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第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜

2-3 夜の反省会

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 お父さん達が家に入った事を確認したドラしゃんは一気に魔法で後片付けをしていく。
 そして先程までバーベキューをしていた場所に特殊な結界を張りだす。

 特殊な結界の中にはドラしゃんはもちろんのこと、ムキじぃーちゃん、ロドじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、ドムじぃーちゃん、モッケしゃんがいる。
 そして...いつのまにか神様もその中に加わっていた。

 皆は、神様が来ている事には特に驚いてはいない様子で平然としている。
 すると...

『なんなの?可愛げのない反応だね。もう少し驚いてくれてもいいのにぃ~。』

 神様は唇を尖らせて文句を言うが冷たい視線しか送られてこない。
 それどころから軽蔑の眼差しまで向けられ始めたので神様は慌てて話をするように促す。

 その姿をモッケしゃん、ラミィお兄ちゃん、ドムじぃーちゃんは、呆れた顔で。
 ドラしゃん、ムキじぃーちゃん、ロドじぃーちゃん、ルミばぁーちゃんは、軽蔑の眼差しを込めた顔で見つめつつも話を始めることに。

『貴方が居るのは最初から気付いてましたよ。ロドムカが魔法を使った時には時には姿を消してきてましたよね?
 私は一瞬ヒヤッとしましたよ。まさかあのまま姿を見せるのかと...。まぁーさすがに貴方も馬鹿ではありませんでしたね。
 グッとこられ得て状況を見守っていましたからね。』

 ドラしゃんは小馬鹿にしたような口調で神様に言い放つ。神様相手にそんなことができるのは彼だからこそだろう。
 ドラしゃんの言ったことは図星だったようで神様は少しだけ不貞腐れている。

 神様はあのままだと私達に魔法が直撃するのが分かり私達の側に来て守ろうとしてくれていたのだから。
 が、姿を見せる時期ではなかったのもあり、姿を消したままただ状況を傍観するしかなかったのだ。

 ある程度状況が落ち着いた頃を見計らい密かに神様は、私達兄妹の加護を強めてくれたみたいで、それもしっかりドラしゃんにバレていたようす。

『いやぁ~、あの時はさすがの私も焦ったよ。大の大人なんだからさぁ~ハメを外すのも考えものだよ。』

 神様の言葉にムキじぃーちゃんとロドじぃーちゃんは申し訳なさそうな表情を浮かべる。彼らも彼らなりに反省はしている。

 2人の様子を神様も見ていたし、今も青ざめて反省はしている様子なので誰も深く追求はしない。

 そんな2人を放置してルミばぁーちゃんは神様に話しかける。

「ちょいと、話と違うじゃないかい。なんだい?あの家族。揃いも揃って規格外すぎるじゃないかい。それならそうとちゃんと言ってくれないとこっちだって色々やる事が変わってくるんだよ!分かってんのかい?」

 ルミばぁーちゃんの言葉に神様は白々しくもキョトンとした表情を浮かべる。
 その様子にその場にいた全員がムカっとしたようで苛立ちの表情を浮かべる。

「失礼ですがこの際言わせていただきます。両親の力があの状態でしたら、子供達はもっと桁違いなのではないのでしょうか?
 このままでは彼らはこの世界の住人から確実に異端児扱いを受けますよ?それどころか、永久に国の地下牢獄で監禁とかもありえますよ!。」

 ラミィお兄ちゃんはいつになく真剣な表情で神様に詰めよる。
 いくらこの世界の人達が魔法に対する知識や常識が備わっているといっても何事も常識範囲内でのことだ。

 それを逸脱してしまうと...しかも過剰な場合は脅威の対象にしかならなくなるのだ。

 その対象に私達家族が当てはまってしまうことをかなり心配しての発言なので、誰も咎めることをしない。
 それどころか

「ラミィーはんの言う通りでっせ。ワテの祖父も異世界の人でしたが、あそこ迄ではなかったでぇ。いったいあんさんは何を企んではるんですのや?
 このままでは護るものも護れなくなりますがな!」

