異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜

2-11 とんでもないものが育ちました

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 畑を耕して種まで撒いて【家庭菜園】としての準備も整い、もう一方の装飾工房の片付けもある程度終わり皆が同時に家に戻ってきた。

昼ご飯の準備がまだ整っていないので、ご飯の準備ができるまで、それぞれ今までの段取りを話し合うことに。

家庭菜園組はお父さんが自作のクワで一瞬にして畑ができてしまったことや私とお兄ちゃんでジャンジャンと種を作ってそれを植えたこと、ドムじぃーちゃんが井戸を作ってくれて水汲みがしやすくなったことを話した。

色々ツッコミどころはあるがとりあえず後にしてお母さん達も報告するのだがこちらはいたって普通の報告だった。

装飾工房組は今までお母さんが使っていた道具を全て工房に運び込みが終わり、どんな物が作れるかの確認と足りない資材の確認もしたことを報告する。

あと、お母さんがドラしゃんにある質問をする。

「道具を作るにしても装飾品を作るにも素材が必要です。それの確保について今後どうしたらいいのか知りたいんです。私が欲しい資材で、この世界では得ることができない可能性があるものがあるんです。それはどのようにして集めたらいいか教えて欲しいんです。あとこの世界のお金について聞きたいのですが良いですか?」

お母さんの言葉にお父さんもハッとする。
そう...お父さんもお母さんがいうまであることを忘れていた。
ここまでの生活で"お金"を使う事がなかったからお金の概念をすっかり忘れていたのです。

だから誰かに教わらないとこの世界のお金について全く知らないし、この機会がなければお金についてまったく気にすることもなかった可能性があるのだ。
お金の種類はもちろんなのだが、価値も知らないと今後色々こまる。

お父さんもドラしゃんの方をみる。
ドラしゃんは"あーっ"と思い出したかのように話し出す。

『これはこれは失礼しました。伝えてませんでしたね。こちらの世界にもお金は存在します。皆さんが住んでいました"日本"と違って紙幣は存在しません。あるのは硬貨のみです。
 主な種類は、銅貨、銀貨、金貨の3種類なんですが...それから更に細かく別れます。
小銅貨、中銅貨、大銅貨。
小銀貨、中銀貨、大銀貨。
小金貨、中金貨、大金貨。白金貨。
合計10種類ですね。
価値についてムキファーから聞いた方が分かりやすいと思いますね。』

ドラしゃんはそう言うとムキじぃーちゃんに話を振り、振られたムキじぃーちゃんは腰の鞄から実際にお金を取り出して説明してくれた。

「お前さん達の時代とワシの時代ではお金の価値が多少違うからどこまで正確か分からんけどなわかる範囲で教えてやるよ。
お前さん達が分りやすいように日本の価格にて教えるぞ。小銅貨がだいたい1円だな。中銅貨が5円ぐらいで、大銅貨が10円ぐらいだ。
 次に小銀貨が50円て、中銀貨が100円ぐらいで大銀貨が500円ぐらいだ。
 小金貨が1000円ぐらいで、中金貨が5000円ぐらいだな。大金貨が10000円ぐらいで白金貨が100000円って感じかのう?
ワシの時は100円から札だったから違和感はデカかったのう。」

ムキじぃーちゃんは硬貨を一つ一つ見せてながら教えてくれたのだが、お父さんとお母さんは必死だ。
硬貨を見ながらメモをとり整理していく。

「そんなに慌てなくて大丈夫だ。硬貨も大きさによって名前を変えているから朽ちてきたらわかりずらいんだが..ここみてみろ。」

そう言って硬貨の裏側を見せる。
そこには何やら絵が描かれている?彫られているこか??
擦れていて分りづらいが何かあるのは分かった。

「それぞれの硬貨には小なら"木のみ"、中なら"果実"、大なら"花"の絵が描かれてるんだ。それで判別してもいけるぞ。」

そう言われて比べてみると確かにそれらしいものが描かれているのが見れた。

あとルミばぁーちゃんがある事を教えてくれた。

「他にも見分け方があるんだけど、銅貨は縦長で銀貨からは丸くなっているわよ。で、白金貨は丸く周りがギザギザしてる上に絵柄はその時代の国王の横顔が彫られてるから分りやすいね。」

