい!大丈夫です……。」

「ここは魔物が出て危険だ。どうして子供がこんなところに一人でいるんだ?」

「……あの、俺も分からなくて、まもの?もなにか分からない……ここってどこですか……?」

「ここはマーレの森だ。君は村の者か?それか奴隷か……それにしては身なりはいいな……。」

「あの!俺、日本っていう国にいたんですけど、ここってもしかして違う国だったりしますか?」

「ニホン?ここはフェンデルバン王国だが……」

「フェンデルバン王国……」

やっぱり異世界転移だったのか。確かに俺死んだもんな。

でもどうせなら転生して赤ちゃんからスタートしたかったな。そしたら母さんもいたのに。

「……大丈夫か?」

「だ、大丈夫です……」

「あー、記憶がないのか?」

「は、はい。多分ですけど……」

「そうか……。じゃあ、とりあえずうちに来るか?」

「へ?」

「俺は一人暮らしだ。だから1人くらい子供が増えても構わない。記憶が戻ったら家を出ればいい。とりあえずこんな森の中に子供を放置していくわけにはいかないからな。」

「ありがとうございます!」

「俺はルークだ。君の名前を聞いていいか?」

「えっと俺はミチルです。」

「よしじゃあミチル。早速家に案内する。服も変えたいだろうしな。」

ルークがちらりと俺の下穿きを見た。スライムの粘液で太ももにピタリと張り付き悲惨な状態だ。

「ありがとうございます……」


ルークの家に向かう道中、俺たちはかなり打ち解けた。お互いの呼び名がルークとミチルになり、俺も砕けた話し方になった。

まぁ、ルークは最初からミチルだったんだけど。

「そういえば、ルークはなんで森の中にいたんだ?」

「あぁ、俺は巡回中だったんだ。」

「巡回?」

「俺は騎士だからな。さっきは急に叫び声が聞こえて驚いたが、無事でよかった。」

「まぁ、ズボンはびちゃびちゃになったけどね。」

確かに、ルークは軍服のような服を身に着けていた。ヨーロッパ系の兵隊が着ているようなものでそれが騎士団の制服らしい。

「それにしてもまさかミチルが18歳だったとはな。」

「え、俺のこと何歳に見えてたの?」

「14歳くらいだと……」

「中学生じゃん!だから子供って言ってたのか……」

「中学生……?」

「いや、なんでもない!」

やっぱり日本で使ってた言葉は馴染みが無いようだ。日本語は通じてるのにな。



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