異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第一章 運命のはじまりと新たな出会い

1-17 ある日のドラしゃんの日常(1)

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 こちらは、ドラしゃん編です^o^

~ドラしゃん編①~

 この世界ではもう...自分のやる事も...守る者も...全て失った。
あとは...この命が朽ちるのをただ静かに待つだけだ。

私は全てにおいて諦めていた。
望むことも...生きることもだ。

かつての私はこんな体たらくな生活をするのなんてもってのほかだったし、もっと...違っていた。

世界最強の種族として常に威厳溢れる立ち振る舞いをしていた。
守る者も大勢おり、誰よりも長生きをせねばと思っていた...しかし...。

そんな自分はもういない...。

守るべき者も仲間も失った。世界最強たる種族も残すは私ひとり...。
それも絶滅するまでもうほんの僅かのできごとだろう。

そんな思いを胸に秘めていつ朽ちるかわからない心の臓の音を聞きながら寝ぐらで過ごしていた。

そう..."あの日"まで。


 あの日も寝ぐらで自分の命が朽ちるのを待ちながら瞼を閉じて身動き一つせずに過ごしていた。

すると...とても珍しい奴がやってきたのだ。
音もなく、気配もなく。
気付けば私の前に立っており昔と変わらぬ姿で現れた。

『やぁー!生きてるかい?フレア。』

ただ静かに奴はそう私に声をかてこちらの反応を伺っている。
私は閉じていた目を数十年振りに少しだけ開け声の主を見つめた。

『なんの用だ。用がないんなら消えろ。』

そう奴に言い放ち再び目を閉じた。
私の態度に特に動じる事もなく奴は私に話しかけてくる。

『きみ。ここ数年?いや、数十年ほどずっと眠ってるだろう??飽きないかい?飽きるよね?ヨシ!そんな君にお願いがあるんだ。』

奴の言葉に何も返答しない私のことは放置して大きな独り言を話す。
目を開けもせず、動かない私に奴は更に言葉を続けた。

『お暇な君にはある"家族"の助っ人になって欲しいんだ。その家族はね...この世界の住人ではなく、異世界からやってくるんだ。』

奴のその言葉に思わず私の体は"ピクッ"と少しだが反応を示してしまった。
奴はそれを見逃さない。

奴は少しずつ私に近づきながら言葉を続ける。

『私ともう1人の神の手違いである一家が予定外に死んでしまったんだ。
両親はまだ20代な上に幼い子供も2人いるんだ。1人は5歳の男の子。あと1人は...3歳の女の子だ。とても可愛いんだ。
 しかもその兄妹!!妹の方は、生まれながらにして神の加護を持っているんだよ。
でも、こちらの手違いで死なせてしまったから彼らの世界では生き返る事は不可能なんだ。だから、私の管理するこの世界に生き返らせて生活して貰おうと考えてるんだ。』

家族...。両親...。子供...。
その言葉にいつのまにか私は閉じていた目を開け奴を見下ろしていた。
私の視界には奴の"してやったり感"満載の顔が入ってくる。

『一度姿見てみる?』

そう言うと奴は私の返事など待たずに寝ぐらの壁に連れてくる家族の姿を映し出した。

壁に映し出されたのはいまだかつて見た事もない世界の光景だった。
この世界の建物とは異なった作りの建物から父親らしき男と母親らしき女。そして...その2人の息子と思える男の子と小さな女の子も。

