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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-6 ドラしゃんの料理とお金について復習を
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黙々とルミばぁーちゃんの庭の草抜き作業を終わらせる私とお兄ちゃん。
最後の毒草もトラブルなく全て抜き終えたることができた。
抜いた後は土壌に『浄化魔法』をかけていく。
『浄化魔法』をかける事により、毒草が生えていた庭でも他の植物や果実などを植える事が可能となる。
これも以前ルミばぁーちゃんから教わった豆知識のひとつ。
私の魔法は幼いあの時に比べたらだいぶ進歩した。
力のコントロールも上手にできるようになったと思われる。
ルミばぁーちゃん達が普段の生活をしながら、気長に指導してくれたおかげだ。
と言っても、油断するとやらかすのも変わらないけどね...。
そう。この時もつい油断して...。
「あっ?!リン!!やり過ぎたよ!」
「えっ?あっ?!!!」
『浄化魔法』をかけ過ぎて、ルミばぁーちゃんのお庭に"聖桃華の樹"と呼ばれる【聖獣】や【大聖獣】が好んで食べる"聖なる実"がなる樹が生えてしまった。
それには見守っていたルミばぁーちゃん達も唖然とする。
「ちょいと!リン!なんてものをはやすんだい!」
「ハハハッ。さすがリンだのう。」
「成長したと思っていたが...まだまだワシらの手助けは必要なようだな。」
「そのままあっても良いのでは?」
「あれがあればリン達も助かるだろう?」
『敷地内にすでに数十本生えてますがね...。』
「はっ?!そんなに?!」
『はい。お嬢様が【聖獣】のためにと言ってね、一本生やす予定が...気付けばってね。』
「さすがですなぁ~。」
そんな話をしながら皆はぞろぞろと庭に出てきた。
「ごめん!ルミばぁーちゃん。」
「ごめんなさい。」
私とお兄ちゃんは素直に謝る。
「いいよ。その樹はそのままにしておいておくれ。
抜いた毒草はちゃんと処理できているね。じゃー依頼書をお出し。
サインをするから。処理したものはそこに置いて。後でギルドに持っていくら。」
ルミばぁーちゃんは笑いを堪えながらそう言ってくれた。
お兄ちゃんはルミばぁーちゃんに言われた通りに処理した毒草類を指定の場所に置く。
私はルミばぁーちゃんに依頼書を渡してサインを貰った。
「はい。私からのこの依頼は完了だね。あと、他の連中のを終わらせてから一緒にお茶を飲もうかね。」
ルミばぁーちゃんからサインしてもらった依頼書を受け取り、他の依頼をこなす事にした。
次はムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの家の庭の草抜きだ。
ムキじぃーちゃんやドムじぃーちゃん。そして、他の人達の家の庭の草抜きはルミばぁーちゃんの家の草抜きに比べてかなり簡単だった。
ルミばぁーちゃんの庭に生えているような毒草が生えていないのと、ほぼ雑草が多いからだ。
そりゃそうだよね...。
男ヤモメの一人暮らしならそんなもんだよ...。と、以前じぃーちゃん達が言ってた気がする。
ムキじぃーちゃん達の庭の草抜きは、回復素材となる薬草と雑草のみなんだが、これまた高級な回復素材となる薬草のため慎重に抜いていく。
私が薬草のみ抜いて私が抜いた後をお兄ちゃんが残っている雑草を抜くという作業をひたすら繰り返す。
日が沈む前には朝ギルドで貰った依頼書全てを終わらせることができた。
ルミばぁーちゃん達と依頼の最後にあったお茶を一緒に楽しんでから、完了のサインを貰った依頼書を持ってギルドへ向う。
ギルドに行くと待ち構えていたかのようにコイムさんが待っていてくれた。
私達から依頼書を受け取っとると、枚数が多いのとお金の計算もあるので、翌日また来るように言われた。
私達は了承の返事をして家族が待つ家へと戻る。
家に戻ると、予想通り皆が待っていてくれてた。
初めての冒険者としての依頼をこなせたお祝いの準備をして待っていてくれたのだ。
依頼と言っても簡単な....内容だったが、思っていた以上にヘロヘロな私とお兄ちゃん。
しかし、凄く満たされた気持ちでいっぱいだった。
この日も皆で楽しくワイワイいいながら夕食を食べる。
夕食を食べた後は、皆で我が家の大浴場に入って色んな話をする。
もちろんやり過ぎて、全ての家の庭に"聖桃華の樹"を一本ずつ生やしてしまった事ももちろん話題となった。
私とお兄ちゃんはお風呂に浸かりすぎて全身真っ赤になったのか、恥ずかし過ぎて真っ赤になっているのか分からない状態だった。
お風呂から出る頃には、私もお兄ちゃんもヘロヘロで半分寝ながら服を着替えていた。
風呂から上がって、寝る前のお茶を飲む準備をお母さん達がしている間、私とお兄ちゃんは仲良くプレイスペースにて眠ってしまっていた。
その日は私もお兄ちゃんも死んだように深い眠りについていた。
仲良く手を繋ぎながら寝ている私達の姿を皆が微笑みながら見ているとは知らずに...。
「この寝顔は変わらんなぁー。」
「変わらないわね。」
「そうですね。いつ見ても、良いものですね。」
「ほんま。ええ顔してますわぁー。」
「癒されるよなぁー。」
「あとどれくらいでこうやって、側で見守れるだろうなぁー。」
『何を言ってるのですか?ずっとに決まっているではないですか!
