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メインストーリー1
メルダールの章:手紙編
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森の中を歩きながら、少し疑問に感じたことがある。
何故コレをビビーたちに運ばせなかったのか?
ビビーが持てるサイズなのだから機動力的にもビビー達の方が早く届ける事ができるだろう。
「なぁ、なんでわざわざコレを届けないといけないんだ?」
フーリエに聞いてみた。
「さぁ?でもプリダルエさんの策はいつも完璧で、結果は必ずその通りになる。この重大任務を成功させれば出世できるかもしれないぞ!」
思いのほかフーリエはこの作戦に前向きである。
メルダールの章:手紙編
村を迂回して移動するようにしていたが半分を超えたあたりで、知らないうちに村に近寄ってしまっていたようだ。
監視小屋に居た人間が声を上げる。
「ダーフルがいるぞ!応援を頼む!」
村に近づきすぎたか。
こちらに攻撃の意思はなくても、相手には伝わらない。
「フーリエ、少し離れるぞ」
そういって監視小屋から見えないところまで村から離れた。
村の入り口には何人かのギルド員が出てきたが、サーカさんの姿は無かった。
真っ先にすっ飛んできそうなのに珍しい。
その後はこの姿が幸いしたのか、他のモンスターから攻撃されることなく順調に目的地に向けて進んでいく。
「なあなあ、それって何が書いてあるんだろうな」
ひたすら歩く状況が続いたからなのかフーリエが話しかけてきた。
確かに内容は気になる。
が、封がしっかりとされているため、開けることができない。
「気にはなっているが、開けるとバレるから無理だろう」
「そうだろうな。重要っぽい手紙だし。太陽に透かしたりしてチラッとでも読めないかな?」
フーリエはそういうと、僕の手から封書を取り上げて太陽に向けてみた。
「うーん、何か書いてあるっぽいけどほとんど読めない文字だなぁ」
残念そうにいってきた。
僕もフーリエから封書を取り上げると太陽に向けてみたが同じだった。
「プリダルエは何故この文字を書けるのだろう?」
手紙は相手に伝わらないと意味が無い。
僕が読めないのは、まだダールエになりたてだからという可能性もあるが、フーリエも読めないということは、ダールエの文字ではない事になる。
となると、この手紙を渡す相手が使用する文字か?
いや、その前にこの文字が読めないぐらいだから僕達が相手との会話もできないだろう。
もちろん、相手がこっちの言葉を理解しているのなら別だが、それなら手紙の内容もわざわざ相手の言語にして書く必要も無い。
こっそり開けて中を見られるのを防ぐため?
あの恐ろしいプリダルエの意に背くような事をするダールエは居ないのでそれも考えにくい。
今のように太陽に透かしてみたとしても全文を把握するのは困難だ。
結局プリダルエが只者ではない事だけが判明しただけだった。
鬼が出るか蛇が出るか。
いや、出てくるのはワフ族か。
目的地でもある鉱山のふもとに着いた。
いよいよここからが本番だ。
フーリエに聞いてみた。
「メフワフって見たことあるか?」
「知らない。でもワフ族の大将ってぐらいだからこの山の上の方に居るんじゃないかな」
若干うんざりとした表情で山を見上げた。
登山か。
フーリエの気持ちもわかる。
ワフ族が攻撃してくる可能性もある。
「いくか」
フーリエが頷く。
いつでも攻撃にうつれるように弓を準備して山を登っていく。
途中、洞穴がいくつかあったが何もなさそうだ。
昼間なのでワフ族が発掘作業に取り掛かっていてもおかしくないはず。
ここはワフ族の住処。
遭遇したら戦いは避けられないとは思っていた。
それとも事前にプリダルエが僕達がここに来る事をメフワフに伝えていた?
いや、それでも戦闘にならないだけで、ワフ族が居なくなる理由にはならない。
「なんかおかしくないか?」
フーリエも同じ思いだったのかそう聞いてきた。
「何かがいる気配を感じられないな」
「じゃあ、このまま上まで登ってあっさりと任務完了か!?」
フーリエの目がキラキラしだした。
まったく楽観的なヤツだ。
油断はしないが気は抜けた気分だ。
ゴロゴロ・・・!
