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第三章 親分の長い非番日 ※【地雷:男女恋愛】
ひとり上手・2 ※【攻めの自慰行為】
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健悟は、浴室を出て、バスタオルで大雑把に水滴を拭い、大股でリビングを通りぬけて寝室に這入ると、素っ裸かのままベッドにダイブした。仰向けになって目を瞑って気分を高める。顔を持ちあげて薄目で相棒を見た。真っ赤な顔をして震えている。今楽にしてやるからな、それも飛っ切り気持ち好い方法で。
ここで相棒を握ってこするのは、自慰を覚えたてのガキがすることだ。先ず、ふたつぶら下げた頭陀袋を両手で揉みほぐした。相棒がさらにぐんと伸びる。先端部が熱を帯び、膨れあがりはじめる。ここで軽く、ひとこすり。焦らすように時間をおいて、もうひとこすり。こうやって少しずつ気分を高めてゆく。さあ、さらにひとこすり……。
ああ、そうだ。
健悟は、いったんベッドから起きあがってリビングに戻った。背広の内ポケットから小雪用のスマホを、革鞄の奥底から遊び相手の女用のスマホを取りだしてベッドに戻る。仰向けになった。小雪は、云いつけどおり寝ているのか、LINE交換したものの、まだ一通もメッセージがない。とりあえず、ボタン留めのお礼を送信して、枕元においた。
右手で相棒を握り、左手でもう一台のスマホを操作してアダルト動画の配信サイトをチェックする。新着作品の一ページ目、リストの下のほうにコンビニ店員の格好をした女の写真があった。「卯月みちる」――コンビニの兄ちゃんが云ってたのは、こいつか? サムネイル画像では判別がつかないのでサンプルを観た。かったるいインタビューに初々しく応えるその声は、紛れもなくセフレだった女のものだ。清純派売りらしくサンプルの前半は、アイドルのイメージビデオのような清らかな映像だったが、後半の絡みシーンでそれが一転する。
コンビニの棚にしがみついて中年の男優と絡みあう女優は、抱き心地もモザイクの奥も識り尽くした元セフレだ。想像のなかで、頸だけ小雪にすげ替える。と同時に相手役の男優を自分に置きかえる。違う。俺は小雪をこんなふうに抱いたりはしない。ちゃんとベッドに誘って、ちゃんとキスして、たっぷり愛撫して……。
とにかく、やり直しだ。
健悟は、想像だけに頼ることにした。目を閉じて意識を相棒に集中させ、痛くなるほど勃起するまで待つ。コンビニの二階で顔を愛撫されたこと、横断歩道の手前で勃起した相棒を押しつけたこと、小雪の部屋に上がりこんだこと。これだけあれば、あとはベッドの上でのふたりを想像するだけだ。我慢の限界の相棒を握りしめて、手を動かしはじめた。
目を閉じて深呼吸して小雪を思い泛べる。試しに握った手を開く。相棒は依然として熱く硬く、そして疼いている。今までセックスは女の部屋でするものだった。だが小雪とは違う。俺の部屋で、このベッドの上でなければならない。健悟は、枕元のスマホをちらりと見た。このなかには小雪がいる。
健悟は白いシーツの上に仰向けに横たわる小雪を見下ろした。両手を胸と股間に添えて、恥ずかしげに軀を捩らせている。健悟は上から覆いかぶさるが、小雪に触れないように隙間を空けてやる。小雪が雄の匂いを充分に吸いこんで、落ちつくのを待つ。小雪が恍惚とした表情になり、両手を外した。
小雪が目を瞑ってつぎの展開を待っている。いきなり挿入はしない。キスもしない。それより前にやるべきことがある。健悟は、小雪の右隣りで涅槃の姿になった。小雪の左手を取って、先ずは顔に触れさせる。コンビニの素描の再現だ。
柔らかな手が健悟の顔を撫でる。指の背を頬から顎へ舐めるように這わせる。ピアノを弾くように指先をぽんぽんと弾ませる。かと思えば、鼻を撫でこすり、つまみ、こねる。小雪が照れ笑いをする。
キスをすると見せかけて、小雪を起こす。ぺたんと割座になった小雪の前で、健悟は膝立ちになって軀を展いた。小雪の両手を取って毛深い胸の上に置く。
「触ってごらん」健悟は、両手を頭の後ろで組んだ。「先ずは俺の軀を識ってほしい」
愛らしい両手がぎこちなく胸を這う。雄の匂いに誘われて少しずつ近づいてくる。割座から腰を上げようとしてバランスを崩し、健悟の胸に飛びこむ。
「あ」
叫び声は、健悟の胸の谷間でくぐもった音になった。さっきもそうだったな、小雪。健悟は、此処で手の動きをゆるめた。深呼吸をする。胸に抱いた小雪も同じように深呼吸をする。はあはあ、と喘ぎながら、小さな顔を胸板にこすりつける。
雄の匂いに誘われるように、顔が左の腋窩へ向う。しばらく顔を埋めてそれから右の腋窩の匂いも嗅ぐ。顔が胸元に戻る。右の胸を片手で撫でまわしながら、左の胸に唇を這わせる。唇は周辺から中心へと、微笑ましい接吻をくり返しながら移動し、胸毛に覆われていない、少しくすんだ赤銅色の、十円玉のような乳暈の周囲を、何度も廻った。
小雪がこんなことするなんてな……。
唇が乳暈を咥えこんで乳首を甘噛みした。同時に右の胸を弄っていた指先も乳首を捉えてこねだした。背中にまわされていた右手が、健悟の鬣を腰まで撫でおろし、項まですりあげる。我慢できない。押し倒してうつ伏せにして、熱り勃つ相棒を押しつけた。
柳川……!