私達がずっとこの寝顔を守っていくんですから。』
ドラしゃんの真剣な表情と言葉に半ば呆れつつもその気持ちわかるぞってな感じで、私達の寝顔を見つめていたと翌朝、朝食時に両親から話を聞くことになる私とお兄ちゃん。
翌朝も朝ご飯を食べ終えてからお兄ちゃんと二人でギルドへ向かう。
昨日こなした依頼の報酬の受け取りと次の依頼をこなすためだ。
ギルドに行くとルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんが普通に仕事をしていた。
そりゃそうだよね...二人ともギルマスなんだから。
私とお兄ちゃんは二人の仕事姿を横目で見ながらも、コイムさんが待つ受付へと向かう。
コイムさんは私とお兄ちゃんの姿を見ると、素早く書類と道具をテーブルの上に置いていく。
「お待ちしてました。こちら昨日の依頼の合計金額です。確認されましたこちらにお二人のサインをお願いします。」
コイムさんに見せられた書類には依頼内容と金額とその合計金額が書かれていた。
全て読んで私とお兄ちゃんはサインをした。
「では、こちらの合計金額の半分ずつをそれぞれにでよろしいですか?」
コイムさんに質問されて、私とお兄ちゃんは頷いた。
「それでお願いします。」
「私もそれで良いです。」
私とお兄ちゃんの返事を聞いて、コイムさんは机の上に置いてある道具の上にギルドカードを置くように言われたので、指示通りにする。
すると道具の上に置いてある水晶に表示されていた金額がギルドカードへと移されたのだ。
ギルドカードに水晶に表示された金額と同じ金額が表示されて消える。
これで、依頼料がカードに振り込まれたことになる。
金額を移し終わると、コイムさんが手招きする。
私とお兄ちゃんが顔を近づけると小声で話しかけてきた。
「実は...今回の金額ですがとても破格な金額で、正直な話無駄遣いしなければ軽く20年は働かなくても大丈夫ですよ。」
「「....。はっ???」」
私とお兄ちゃんは思わず間抜けな声をあげてしまった。
「またまたコイムさん。」
「そうですよ。そんな冗談...。」
「....。」
真面目な顔のまま見つめ返すコイムさん。
冗談ではないのがよく分かった。
「でもなんでですか?昨日の依頼書を見たらそんな金額にはならないはずですよ?」
「そうですよ。おかしいですよ!」
「実は...。」
そうして話出した内容に私とお兄ちゃんは固まるしかなかった。
私とお兄ちゃんがした依頼内容は草抜きと家の中の掃除と片付けと肩たきと買い物の代理だ。
子供でもできるような内容だから金額もそこまで高くない。
が....まず一つ目の問題は、依頼主。
私達に依頼した依頼主は、過保護な保護者達だ。
しかも有名人ばかり。
おまけと言って、金額を訂正するなんて朝飯前の人達だ。
次に依頼完了期間。
どの依頼も一週間の予定で出されていた。
しかし、こなし終えたのは全て一日で完了したこと。
別にそれは悪いことではないのだが、依頼主が設定している依頼期間より早めに依頼を完了させると、優秀な冒険者という評価が付き、別途料金が上乗せされる仕組みがあるのだとか...。
三つ目は、草抜きで抜いてギルドに提出された毒草どもの存在だ。
そう...ルミばぁーちゃんの庭で抜いた毒草達が、鑑定された結果全てSSSランクの品だったのだ。
その為...最初に表示されていた金額の見直しがされたという。
草抜きの場合は、抜いた草を証拠として依頼主がギルドに提出する義務がある。
抜いた草の量や種類によって金額の見直しがされるためなのと、不正を防ぐための方法だと言う。
「そのため私は徹夜で作業をさせて頂きました。朝一でギルマスにも相談した結果、そういう事になったのです。
お二人の反応からして、あまりお金の価値観をご理解できていないようでしたので。ちゃんと保護者達から教わって置く方が良いですよ。
世の中、良い大人ばかりではありません。中にはよからぬ輩もいますのねで、ご注意して下さい。」
コイムさんはそこまで伝えると、"さて今日の依頼はどうしますか?"と質問してきたが...。
今日の依頼をこなす所ではなくなったのは...いうまでもない。
私とお兄ちゃんは互いの顔を見合わせて、コイムさんに向き合った。
「コイムさん。一度返って勉強してきます。」
「明日、また出直してます。」
私とお兄ちゃんの言葉を聞いて、"頑張って下さい"と笑顔で見送ってくれた。
私とお兄ちゃんはコイムさんと話し終えて、一度家に戻った。
