異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜

2-0 我が家の今後の方針は

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 色んなことがあって、この異世界に家族揃ってきたけど...なんとか無事に約1年が過ぎようとしてます。

 長い様であっという間だったような...とても不思議な感覚。
私達の生活にも色々と変化が起きました。

今までは家族や神様が与えてくれた人達のみしか交流がなかったのですが...この約1年で他の村や町に沢山の知人や友人ができました。

私とお兄ちゃんだけじゃなく、お父さん達にもです。
過保護な保護者がいるからこの世界の人の交流もないのかと思っていたのですが...なんのその。

自分達だけだと考え方や関わり方が偏ってしまうということで少しずつ交流範囲を広げていってくれたのです。
(お父さん達がめちゃくちゃ驚いていたけどね。)

他の人達と交流を図るためにと家の周りも最初に比べ大きく変化しました。

我が家を中心にいろんな場所や建物が増えたのです。
まず、家を大きく増築。その次に、お父さん特性の【家庭菜園】を作成して自給自足の足しを増やしていきました。

そして、ドムじぃーちゃんとお父さんが運営する【異世界 鍛治工房】を新設して、ついでにルミばぁーちゃんとお母さんが運営する【異世界 ジュエリー工房】も作っちゃいました。

 あと、ムキじぃーちゃんが運営してお兄ちゃんや近隣の村の子供達が通っている【騎士 訓練場】もつくったし、ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんが運営する【新 商業&冒険者ギルド】も新設しました。

 あとは...リンちゃん特性の放牧場等が新たに増設されたのです。

最初は私達家族の住む家とムキじぃーちゃん達の家しかなかったのが...あれよあれよという間に色々増えてしまったのです。

他にも井戸をつくったり、溜池ができたり、鉱石なんかが取れる洞窟なんかもできたり。
気づいた時には私達の住む敷地内が大きく広がり街化していたのです。
(これマジですよ。来る近隣の村人皆んな驚き過ぎて中々馴染んでくれなかったんですから。)

ここまで私達の生活が豊かになったのはひとえに私達家族を支え続けてくれたこの世界での新しい家族の存在が欠かせないんですよ!

 この世界に来て初めて出会った最強の執事のドラしゃん。
その次に出会った私達のお爺ちゃんのムキじぃーちゃん。
その後にロドじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、ドムじぃーちゃん。
そして、モッケしゃんが加わり大家族に。

この人達に出逢わなければ私達家族はここまで豊かな生活基盤を築き上げる事が出来なかった筈ですからね。

だってこの世界のことなんか本当に"ワケワカメ"状態だったんだから。

それが...この約1年間でここまで進化を遂げたんだから奇跡ですよ。

えっ?1年の間に何があったかって?知りたいのですか?
特別に教えてあげすね。

 約1年前のできごと...。
まず、ロドじぃーちゃん達が来た日の事です。
それぞれが自己紹介をし終えて今後どうするのか話し合いとなったの。

ラミィお兄ちゃんとモッケしゃん以外はここに家を建てて住むと言い合いの喧嘩にまで発展してね...。

なんか...ムキじぃーちゃんだけずるい!!とか、自分達もテント張ってでもここに居座る!とか言い出してね...それはカオスでしたよ...。はぁー...。

 するとロドじぃーちゃんが、自分達の家以外も建てた方がいい物があると言い出したの。

その台詞にドラしゃんとムキじぃーちゃんは嫌な予感がしたらしく...まさにビンゴ!