どこかから音が聞こえてくる。
ゴロゴロゴロ・・・!
だんだん音が近づいてくる。
前方を見ていると岩が転がってきている!
「フーリエ、やばい!岩が転がってきた!」
と、言って振り返るとフーリエが居ない。
あれ?
さっきまでいたのにどこにいったのだ?
いや、それよりも前方の岩をどうやって避けるかを考えないと。
最後に通過した洞穴までは距離があるがそこに避難すればなんとかなりそう!
そう思うと同時に足は洞穴へ向けて進んでいた。
タッタッタッ!
ゴロゴロゴロゴロゴロ・・・!
音がどんどん近くなってくる。
サッ!
間一髪のところで洞穴にもぐりこめた。
・・・
「おい、フーリエ先に逃げ・・・」
フーリエは先に洞穴にもぐりこんでいたようだ。
が、フーリエはうつぶせで倒れている。
「大丈夫か!?フーリエ!」
声をかけながら揺さぶるが反応が無い。
何者かに襲われた?
いつ?どこで?
ついさっきまで会話はしていた。
気がつけば洞穴に移動していて倒されている。
出会って間もないがあっさりと倒されるようなやつではないはず。
どこかに敵が潜んでいるのか?
でも洞穴の中から気配は全く感じない。
なにがいったいどうなっているのだ。
「うぅ・・・」
フーリエに反応があった。
よかった。
「おい、フーリエ、大丈ぶわっ・・・」
不意打ちを喰らった。
いつのまに後ろにいたのだ。
前方にすっ飛んだがギリギリ意識は保てている。
『おぉ、お仲間ちゃんは頑丈やん。でも、早めに倒れてた方が楽やのになぁ』
このクセのある話し方。
逆光ではっきりとは見えないがサーカさん!?
『ちゅーか、オマエら、見た事無い種族やん。何もんやねん。ってゆーても通じんか』
何を言っているかは理解できる。
が、この人物は誰なんだ?
周りをよく見るとワフ族が転がっていた。
やっぱり洞穴ではワフ族が作業をしていた。
しかしこの人物が気絶させていたのだ。
サーカさんと同じような話し方。
敵なのか?味方なのか?
気配も消して攻撃してくる相手に弓を構えるべきかどうか。
勝て・・・ないだろう。
・・・
しばらく沈黙が流れた。
『ハッハッハ。オマエおもろい運命背負ってるようやの』
「!」
決して面白い人生ではなかったが、奇妙な運命には違いない。
『ま、オレの用事は済んだし、今は見逃したる。次会う時は敵か?味方か?ハッハッハ、ほな』
そういうと、その人物は去っていった。
いったい何者だったのだ。
口調はサーカさんのようだが強さは上だろう。
ひょうひょうとした感じなのに隙が全くない。
プリダルエとは違う怖さがあった。
・・・
とりあえず今は助かったようだ。
倒れているフーリエに駆け寄った。
ペチペチ。
フーリエのほっぺを叩いた。
「うぅぅ・・・」
フーリエが目覚めた。
「おい、フーリエ。いつまで休んでいる。先に進むぞ」
「お、おぉ。なんか体が痛むが何があったんだ?」
フーリエは不意打ちに気付いてない感じだ。
それぐらいあの人物は強いということか。
洞穴から出る前に耳を澄ましたが岩が転がるような音は聞こえてこない。
気配・・・もない・・・はず。
慎重に表に出ると、岩が通った後だけが残っている。
「また岩が転がってきたら洞穴に逃げ込むしかないのか?」
フーリエが心配そうに聞いてきた。
「そうするしかないだろうが、もう気絶させられることはないはずだ」
元々気配を感じなかったが今はもう下山しているだろう。
考えていても仕方が無い。
また再び登山だ。
その後も何度か岩が転がってきたが、そのたびに近くの洞穴に避難できたため順調に進めている。
「本当に山頂までいかないといないのかな」
フーリエがぼやく。
「巨大な洞穴が本拠地じゃないのか?」
「そうだと助かる」
全くだ。
淡い期待だったが、今回は当たったようだ。
洞穴の前に灯篭のような置物がある。
「なんとなく立派っぽい入り口だからここじゃないのか?」
フーリエが嬉しそうに言う。
「奥まで進んでみるか」
フーリエが頷いて一緒に移動する。
少し進むと広間に出た。
広間には頭に王冠を載せワフが居る。
いかにも自分が大将だと言っているような感じである。
「こいつがメフワフ?」
「そうなのかも」
フーリエが聞いてきたが本当のところは僕にもわからない。
ワワフワフワフワー!