ルミばぁーちゃんは銅貨と銀貨を1枚1枚ずつ手に取り説明してくれたので整理しやすかったようだ。

一通り説明を受けた後ドラしゃんがまた話をする。

『因みに御一家のお金に関しては神様から預かっております。
皆様が蓄えていた以前の世界のお金をこちらのお金に変えております。
なのでしばらくお金には不自由はないかと思います。』

その言葉にお父さんとお母さんはさらに驚く。
まさかそこまで用意をしていてくれていたとは思ってなかったから。

『用意はしていましたが使う予定がなかったので失念してました。』

その言葉にその場にいた大人達は呆れ返っている。
とりあえずお金の問題は解決したのでホッとする両親。

あと一つお母さんのアクセサリーの資材についての問題があるのでお母さんはそのままドラしゃん達と話をすることに。

お母さんが話している間にお父さんがキッチンに向かうために立ち上がった時だった。

"ズーーーーッン!!"

なんとも言えない音と共に家が揺れる。
ドラしゃんと神様の加護の効いた家が揺れたのだ。
さすがのドラしゃんもあせる。

ムキじぃーちゃん達は武装して様子を伺い、
私とお兄ちゃんはドラしゃんにしがみつく。
かなりの揺れが続く。
地震?と思ってお父さんとお母さんは不安そうにするが...揺れいがいはとくにない感じ?

その揺れもものの数分でおさまる。
それでも、ドラしゃんを含めムキじぃーちゃん達は私達家族を中止にし周りを武装して固める。

「おいさっきの揺れはなんだ?敵か?」

ムキじぃーちゃんは周りを警戒しながらドラしゃんに確認をする。

「馬鹿を言うんでないよ!ここの結界破る奴なんかそうそういないだろうが!」

ルミばぁーちゃんがムキじぃーちゃんに喝を飛ばすが内心不安でしかない様子。

「だったら、なんだ?」

ロドじぃーちゃんも周りを警戒しながらドラしゃんに確認する。
ドラしゃんはしっかり私とお兄ちゃんを腕に抱えて

『ありえん。この結界はそうそう壊れん。敵の気配どころか敵意も感じない。一体何だ?
とにかく正体が分かるまでは絶対警戒を解くな!』

ドラしゃんも普段と違って余裕がない感じ。
ドラしゃんですら揺れの正体が分からないとなるとかなり不安でしかない。

私とお兄ちゃんはドラしゃんの腕の中からお父さんとお母さんの様子を見ると2人も不安そうな表情をしている。
お母さん達に声をかけようとした時だった。私を呼ぶ声が???

私は辺りをキョロキョロみわたすが...それらしい人はいない。
気のせいか??と思ったらまた声が聞こえてくる。
私は聞こえてくる声に耳を澄ませると...