「奴からも提案があったんだが。そちらの一家はこの世界で類を見ない力を持っていると聞いたぞ?
なら下手に隠すよりここを拠点に村か街を作って他と交流させた方がいいんじゃないか?嫌でもこの世界で生活しないといけないんだからよ、早いうちから色々と体験して学ばさないととんでもないことになるぞ?」

ロドじぃーちゃんはシタリ顔で言い放ったのよ。
ドラしゃんとムキじぃーちゃんは"やっぱりそう来たか"と呟いてたけどね。

お父さんとお母さんはあまりの話で目が点になってた。
いまいちロドじぃーちゃんの言っていることが入ってきてない感じだったね。

そんなロドじぃーちゃんの言葉にラミィお兄ちゃんが言葉を付け足すして

「その内容に私も実ら賛成なんだ。下手にこの家族を囲っていると心配する人もいるだろうし、よからぬ事を企む輩も出て来ると思うんだ。
 なら早いうちから対処できるようにしてあげる方が、今後の彼らのためにもなると思うんだよ。てか、君達だけいい思いをするのは正直言ってずるい!」

ラミィお兄ちゃんは意味深げな発言をしつつも自分の本音をぶちまけた。
さらに、ドムじぃーちゃんも

「奴もそのつもりでこの世界である程度の権限や人脈のある俺達をよ、ここによこしたんだろ?ならやるだけの事をやる方がいいぞ!
てか、そうしろ!お前達だけ狡い!
お前さん達だってこの世界にどんなものがあるのか知りたいだろう?そうだろう??」

本音ダダ漏れの言葉を言い放ったのよねぇ~。
ドムじぃーちゃんのその言葉にようやくお父さんが反応したの。

「あのう...なんで皆さんはここまで私達に肩入れをしてくれるのですか?しかも、初めて会うのに...。確かに、私達はこの家から出たことがないですから...どんな人達がいてどんな生活して、どんなものがあるのか知らないので興味はあります。
 私や妻だけじゃなく、子供達にも色んなものを見て色んなことを体験させてやりたいです。」

お父さんの言葉にお母さんも頷く。2人はいつも同じ気持ち。特に子育てに関して妥協がない。
自分達の前に居るロドじぃーちゃん達の顔を見渡し確認するかのような視線を送る。
今の状況があまりにも自分達に都合が良すぎるから内心不安なのだろう。

すると...ルミばぁーちゃんが笑顔でお父さん達に答えてくれた。

「何を言うんだい。困った時はお互い様だ。
 それにね、普段は誰がなんと言っても人助けなんか死んでもしないフレアが、先頭きってあんた達の世話をしてるんだ。
その事実だけであんた達が悪い奴で無い事は分かるよ。それにこんな可愛い子を2人も連れてるんだ。見知らぬ世界と土地でアンタらも大変だっただろう?子育てするには体力も気力も必要さね。それに...知らないことを知っている人間が側でサポートしてやって当たり前さ。
気が引けるっていうなら、今度私達が困った時にあんた達が助けてくれたらいいさね。」

そう言って私とお兄ちゃんの方を見て優しく微笑む。
さすが年の功...と言っていいのだろう。言っている言葉に説得力があるような...。

「そうだ。それに俺達は少なからずも異世界の人間の扱いには慣れてる。気にすんな。
隠居して暇してた身だ。こんな俺達でもあんたらの役に立てるなら誇れるもんだ。それに、こわな面白そうなの他の連中に任せるのは勿体無いぜ!」

ロドじぃーちゃんも笑顔で言ってくれたのです。

「ワテも手伝いますで。こう見えても人脈はありますさかいにぃ。役にたたせてもらいます。ワテ、行商人ですから色んな場所に移動しないとあきませんけどね。」

とモッケしゃんもニンマリと微笑みを浮かべながら声をかけてくれたのです。
皆の言葉は凄く暖かったです。

お父さんとお母さんは少し目に涙を浮かべていたのを私は見逃さなかったですよ。
そして、小さな声で"ありがとうございます"と御礼をじぃーちゃん達に言ったのも聞き逃さなかったです。

そんなやり取りを見てドラしゃんは、溜息をつきながら口を開き

『建物を建てるならムキファーが使用している建物側になりますね。あそこならまだ十分にスペースもありますし。
増築するなり新しく建てるなりそれは任せます。
 しかしどの程度増やすつもりですか?
規模によっては結界の補強と範囲も広げる必要があります。』

