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本編
第12話_執念の抵抗-1(★)
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★年齢制限表現(暴力描写)有
翌週、いつもなら大学敷地内いずこかの講義室に居るだろう時分、蒼矢は都内某所の駅近郊に建つ細長いホテルの一室へ入っていく。
部屋へ入ると、先客にいつぞやと同じようにクローゼット内を確認するよう促され、静かに開く。
中には高校生くらいの男子がやはり裸で四肢を拘束され、膝を体の前で折る姿勢で押し込まれて目を閉じていた。
部屋の先客であり、男子を軟禁した男――[木蔦]は、ひとり掛けソファへ深く座り、蒼矢に正面へ立つよう指示を出す。
「脱げ。この間のように手伝われたくなければ、手早くな」
脚を組み、肘掛けに頬杖をついた姿勢で眺められる中、蒼矢は無言で着衣を脱いでいく。
下着一枚になり、姿勢を戻したところで、[木蔦]はゆっくりと蒼矢へ歩み寄る。
そして目の前に立った途端、至近距離から頬へ平手を浴びせた。
巨体から一切の加減が無い一撃を喰らい、蒼矢の身体が吹っ飛ばされる。
「ペンダントは外してこいと言ってあったよな?」
起き上がろうとする身体を足の裏で肩を突いて転がし、[木蔦]は首から下がる『起動装置』を忌々しげに見やった。
[木蔦]の内で湧きあがる邪念に反応し、トップにはまるアズライト鉱石が深い青に輝く。
[木蔦]は、足先で蹴って床へ落とした鉱石を踏みつけながら、横倒しになる獲物を見下ろした。
「"保険"を用意しておいて損は無かったな。…使う手立てもないものを[俺]の前に晒すな。目障りだ」
「……それだけは、聞けない」
吐き捨てながら鉱石をフローリングへ押しつける[木蔦]の足を、蒼矢は震える手で掴む。
「…『起動装置』は、俺が『ガイアセイバー』であることの証明だ。どんな脅しをかけられようと、…友人の命がかかっていようとも、[異界のもの]から『現実世界』を護る使命がある限り、絶対に手放さない」
頬を腫らし、口元に血を滲ませながら、蒼矢は刺し殺すような眼で[木蔦]を睨み上げていた
翌週、いつもなら大学敷地内いずこかの講義室に居るだろう時分、蒼矢は都内某所の駅近郊に建つ細長いホテルの一室へ入っていく。
部屋へ入ると、先客にいつぞやと同じようにクローゼット内を確認するよう促され、静かに開く。
中には高校生くらいの男子がやはり裸で四肢を拘束され、膝を体の前で折る姿勢で押し込まれて目を閉じていた。
部屋の先客であり、男子を軟禁した男――[木蔦]は、ひとり掛けソファへ深く座り、蒼矢に正面へ立つよう指示を出す。
「脱げ。この間のように手伝われたくなければ、手早くな」
脚を組み、肘掛けに頬杖をついた姿勢で眺められる中、蒼矢は無言で着衣を脱いでいく。
下着一枚になり、姿勢を戻したところで、[木蔦]はゆっくりと蒼矢へ歩み寄る。
そして目の前に立った途端、至近距離から頬へ平手を浴びせた。
巨体から一切の加減が無い一撃を喰らい、蒼矢の身体が吹っ飛ばされる。
「ペンダントは外してこいと言ってあったよな?」
起き上がろうとする身体を足の裏で肩を突いて転がし、[木蔦]は首から下がる『起動装置』を忌々しげに見やった。
[木蔦]の内で湧きあがる邪念に反応し、トップにはまるアズライト鉱石が深い青に輝く。
[木蔦]は、足先で蹴って床へ落とした鉱石を踏みつけながら、横倒しになる獲物を見下ろした。
「"保険"を用意しておいて損は無かったな。…使う手立てもないものを[俺]の前に晒すな。目障りだ」
「……それだけは、聞けない」
吐き捨てながら鉱石をフローリングへ押しつける[木蔦]の足を、蒼矢は震える手で掴む。
「…『起動装置』は、俺が『ガイアセイバー』であることの証明だ。どんな脅しをかけられようと、…友人の命がかかっていようとも、[異界のもの]から『現実世界』を護る使命がある限り、絶対に手放さない」
頬を腫らし、口元に血を滲ませながら、蒼矢は刺し殺すような眼で[木蔦]を睨み上げていた
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