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誰?
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あり得ねぇ?
え、僕?
なにか気に障ってしまったかな。
「その髪、雑に切りすぎなんだけど!何処で切ったんだよ?酷ぇな!しかも、パサパサじゃねぇか、何で洗ってんだ!」
あ、髪かあ。
「これ?伸びたら自分でナイフでザクッと。いつも石鹸で洗ってるよ?え?駄目なの?」
絶句された。
髪ってナイフで切るものじゃないの?
石鹸で洗うものじゃないの?
「信じらんねぇ。俺が整えてやるよ。ちょっと座れ。」
「え?え、うわあ!?」
椅子に座らされたかと思えば、背もたれが倒れた。
こわっ
びっくりしたー
「うわっ、え、髪濡らしてるの?え?」
「髪洗うんだよ。じっとしてろ。悪いようにはしねぇからよ。」
なにがなんだか。
頭に桶でぬるま湯をかけられた。
そして、石鹸かなあ、泡で優しく洗ってくれる。
僕も石鹸で洗ってるけど駄目だったのかなあ。
というか、きもちー…
「人に洗ってもらうのって気持ちが良いね。」
「だろ?」
泡を流し終わった次は、鏡の前の椅子に移動した。
そして、ナイフが2本重なったようの刃物で僕の髪を切ってくれる。
バラバラだった毛先が剃ろって、頭の形が綺麗に出た。
前髪も目にかからないくらいに短くなったけど、綺麗になってる。
というか、これ。
「え?誰?僕?」
鏡には、フワッとボブヘアのクリクリした目の少年が居る。
え、これ僕?
「上出来だな。」
「えー!凄いね!ありがとう。僕じゃないみたい。」
髪をさわったらサラサラのフワフワだった。
「え、なんで、髪こんなサラサラなの?魔法?」
「ちげぇよ。世の中には髪専用の洗剤があるんだよ、知らねぇのか?」
「そうなんだ。ごめんね、僕ちょっと世間知らずなんだ。でも知れて良かった!こんなに良い感じにしてくれて有り難う!」
「いいって事よ。良い素材が蔑ろになってる事が我慢ならねぇだけだからな。また伸びたら来いよ。切ってやるから。今度は代金貰うけどな。」
「うん、ありがとう!お爺さんにも、ありがとうって伝えておいて下さい。また来ます!」
ベッドもテーブルも買えたし、髪もサラサラで視界も良好。
…誰かに報告したいな。
ナックルさん忙しいかなぁ…
「来ちゃった。」
ナックルさんに色々と報告したくてギルドに来ちゃった。
どうしよう。
思い立ってそのまま来ちゃったからなあ。
とりあえず掲示板とか見てみる。
行方不明者の貼り紙や、指名手配犯の貼り紙があった。
ん?
…んん!?
嘘でしょ。
行方不明者の所に、「ラニーニ。17歳。探しています。懸賞金あります。」と貼り紙がある。
似顔絵まで載ってる。
前髪が長いから顔が分からない。
これ、僕の事だよね。
家の恥さらしの僕なんて要らないはずなのに。
今さら何で?
…まあ、この似顔絵じゃ、僕は見つからないだろうな。
「あれ?ニーニャか?」
「あ!ナックルさん!」
「ああ、やっぱり。髪切ったんだな、雰囲気変わってて最初分からなかった。似合ってるな。」
「へへ、ありがとうございます。僕、髪切ったり、家具買ったりした事を報告したくて、ナックルさんに会いに来ちゃった。」
くそ、可愛い、抱きてぇ。
ナックルがそんな事を心の中で思ってるとは誰も知らない。
「真剣な顔して何見てたんだ?…行方不明?ラニーニ?ああ、あの屋敷の。」
「知ってるの?」
「ああ、此処らじゃ有名な成金一族だな。あんま良い噂聞かねぇ。」
「そうなんですね。」
やっぱり評判は良くないんだなあ。
あの人たち性格悪いの僕でも分かるもん。
まあ、もう関係無いんだ。
僕はもう、ラニーニじゃなくて、ニーニャだから。
え、僕?