家に戻るとドラしゃんのみがいた。
お父さんもお母さんも自分の工房に出かけていたからだ。
私とお兄ちゃんはドラしゃんの元へ行きお願いをした。
『おや?お二人とも本日の仕事は...』
「ドラしゃん!お願い!」
「お金について教えて!」
ドラしゃんが喋り終える前に私とお兄ちゃんは、ドラしゃんに飛びついてお願いをした。
私とお兄ちゃんの勢いに驚きながらも、ドラしゃんは平静を取り戻して苦笑いを浮かべながら対応してくれた。
『やはりそうなりますよね。わかりました。
今、お昼ご飯の下準備をしていますので、それを片付けてからでもよろしいですか?』
「もちろん。」
「手伝います。」
私とお兄ちゃんは、とりあえず手を洗いに行ってからドラしゃんの手伝いをする事にした。
ドラしゃんの指示に従って、ドラしゃんお手製のエプロンを着てキッチンに立った私とお兄ちゃん。
お兄ちゃんは目玉焼きを作るように、私は果物を一口サイズに切りお皿に盛り付けるように言われた。
私はドムじぃーちゃんお手製の私専用の果物ナイフを取り出して、果物を切り出す。
私とお兄ちゃんには、ドムじぃーちゃんより専用の包丁を幾つが作ってもらっている。
ある程度大きくなってから料理を意欲的に手伝う様になったので、お母さんがドムじぃーちゃんに頼んで作ってもらったのだ。
包丁の研ぎやその他メンテナンスはお父さんがしてくれているので、どの包丁も
常に使いやすい状態に包丁が維持されていた。
「ドラしゃん。いつく用意したらいいの?」
私が質問すると、ドラしゃんは他のおかずを作りながら答えてくれた。
『私とお嬢様とアキラ様と旦那様と奥様の分ですね。
あとは、面々に食べるでしょう。』
どうやら今作っているご飯は私達家族の分のようだ。
なら、多少見た目が危なくても...大丈夫だね。
そう思ったら、色んな切り方にチャレンジしてみることにした。
うさぎりんご、ペンギンや薔薇など色んな形にきっていった。
すると、それを見たお兄ちゃんとドラしゃんは本気で驚いていた。
「リン!凄い!どこでそんな切り方覚えたの?」
『お嬢様!素晴らしいです!でも、手は切らないで下さいね。』
「大丈夫。切ってもドラしゃんが直してくれるでしょう?」
『当たり前です!!』
実は飾り切りというのをこっそりお母さんから教わっていた。
街を出て旅に出るなら、もしもの時にこう言うのが売れるかもしれないからと言って教えてくれたのだ。
その分沢山果物を食べる羽目になったが、それは【聖獣】達が協力して消費してくれたので問題はない。
他にも色んな料理をお母さんやナナばぁーちゃん達からこっそり教わっている私。
女の子だから料理が上手だとモテるよって言われたのもあるが、いつかドラしゃん達に手料理を食べて貰いたかったからだ。
少しずつ成果を見せれて、習って良かったとしみじみ思った。
ドラしゃんとお昼ご飯の準備をし終えた後、約束通りにお金について教えてくれた。
リビングのテーブルに座って、ドラしゃんが鞄からこの世界のお金である硬貨を全て出して、金額順に並べてくれた。
テーブルの上には、小銅貨、中銅貨、大銅貨、小銀貨、中銀貨、大銀貨、小金貨、中金貨、大金貨、白金貨が。
そして、最近できた白中金貨と白大金貨も並べられた。
『この世界の硬貨はこれで全てです。以前、御両親にこちらの世界のお金について話したと思いますが、覚えてはいないでしょうね?』
ドラしゃんにそう言われて、私もお兄ちゃんも頷いた。
記憶の奥底にありそうだが、いまいち覚えていない。
私達の反応を見て、ドラしゃんは改めて一から教えてくれた。
『では、以前私とムキファーとでお話しした事をもう一度お伝えしますね。
確か、お嬢様達の世界の通貨は"日本円"と言う物ですよね?』
「はい。そうです。」
『では、日本のお金の価値と比較して教えますと...。』
そうして教えてくれたのが、
小銅貨が約一円。中銅貨が約五円。
大銅貨が約十円。小銀貨が約五十円。
中銀貨が約百円。大銀貨が約五百円。
小金貨が約千円。中金貨が五千円。
大金貨が約一万円。白金貨が約十万円。
そして、最近できた白中金貨が約五十万円で、白大金貨が約百万円の価値があるのだった。
ちなみに今朝方私達がギルドから依頼の報酬として貰っら金額は、白中金貨一枚(約五十万円)ずつだ。
.....。
無言になってしまう私とお兄ちゃん。
頭の思考回路がショートした。
そんな事もお構いなしに話を続けるドラしゃん。