 モッケしゃんが神様にくってかかり、

「幾ら俺達がこの世界で名の知れたメンバーばかりやと言ってもコレは限度を超えてる。どこまで庇えれるか分からん。というか、すでに不安しかないわい。」

 ドムじぃーちゃんも困惑の表情を浮かべながら神様に進言する。
 その他にも

「私らを納得させられるだけの理由を教えてもらわんとなぁー。
 幾らあんたが神様言うてもこれは無茶じゃないかい?しばくわよ。」

 ルミばぁーちゃんも本気な表情で神様を睨みつける。

「本当によ、今更何が起きてもさ諦めるからよぉ~、本当のことを言ってくれや。ここにいるメンバーでないといけない理由はなんなんだ?他にも異世界の奴らに対応できる奴はいるんだぜ?それでも俺たちを選んだからからには理由があるよな?」

 ロドじぃーちゃんも口調は軽いものの威圧感満載で神様を睨みつけながら話しかける。

 ドラしゃんも無言の威圧をかけていく。
 その場に居る全員の視線が神様に集中する。
 空気も張り詰めていて、きっとその場に私やお兄ちゃんがいたら泣いてたと思うぐらいの空気感を出している。

 神様はそんな中でも余裕感がある様子で少しため息をつくと話をはじめる。

『別に私は最初から"嘘は"言っていないよ。"家族には使命はない"。しかし...私以外のモノが選んでしまったんだよ。こればか。はどうしようもない。
 彼らもこの世界の一部だから無下にはできないんだよね。』

 その言葉を聞いて"はい?"と全員が器用に片眉だけあげて神様を見つめる。
 人間はあまりにも驚くと変顔をするのかなぁ...。

「いったいなんの事を言っているんだい!ここまで来たら正直に話な!」

 ルミばぁーちゃんが今にも神様に掴みかかる勢いで神様の方に向かうのを他の人達で止める。
 それでも神様は平静を保ち話を続ける。

『最初は本当にこの家族...誰にも使命を与えずに過ごして貰う予定だったんだ。今でも私はそう思っているからコレは嘘偽り無しだよ。
 でもね...あの瞬間から、"彼ら"に目をつけられてしまったんだよ。まぁ~魅力ある子達だから仕方がないと言えば...仕方がないんだよね。こればかりは...私もどうする事もできないんだよ。』

 神様の真剣な表情と言葉にその場に居た皆の顔も真剣なまま。
 でも内心はかなり悶々としている様子が汲み取れる。

『神である貴方がどうにも出来ないのはおかしいでしょう?』

 ドラしゃんは嫌な予感を感じながらも神様に詰め寄る。
 ドラしゃんの嫌な予感は今までハズレた事がなかったから特にだ。

『どうにか出来るならもうしてるよ。
 すれば、この世界だけの問題でなくなるからどうにも出来ないんだ。
神様も万能ではないんだ...。本当にすまない。』

神様は珍しく苦い顔を浮かべながら話をするので皆は困惑する。
それでもロドじぃーちゃんは意を決して確認することにした。

「いったい誰に目をつけられたんだ?そんで持っていったい誰が目をつけられたんだ?」

多分だが...この場に居る皆の頭には1人の人間の顔が思い浮かんでいたのではないだろうか。 
しかしそれは、当たっていて欲しくはないと思っていたことでもある。

だが...いやなものほどよく当たると言ったものだよ。

『全ての世界の命の源。全ての世界の命の歯車を管理し統べるもの。【聖獣と大聖霊】に"リン"は目を付けられてしまったんだよ。こればかりは私だけで対処できることでもなくなってしまったんだよ...。』

その言葉を聞いてその場にいた全員の顔がやはりかぁー...というような表情に一瞬にして変わる。

特にドラしゃんは悲惨なもの。絶望的な表情を浮かべているではないか。
"やっぱり、あの時出現した"扉"は...。もう、あの時からか...。"
ドラしゃんの気持ちは誰よりも神様が感じ取っており、神様も複雑な表情を浮かべながらドラしゃんを見つめる。
 
そう...もう既に、"あの時"からはじまっていたのです。

皆んながなんともいえない暗い顔をして沈んでいる中

「なぜ今頃になって...。あの戦争で消えたんじゃなかったのかよ。」

ムキじぃーちゃんは拳を強く握り締めながら呟く。しかし、その拳からは赤い雫がポタポタとこぼれ落ちてくるではないか。

「あんた!その手!」

それに気づいたルミばぁーちゃんは急いでムキじぃーちゃんに回復魔法をかける。
そんな様子を見守りながら神様は更に言葉を紡いでいく。

『確かにあの戦争で、"彼ら"も力を使い果たして消えたものと思った。しかし...それがそもそも間違いだったんだよね。
 "彼ら"は消えたのでなく、眠っていたんだよ...気配をけしてね。自分達を目覚めさせてくれる人物が現れるまでずっとね。』

