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本編
第6話_人の皮被る獣-2(★)
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★年齢制限表現(性描写)有
建物に挟まれた細い路地裏は、表道路より更に明度を下げ、少し先の景色も闇に溶けるように薄暗い。
蒼矢は上着を引っかけないよう手で押さえながら、入り組んだ道をほとんどすり抜けるように歩を進めていく。
やがて進む先がほんのりと明るくなり、なんとなく不安に駆られ始めていた蒼矢は浅く息をつく。
どうやら密集した建物の隅で出来た比較的ひらけた空間があるようで、思わず少し足を速める。
が、にわかに耳に届いた微かな音に、ぴたりと足を止めた。
"……"
「…?」
蒼矢は、耳に届く周囲の音に集中する。
遠くから聞こえる雑音に紛れた、ごく近くの音を感じ取る。
"…っ、…っ…"
耳を澄まして拾いあげた"その音"に、蒼矢は大きな目を見開く。
野太く荒々しい、男性の喘ぎ声。
そう理解出来た瞬間、蒼矢は薄明るいその先を凝視した。
建物群の隙間に作られた、外界からの死角ともいうべきその空間で、ふたりの男が絡み合っていた。
長髪の男が相手の若い男へ覆うように被さり、唇をその頬やうなじに這わせる。
背中に回した手でインナーをたくし上げ、汗ばむ身体を辿っていく。
もう片手でジーパンを下げ、尻側から下着の中へと滑り込ませていく。
若い男はそれに応えようと、息を弾ませながら長髪の男の背へ手を回しその首筋を求めるが、届く前に唇を塞がれ、舌を吸われる。
若い男の息遣いはそう時間をかけずに間隔を狭め、喘ぎ声は次第に苦しさを増し、やがて周囲を響かせる一際大きな嬌声をあげると、全身を細かく震わせた。
長髪男は絶頂した彼を壁に寄りかからせ、おもむろにその股間へと頭を下げていく。
「――おや」
股ぐらへ顔を突っ込んでいた柄方は背後の気配に気付き、ゆっくりと振り向いた。
口周りにべっとりと付いた白濁の粘液を舌で舐め取るその姿に、蒼矢は瞬きも忘れたまま、身体を硬直させていた。
「無粋な人間だね。こうして人目を忍んで愉しんでいるところを盗み見するとは」
手の甲で唇を拭うと、柄方は若い男をまるで塵芥を払うように退け、何事も無かった素振りで立ちあがる。
彼の背後で、支えを失った男の身体が地面へ崩れ落ちていった。
建物に挟まれた細い路地裏は、表道路より更に明度を下げ、少し先の景色も闇に溶けるように薄暗い。
蒼矢は上着を引っかけないよう手で押さえながら、入り組んだ道をほとんどすり抜けるように歩を進めていく。
やがて進む先がほんのりと明るくなり、なんとなく不安に駆られ始めていた蒼矢は浅く息をつく。
どうやら密集した建物の隅で出来た比較的ひらけた空間があるようで、思わず少し足を速める。
が、にわかに耳に届いた微かな音に、ぴたりと足を止めた。
"……"
「…?」
蒼矢は、耳に届く周囲の音に集中する。
遠くから聞こえる雑音に紛れた、ごく近くの音を感じ取る。
"…っ、…っ…"
耳を澄まして拾いあげた"その音"に、蒼矢は大きな目を見開く。
野太く荒々しい、男性の喘ぎ声。
そう理解出来た瞬間、蒼矢は薄明るいその先を凝視した。
建物群の隙間に作られた、外界からの死角ともいうべきその空間で、ふたりの男が絡み合っていた。
長髪の男が相手の若い男へ覆うように被さり、唇をその頬やうなじに這わせる。
背中に回した手でインナーをたくし上げ、汗ばむ身体を辿っていく。
もう片手でジーパンを下げ、尻側から下着の中へと滑り込ませていく。
若い男はそれに応えようと、息を弾ませながら長髪の男の背へ手を回しその首筋を求めるが、届く前に唇を塞がれ、舌を吸われる。
若い男の息遣いはそう時間をかけずに間隔を狭め、喘ぎ声は次第に苦しさを増し、やがて周囲を響かせる一際大きな嬌声をあげると、全身を細かく震わせた。
長髪男は絶頂した彼を壁に寄りかからせ、おもむろにその股間へと頭を下げていく。
「――おや」
股ぐらへ顔を突っ込んでいた柄方は背後の気配に気付き、ゆっくりと振り向いた。
口周りにべっとりと付いた白濁の粘液を舌で舐め取るその姿に、蒼矢は瞬きも忘れたまま、身体を硬直させていた。
「無粋な人間だね。こうして人目を忍んで愉しんでいるところを盗み見するとは」
手の甲で唇を拭うと、柄方は若い男をまるで塵芥を払うように退け、何事も無かった素振りで立ちあがる。
彼の背後で、支えを失った男の身体が地面へ崩れ落ちていった。
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