『大体普段私達が食べている食料品に関しては、大銀貨が十枚ほどあれば家族五人程度であればひと月分の買い物ができます。
この世界はお嬢様達が来て、食料品となる食物や家畜が一気に増えましたので、以前に比べるとかなり豊かです。
そのため、小さな村や町の住人の暮らしも豊かですよ。
あと、衣服や装備品に関しては、使われている素材や職人によって金額は大きく変わりますね。
素材が良いものほど高くなります。
ここまではご理解頂けました?』
そう話すドラしゃん。
しかし、もうすでに私とお兄ちゃんの頭はパンクしているので直ぐに返事ができなかった。
それに気付いたドラしゃんは微笑しながら、冷めてしまった私とお兄ちゃんのコップのお茶を入れ替えてくれた。
『一気に話をして混乱されましたようですね。では、ゆっくり話しますね。
まずは入れ直したお茶をどうぞ。』
ドラしゃんに進められるままお茶を一口飲んで一息ついた。
なんとか止まっていた思考回路も回復して動き出す。
『では、改めてお話ししていきますね。
そうですね。お二人は冒険者ですから、それにちなんでお話しする方が理解が早いかもしれませんね。
今お二人はGランクの冒険者ですよね?』
「「はい。」」
『大体Gランクが受ける依頼の金額は、高くて小銀貨五枚ですね。
それをいくつかこなしていって、お金を皆さん稼いでいます。
ムキファーなど高ランクの冒険者になれば話は別です。
Sランク以上の冒険者になれば自分から依頼料を決めることが可能ですから。
元々金額が低いのは、この世界はお金を使うと言う概念がなかったのです。
ほぼ物々交換が主体でしたからね。
しかし、異世界の方を招き入れる事により少しずつですが、"お金を使って物を売り買いする"という文化が浸透してきたのです。
それでも未だに物々交換がメインの所もありますがね。』
そう話してくれるドラしゃん。
よくよく聞いくと...私達が受けた依頼書の金額は...。
なんかおかしくない?というのが私とお兄ちゃんの意見だった。
だって、どう考えてもGランクの初心者が貰う金額の遥か上の金額を私達は一日で稼いだのだから...。
そう思うと...他の人達に申し訳なく感じるのはおかしいのだろうか?
そんな事を思いながらもドラしゃんの話を聞く私とお兄ちゃんの顔をじっと見つめてくるドラしゃん。
『大丈夫ですよ。依頼主の気持ちや依頼内容によって金額が変わるのはよくある事ですよ。
お二人が気にするような事は全くありません。
そうです。今度、街へ買い物に行ってみましょうか?
実際に自分でお買い物された方が、物の価値がわかりやすいかと思いますので。』
「えっ?!いいの?やった~!!」
「何買う?」
「お菓子とポーチが欲しいからそれをみたい!あと、【聖獣】達とお揃いのアクセサリーをつけたいからそれもみたい!」
「なるほど。僕もポーチをみたいなぁー。【聖獣】達とお揃いのアクセサリーかぁ~。それ良いね!」
「でしょ?家の中以外は、ずっとこの中で過ごしてもらってるからね。お揃いのアクセサリーを付けてたら、私達のだって見てわかるかなぁー?と思ってね。」
以前までは、普通に犬猫みたいに常に側に連れて行動を共にしていたが、街づくりをしてから【聖獣】達のレベルが上がった事により体の大きさも少しずつ大きくなってきた。
その為、常に側に付き従えて歩く事が出来なくなり、【大聖獣】に相談したら私とお兄ちゃん専用に【聖獣】を収納できるネックレスとブローチをくれた。
ネックレスとブローチには、特製の"宝珠"が埋め込まれていてその中に契約した【聖獣】を収納する仕組みだ。
"宝珠"の中は、【聖獣】にとっては住みやすい環境下になっていて苦痛等は全くないそうだ。
"宝珠"の中で居ても、常にお互いの気配を感じる事ができるし、会話(念話)もできる。
外で過ごす時は"宝珠"の中で、家で寛ぐ時は外に出して一緒に過ごす様にしている。
『聖獣や聖霊はこの世界の住人にとっては、特別な存在ですからね。
アクセサリーを身につけさせて、自分のですと言うアピールする事はいい事だと思いますよ。』
ドラしゃんにもそういわれて、次街での買い物の時お揃いの物を探す決意をしたのだった。
リン:
どうしよう。意外にもお金持ちだ。
アキラ:
そうだね。落とさないようにしないとね。
リン:
私達より、依頼主の方が金銭感覚おかしいよね?
アキラ:
それを言ったら意味がないよぉー。
リン:
このまま私達依頼をこなすと数日で王様並みのお金持ちになったりしない??