昨夜の儀式が再現された。臀の谷間に相棒をはさみつけて、健悟は激しく腰をふっている。小雪に置きかえようとするが、うまくいかない。小雪にこの体位は相応しくない。手の動きは、けれど止まらない。あのときの、肉の谷間と柔らかい肉の窪みの感覚が、相棒にしっかりと残っている。あれほどの興奮は久々だった。
小雪と柳川が目まぐるしく交互に現れては消える。小雪を抱きしめて熱り勃った相棒を押しつけた。仮眠室のベッドの上で柳川と抱きあった……。小雪と柳川がつぎつぎと入れかわる。
うっ……。
健悟は呻いた。充血して膨らみきった相棒の先端から熱くたぎった白濁液が迸り、汗ばんだ胸と腹をじっとりと濡らした。今まで経験したことのない射精感だった。アドレナリンが全身の隅から隅まで流れ、雄の匂いが全身の毛孔という毛孔から噴出され、それで部屋じゅうがセックスの匂いに包まれている。
小雪と柳川のどちらが最後に泛んだのだろう。気だるい解放感と甘ったるい罪悪感が健悟を包みこんだ。健悟は、肩で息をつき、相棒を握りしめたまま、ただ呆然と天井を見た。
ここで相棒を握ってこするのは、自慰を覚えたてのガキがすることだ。先ず、ふたつぶら下げた頭陀袋を両手で揉みほぐした。相棒がさらにぐんと伸びる。先端部が熱を帯び、膨れあがりはじめる。ここで軽く、ひとこすり。焦らすように時間をおいて、もうひとこすり。こうやって少しずつ気分を高めてゆく。さあ、さらにひとこすり……。
ああ、そうだ。
健悟は、いったんベッドから起きあがってリビングに戻った。背広の内ポケットから小雪用のスマホを、革鞄の奥底から遊び相手の女用のスマホを取りだしてベッドに戻る。仰向けになった。小雪は、云いつけどおり寝ているのか、LINE交換したものの、まだ一通もメッセージがない。とりあえず、ボタン留めのお礼を送信して、枕元においた。
右手で相棒を握り、左手でもう一台のスマホを操作してアダルト動画の配信サイトをチェックする。新着作品の一ページ目、リストの下のほうにコンビニ店員の格好をした女の写真があった。「卯月みちる」――コンビニの兄ちゃんが云ってたのは、こいつか? サムネイル画像では判別がつかないのでサンプルを観た。かったるいインタビューに初々しく応えるその声は、紛れもなくセフレだった女のものだ。清純派売りらしくサンプルの前半は、アイドルのイメージビデオのような清らかな映像だったが、後半の絡みシーンでそれが一転する。
コンビニの棚にしがみついて中年の男優と絡みあう女優は、抱き心地もモザイクの奥も識り尽くした元セフレだ。想像のなかで、頸だけ小雪にすげ替える。と同時に相手役の男優を自分に置きかえる。違う。俺は小雪をこんなふうに抱いたりはしない。ちゃんとベッドに誘って、ちゃんとキスして、たっぷり愛撫して……。
とにかく、やり直しだ。
健悟は、想像だけに頼ることにした。目を閉じて意識を相棒に集中させ、痛くなるほど勃起するまで待つ。コンビニの二階で顔を愛撫されたこと、横断歩道の手前で勃起した相棒を押しつけたこと、小雪の部屋に上がりこんだこと。これだけあれば、あとはベッドの上でのふたりを想像するだけだ。我慢の限界の相棒を握りしめて、手を動かしはじめた。
目を閉じて深呼吸して小雪を思い泛べる。試しに握った手を開く。相棒は依然として熱く硬く、そして疼いている。今までセックスは女の部屋でするものだった。だが小雪とは違う。俺の部屋で、このベッドの上でなければならない。健悟は、枕元のスマホをちらりと見た。このなかには小雪がいる。