何を言っているのかわからない。
「手紙を渡すよう言われたので持ってきた」
用件を伝えてみたがやっぱり通じない。
とりあえず敵意が無い事を伝えるために弓をしまって封書を取り出した。
ワフワワフワー!
いや、何を言ってるのかわからない。
フーリエを見ても何のことやらといった感じだ。
雑に扱うわけにはいかないと思いながらも、このままだとらちが明かないので中央のテーブルに封書を乗せて王冠を載せたワフの元へ滑らせるようにして届けた。
封書を手にすると開封して、中の手紙を取り出した。
複数枚あるようだ。
太陽に透かしてみようとしても無理なわけだ。
1枚目を読み終わると、2枚目をこっちに向けて投げてきた。
この手紙は読める。
【これを見てるという事は任務は完了だ。フーリエはダッシュで報告に戻れ。メルダールはメフワフに背を向けてフーリエを見送れ】
え、フーリエだけ?っていうか見送れって?
僕があっけにとられながらもメフワフに背を向けると、フーリエが申し訳無さそうに広間から立ち去った。
「よくわからないが、メルダール!じゃあなー!」
・・・フーリエの姿と共に声が遠のいていく。
僕はここで何をすればいいのだ?
そう思いながら、メフワフの方を振り向くと・・・
ザクッ!
メフワフの斧が頭に突き刺さった。
目の前が真っ赤に染まる。
バタッ!
そのまま僕は後ろに倒れた。
・・・
「メフのだんな、大きな音がしましたけどなんの音ですかい?」
ワフが現れた。
というか、言葉がわかる。
手を見ると斧を持っていた。
メフワフの章へつづく
何故コレをビビーたちに運ばせなかったのか?
ビビーが持てるサイズなのだから機動力的にもビビー達の方が早く届ける事ができるだろう。
「なぁ、なんでわざわざコレを届けないといけないんだ?」
フーリエに聞いてみた。
「さぁ?でもプリダルエさんの策はいつも完璧で、結果は必ずその通りになる。この重大任務を成功させれば出世できるかもしれないぞ!」
思いのほかフーリエはこの作戦に前向きである。
メルダールの章:手紙編
村を迂回して移動するようにしていたが半分を超えたあたりで、知らないうちに村に近寄ってしまっていたようだ。
監視小屋に居た人間が声を上げる。
「ダーフルがいるぞ!応援を頼む!」
村に近づきすぎたか。
こちらに攻撃の意思はなくても、相手には伝わらない。
「フーリエ、少し離れるぞ」
そういって監視小屋から見えないところまで村から離れた。
村の入り口には何人かのギルド員が出てきたが、サーカさんの姿は無かった。
真っ先にすっ飛んできそうなのに珍しい。
その後はこの姿が幸いしたのか、他のモンスターから攻撃されることなく順調に目的地に向けて進んでいく。
「なあなあ、それって何が書いてあるんだろうな」
ひたすら歩く状況が続いたからなのかフーリエが話しかけてきた。
確かに内容は気になる。
が、封がしっかりとされているため、開けることができない。
「気にはなっているが、開けるとバレるから無理だろう」
「そうだろうな。重要っぽい手紙だし。太陽に透かしたりしてチラッとでも読めないかな?」
フーリエはそういうと、僕の手から封書を取り上げて太陽に向けてみた。
「うーん、何か書いてあるっぽいけどほとんど読めない文字だなぁ」
残念そうにいってきた。
僕もフーリエから封書を取り上げると太陽に向けてみたが同じだった。
「プリダルエは何故この文字を書けるのだろう?」
手紙は相手に伝わらないと意味が無い。
僕が読めないのは、まだダールエになりたてだからという可能性もあるが、フーリエも読めないということは、ダールエの文字ではない事になる。
となると、この手紙を渡す相手が使用する文字か?