ドラしゃんが目の前にいるロドじぃーちゃん達に対して本当に嫌そうに話していると、お父さん達は"家を建てる"と聞いてソワソワしながら皆んなの出方を待っている。

私とお兄ちゃんはそれぞれの膝の上で皆んなの顔を眺めていると...ムキじぃーちゃんも不思議と静かに他の人の返事を待つ感じでいたのです。

『フレア。お前さんの結界はどのくらい広げれるんだい?』

とルミばぁーちゃんがドラしゃんに質問を投げかけると、ドラしゃんはチラッと横目でルミばぁーちゃんを見ながら答える。

『範囲の限界は全くない。広げようと思えば何処までも広げられる。私をそこらの魔法使いと一緒にされたら困りますね。
しかし基本は御一家を守る為に張っているのでそれ以外の目的で広げる気はないです。』

ドラしゃんは淡々とそう言い放つとルミばぁーちゃんは呆れ顔で、お父さん達はめちゃくちゃ驚いていた表情を浮かべる。
ドラしゃんの能力に対してもだが、そこまで私達を優先してくれているとは思っても見なかったようです。

『言う事が昔から鼻につくね。アンタの魔力量ならそうだろうね。別にそこまで広げる気はないが来る道中に皆んなで話し合ったんだけどね…。』

そうルミばぁーちゃんが話をした時だった。
私とお兄ちゃんのお腹の虫が鳴き出してしまったのです。
しかも盛大に...。

それを聞いたドラしゃんが慌ててお母さんに声をかけて

『奥様!そろそろお昼の準備をされますか?
どうやらお嬢様達が空腹の様です。』

一大事と言わんばかりに焦るドラしゃん。
ロドじぃーちゃん達が来てから思っていた以上に時間が経っていたようで、幼い私達のお腹の虫は素直に悲鳴をあげたのです。
ドラしゃんの声を聞いてお母さんもお父さんも慌ててご飯の支度をしだす。

ドラしゃんの台詞にモッケしゃんも反応する。

「昼ご飯作られますか?ワテ、食料積んで来てますねん。良かったら使うて下さい。」

それは定期的にムキじぃーちゃんに配達している食料の事だったようで、ムキじぃーちゃんがモッケしゃんに絡む。

「おい!それワシのだろうが?まぁ~...かまんがどうする?ユイカ?」

ムキじぃーちゃんはモッケしゃんを軽く睨みキッチンで料理を開始しだしたお母さんに確認をする。
お母さんは一瞬悩んだが"大丈夫です"と言って作業の続きに取り掛かる。

こうなれば一度話を中断して昼ご飯にする事に。
ドラしゃんはムキじぃーちゃんとモッケしゃんに持ってきた食料は地下の食料庫に持っていく様に伝える。

2人は素直にその言葉に従い動き出す。
その間に、ドラしゃんは私とお兄ちゃんをプレイスペースに移動さる。

ロドじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、ドムじぃーちゃんは、そのままその場で待つ事に。
ドラしゃんが動くなって言ってね、渋々その場で座って待つことになったの。

お母さんとお父さんは魔法を使いながらお昼ご飯を作っていく。
キッチンからは段々と食欲をそそるいい香りが。
香りを嗅げば嗅ぐほど私とお兄ちゃんのお腹の虫は激しく抗議する。

私とお兄ちゃんのお腹の虫の抗議音を聞きながら、お母さん達が作った物をドラしゃんがテーブルに黙々と運んでいく。
その様子を皆んなは目を点にして見つめていたの。

昼食が完成して食料庫に食材を運んでいた2人も戻ってきて皆んなでお昼を食べる事に。

ようやく私とお兄ちゃんもプレイスペースから移動させて貰い、美味しそうな食べ物が並べられている場所へ。

私達家族とドラしゃん、ムキじぃーちゃん以外の人達は終始目が点状態で静かにご飯を食べ進めていく。

 お昼ご飯を食べ終えて私とお兄ちゃんはお昼寝タイムに突入。
ドラしゃんお手製のふわふわ簡易ベッドをプレイスペースに出してくれて、その中でお昼寝中。
ドラしゃんは私とお兄ちゃんを寝かしつけるとベッドに特殊な結界を張り皆んなの待つリビングへ戻って行く。

