異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第一章 運命のはじまりと新たな出会い

1-13 実は規格外的な存在でした

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 私は夢の中でドラしゃんとムキじぃーちゃんと白い鳥さん、優しい雰囲気の女の人と遊んで貰った。
他にもたくさんの人や生き物が周りにいた気がしたが...はっきりとは覚えていなかった。

まぁ~夢だから仕方がないとは思うけどとても楽しかったのは覚えている。
そして...約束したことも覚えていた。
"もう少ししたら会おうね。早く大きくなってね"って。
だから夢からさめても寂しくなかった。
約束したからまた会えると信じてね...。

胸が少しだけ締め付けられるような感じがしたかとおもったら遠くから聞き覚えのある声がする。
その声は段々大きくなってきて...私は声のする方に向かって手を伸ばした。

私が手を伸ばすと誰かが力強く私を抱きあげてくれ、遠かった声は今度ははっきりと耳元で聞こえたのだが...。

「リン起きなさい!ちょっとどう言う事ですか?ドラしゃん!ムキじぃーちゃん!
なんでこんな所で、3人で寝ているのよ!」

なんと声の主はお母さんだった。
私は眠い目を擦りながら周りを見ると足元でドラしゃんとムキじぃーちゃんが何故か正座をさせられている姿が...。

(どうやらあの後プレイスペースで皆んなで雑魚寝をしていたみたいだった。神様はいつのまにか帰ってたみたい。今思えばずるいよね?!

あとお母さん凄い!
ドラしゃんとムキじぃーちゃんがあんに縮こまって正座してる姿なんて見れないよ。)

お母さんは私を抱いたままドラしゃん達を怒っている後ろでお父さんとお兄ちゃんが朝食の準備をしていた。

なんでここまでお母さんが怒るのかと言うと...。

ほんの数時間前のできごとだ。
今朝いつも通りの時間にお兄ちゃんが起きたら横で寝ているはずの私がいなかったのだ。
お兄ちゃんは慌ててお父さん達の部屋に行き私がいないことを伝えた。

お父さん達はどうせお兄ちゃんが寝ぼけてるのだと思っていたのだが...念のため3人で私達の部屋に戻って部屋の中を確認すると何処にも私の姿がない...。

両親とお兄ちゃんは慌てて2階を探すが姿がなく1階へに降りて行った。
すると...プレイスペースでドラしゃんと私、そしてムキじぃーちゃんの順番で川の字状態で寝ていたのだった。
しかも布団もかぶらずにだ。

それを見たお母さんは瞬時に夜叉の姿に豹変し、朝のできごとが...。

その時のお母さんの姿をみたお父さんとお兄ちゃんは互いに抱きしめ合って震えていたと後になって真っ青な顔をしてお父さんが話してくれたんだけどね。

朝食の準備が整いもう食べるだけとなったのでお父さんはそっーとお母さんに声をかける。

「お母さん...そのくらいにして...朝ご飯にしないかい?」

お兄ちゃんも"ご飯にしよう"ってお母さんに訴え、ご飯という言葉を聞いて私のお腹の虫が空腹を訴えたのもありお母さんは渋々説教をやめて皆んなで朝ご飯にした。

朝ご飯後お母さんは再度ドラしゃんとムキじぃーちゃんに何故あそこで私を連れて寝ていたのかを追及を開始する。
もちろん2人は正座させられていたのは言うまでもない。

「いや...ワシらが連れてきたんじゃないんじゃ。」

『いくら私達でも寝ている子を無理に起こして連れてきたりしません。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんはオドオドしながらお母さんに訴えたのだが...状況が状況だけに2人の言葉を素直に信じてもらえなかった。

この家の階段は特殊で魔石に魔力を通さないと行けないからだ。
しかも2階からはイメージして階段を創り出すような仕組みにしていたので子供達だけでは使えないようになっているので、両親かドラしゃん達が一緒でないと私とお兄ちゃんだけで階段を使うことはできない。

だからお母さんはドラしゃんとムキじぃーちゃんの言葉が信じたくても信じられなかったのだ。
しかし2人が嘘をつくようなタイプでもない。では誰が?

