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駄目元。
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確かにその通り。
でも、僕にだって権利はあるぞ。
この人の言う通り本当に僕には無理なのかもしれないけど、頭ごなしに無理と言われると意地でも受けたくなってしまう。
「それでも、一度面接に行ってみます。」
「ですが…」
「失敗しても良いです。後悔したくないので。」
何度か考え直せと言われたけれど僕は絶対に折れなかった。
押し問答の結果、無理だと思いますけどねと渋々と了承してくれた。
受付のお姉さんが薬屋に直接連絡をしてくれ面接の日取りが決まる。
さっそく今日の夕方、薬屋に出向くことになった。
「ここかな?」
街の中心部。
大きな通りに面した場所にあった。
木の温もりが感じられる渋めな外観でお洒落だなあ。
大きなお店では無いけど独特な雰囲気があって少しだけ尻込み。
ギルドからの紹介状を手にして緊張からゴクリと生唾を飲む。
「駄目で元々。気合い入れてけ!」
大きな独り言を言いながら少し重めのドアを開き薬屋の中に入る。
店内の空気に触れると薬独特の香りがフワッと感じられた。
うわ…凄いな…
右の壁も左の壁も、ずらっと薬の瓶が敷き詰めるように並べてある。
物凄い量だ。
圧倒されているとカウンターの中に居る人が僕に気づいてくれた。
「いらっしゃいませ。」
「あ、こんにちは!あの、僕、ギルドからの紹介で…」
「ああ!面接の方ですね。話は伺ってます。師匠!!面接の方がお見えですよ!!」
カウンターの人は僕より少し年上くらいの眼鏡の男性で白くて丈の長い上着を着ている。
とても感じの良い人で、この人となら一緒に働けそう。
師匠と呼ばれた人がノロノロとカウンターの奥のドアからやってきた。
一つ結びにした女性。
30歳くらいの美人さんだ。
この人も白い上着を着ている。
「うるっせぇ声で呼ぶんじゃねー!!頭に響くだろうが!!!」
カウンターの人の頭をスリッパで殴った。
スパンっと小気味良い音が響く。
二日酔いなのは自業自得じゃないですか、と殴られた人は平気そう。
日常茶飯事なのかな…
「えー…君か?面接に来たというのは?」
「は、はい!ニーニャです。宜しくお願いします。」
「私は店主のラミーだ。…なるほど。」
ギルドからの紹介状を渡して自己紹介した。
ラミーさんは僕の体を見てる。
上から下までジロジロと観察される。
何のチェックだろう。
「…珍しいオーラだな。君、魔法は?」
「ギルドの初級魔法教室を卒業しました。」
「山登りは出来るか。あと川には慣れてるか?」
「大丈夫です。昔、木の実や山菜採りに良く行ってました。川では良く洗濯もしていました。」
「週5で夕方から閉店までの勤務だが大丈夫か。」
「はい。」
「よし採用。取り敢えず1週間試用期間で雇ってやる。」
「え!?いいんですか?」
え、面接ってこんな感じで良かったの?
用意していた志望動機とか聞かれ無かった。
でも採用は採用だよね!
「ありがとうございます!」
「さっそく働いて欲しいところなんだが、うちで働く前にギルドに薬師登録してもらいたい。」
薬を扱うお店で働く人はギルドに登録をしないといけないそうだ。
3級薬師、2級薬師、準1級薬師、1級薬師、特級薬師とあって、もちろん3級薬師が初心者用だ。
「3級薬師に登録するには簡単な試験に合格する必要があるが、初級魔法を使える奴だったら大丈夫だ。来週の初仕事日までに登録をしておくように。」
でも、僕にだって権利はあるぞ。
この人の言う通り本当に僕には無理なのかもしれないけど、頭ごなしに無理と言われると意地でも受けたくなってしまう。
「それでも、一度面接に行ってみます。」
「ですが…」
「失敗しても良いです。後悔したくないので。」
何度か考え直せと言われたけれど僕は絶対に折れなかった。
押し問答の結果、無理だと思いますけどねと渋々と了承してくれた。
受付のお姉さんが薬屋に直接連絡をしてくれ面接の日取りが決まる。
さっそく今日の夕方、薬屋に出向くことになった。
「ここかな?」
街の中心部。
大きな通りに面した場所にあった。
木の温もりが感じられる渋めな外観でお洒落だなあ。
大きなお店では無いけど独特な雰囲気があって少しだけ尻込み。
ギルドからの紹介状を手にして緊張からゴクリと生唾を飲む。
「駄目で元々。気合い入れてけ!」
大きな独り言を言いながら少し重めのドアを開き薬屋の中に入る。
店内の空気に触れると薬独特の香りがフワッと感じられた。
うわ…凄いな…
右の壁も左の壁も、ずらっと薬の瓶が敷き詰めるように並べてある。
物凄い量だ。
圧倒されているとカウンターの中に居る人が僕に気づいてくれた。
「いらっしゃいませ。」
「あ、こんにちは!あの、僕、ギルドからの紹介で…」
「ああ!面接の方ですね。話は伺ってます。師匠!!面接の方がお見えですよ!!」
カウンターの人は僕より少し年上くらいの眼鏡の男性で白くて丈の長い上着を着ている。
とても感じの良い人で、この人となら一緒に働けそう。
師匠と呼ばれた人がノロノロとカウンターの奥のドアからやってきた。
一つ結びにした女性。
30歳くらいの美人さんだ。
この人も白い上着を着ている。
「うるっせぇ声で呼ぶんじゃねー!!頭に響くだろうが!!!」
カウンターの人の頭をスリッパで殴った。
スパンっと小気味良い音が響く。
二日酔いなのは自業自得じゃないですか、と殴られた人は平気そう。
日常茶飯事なのかな…
「えー…君か?面接に来たというのは?」
「は、はい!ニーニャです。宜しくお願いします。」
「私は店主のラミーだ。…なるほど。」
ギルドからの紹介状を渡して自己紹介した。
ラミーさんは僕の体を見てる。
上から下までジロジロと観察される。
何のチェックだろう。
「…珍しいオーラだな。君、魔法は?」
「ギルドの初級魔法教室を卒業しました。」
「山登りは出来るか。あと川には慣れてるか?」
「大丈夫です。昔、木の実や山菜採りに良く行ってました。川では良く洗濯もしていました。」
「週5で夕方から閉店までの勤務だが大丈夫か。」
「はい。」
「よし採用。取り敢えず1週間試用期間で雇ってやる。」
「え!?いいんですか?」
え、面接ってこんな感じで良かったの?
用意していた志望動機とか聞かれ無かった。
でも採用は採用だよね!
「ありがとうございます!」
「さっそく働いて欲しいところなんだが、うちで働く前にギルドに薬師登録してもらいたい。」
薬を扱うお店で働く人はギルドに登録をしないといけないそうだ。
3級薬師、2級薬師、準1級薬師、1級薬師、特級薬師とあって、もちろん3級薬師が初心者用だ。
「3級薬師に登録するには簡単な試験に合格する必要があるが、初級魔法を使える奴だったら大丈夫だ。来週の初仕事日までに登録をしておくように。」
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