アキラ:
...。
最後の毒草もトラブルなく全て抜き終えたることができた。
抜いた後は土壌に『浄化魔法』をかけていく。
『浄化魔法』をかける事により、毒草が生えていた庭でも他の植物や果実などを植える事が可能となる。
これも以前ルミばぁーちゃんから教わった豆知識のひとつ。
私の魔法は幼いあの時に比べたらだいぶ進歩した。
力のコントロールも上手にできるようになったと思われる。
ルミばぁーちゃん達が普段の生活をしながら、気長に指導してくれたおかげだ。
と言っても、油断するとやらかすのも変わらないけどね...。
そう。この時もつい油断して...。
「あっ?!リン!!やり過ぎたよ!」
「えっ?あっ?!!!」
『浄化魔法』をかけ過ぎて、ルミばぁーちゃんのお庭に"聖桃華の樹"と呼ばれる【聖獣】や【大聖獣】が好んで食べる"聖なる実"がなる樹が生えてしまった。
それには見守っていたルミばぁーちゃん達も唖然とする。
「ちょいと!リン!なんてものをはやすんだい!」
「ハハハッ。さすがリンだのう。」
「成長したと思っていたが...まだまだワシらの手助けは必要なようだな。」
「そのままあっても良いのでは?」
「あれがあればリン達も助かるだろう?」
『敷地内にすでに数十本生えてますがね...。』
「はっ?!そんなに?!」
『はい。お嬢様が【聖獣】のためにと言ってね、一本生やす予定が...気付けばってね。』
「さすがですなぁ~。」
そんな話をしながら皆はぞろぞろと庭に出てきた。
「ごめん!ルミばぁーちゃん。」
「ごめんなさい。」
私とお兄ちゃんは素直に謝る。
「いいよ。その樹はそのままにしておいておくれ。
抜いた毒草はちゃんと処理できているね。じゃー依頼書をお出し。
サインをするから。処理したものはそこに置いて。後でギルドに持っていくら。」
ルミばぁーちゃんは笑いを堪えながらそう言ってくれた。
お兄ちゃんはルミばぁーちゃんに言われた通りに処理した毒草類を指定の場所に置く。
私はルミばぁーちゃんに依頼書を渡してサインを貰った。
「はい。私からのこの依頼は完了だね。あと、他の連中のを終わらせてから一緒にお茶を飲もうかね。」
ルミばぁーちゃんからサインしてもらった依頼書を受け取り、他の依頼をこなす事にした。
次はムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんの家の庭の草抜きだ。
ムキじぃーちゃんやドムじぃーちゃん。そして、他の人達の家の庭の草抜きはルミばぁーちゃんの家の草抜きに比べてかなり簡単だった。
ルミばぁーちゃんの庭に生えているような毒草が生えていないのと、ほぼ雑草が多いからだ。
そりゃそうだよね...。
男ヤモメの一人暮らしならそんなもんだよ...。と、以前じぃーちゃん達が言ってた気がする。
ムキじぃーちゃん達の庭の草抜きは、回復素材となる薬草と雑草のみなんだが、これまた高級な回復素材となる薬草のため慎重に抜いていく。
私が薬草のみ抜いて私が抜いた後をお兄ちゃんが残っている雑草を抜くという作業をひたすら繰り返す。
日が沈む前には朝ギルドで貰った依頼書全てを終わらせることができた。
ルミばぁーちゃん達と依頼の最後にあったお茶を一緒に楽しんでから、完了のサインを貰った依頼書を持ってギルドへ向う。
ギルドに行くと待ち構えていたかのようにコイムさんが待っていてくれた。
私達から依頼書を受け取っとると、枚数が多いのとお金の計算もあるので、翌日また来るように言われた。
私達は了承の返事をして家族が待つ家へと戻る。
家に戻ると、予想通り皆が待っていてくれてた。
初めての冒険者としての依頼をこなせたお祝いの準備をして待っていてくれたのだ。
依頼と言っても簡単な....内容だったが、思っていた以上にヘロヘロな私とお兄ちゃん。
しかし、凄く満たされた気持ちでいっぱいだった。
この日も皆で楽しくワイワイいいながら夕食を食べる。
夕食を食べた後は、皆で我が家の大浴場に入って色んな話をする。
もちろんやり過ぎて、全ての家の庭に"聖桃華の樹"を一本ずつ生やしてしまった事ももちろん話題となった。
私とお兄ちゃんはお風呂に浸かりすぎて全身真っ赤になったのか、恥ずかし過ぎて真っ赤になっているのか分からない状態だった。
お風呂から出る頃には、私もお兄ちゃんもヘロヘロで半分寝ながら服を着替えていた。
風呂から上がって、寝る前のお茶を飲む準備をお母さん達がしている間、私とお兄ちゃんは仲良くプレイスペースにて眠ってしまっていた。
その日は私もお兄ちゃんも死んだように深い眠りについていた。
仲良く手を繋ぎながら寝ている私達の姿を皆が微笑みながら見ているとは知らずに...。
「この寝顔は変わらんなぁー。」
「変わらないわね。」
「そうですね。いつ見ても、良いものですね。」
「ほんま。ええ顔してますわぁー。」
「癒されるよなぁー。」
「あとどれくらいでこうやって、側で見守れるだろうなぁー。」
『何を言ってるのですか?ずっとに決まっているではないですか!