その場にいたお父さん達の頭には疑問符が浮かび上がる。
すると...私はまだ重たい目を擦りながらぼそっと喋り出す。

「あのね...お兄ちゃんとねてたの。ぽんぽがパンパンになってね...トイレにおきたの。トイレいっちゃの。でてきたら、おねえさんがいちゃの。でね、てまねきしゃれちゃの。ついていっちゃらね、ドラしゃんたちいちゃの。」

 私は一生懸命にまだ記憶にある昨晩のできごとを伝える。
私の話でドラしゃんもムキじぃーちゃんも何かを思い出したがあえて何も言わなかった。

私がドラしゃんとムキじぃーちゃんは悪くないと庇うのでお母さんは2人を問い詰めるのを諦めた。
取り敢えず皆んなで寝ぼけていたという事になり、ドラしゃんとムキじぃーちゃんはお母さんからお酒を控えるように注意された。

お母さんの説教から無事に逃れた2人はそれぞれ一度自分達の部屋へと戻って行く。

地下の自室に戻ったドラしゃんは新しい服に着替えて身なりを整えていると机の上に置いてある水晶が光り出す。

それを見たドラしゃんは舌打ちしながら水晶に向かって文句を言う。

『なんだ!自分だけ帰りやがって!帰る時はせめてお嬢様だけでも部屋に戻せよ!』

ドラしゃんのお怒りに水晶からは悪びれもなくちゃらけた声が響く。

『いや~そうするつもりだったんだよ?
でもリンがね君達の服を掴んで離さなかったんだよね。面倒だからそのままにしたんだ。
でも、風邪をひかない様に保温魔法は掛けて帰ったんだから褒めてくれてもいいのにぃ~。ケチ!』

神様からの言葉にドラしゃんは言葉に詰まった。
神様は大人2人が雑魚寝していようがどうでも良かったのだが...私までは流石にと思って部屋に戻そうとしたが、私が2人の服の袖を掴んで離さなかったので泣く泣く諦めたのだった。

『なら...せめて毛布を掛けてください。
彼らはまだ魔法で暖を取る習慣はないのですよ。何も被ってなかったので奥様がお怒りになっておりました。』

ドラしゃんはさっきまでとは違い声の勢いを弱めて神様に話した。
その声の弱さで神様は勘付き笑いを堪えながら分かったよっと答えた。

『所で要件はなんですか?』

身なりを整えて終えたドラしゃんは水晶に改めて向き合い話しかける。
ドラしゃんの言葉に呑気な返答が水晶から返ってくる。

『あー、忘れる所だったよ。君達の所から帰る途中に思い当たる所に声を掛けたんだ。
ゼンは急げって言うでしょ?
そしたらね...ふふふっ。なんと皆んなこの家に来てくれるってさぁー♪』

神様の言葉に一瞬にして眉間に深い皺がよるドラしゃん。
皆んな?皆んなといったか??こいつ...心の中でそう呟きながらドラしゃんは質問をぶつける。

『いったい何人来るんですか?』

ドラしゃんの質問に神様はあっけらかんとサァー分からない?てへっと返事を返したのだ。

神様のこの返答に怒りを覚えたドラしゃんは目の前の水晶を割ろうと手を振りかぶった。
何かを感じた神様が水晶から慌てドラしゃんに注意をする。

『ちょっと!短気はダメだよ!大丈夫だって!!皆んなあの家族と合わせて損はないメンバーだから。絶対にあわせてね!
今後の家族の役に立つんだからね!
あと...何人かはそのままそっちで住むかも知れないから、お部屋の用意をしといた方がいいよ。
ちなみに彼が皆んなを乗せて来るらしいよ。だからここに来るのが1日遅れるってさ。よろしくぅ~。』

神様はそれだけ言うとドラしゃんの返事を聞く前に通信を切った。

...神様との通信が終わるとドラしゃんは、深い溜息を吐くと私達が待つ1階に上がる。
ドラしゃんが1階に戻ってくると同時にムキじぃーちゃんも戻って来た。

そしてドラしゃんの呼びかけで急遽家族会議が開かれる事に。


 ドラしゃんは私達家族をリビングのテーブルに集め指揮をとりながら話をすすめる。

『さきほど...ハァー、この世界の神様より連絡がありまして明日この家に来客が来ます。』

この言葉に騒めきが起きるがドラしゃんは手で制して話をすすめる。

『来客がありますが...何人来るかは不明です。まぁ~誰が来るかは...おおよその検討は付けてますが...。
それと...何人かはこちらに残って私達と一緒に生活する事になるかも知れないそうです。
その為、再度この家の増築を行う必要性あります。』

ドラしゃんの話に私達家族は驚くが、ムキじぃーちゃんは"やはりかっ"と言う顔付きになる。

「質問してもいいでしょうか?」

お父さんはドラしゃんに声を掛けるとドラしゃんは頷いて応える。

「こちらに来る方々はこの世界の人になりますよね?そしたら、何故この家に来るのですか?この世界に...私達家族は知り合いがいませんのに...。」

お父さんの言葉に私達も同じ気持ちだった。
まだ、この世界に来て数ヶ月しか経っていない。

私達家族がこの世界で知っている人と言ったらドラしゃんとムキじぃーちゃんだけだ。
それ以外の人とは会ったりも会話もしたことがない。
それなのに何故急にそんな展開に?と言うのが正直な気持ちだ。