健悟は白いシーツの上に仰向けに横たわる小雪を見下ろした。両手を胸と股間に添えて、恥ずかしげに軀を捩らせている。健悟は上から覆いかぶさるが、小雪に触れないように隙間を空けてやる。小雪が雄の匂いを充分に吸いこんで、落ちつくのを待つ。小雪が恍惚とした表情になり、両手を外した。
小雪が目を瞑ってつぎの展開を待っている。いきなり挿入はしない。キスもしない。それより前にやるべきことがある。健悟は、小雪の右隣りで涅槃の姿になった。小雪の左手を取って、先ずは顔に触れさせる。コンビニの素描の再現だ。
柔らかな手が健悟の顔を撫でる。指の背を頬から顎へ舐めるように這わせる。ピアノを弾くように指先をぽんぽんと弾ませる。かと思えば、鼻を撫でこすり、つまみ、こねる。小雪が照れ笑いをする。
キスをすると見せかけて、小雪を起こす。ぺたんと割座になった小雪の前で、健悟は膝立ちになって軀を展いた。小雪の両手を取って毛深い胸の上に置く。
「触ってごらん」健悟は、両手を頭の後ろで組んだ。「先ずは俺の軀を識ってほしい」
愛らしい両手がぎこちなく胸を這う。雄の匂いに誘われて少しずつ近づいてくる。割座から腰を上げようとしてバランスを崩し、健悟の胸に飛びこむ。
「あ」
叫び声は、健悟の胸の谷間でくぐもった音になった。さっきもそうだったな、小雪。健悟は、此処で手の動きをゆるめた。深呼吸をする。胸に抱いた小雪も同じように深呼吸をする。はあはあ、と喘ぎながら、小さな顔を胸板にこすりつける。
雄の匂いに誘われるように、顔が左の腋窩へ向う。しばらく顔を埋めてそれから右の腋窩の匂いも嗅ぐ。顔が胸元に戻る。右の胸を片手で撫でまわしながら、左の胸に唇を這わせる。唇は周辺から中心へと、微笑ましい接吻をくり返しながら移動し、胸毛に覆われていない、少しくすんだ赤銅色の、十円玉のような乳暈の周囲を、何度も廻った。
小雪がこんなことするなんてな……。
唇が乳暈を咥えこんで乳首を甘噛みした。同時に右の胸を弄っていた指先も乳首を捉えてこねだした。背中にまわされていた右手が、健悟の鬣を腰まで撫でおろし、項まですりあげる。我慢できない。押し倒してうつ伏せにして、熱り勃つ相棒を押しつけた。
柳川……!
昨夜の儀式が再現された。臀の谷間に相棒をはさみつけて、健悟は激しく腰をふっている。小雪に置きかえようとするが、うまくいかない。小雪にこの体位は相応しくない。手の動きは、けれど止まらない。あのときの、肉の谷間と柔らかい肉の窪みの感覚が、相棒にしっかりと残っている。あれほどの興奮は久々だった。
小雪と柳川が目まぐるしく交互に現れては消える。小雪を抱きしめて熱り勃った相棒を押しつけた。仮眠室のベッドの上で柳川と抱きあった……。小雪と柳川がつぎつぎと入れかわる。
うっ……。
健悟は呻いた。充血して膨らみきった相棒の先端から熱くたぎった白濁液が迸り、汗ばんだ胸と腹をじっとりと濡らした。今まで経験したことのない射精感だった。アドレナリンが全身の隅から隅まで流れ、雄の匂いが全身の毛孔という毛孔から噴出され、それで部屋じゅうがセックスの匂いに包まれている。
小雪と柳川のどちらが最後に泛んだのだろう。気だるい解放感と甘ったるい罪悪感が健悟を包みこんだ。健悟は、肩で息をつき、相棒を握りしめたまま、ただ呆然と天井を見た。
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