《やっと逢えるわ。もう少しだけ待ってね。》

その声は優しい女の人??
でも何処から?
私が首を傾げるとお母さんが声をかけてきた。

「リン?どうしたの?大丈夫?怖くないからね。」

お母さんは私が怖がっていると思い笑顔で慰めてくれていたのだが...私は全然怖くない。

私はドラしゃんの服を引っ張り声をかける。

「ドラしゃん?あんね、声したよ?」

私の声にドラしゃんを含め皆の視線が一気に集まる。

『お嬢様?何を?』

ドラしゃんはマジマジと私の顔を見て問いかけてくる。

「う~ん、わからない。でも、声したよ。逢えるねってゆってた?とおもう。」

私は聞こえた声についてドラしゃんに話をしたらドラしゃんは考え込んでしまった。
そして...ドラしゃんはある事を思い出して恐る恐るといった感じで私に質問する。

『お嬢様。確か何か植えてましたよね?あれは何を植えられました?』

ドラしゃんは私が畑で何かを植えていたことを思い出したのだ。
しかし、あの時"何を"植えたかまでは確認していない。

私は植えた物を一つずつ思い出しながらドラしゃんに話をすると周りの人達はそれを黙って聞く。

「うーんとね。にんしんしゃん。だいこしゃん。はっぱしゃん。あとは、...!きいのしたに、おちてた、タネうえたの。」

私が言うとドラしゃんはそれだ!と言って私とお兄ちゃんを抱えたまま家の裏に造った【家庭菜園】へと向う。

走っていくドラしゃんに他の人達も慌てついていく。
ドラしゃんに抱えられて家庭菜園へ着くとそこにはとんでもないモノが育っていた。

『なっ!!』

さすがのドラしゃんも驚き固る。
そこへムキじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん達も追いついてきて家庭菜園を見ると皆ドラしゃんと同じように驚き固る。

何で皆が驚いて固まるかって?

家庭菜園には午前中種を蒔いて水をかけただけ。
本来ならそこは土の山があるバズなのだが...そこには土の山ではなくて...特大サイズのお野菜の山と見た事もない実のついた樹がこれでもかという量が生えていた。

種を蒔いてえっ?どれだけ時間が??
どればも時間は経ってないのにこの成長速度。
その場にいる人...誰一人として言葉がなかなか出せずただ野菜達を見つめているだけ。

そんな家庭菜園の中に生えた見覚えのない樹を見てドラしゃんは何故か頭を抱える。
その反面ラミィお兄ちゃんは凄く喜んでいる。

私は不思議に思いドラしゃんに質問する。

「あのきぃ?なーに?」

私が樹の方を指差して聞くとドラしゃんよりも先にラミィお兄ちゃんが答えてくれた。

「アレは【大聖霊・森の賢者 ドライアド】の卵です!!初めて見ました。生きているうちに見れるなんて...。」

ラミィお兄ちゃんの言葉にさらに皆驚く。

「「「「「はぁー!!」」」」」

何と。私が拾った種は【大聖霊・森の賢者 ドライアド】の種だったのだ。

(大聖霊って種から産まれるの?)

ラミィお兄ちゃんの言葉は本当らしくドラしゃんのも同じ内容を話してくれた。

『あの時に気づけばよかったです。
お嬢様が"種"と思っていたモノは"命の核"です。力を使い切った大聖霊は"命の核"の状態になります。
一見、普通の種のように見えるので誰もそれが大聖霊とは思わないでしょう。
 しかも、普段は透明で見えない様になっているため中々気付きません。
自分の力となる人が現れたら姿を見せ羽化をするんです。今まさにあの畑に植っている樹は"羽化"の状態です。』

普通の野菜を植えたはずなのにとんでもないモノが育ってしまったようだ。

『大聖霊が植っているため周りの野菜も影響を受けて巨大化したのでしょう。
 よりにもよってなんであんなモノが...。』

ドラしゃんのは凄く困っている。
そんなドラしゃんに

「ちなみに聞くがいつ産まれるんだい?」

ルミばぁーちゃんは恐る恐る確認する。

『まだ、実は黄色いので2~3日は大丈夫だと思いたい。』

さすがのドラしゃんでも【大聖霊】の羽化までは読めない様子。

「コレは色々と急がんとやばいのう...。」

ロドじぃーちゃんも何気に焦っている。

『とりあえず、近日中にはギルドを設立しましょう。そして、アイツに連絡します。事は一刻の猶予もありません。アレが羽化を仕切る前に色々と片付けてしまわないと面倒です。』

ドラしゃんがそう言うとムキじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃんは頷くが、いまいち状況が飲み込めない私達一家はとりあえずドラしゃん達について動く事にした。













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