その言葉にラミィお兄ちゃんが反応する。

「でもなんでリンちゃんなんですか?リンちゃんでなくてもいいのでは?彼女の御両親もかなりの魔力量を持っているではないですか?!」

神様は言葉を発さずただ目を細めるだけ。
それでもラミィお兄ちゃんは言葉を続ける。

「もしその事が他の国に知れたら...彼女だけでなく、あの家族も危ないですよ!」

ラミィお兄ちゃんは焦る様に神様に物申す。
ラミィお兄ちゃんの言葉を聞いて他の人達も不安半分嫌な予感を感じながら神様の返答を待つ。

『あー...だから、私は君たちをあの一家に引き合わせたんだ。君達なら、いろんな方面に顔が広い君達なら上手く立ち回ってくれると信用しているからね。
それに、他の人より君達相手の方が私も力を貸しやすいしね。』

神様のその言葉に別の意味で皆の顔色が悪くなっていく。
本当に今日1日でどれだけ嫌な予感が当たったか...。
更に心の中で皆一斉に祈る!《どうか、この嫌な予感が絶対にあたりませんように》っと。

しかし...そんな祈りも虚しく神様はしれっと言い放つ。

『君達なら彼女の事も、"彼ら"が関わっている彼らの事も他の連中にバレずに上手くやれるだろう?やれないはずがない。
いやー良かったよ。君達が優秀でさ。あの一家を導いてくれると期待しているからよろしくね。』

先程までのシリアスな空気は?あの重苦しかった空気は?なんだったんだ?!!!と言わんばかりの状況に。
もう...誰も突っ込むことができずにいた。

『その為に、必要な力や権限を君達には特別に与えている。足りないものに関しては後でどうにかする。
 とりあえずリンが成人するまでは持ち堪えてくれよ!頼むんだよ!』

神様は皆に向かって可愛くウィンクをして姿を消す。
もうその動作、発言自体が嫌味でしかない。
さすがに黙っていられる程...優しい人ばかりではなく...

「この、腐れ外道が!神様だからって言っていい事と悪い事の区別がつかないのかい!
 はっ?!リンが成人するまでぇーだぁー!?寝言はねていいなぁ!
成人するまであと何年あると思ってんだい!!12年だよ!12年もあるんだよ!
あんたは私らを殺す気かい!一度その顔をしばいてやるよ!!」

この日誰よりも導火線が短いルミばぁーちゃんが1番先に爆発した。

そのため他の人達は怒りをぶつけるタイミングを失ってしまったが...彼女が自分たちが言いたいことを全て代弁してくれたのでよしとした。

神様が姿を消しても怒りの炎が消えないルミばぁーちゃん。
ひたすら神様がいた場所に向かって罵声を浴びせ続ける。

「優男!へなちょこ!玉無し!何が神様だ!!あんたが神様なら私はもっと上の存在よ!!そうじゃないとおかしいわよ!やってられないわよ!!」

そんな中、ドラしゃんとムキじぃーちゃん達は今後どうするかを改めて話し出す。

「やはりアイツは、俺たちに隠し事してたなぁー。しかしどうするよ。
 このままではあの家族もリンも守ってやるには難しいぞ?」

ルミばぁーちゃんの罵声をものともせずにロドじぃーちゃんがドラしゃんに話かける。
でもそれは、その場にいる皆が思っていたことなので自然と視線がドラしゃんに集まる。

ルミばぁーちゃんも叫ぶのを中断してドラしゃんを見つめる。

ドラしゃんもどうするべきか悩んでいると、

「あのう...こんな事を言うてもあかんのやろうと思いますけど...。」

モッケしゃんが恐る恐る手を挙げながらドラしゃんに話かける。ドラしゃんは"続けろ"と言わんばかりにモッケしゃんに視線を送るとモッケしゃんは唾を飲み込み、一つの案を口にした。

「普通に生活して貰ったらえんとちゃいますの?変にすると余計に悪目立ちしてしまうと思うんですわ。
そうでなくても、あの一家はまだこの世界の常識的なこと知らんのでっしゃろ?
それやったらワテらで教えながら普通に生活してもらうんが1番ですって。
変に何かをしようとすると本当に悪目立ちすると思いませんか?」