私達がずっとこの寝顔を守っていくんですから。』
ドラしゃんの真剣な表情と言葉に半ば呆れつつもその気持ちわかるぞってな感じで、私達の寝顔を見つめていたと翌朝、朝食時に両親から話を聞くことになる私とお兄ちゃん。
翌朝も朝ご飯を食べ終えてからお兄ちゃんと二人でギルドへ向かう。
昨日こなした依頼の報酬の受け取りと次の依頼をこなすためだ。
ギルドに行くとルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんが普通に仕事をしていた。
そりゃそうだよね...二人ともギルマスなんだから。
私とお兄ちゃんは二人の仕事姿を横目で見ながらも、コイムさんが待つ受付へと向かう。
コイムさんは私とお兄ちゃんの姿を見ると、素早く書類と道具をテーブルの上に置いていく。
「お待ちしてました。こちら昨日の依頼の合計金額です。確認されましたこちらにお二人のサインをお願いします。」
コイムさんに見せられた書類には依頼内容と金額とその合計金額が書かれていた。
全て読んで私とお兄ちゃんはサインをした。
「では、こちらの合計金額の半分ずつをそれぞれにでよろしいですか?」
コイムさんに質問されて、私とお兄ちゃんは頷いた。
「それでお願いします。」
「私もそれで良いです。」
私とお兄ちゃんの返事を聞いて、コイムさんは机の上に置いてある道具の上にギルドカードを置くように言われたので、指示通りにする。
すると道具の上に置いてある水晶に表示されていた金額がギルドカードへと移されたのだ。
ギルドカードに水晶に表示された金額と同じ金額が表示されて消える。
これで、依頼料がカードに振り込まれたことになる。
金額を移し終わると、コイムさんが手招きする。
私とお兄ちゃんが顔を近づけると小声で話しかけてきた。
「実は...今回の金額ですがとても破格な金額で、正直な話無駄遣いしなければ軽く20年は働かなくても大丈夫ですよ。」
「「....。はっ???」」
私とお兄ちゃんは思わず間抜けな声をあげてしまった。
「またまたコイムさん。」
「そうですよ。そんな冗談...。」
「....。」
真面目な顔のまま見つめ返すコイムさん。
冗談ではないのがよく分かった。
「でもなんでですか?昨日の依頼書を見たらそんな金額にはならないはずですよ?」
「そうですよ。おかしいですよ!」
「実は...。」
そうして話出した内容に私とお兄ちゃんは固まるしかなかった。
私とお兄ちゃんがした依頼内容は草抜きと家の中の掃除と片付けと肩たきと買い物の代理だ。
子供でもできるような内容だから金額もそこまで高くない。
が....まず一つ目の問題は、依頼主。
私達に依頼した依頼主は、過保護な保護者達だ。
しかも有名人ばかり。
おまけと言って、金額を訂正するなんて朝飯前の人達だ。
次に依頼完了期間。
どの依頼も一週間の予定で出されていた。
しかし、こなし終えたのは全て一日で完了したこと。
別にそれは悪いことではないのだが、依頼主が設定している依頼期間より早めに依頼を完了させると、優秀な冒険者という評価が付き、別途料金が上乗せされる仕組みがあるのだとか...。
三つ目は、草抜きで抜いてギルドに提出された毒草どもの存在だ。
そう...ルミばぁーちゃんの庭で抜いた毒草達が、鑑定された結果全てSSSランクの品だったのだ。
その為...最初に表示されていた金額の見直しがされたという。
草抜きの場合は、抜いた草を証拠として依頼主がギルドに提出する義務がある。
抜いた草の量や種類によって金額の見直しがされるためなのと、不正を防ぐための方法だと言う。
「そのため私は徹夜で作業をさせて頂きました。朝一でギルマスにも相談した結果、そういう事になったのです。
お二人の反応からして、あまりお金の価値観をご理解できていないようでしたので。ちゃんと保護者達から教わって置く方が良いですよ。
世の中、良い大人ばかりではありません。中にはよからぬ輩もいますのねで、ご注意して下さい。」
コイムさんはそこまで伝えると、"さて今日の依頼はどうしますか?"と質問してきたが...。
今日の依頼をこなす所ではなくなったのは...いうまでもない。
私とお兄ちゃんは互いの顔を見合わせて、コイムさんに向き合った。
「コイムさん。一度返って勉強してきます。」
「明日、また出直してます。」
私とお兄ちゃんの言葉を聞いて、"頑張って下さい"と笑顔で見送ってくれた。
私とお兄ちゃんはコイムさんと話し終えて、一度家に戻った。
家に戻るとドラしゃんのみがいた。