なにか気に障ってしまったかな。
「その髪、雑に切りすぎなんだけど!何処で切ったんだよ?酷ぇな!しかも、パサパサじゃねぇか、何で洗ってんだ!」
あ、髪かあ。
「これ?伸びたら自分でナイフでザクッと。いつも石鹸で洗ってるよ?え?駄目なの?」
絶句された。
髪ってナイフで切るものじゃないの?
石鹸で洗うものじゃないの?
「信じらんねぇ。俺が整えてやるよ。ちょっと座れ。」
「え?え、うわあ!?」
椅子に座らされたかと思えば、背もたれが倒れた。
こわっ
びっくりしたー
「うわっ、え、髪濡らしてるの?え?」
「髪洗うんだよ。じっとしてろ。悪いようにはしねぇからよ。」
なにがなんだか。
頭に桶でぬるま湯をかけられた。
そして、石鹸かなあ、泡で優しく洗ってくれる。
僕も石鹸で洗ってるけど駄目だったのかなあ。
というか、きもちー…
「人に洗ってもらうのって気持ちが良いね。」
「だろ?」
泡を流し終わった次は、鏡の前の椅子に移動した。
そして、ナイフが2本重なったようの刃物で僕の髪を切ってくれる。
バラバラだった毛先が剃ろって、頭の形が綺麗に出た。
前髪も目にかからないくらいに短くなったけど、綺麗になってる。
というか、これ。
「え?誰?僕?」
鏡には、フワッとボブヘアのクリクリした目の少年が居る。
え、これ僕?
「上出来だな。」
「えー!凄いね!ありがとう。僕じゃないみたい。」
髪をさわったらサラサラのフワフワだった。
「え、なんで、髪こんなサラサラなの?魔法?」
「ちげぇよ。世の中には髪専用の洗剤があるんだよ、知らねぇのか?」
「そうなんだ。ごめんね、僕ちょっと世間知らずなんだ。でも知れて良かった!こんなに良い感じにしてくれて有り難う!」
「いいって事よ。良い素材が蔑ろになってる事が我慢ならねぇだけだからな。また伸びたら来いよ。切ってやるから。今度は代金貰うけどな。」
「うん、ありがとう!お爺さんにも、ありがとうって伝えておいて下さい。また来ます!」
ベッドもテーブルも買えたし、髪もサラサラで視界も良好。
…誰かに報告したいな。
ナックルさん忙しいかなぁ…
「来ちゃった。」
ナックルさんに色々と報告したくてギルドに来ちゃった。
どうしよう。
思い立ってそのまま来ちゃったからなあ。
とりあえず掲示板とか見てみる。
行方不明者の貼り紙や、指名手配犯の貼り紙があった。
ん?
…んん!?
嘘でしょ。
行方不明者の所に、「ラニーニ。17歳。探しています。懸賞金あります。」と貼り紙がある。
似顔絵まで載ってる。
前髪が長いから顔が分からない。
これ、僕の事だよね。
家の恥さらしの僕なんて要らないはずなのに。
今さら何で?
…まあ、この似顔絵じゃ、僕は見つからないだろうな。
「あれ?ニーニャか?」
「あ!ナックルさん!」
「ああ、やっぱり。髪切ったんだな、雰囲気変わってて最初分からなかった。似合ってるな。」
「へへ、ありがとうございます。僕、髪切ったり、家具買ったりした事を報告したくて、ナックルさんに会いに来ちゃった。」
くそ、可愛い、抱きてぇ。
ナックルがそんな事を心の中で思ってるとは誰も知らない。
「真剣な顔して何見てたんだ?…行方不明?ラニーニ?ああ、あの屋敷の。」
「知ってるの?」
「ああ、此処らじゃ有名な成金一族だな。あんま良い噂聞かねぇ。」
「そうなんですね。」
やっぱり評判は良くないんだなあ。
あの人たち性格悪いの僕でも分かるもん。
まあ、もう関係無いんだ。
僕はもう、ラニーニじゃなくて、ニーニャだから。
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