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本編

第12話_執念の抵抗-2(★)

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★年齢制限表現(微・性描写)有

「…ほう」

横たわる『仇敵』の静かな口上を聞き、[木蔦ヘデラ]は軽く息をつくと、にやりと口角を上げる。

「大層な信条だ…流石は選ばれた『守護者』というところか、[侵略者]の前に痴態を晒した姿でなければな。…『世界』どころか人間一体も満足に護れない奴が正義を語るな」

[木蔦ヘデラ]は足を振るって蒼矢ソウヤの手を振りほどき、『起動装置』を引き千切って部屋の隅へ投げ落とす。
そして蒼矢の首を掴み、片手で身体を引きずり上げ、宙吊りにした。

「…っくぅ…」
「『守護者』であるはずのお前がこの場で出来ることは、[俺]の餌として身体を差し出すことだけだ。『セイバー』になれない今のお前に適う、特に使命を帯びる必要もない簡単な役目だろう?」
「っ…!」

気道を閉ざされ、首に掛かる重みに顔を歪める蒼矢を見上げ、揺れる脚の間の中心を握って揉みあげる。
局部に加わる刺激にびくりと跳ねる痩躯をベッドへと振り落とし、[木蔦ヘデラ]はすぐに蒼矢へ被さった。

「痛みを好むお前が愉しめるよう、今回はより可愛がってやろう」

蒼矢の両腕を頭の上にまとめると、みずからのズボンのベルトを解いて手首を拘束する。
そして、首をそむけて拒絶する細い顎を掴むと、その艶やかな唇を上から覆った。

「…っんぅ…! …んくっ…」

急激に昂る身体に口端から喘ぎ声を漏らしながら、蒼矢は[木蔦ヘデラ]の苛烈な凌辱に溺れていった。



ベッドの上でひとしきり乱れ、一旦腹を満たした[木蔦ヘデラ]は中断させ、身体を清めにシャワー室へ入る。
[木蔦ヘデラ]に激しく犯された蒼矢は、身体を汗と体液まみれにし、ベッドへ横たわっていた。
両手首を纏めたベルトは、逆端をベッドのヘッドボードに括り付けられていた。

疲弊し頬を染め、短い呼吸を繰り返す蒼矢の耳に、シャワーの流れる音が聞こえてくる。

「…っ」

蒼矢は閉じていた目を見開くと、結び付けられた両腕を引っ張る。

「っ…! …っ…!!」

手首に絡むベルトの太い皮が、白い皮膚に擦れ、紅く染まっていく。

「~っ…!!」

ベルトが手首へ深く喰い込んでいく痛みを受容れ、蒼矢は渾身の力で引っ張り続ける。
やがてヘッドボード側の結び目が緩んで抜け、身体が自由になった蒼矢は歯で手首のベルトを解く。
そして、音を立てずにベッドから飛び下りて隅へ脱ぎ捨てた着衣を拾い、まっすぐクローゼットへ走った。
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