いや、その前にこの文字が読めないぐらいだから僕達が相手との会話もできないだろう。
もちろん、相手がこっちの言葉を理解しているのなら別だが、それなら手紙の内容もわざわざ相手の言語にして書く必要も無い。
こっそり開けて中を見られるのを防ぐため?
あの恐ろしいプリダルエの意に背くような事をするダールエは居ないのでそれも考えにくい。
今のように太陽に透かしてみたとしても全文を把握するのは困難だ。
結局プリダルエが只者ではない事だけが判明しただけだった。
鬼が出るか蛇が出るか。
いや、出てくるのはワフ族か。
目的地でもある鉱山のふもとに着いた。
いよいよここからが本番だ。
フーリエに聞いてみた。
「メフワフって見たことあるか?」
「知らない。でもワフ族の大将ってぐらいだからこの山の上の方に居るんじゃないかな」
若干うんざりとした表情で山を見上げた。
登山か。
フーリエの気持ちもわかる。
ワフ族が攻撃してくる可能性もある。
「いくか」
フーリエが頷く。
いつでも攻撃にうつれるように弓を準備して山を登っていく。
途中、洞穴がいくつかあったが何もなさそうだ。
昼間なのでワフ族が発掘作業に取り掛かっていてもおかしくないはず。
ここはワフ族の住処。
遭遇したら戦いは避けられないとは思っていた。
それとも事前にプリダルエが僕達がここに来る事をメフワフに伝えていた?
いや、それでも戦闘にならないだけで、ワフ族が居なくなる理由にはならない。
「なんかおかしくないか?」
フーリエも同じ思いだったのかそう聞いてきた。
「何かがいる気配を感じられないな」
「じゃあ、このまま上まで登ってあっさりと任務完了か!?」
フーリエの目がキラキラしだした。
まったく楽観的なヤツだ。
油断はしないが気は抜けた気分だ。
ゴロゴロ・・・!
どこかから音が聞こえてくる。
ゴロゴロゴロ・・・!
だんだん音が近づいてくる。
前方を見ていると岩が転がってきている!
「フーリエ、やばい!岩が転がってきた!」
と、言って振り返るとフーリエが居ない。
あれ?
さっきまでいたのにどこにいったのだ?
いや、それよりも前方の岩をどうやって避けるかを考えないと。
最後に通過した洞穴までは距離があるがそこに避難すればなんとかなりそう!
そう思うと同時に足は洞穴へ向けて進んでいた。
タッタッタッ!
ゴロゴロゴロゴロゴロ・・・!
音がどんどん近くなってくる。
サッ!
間一髪のところで洞穴にもぐりこめた。
・・・
「おい、フーリエ先に逃げ・・・」
フーリエは先に洞穴にもぐりこんでいたようだ。
が、フーリエはうつぶせで倒れている。
「大丈夫か!?フーリエ!」
声をかけながら揺さぶるが反応が無い。
何者かに襲われた?
いつ?どこで?
ついさっきまで会話はしていた。
気がつけば洞穴に移動していて倒されている。
出会って間もないがあっさりと倒されるようなやつではないはず。
どこかに敵が潜んでいるのか?
でも洞穴の中から気配は全く感じない。
なにがいったいどうなっているのだ。
「うぅ・・・」
フーリエに反応があった。
よかった。
「おい、フーリエ、大丈ぶわっ・・・」
不意打ちを喰らった。
いつのまに後ろにいたのだ。
前方にすっ飛んだがギリギリ意識は保てている。
『おぉ、お仲間ちゃんは頑丈やん。でも、早めに倒れてた方が楽やのになぁ』
このクセのある話し方。
逆光ではっきりとは見えないがサーカさん!?
『ちゅーか、オマエら、見た事無い種族やん。何もんやねん。ってゆーても通じんか』
何を言っているかは理解できる。
が、この人物は誰なんだ?
周りをよく見るとワフ族が転がっていた。
やっぱり洞穴ではワフ族が作業をしていた。
しかしこの人物が気絶させていたのだ。
サーカさんと同じような話し方。
敵なのか?味方なのか?