ドラしゃんが戻って来るとルミばぁーちゃんがようやく口を開き

「ちょいと...フレア。アンタは一体この人達に何を教えたんだい?」

ルミばぁーちゃんの言葉にロドじぃーちゃん達が頷きドラしゃんの方を見る。
お母さんとお父さんはお互いに顔を見合い頭に?マークを浮かべる。
ムキじぃーちゃんは"やっぱり"と言う顔をしていた。

ドラしゃんはルミばぁーちゃんの質問に平然と答える。

『魔力の使い方と魔法を教えてますよ。何か問題でも?』

ドラしゃんの台詞にルミばぁーちゃんは叫びたいのを我慢して頭を抱えだす。

魔力の使い方や魔法はこの世界で生活するのに必要なので教える事は間違いではない。
間違いではないのだが...間違っているのは教え方の方だようです。

お父さんもお母さんも魔力や魔法を使うのは初めてなのでドラしゃんに教えて貰わないとまったく知らないし、教わった方法しか知らないのでなんでルミばぁーちゃんが頭を抱えているのか分からない感じ。

その為自分達の魔法の使い方が"おかしい"事には本当に気付いていないのです。
イヤ"おかしい"と思ってもいないのですから。
なぜなら比べるものがなかったからね...。

(きっとルミばぁーちゃん達が居なかったら一生気付く事は無かったと思う。)

ルミばぁーちゃんは頭を抱えながら今度はお父さん達に

「アンタ達は魔法を使う時に何故"詠唱"をしないんだい?」

ルミばぁーちゃんの台詞にお父さん達はようやく何に違和感をばぁーちゃん達が感じているのかに気付いた様子だが...いまいちの感じがしたので、ラミィお兄ちゃんが

「私が少し魔法を使って見せますのでよく見ていて下さい。
《空間を漂うモノ。我の言葉に反応し我の前の物を浮かせ。ウィーン。》」

すると目の前のコップが浮んだ。
お父さん達はラミィお兄ちゃんの魔法を見てようやくお父さん達は自分達の魔法の使い方との違いを理解したのです。

お父さん達の反応にルミばぁーちゃんはやれやれと言う顔をして

「気づいたかい?自分達の魔法と今のラミィーが使った魔法の違いが。
まぁー、あんた達のやり方も間違いではないよ。本当にね。でもね、この前世間にでたらあんたら危ないよ。下手をしたらあんたら一生奴隷のように扱われるわよ!"魔法奴隷"のようにね。
いいかい?"無詠唱"で魔法がなんなく使えるのはそこにいるフレアとラミィー。あとは、賢者クラスの魔法使いだけだよ。」

そうなのです。ラミィお兄ちゃんが使った魔法が正しい魔法の扱い方だったのです。

ルミばぁーちゃんは脅す様にお父さん達に注意する。
それはお父さん達にちゃんとこの世界での"常識"を教えるために。

"魔法奴隷"とは地下牢に閉じ込められ、一生魔法を無理やり使い続ける奴隷の事。
ルミばぁーちゃんの言葉にお父さん達の顔が真っ青になる。
そしてゆっぬりドラしゃんの方を見る。

ドラしゃんはそんなお父さん達に安心するようにと微笑し、ルミばぁーちゃんを睨む。

『脅し過ぎだ!スティールミ。なぜあの方法で魔法を使うか知りもしないで...。旦那様達はあの使い方でないと"より問題"なんです。ですので、魔法の使い方は間違ってないのです。それに、私が側にいるのですからそんなものになる訳がないです!みくびらないで欲しいです。』

その言葉に今度はルミばぁーちゃん達が驚くことに。
驚いて固まっているルミばぁーちゃん達にムキじぃーちゃんが説明をする。

「別にフレアを弁護するわけではないが...コイツの言う事は正しいぞ。まぁ~ワシらがどう言ってもお前さんらは早々新人だろうが...ユウダイやユイカが実際に詠唱して魔法を使う姿を見たらよく分かるさ。」