その映像を見た時から私は彼女達から目が離せなかった。

箱のような動く乗り物に乗っていく姿。
無数の動物達がいる建物で笑顔で過ごす姿。
その姿に何処となく昔の自分達の姿を重ねていた。

そんな私を奴は黙って見ていた。

楽しそうなひと時を過ごしたのだろう。日が暮れて、またあの箱に入っていく。
そして不運な事故に巻き込まれた。
そこで奴の写し出す映像は消えたのだ。

映像が消えてもしばらく私は壁を見つめていた。
最後に見たあの映像が忘れられなかった。

そして私は壁を見つめたまま奴に声をかけた。

『もしかして今の人間達がそうなのか?』

何故か自然にその言葉が口から出ていた。
奴は私の言葉にムカつく笑顔を向けた。

『あぁー、そうさ。彼らだよ。
君も知っている"ムキファー"と同じ世界から連れてくるよ。』

その言葉を聞いて1人懐かしい人物が目に浮かんだ。

『しかし、彼らはこちらの不手際で死んでしまったから今回は何も役目はない。(予定)
家族皆んなでこの世界で普通に生活して貰うよ。
子供達も元気に楽しく過ごして貰うよ。
ただ...お詫びに色々与えすぎたんだよね。
このままでは、家族だけでは生活するのが難しいから君にお願いをしに来たんだ。』

奴の言葉は本当だろうが裏があるはずだ。
善意での行為なのは分かるが...。
奴らはタダでは力を与えないから...。

『別に、私でなくても良いのでは?
この世界には私以外にも力も異世界から来た人間にも免疫があるモノはいる。なぜ私なんだ?』

私は少しカマをかけることにした。
奴は顔色変える事なく私の問いかけに答える。

『確かにね。この世界には今まで色んな時代、色んな世界の異世界人を向かい入れてるからね。慣れているモノも居るだろう。
しかし、君以上の適任者は今の所思い浮かばないんだ。』

嘘だなぁ。私はすぐそう思った。
しかし奴は更に言葉を続けた。

『君程、仲間や家族を大事に思い大事にするモノはいない。
そして、君以上に力が強いのは私ぐらいだ。
だから、君に任せれるんだ。
もちろん、全て君に押し付けはしないよ。
ある程度したら助っ人も増やしていくつもりだ。だから、ね。頼むよ?』

どつやら私は奴にカマをかけたつもりが、いつの間か奴の罠に嵌まってしまったようだ。
もう、コレは頼みではない。
決定事項となっていた。

『気に入らなかったら見捨てるぞ。
そして私はここでまた眠るからなぁ。』

私はその言葉を奴に言うと以前使っていた人の姿になる。

『あぁー。構わないさ。』

奴はニヤニヤ笑いながら私を見つめながら答える。
本当にムカつく奴だ。

『所で、この世界で住む場所とかは用意してあるのか?』

素朴な疑問を口にしたら奴は不思議そうな顔をした。

『やっぱりいるかなぁ?』

奴の言葉に私は衝撃が走った。

(どう、考えてもいるだろう!
子供もいるのに野宿させる気かコイツ!)

私が信じられないモノを見る目で奴を見ていたら、思い立ったように奴は言い放った。

『この寝ぐらの近くに村があったよね?
確か...その村外れの森の奥に昔...異世界から来た人間が余生を過ごす為に作った家があったはずだ。そこを使おう。
内装は、そうだね、...彼らの以前の家を使おう。地球の神にも協力して貰うよ。
足りないモノは君と私とで作ればいいよ。
決まりだね!』

あまりの内容に殺意が芽生えそうになった。

『今、彼らの身体と魂を私の空間に運び込んでる。彼らにこの世界に来るか確認しないといけないからね。
それで、こちらで生活出来るよう身体を作り替える必要があるからその間にチャチャっと済ませよう。』

(はっ?!まだ確認も取っていなかったのか?!コイツ...。)

奴は言いたいことを言い終えると寝ぐらの出口へと向かっていく。

『早く!置いてくよぉ~。』

奴は振り返り私に声を掛けた。
私は怒りを抑えて私は奴の後ろをついて行った。






おまけ

裏話(´∀`*)
家の持ち主の設定に関しては、後々ドラしゃんが考えて一家に説明する事になります。
基本、神様は丸投げタイプです。








ドラしゃんの短編です。
一家と会う前のを書いて見ました^o^

彼に限っては、続きがありますので、
お楽しみに♪









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