お父さんもお母さんも自分の工房に出かけていたからだ。
私とお兄ちゃんはドラしゃんの元へ行きお願いをした。
『おや?お二人とも本日の仕事は...』
「ドラしゃん!お願い!」
「お金について教えて!」
ドラしゃんが喋り終える前に私とお兄ちゃんは、ドラしゃんに飛びついてお願いをした。
私とお兄ちゃんの勢いに驚きながらも、ドラしゃんは平静を取り戻して苦笑いを浮かべながら対応してくれた。
『やはりそうなりますよね。わかりました。
今、お昼ご飯の下準備をしていますので、それを片付けてからでもよろしいですか?』
「もちろん。」
「手伝います。」
私とお兄ちゃんは、とりあえず手を洗いに行ってからドラしゃんの手伝いをする事にした。
ドラしゃんの指示に従って、ドラしゃんお手製のエプロンを着てキッチンに立った私とお兄ちゃん。
お兄ちゃんは目玉焼きを作るように、私は果物を一口サイズに切りお皿に盛り付けるように言われた。
私はドムじぃーちゃんお手製の私専用の果物ナイフを取り出して、果物を切り出す。
私とお兄ちゃんには、ドムじぃーちゃんより専用の包丁を幾つが作ってもらっている。
ある程度大きくなってから料理を意欲的に手伝う様になったので、お母さんがドムじぃーちゃんに頼んで作ってもらったのだ。
包丁の研ぎやその他メンテナンスはお父さんがしてくれているので、どの包丁も
常に使いやすい状態に包丁が維持されていた。
「ドラしゃん。いつく用意したらいいの?」
私が質問すると、ドラしゃんは他のおかずを作りながら答えてくれた。
『私とお嬢様とアキラ様と旦那様と奥様の分ですね。
あとは、面々に食べるでしょう。』
どうやら今作っているご飯は私達家族の分のようだ。
なら、多少見た目が危なくても...大丈夫だね。
そう思ったら、色んな切り方にチャレンジしてみることにした。
うさぎりんご、ペンギンや薔薇など色んな形にきっていった。
すると、それを見たお兄ちゃんとドラしゃんは本気で驚いていた。
「リン!凄い!どこでそんな切り方覚えたの?」
『お嬢様!素晴らしいです!でも、手は切らないで下さいね。』
「大丈夫。切ってもドラしゃんが直してくれるでしょう?」
『当たり前です!!』
実は飾り切りというのをこっそりお母さんから教わっていた。
街を出て旅に出るなら、もしもの時にこう言うのが売れるかもしれないからと言って教えてくれたのだ。
その分沢山果物を食べる羽目になったが、それは【聖獣】達が協力して消費してくれたので問題はない。
他にも色んな料理をお母さんやナナばぁーちゃん達からこっそり教わっている私。
女の子だから料理が上手だとモテるよって言われたのもあるが、いつかドラしゃん達に手料理を食べて貰いたかったからだ。
少しずつ成果を見せれて、習って良かったとしみじみ思った。
ドラしゃんとお昼ご飯の準備をし終えた後、約束通りにお金について教えてくれた。
リビングのテーブルに座って、ドラしゃんが鞄からこの世界のお金である硬貨を全て出して、金額順に並べてくれた。
テーブルの上には、小銅貨、中銅貨、大銅貨、小銀貨、中銀貨、大銀貨、小金貨、中金貨、大金貨、白金貨が。
そして、最近できた白中金貨と白大金貨も並べられた。
『この世界の硬貨はこれで全てです。以前、御両親にこちらの世界のお金について話したと思いますが、覚えてはいないでしょうね?』
ドラしゃんにそう言われて、私もお兄ちゃんも頷いた。
記憶の奥底にありそうだが、いまいち覚えていない。
私達の反応を見て、ドラしゃんは改めて一から教えてくれた。
『では、以前私とムキファーとでお話しした事をもう一度お伝えしますね。
確か、お嬢様達の世界の通貨は"日本円"と言う物ですよね?』
「はい。そうです。」
『では、日本のお金の価値と比較して教えますと...。』
そうして教えてくれたのが、
小銅貨が約一円。中銅貨が約五円。
大銅貨が約十円。小銀貨が約五十円。
中銀貨が約百円。大銀貨が約五百円。
小金貨が約千円。中金貨が五千円。
大金貨が約一万円。白金貨が約十万円。
そして、最近できた白中金貨が約五十万円で、白大金貨が約百万円の価値があるのだった。
ちなみに今朝方私達がギルドから依頼の報酬として貰っら金額は、白中金貨一枚(約五十万円)ずつだ。
.....。
無言になってしまう私とお兄ちゃん。
頭の思考回路がショートした。
そんな事もお構いなしに話を続けるドラしゃん。
『大体普段私達が食べている食料品に関しては、大銀貨が十枚ほどあれば家族五人程度であればひと月分の買い物ができます。