その言葉にドムじぃーちゃんが質問する。

「ムキファー!お前さん...何か知ってるなら教えてくれ!俺とお前の仲じゃないかぁー。なぁー!これ以上驚くことはないんじゃからさ!言ってくれ!」

ドムじぃーちゃんの言葉にムキじぃーちゃんは深く溜息をついたのち、周りの人達を一度見渡してから口を開く。

「異世界から来た奴は転生者だろうが転移者だろうが、この世界の住人より魔力量もその属性も多いのは知ってるよなぁ?」

ドラしゃん以外のその場に居る皆んながムキじぃーちゃんの方を見て頷く。
ムキじぃーちゃんはお父さん達にもわかる様に話を続ける。

「この世界の魔法は頭の中で魔法の形や姿をイメージをしながら使うだろう?そのイメージを固める為この世界の奴らは"詠唱"をする。そうする事でイメージを固めて魔法の威力を上げる。そこは分かるだろ?」

ムキじぃーちゃんの問いかけにお父さんとお母さんは頷き、ルミばぁーちゃん達は今更なんだい?といった表情で次の言葉を待つ。

ムキじぃーちゃんはお父さんとお母さんの反応を確認して話の続きをする。

「詠唱...それは"魔力量が少ない者"が魔力を練りやすいように...魔法の威力を上げるために唱えるんだ。もちろん、魔法の形をイメージしやすくする目的もあるが、1番は魔法の威力を上げる事が重要となってくるだ。これも分かるな?」

この話にもお父さんとお母さんは頷くが、ルミばぁーちゃん達は段々とイライラしだす。
まぁー、彼らにしたら常識的な事を話しているだけでなのでいまさら?という感じなのだろう。

ルミばぁーちゃん達の様子を見て今度はドラしゃんが溜息まじりに話をしだす。

『はぁー。まだ、わからないのか?その体の上に付いているのは飾りか?
 本来、"詠唱"は魔力の少ない者が少ない魔力を倍の魔力になるよう威力を上げる為に唱えるもの。それは魔法を使う上での常識ですよね?だったら分かるはずです。
 1しか無い魔力を"詠唱"する事により10にして放つ。
 その"詠唱"を魔力が桁違いの者が唱えてみて下さい。元々10ある魔力が100ないし、1000になって放たれることになるんですよ?それを放つと...言わなくても分かりますよね?』

このドラしゃんの言葉を聞いてムキじぃーちゃん以外の人達は顔を青ざめていく。
もちろんお父さん達も。
ムキじぃーちゃんは青ざめたお父さん達の肩に手を置いて優しく微笑む。

「だからコイツは少しでも威力が下がる方法をお前さん達に教えたんだぜ。
イメージを固めて呪文を唱えるだけの方法をな。その方法以外で異世界から来たものは威力を抑えて魔法を使う事はできんのじゃ。」

その言葉を聞いてお父さん達の顔色は少しやわらぐ。

『しかも旦那様達は、今迄の方々より魔力量は桁違いです。ですのでこの方法でもかなり微妙なところですが、詠唱するより断然まっしです!
私は旦那様達が自分達の力を悪用しないと信頼していますから敢えてこの話をお伝えしませんでした。不快な思いをさせたのであれば申し訳ございません。』

ドラしゃんはそうお父さん達に伝えると静かに頭を下げた。

あまりの内容にロドじぃーちゃん達は驚いたまましばらく固まってしまい、ドラしゃんの行動にお父さん達は慌てる。

「ドラしゃん!頭をあげてくれ。私達を思ってしてくれた事だろう?」

「そうですよ。私達はドラしゃんが居なかったらここまで生活が出来なかったのよ。気にしないで。」

お父さん達の言葉にドラしゃんは"ありがとうございます。"と呟き頭をゆっくりあげる。

あまりの内容にロドじぃーちゃん達はますます"あの話"を実行する事に決めた。

昼ご飯前にしていた話。
"ここを拠点に村か街を作って他と交流させた方がいい"と言う話を。









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