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あるあるその4 ポジティブでいすぎ

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 ビジネス書には「ポジティブでいよう」と書かれていない本を探すことが困難を極めるくらい、ポジティブ思考の素晴らしさを語っています。

 ポジティブでいれば全て、何もかもうまくいく! 逆に「ネガティブ思考でいると一生成功できませんよ!」と背筋を張って堂々と語ってさえいます。

 ですが、いついかなる時でもポジティブでいるのは……「病気」です。難しい言葉を使えば「躁病そうびょう」という精神的な病気です。もし心当たりがあるのでしたら心療内科への受診をお勧めします。冗談抜きに真剣な話です。



 まるで「これさえあれば何もかもうまくいく」という「銀の弾丸」のように神聖視されているポジティブ思考ですが、これにも落とし穴というかデメリットと呼べるものはあります。

「賢者は何もかもうまくいかない最低最悪の事も想定している。愚者は何もかもうまくいく最高のことしか考えてない」という言葉にならうと、ポジティブ思考の人間というのは「何もかもうまくいくことしか考えてない愚者」になります。

 おそらく日本一ポジティブな人間は「パチンコ中毒」の人でしょう。
 頭の中は大当たりした時の事しか無くて、いくら負けても「大丈夫、今度は絶対上手くいく」とか「パチンコ辞めれば1億円もらえますか? もしそうでないのならパチンコをやってれば1億円手に入る可能性があるので続けます」というあまりにも根拠の無さすぎる自信に満ち溢れています。

 もしポジティブでいれば成功できるというのなら、このパチンコ中毒というある意味究極のポジティブ人間は超絶大成功していないとおかしいのですが、誰か説明できる人はいるでしょうか?



 逆にネガティブな側面というのも「災いの芽を早めに摘む」事が出来るため、ある程度はネガティブな考えというのも必要です。

 ネガティブである事をRPGに出てくる邪悪な魔王のように、まるで諸悪の根源みたいに毛嫌いするビジネス書やコンサルタントは数多いですが、ネガティブとポジティブは車輪の両端みたいなものでどちらかが欠けても、またどちらかが大きすぎてもうまく回らないものでしょう。

 憶測する事しかできませんが、成功している人というのは意識しているのかしていないのかは分かりませんが、この「ポジティブ思考」と「ネガティブ思考」の両方をもっていて必要に応じて自在に切り替えが出来るのでしょう。

 昔の言葉で「薬も過ぎれば毒になる」とは言うもので、ポジティブもネガティブも適量であればどちらも自分を助けてくれますし、逆に使い過ぎるとどちらも毒となるでしょうね。
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