その言葉に怒りの冷めないルミばぁーちゃんが吠えた。

「あんたバカかい!さっきの言葉聞いてなかったのかい?普通にしててもこのままでは目立っちまうんだよ!あの一家は!」

吠えるルミばぁーちゃんの迫力に押されながらも、モッケしゃんは意見を言い続ける。

「それは...この世界での力の正しい使い方を知らんからでっしゃろ?
 そしたら、それを学んでもろうたらええんですわ。そして、少しずつ周りが違和感を感じない様にこの世界に溶け込ませたらええんですわ。
 彼らの力を上手い事活用してあげるのが1番ですわ。その為に、ワテら呼ばれたんとちゃいますの?」

 必至に話すモッケしゃんの言葉にドラしゃんとムキじぃーちゃんが同時に賛同する。

『「それだ!」』

 その声に他の人達は驚く。

「お前!たまにはいい事を言うじゃねぇか!見直したぞ!」

『ムキファーの言う通りだ。さすがエセ臭い行商人をしているだけはある。
 なんで、そんな簡単な事に気づかなかったんだ。』

 ムキじぃーちゃんとドラしゃんの言葉に怒り心頭していたルミばぁーちゃんも冷静さを取り戻していく。

「何か、わかったのですか?教えて下さりませんか?」

ラミィお兄ちゃんがムキじぃーちゃんとドラしゃんに縋る様に声をかけると、2人は笑顔で答える。

「簡単な事だ。なぁーフレア?」

『ええー。簡単な事です。モッケロンが言った通りの事をするです。』

2人の解答にモッケしゃん以外皆は、頭の上に?マークを幾つも浮かべている。
そのためドラしゃんは、皆に解るように話し出す。

『私達は、難しく考えすぎていたんですよ。旦那様達の力を特別視しすぎたのがそもそもの原因です。特別視する必要が最初っからなかったんですよ。
 奴の言った通り彼らにはこの世界で普通に生活をして貰うのです。
 今までこの世界にきた転移者や転生者達と同じ様にです。彼らにできて旦那様達にできない事はないんですよ。
 私達でこの世界での力の加減や魔力の使い方、生活の仕方を教えて行くんです。
 そして彼らの生活がこの世界に溶け込む様にするです。違和感を感じる事なく時間をかけてです。
それをするには我々の与えられた権限と能力が必要なんです。ただ、それだけなんです。』

ドラしゃんの言葉にまだいまちな表情を浮かべるルミばぁーちゃん達。
ドラしゃんは更に言葉を続ける。

『例えばですよ?土地を耕し作物をつくる。
できた作物はもちろん自分達で食べるのもありですが、いくらかは出荷し他の村や街に流通させるんです。他の村や街と少しずつ交流を持たせるのですよ。
まぁー、そのきっかけが野菜でなくてもいいんです。工芸品や装飾品でも。なんでもいいんです。ここの場所から少しずつ旦那様達の手で発展させていけばいいんですよ。
そうすれば、自然と人との繋がりができ下手に他国と言えど無闇には手出しができなくなります。
 まぁー、させる気は一切ありませんけどね。』

 ここまでドラしゃんが説明するとようやく納得してくれたようで、彼らは口々にぶつぶつ何かを話し出す。

『その為、必要な建物があるなら建てればいい。必要な人材がいるなら集めればいいんですよ。』

 その言葉でやっと本来の調子を皆が取り戻しだす。

「そうだな。簡単な事だったな。俺とした事が恥ずかしいわ。」

「私もやきが回ったもんだね。そんな、簡単な事も思いつかなかったなんてね。歳はとりたくないよ。まったく。」

「何を焦っていたんでしょうね...私達は。焦る必要は最初からなかったんですね。お恥ずかしいですね。」

「こりゃ~参ったわぁ~。俺も恥ずかしいわい。」

「良かったぁ~。ワテの意見間違うてのうて、良かったぁ~。」

それぞれが安堵の表情を浮かべていく。

『とりあえず明日から必要な建物の造築と旦那様、奥様へ力の使い方の指導。そして、坊っちゃまとお嬢様の訓練を皆で手分けして対応をとっていきましょう。』

ドラしゃんが言うと皆が一斉に頷く。

「とりあえず明日もう一度話し合いだ。しかし、リンの事は伏せて家族には話すんだ。知るには早すぎる。」

ムキじぃーちゃんが皆にそう伝えるとそれぞれ頷きこの日は一度解散となった。

ラミィお兄ちゃんはモッケしゃんとモッケしゃんが連れてきた馬車?と一緒に森へ帰っていった。

それ以外の人達はそれぞれ家へと戻って行ったのだった。
















 
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