【R18】アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー

Silence

文字の大きさ
上 下
114 / 166
開かずの扉

開かずの扉1

しおりを挟む
※1)小説『アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー』
〔痛みの代償・トラップチャンス〕にリンク



夏休みに入ると、学院に居た殆んどの女生徒は自分の家に帰る。
それは後輩の早希さきも例外ではなかった。
あの学院裏できのとが強引にキスをしたあの日から、しばらくは大人しかった早希だったがある時、乙の帰り掛けを見つけて一言だけ伝えたのだ。

「私!!諦めませんから!!
お姉様が本気になれなくても…
…私!!きっとお姉様が遊びでも振り向いてくれるような女になります!!」

半分震えながら瞳を潤ませて、それだけ言うと走って去って行った。
あまりに唐突で乙は、呆然と早希を見送るくらいしか出来なかったが、それからというもの乙ファンの沢山の取り巻きの女生徒達の妨害にもめげず、いつもと変わらず何かにつけて乙の後を金魚のフンの様に着いてまわっては、ちょっかいを出してくる始末…。
しかし、その時の早紀の笑顔は、あどけなくも楽しそうに充実し、輝いていた。
やっと来た夏休みに乙の取り巻きと早希からの解放に胸を撫で下ろす。

「はぁ…
やっと1人の時間が出来たか…」

乙が自室のソファーで寛いでいるとドアがコンコンと鳴った。

「? まさか…な」

半ば嫌な予感を胸にドアの方に向かう。
ドアをそっと開けると、そこに居たのは神流かんなだった。

「よっ♪」
「何だ、神流か」

神流かんなの顔を見るときのとは、ホッと胸を撫で下ろす。

「何だよ?
警戒しちゃって何かやましい事でもあったのか?」
「そんなんじゃない。
ただ、ここ最近疲れてたからな」
「ああ、ファンの子達か。
確かに日に日に人数も増えてきてるし、早希ちゃんだっけ?
あの子の一生懸命さも加わって、負けじと他の子も乙を囲んでたしなぁ」

神流の言葉にフゥと溜め息をつくと部屋へ案内する。

「それで?今日は何の用なんだ?」
「別に。何してるかなぁって」
「そういえば、神流は帰らないのか?
皆、家に帰っているのに」
「まぁね、帰っても詰まらないし。
乙は帰らないのか?
編入当時は、毎週帰ってただろ?」
「…別に。私用があっただけだ。
それにから…」

ほんの一瞬だが、乙の顔に陰が落ちたような気がしたのを見逃さなかった。
神流は、少し考え込むと明るく返した。

「なぁ、せっかくの夏休みなんだから遊びに行かないか?」
「え?」
「たまには私に付き合えよ♪
どうせ、暇なんだろ?」
「ああ…別にいいけど」
しおりを挟む
小説が音声と映像で流れ出す!?
厳選されたCV達がお送りする臨場感!!
YouTubeにてボイスドラマ公開中!!

★アールグレイの月夜(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSUVpSKdpmNMNom6F3FWffNL 

★アールグレイの昼下がり(YouTube版)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL0mziGmecVSXcYllzM7PGJbwUaHxBfz0L 
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて

千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、娘の幼稚園の親子イベントで娘の友達と一緒にいた千春と出会う。 ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。 ハッピーエンドになると思うのでご安心ください。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

処理中です...