そんな私達の気持ちを察したドラしゃんは私達に分かりやすく説明していく。

『これも神様からの言葉なんですが...皆様の能力は神様が思っていた以上に素晴らしく(異常で)成長が早いのです。
このままではこの屋敷から皆様を出す事ができません。
でもそれでは、皆様をこの世界で自由に生活するという約束を破ってしまう上に、この屋敷に軟禁または監禁という形になってしまうのです。』

ドラしゃんの言葉に私達一家は素直に驚く。
そこまで自分達が規格外とは思っていなかったし、そんな状況に置かれているとは思ってもみなかったのだ。

そんな私達の様子を伺いながらもドラしゃんは話をすすめる。

『これからこの世界で生活する上でこの世界の住人とはより良い人間関係を作るのは大事な事です。しかし、今の皆様ではそれが難しいのです。』

その言葉に私達が暗い表情を浮かべるのでドラしゃんは慌てる。

『皆様、そこまで落ち込まないでください。神様が言うには皆様の能力はこの世界の"普通"の住人にとっては普通では無いのですし、皆様が以前の世界での常識も一部はこの世界の常識には当てはまらないのです。
ですので、住人と会っても警戒されるか...または恐怖の対象となってしまう恐れがあります。』

そのドラしゃんの言葉にお父さんとお母さんはますます暗い顔をする。
この世界の住人であるドラしゃんやムキじぃーちゃんは普通に接してくれているのに何故?って気持ちが強かったようだ。

その気持ちがわかったムキじぃーちゃんが、ドラしゃんの代わりに私達に話しかける。

「ワシはこの世界の住人であっても異世界からの転生者だ。
だからよ、お前さんらの気持ちや能力、立場が分かっておるから違和感を感じんのじゃ。
 そして...コイツに関してもだ。見た目は人間の姿をしているがコイツは人間でなくドラゴンじゃ。感性や考え方が人とは異なる。
よってだ!この家の住人は皆規格外となるわけじゃな。」

ムキじぃーちゃんは苦笑いしながら話す。
ムキじぃーちゃんの言葉にお父さんとお母さんはキョトンとした表情を浮かべる。

まぁー、ドラしゃんとムキじぃーちゃんの話を纏めるとだ。

"規格外の人間ばかりが集まっているために多少おかしな言動をしても違和感を感じない。だからこの家敷地内で生活するにあたっては問題はない。
しかし、この屋敷から出ると私達の存在は、規格外なので浮いてしまい目立ってしまう。"ということだ。

初めてこの世界にきて難しい問題に直面してしまった。
お父さんとお母さんが不安な顔をしているとドラしゃんは優しく微笑みながら話をする。

『そこでです。神様と相談しまして特別対応を取る事になりました。
皆様のような異世界から来た人にも免疫があり、この世界においてある程度の名声・人脈のある人物と早めに会って頂こうということに。
 彼らと会ってこの世界の"普通"を学んで頂けたらと思います。
そして、この世界で自由に生活出来るように基盤作りをして行こうと思います。その為の"来客"となります。』

ドラしゃんとしては自分の力で如何にかしたかったのだが...自分自身もある意味この世界では規格外の部類に入るため自分の力だけではどうにもならない自覚が湧いたのだ。

それに彼らに会う事により私達家族にとって良い刺激にもなればと少しだけ、ほんの少しだけ思ったそうだ。

ドラしゃんはどんな時でも私達家族の為に行動してくれている。
そして心身に対応をしてくれてきた。
それは今もそうでる。

ドラしゃんはいっだって私達の味方。
お父さんとお母さんはドラしゃんの今までの話を反芻して納得の表情を浮かべる。

「ドラしゃんと神様が決めてくれたのならそれに従います。」

「いつも味方でいてくれてるドラしゃんが言うのなら...私達は従うわ。」

お父さんとお母さんの返事にドラしゃんは、"ありがとうございます"と呟く。

話がきちんと纏まったのでまず家を増築することに。
家から出ようとしたらムキじぃーちゃんが、ある提案をしてきた。

「なぁー、今造るよりよ、アイツらが来てからの方がいいじゃないか?
ユウダイやユイカ達の能力を知る為には実際に目にした方がいいからのう。ワシらが言ってもあいつらのことだ。信じんだろうからなぁ。」

その言葉にドラしゃんも"それはそうですね。"と言いムキじぃーちゃんの案に賛同する。
という事で、増築は来客が来てからにする事にして今日はゆっくり過ごす事になったのだ。











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