上 下
110 / 166
借りの代償

借りの代償2

しおりを挟む
───ドサッ。
きのとは後ろ手に縛られ、ソファーへと突き押されると、そこに勢いがつきソファーに腰を落とした。

「…何のつもりだ」
「この方が面白いだろ?」

冷たい乙の視線に隼人はやとは、さも面白そうに見つめた。

「借り、返してもらうぜ♪」
「ッ…、俺は男には興味ないんだが」
「そう、でも俺には関係ない。
抵抗しようと思えば出来たはずなのに黙って縛られてたって事は、覚悟はしてたんだろう?」
「…ッ。気やすく触るな」
「フッ…、やっぱりアンタ達、姉妹なんだな。
輝李きりだっけ?
アイツも同じ事言ってたぜ」
「…ッ」
「アンタの方が面白いけど♪
たっぷり可愛がってやるよ。
トラウマになるくらいにな…」

隼人はやとの手は、きのとのジャケットとワイシャツのボタンをいたぶるように外していった。
両腕を縛られているため全て脱ぎ捨てる事は出来ないが、ワイシャツから乙の肌があらわになった。
この状況にも乙の顔色は変わることはなく、隼人から目を反らし無表情のまま、ただ床を見つめるだけだった。
何故なら乙は、幼少の頃から陰での父の指示のもと性教育と称し、父の会社の社長秘書の北条という女性に強姦され続けてきた。
そして海外留学中には感情など抱かないまま、幾重にもラブペットを作り、女遊びに明け暮れていたのだ。
今更、この状況になったからといって取り乱すわけは無い。
(『アールグレイの月夜』参照)

そんなきのと隼人はやとが口を開く。

「もっと抵抗したらどうだ?」
「…抵抗して何の得があるんだ。
抵抗したら止めてくれるとでも言うのか?」
「フッ、俺が面白いからに決まってるだろ」
「…だろうな。
俺は無駄な事はしない主義なんでな」
「なら、嫌でも泣かせてやるよ…」

フッと、楽しそうに隼人はやとが笑う。
その間、きのとはずっとその様子を受け入れてはいるが反応は示す事はなかった。
隼人の手はワイシャツを滑り、乙の膨らみをとらえ、その唇は乙の首筋を吸う。
乙の身体が微かにモゾモゾと動き、その場で少し後退る。

「…ッ!! おい、もっと優しくしたらどうだ。
そんなんじゃ感じるものも感じない」
「優しく?冗談だろ?
アンタを感じさせるためにやってるんじゃないんだ」

サディスティックな隼人はやとの言葉にきのとは諦めたように、小さなため息をついた。
隼人の手は、乙の膨らみを力強く掴み、膨らみの突起すら遠慮などなくつねられ、荒々しくズボンの中の花園へ至ると乙の蜜が潤う前に華核へ指を侵入させる始末。
唇は首をかじり、なめらかな伝いさえも動くたびに乙の身体は痛みと苦痛に眉を潜め、ズルズルと動く。

「ッ…クッ…、おい」
「うるさいな、今度は何だ!!」
「アンタの攻め方は諦めたが、せめて服は脱いでくれ。
擦れて痛いんだ」
「アンタの意見を聞く義理はない。
俺は俺の好きな様にやらせてもらうだけだ」
「…そうか…それは残念だな」

そういうと乙は相手の襟元を掴み、一気に態勢を逆転させた。

「…っな!!!!」

隼人はやとの身体は、気が付けば今さっききのとが居た位置へ仰向けになっており、乙はと言えば隼人の腰元で軽く腰を落とし、腕は逆に乙が縛られていたネクタイで固定され押さえられていた。

「お前、縛られてたはずなのに何で…!!」
「…悪いな、こういうのには慣れてるんでな。
縄抜けは得意なんだ」
「ッ!!!」

予想だにしなかった事態に、キッと睨む隼人に乙は、ジャケットとワイシャツを脱ぎ捨てると耳元で途中から口調を変え、妖しく囁いた。

「サディスティックなのは大いに結構だが…
《女性は、もっと優しく扱うものよ…。
クス…、たまにはこういうのも良いでしょう?
私が、貴方の上で踊ってア・ゲ・ル・わ♪》」

初めて使う女の言葉。
ハスキーながらも艶めかしく、甘く響く声に隼人の肩がビクッと反応する。

「ッ!!!!」
「《あら、随分面白い反応するのね。
こういうのは苦手?》」
「…ッ、うるさい。
早く俺の上から降りろ!!」
「《ダ・メ。
服を脱いでとお願いしたはずよ。
脱がないなら私が脱がせてアゲル♪》」
「!!!! 辞めろ!!触るな!!」

きのとがボタンに手をかけると、とたんに隼人はやとは取り乱し始めた。

「《どうしたの?急に取り乱して。
ああ…そうだった。
さんはサディスティクなのが、お好みだったんでしたっけ?》」

クスリと妖艶に微笑み、しかしその眼光は鋭くネズミを狩る狐のような鈍い光を帯びていた。
乙は、隼人の制服のワイシャツを荒々しく真ん中から一気に引き裂いた。


バリバリバリ…!!


いくつものボタンが所々に舞散り、隼人の顔は酒を飲んだ幼女のように赤く染まった。

「…フッ、女だったのか…」

目の前にあったのは、無残にも巻き絞められていたサラシだった。
乙は、静かにほくそ笑む。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~

takahiro
キャラ文芸
 『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。  しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。  登場する艦艇はなんと57隻!(2024/12/18時点)(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。  ――――――――――  ●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。  ●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。かなりGLなので、もちろんがっつり性描写はないですが、苦手な方はダメかもしれません。  ●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。  ●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。またお気に入りや感想などよろしくお願いします。  毎日一話投稿します。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...