気配も消して攻撃してくる相手に弓を構えるべきかどうか。
勝て・・・ないだろう。
・・・
しばらく沈黙が流れた。
『ハッハッハ。オマエおもろい運命背負ってるようやの』
「!」
決して面白い人生ではなかったが、奇妙な運命には違いない。
『ま、オレの用事は済んだし、今は見逃したる。次会う時は敵か?味方か?ハッハッハ、ほな』
そういうと、その人物は去っていった。
いったい何者だったのだ。
口調はサーカさんのようだが強さは上だろう。
ひょうひょうとした感じなのに隙が全くない。
プリダルエとは違う怖さがあった。
・・・
とりあえず今は助かったようだ。
倒れているフーリエに駆け寄った。
ペチペチ。
フーリエのほっぺを叩いた。
「うぅぅ・・・」
フーリエが目覚めた。
「おい、フーリエ。いつまで休んでいる。先に進むぞ」
「お、おぉ。なんか体が痛むが何があったんだ?」
フーリエは不意打ちに気付いてない感じだ。
それぐらいあの人物は強いということか。
洞穴から出る前に耳を澄ましたが岩が転がるような音は聞こえてこない。
気配・・・もない・・・はず。
慎重に表に出ると、岩が通った後だけが残っている。
「また岩が転がってきたら洞穴に逃げ込むしかないのか?」
フーリエが心配そうに聞いてきた。
「そうするしかないだろうが、もう気絶させられることはないはずだ」
元々気配を感じなかったが今はもう下山しているだろう。
考えていても仕方が無い。
また再び登山だ。
その後も何度か岩が転がってきたが、そのたびに近くの洞穴に避難できたため順調に進めている。
「本当に山頂までいかないといないのかな」
フーリエがぼやく。
「巨大な洞穴が本拠地じゃないのか?」
「そうだと助かる」
全くだ。
淡い期待だったが、今回は当たったようだ。
洞穴の前に灯篭のような置物がある。
「なんとなく立派っぽい入り口だからここじゃないのか?」
フーリエが嬉しそうに言う。
「奥まで進んでみるか」
フーリエが頷いて一緒に移動する。
少し進むと広間に出た。
広間には頭に王冠を載せワフが居る。
いかにも自分が大将だと言っているような感じである。
「こいつがメフワフ?」
「そうなのかも」
フーリエが聞いてきたが本当のところは僕にもわからない。
ワワフワフワフワー!
何を言っているのかわからない。
「手紙を渡すよう言われたので持ってきた」
用件を伝えてみたがやっぱり通じない。
とりあえず敵意が無い事を伝えるために弓をしまって封書を取り出した。
ワフワワフワー!
いや、何を言ってるのかわからない。
フーリエを見ても何のことやらといった感じだ。
雑に扱うわけにはいかないと思いながらも、このままだとらちが明かないので中央のテーブルに封書を乗せて王冠を載せたワフの元へ滑らせるようにして届けた。
封書を手にすると開封して、中の手紙を取り出した。
複数枚あるようだ。
太陽に透かしてみようとしても無理なわけだ。
1枚目を読み終わると、2枚目をこっちに向けて投げてきた。
この手紙は読める。
【これを見てるという事は任務は完了だ。フーリエはダッシュで報告に戻れ。メルダールはメフワフに背を向けてフーリエを見送れ】
え、フーリエだけ?っていうか見送れって?
僕があっけにとられながらもメフワフに背を向けると、フーリエが申し訳無さそうに広間から立ち去った。
「よくわからないが、メルダール!じゃあなー!」
・・・フーリエの姿と共に声が遠のいていく。
僕はここで何をすればいいのだ?
そう思いながら、メフワフの方を振り向くと・・・
ザクッ!
メフワフの斧が頭に突き刺さった。
目の前が真っ赤に染まる。
バタッ!
そのまま僕は後ろに倒れた。
・・・
「メフのだんな、大きな音がしましたけどなんの音ですかい?」
ワフが現れた。
というか、言葉がわかる。
手を見ると斧を持っていた。
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