この世界はお嬢様達が来て、食料品となる食物や家畜が一気に増えましたので、以前に比べるとかなり豊かです。
そのため、小さな村や町の住人の暮らしも豊かですよ。
あと、衣服や装備品に関しては、使われている素材や職人によって金額は大きく変わりますね。
素材が良いものほど高くなります。
ここまではご理解頂けました?』
そう話すドラしゃん。
しかし、もうすでに私とお兄ちゃんの頭はパンクしているので直ぐに返事ができなかった。
それに気付いたドラしゃんは微笑しながら、冷めてしまった私とお兄ちゃんのコップのお茶を入れ替えてくれた。
『一気に話をして混乱されましたようですね。では、ゆっくり話しますね。
まずは入れ直したお茶をどうぞ。』
ドラしゃんに進められるままお茶を一口飲んで一息ついた。
なんとか止まっていた思考回路も回復して動き出す。
『では、改めてお話ししていきますね。
そうですね。お二人は冒険者ですから、それにちなんでお話しする方が理解が早いかもしれませんね。
今お二人はGランクの冒険者ですよね?』
「「はい。」」
『大体Gランクが受ける依頼の金額は、高くて小銀貨五枚ですね。
それをいくつかこなしていって、お金を皆さん稼いでいます。
ムキファーなど高ランクの冒険者になれば話は別です。
Sランク以上の冒険者になれば自分から依頼料を決めることが可能ですから。
元々金額が低いのは、この世界はお金を使うと言う概念がなかったのです。
ほぼ物々交換が主体でしたからね。
しかし、異世界の方を招き入れる事により少しずつですが、"お金を使って物を売り買いする"という文化が浸透してきたのです。
それでも未だに物々交換がメインの所もありますがね。』
そう話してくれるドラしゃん。
よくよく聞いくと...私達が受けた依頼書の金額は...。
なんかおかしくない?というのが私とお兄ちゃんの意見だった。
だって、どう考えてもGランクの初心者が貰う金額の遥か上の金額を私達は一日で稼いだのだから...。
そう思うと...他の人達に申し訳なく感じるのはおかしいのだろうか?
そんな事を思いながらもドラしゃんの話を聞く私とお兄ちゃんの顔をじっと見つめてくるドラしゃん。
『大丈夫ですよ。依頼主の気持ちや依頼内容によって金額が変わるのはよくある事ですよ。
お二人が気にするような事は全くありません。
そうです。今度、街へ買い物に行ってみましょうか?
実際に自分でお買い物された方が、物の価値がわかりやすいかと思いますので。』
「えっ?!いいの?やった~!!」
「何買う?」
「お菓子とポーチが欲しいからそれをみたい!あと、【聖獣】達とお揃いのアクセサリーをつけたいからそれもみたい!」
「なるほど。僕もポーチをみたいなぁー。【聖獣】達とお揃いのアクセサリーかぁ~。それ良いね!」
「でしょ?家の中以外は、ずっとこの中で過ごしてもらってるからね。お揃いのアクセサリーを付けてたら、私達のだって見てわかるかなぁー?と思ってね。」
以前までは、普通に犬猫みたいに常に側に連れて行動を共にしていたが、街づくりをしてから【聖獣】達のレベルが上がった事により体の大きさも少しずつ大きくなってきた。
その為、常に側に付き従えて歩く事が出来なくなり、【大聖獣】に相談したら私とお兄ちゃん専用に【聖獣】を収納できるネックレスとブローチをくれた。
ネックレスとブローチには、特製の"宝珠"が埋め込まれていてその中に契約した【聖獣】を収納する仕組みだ。
"宝珠"の中は、【聖獣】にとっては住みやすい環境下になっていて苦痛等は全くないそうだ。
"宝珠"の中で居ても、常にお互いの気配を感じる事ができるし、会話(念話)もできる。
外で過ごす時は"宝珠"の中で、家で寛ぐ時は外に出して一緒に過ごす様にしている。
『聖獣や聖霊はこの世界の住人にとっては、特別な存在ですからね。
アクセサリーを身につけさせて、自分のですと言うアピールする事はいい事だと思いますよ。』
ドラしゃんにもそういわれて、次街での買い物の時お揃いの物を探す決意をしたのだった。
リン:
どうしよう。意外にもお金持ちだ。
アキラ:
そうだね。落とさないようにしないとね。
リン:
私達より、依頼主の方が金銭感覚おかしいよね?
アキラ:
それを言ったら意味がないよぉー。
リン:
このまま私達依頼をこなすと数日で王様並みのお金持ちになったりしない??
アキラ:
...。
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