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忠告11 これが〝答え〟です
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しおりを挟む「なら、この前そう言ってくれれば――わぁっ……!」
「言うわけないでしょう」
ぽふんっ!
言い終わらないうちに、再び真上を陣取ってきた智秋さんに、素早く両手をベッドに縫い付けられてしまう。
「――言ったら、桜さん、ホッとするでしょう」
智秋さんはそう断言して、見せつけるようにぺろりと舌なめずりをすると、
それを見てドキドキする私を見つめながら、胸元に唇を寄せ、ちゅっ、ちゅっ、とやんわりとふたつの膨らみを食んでいく。
「ふぁっ……」
ひとつ、ひとつ、私の中の理性の糸を断ち切っていくように。
キスとは違う。
明らかにその先を連想させる濃密な肌と肌の触れ合いと刺激に。
くらくらと目眩がする。
「俺ひとり翻弄されたなんて不平等です……あなたにも俺のことを……考えていて欲しい」
不意打ちの甘いセリフに胸がときめいたのも一瞬――
「――んぁっ」
反応していた胸の突起に、ちゅっと唇が触れ、吸い上げられる。
突然大きな刺激が走り、身体がビクビクと跳ね上がった。
「可愛い声」
そのまま口の中で飴玉のように舐め転がされて。
ぞくぞくと駆け上がってくる快感。
「ずっと、反省……してたのに……んっ……」
そうだよ。
好きな人との夜をなんで覚えてないんだって。
自分から脱いで誘うなんて恥ずかしすぎるって。
文句のひとつ言いたいのに。
降り注がれる愛撫が。
砂糖菓子のようなセリフが。
研ぎ澄まされていく精神が。
私の意識を阻もうとする。
「俺は、勘違いして俺を見ながらあれこれ想像する桜さんに、ものすごく興奮してた」
――ドSのえっち……!
「――だから今日は絶対に逃がさない……桜」
その呼び方は……ずるい。
なんでも許せてしまう。
でも、今日がはじめての夜なら……思うことはひとつだけだ。
「なら、ちゃんと……ちあきさんのものにして――」
この瞬間がリアルであることを、
心にも体にも、あなたに刻んで欲しい――。
両手伸ばし、自らキスを強請ると、
その後はもう言葉なんていらなかった。
智秋さんの長い指が、私のナカを開いていく。
唇と舌が、喰らい尽くすように全身を愛で溶かす。
そして――
ゆっくりと、彼の膝の上でひとつになっていく体。
「ぁっ、あぁ……っ」
体がぴったり重なったあと、私は向かい合う智秋さんの背中に腕を回してぎゅっと抱きしめた。
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