異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第一章 運命のはじまりと新たな出会い

1-11 新しい家での晩餐

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 ドラしゃんとムキじぃーちゃんがリビングに戻って来たらそこには驚きの光景が...。

リビングの壁一面には見た事のない色とりどりの飾り付けがされており、テーブルにも鮮やかな飾り付けと珍しい料理の数々が並べられている。

一体自分達が側を離れたのはたったの数分間。...で何が起きたのか??困惑の表情を浮かべて2人は互いの顔を見つめあった後に私達を凝視する。

ドラしゃんとムキじぃーちゃんの視線を感じた私は2人に駆け寄りズボンを掴みながら

「ドラしゃん、ムキじぃーちゃんおそいよ。」

ぷくっと両頬を膨らませて言うとドラしゃんは私をが抱き抱え"すみません"と呟く。

そしてテーブル側にいる両親に向かって

「これはどうなってんだ?」

『いったい誰が、何を、どのように?
何かありました?』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんはいつもと違って思考が追いついていない様子で質問してくるのでお父さんは微笑しながら2人の問いかけに答える。

「おかえりない。もう少しで、支度が出来ますから良かったら空いている席にでも座って待ってて下さい。」

とお父さんが話しながら2人に席に座るよう促す。

「新しい家を建てたら皆んなで御祝いをするのが我が家の慣わしよ。でも、ちょっと張り切っちゃったわ。」

とお母さんがキッチンで料理を作りながら声をかける。

「僕とリンも手伝ったんだよ。壁のね飾り付けは僕達でしたんだ!ね、リン。」

とお兄ちゃんがドラしゃん達に駆け寄りながら声をかける。

「すゅごいでしょ?お兄ちゃんとたんじょうかいをおもいだしたの。
したらね、こうなったの。えへっ。」

と私が笑顔を浮かべて答えると2人は目を潤ませながら笑顔でそうかぁーと言い喜んでくれた。
...が、それも一瞬のできこと。

「おい、リン?お前さん魔法をつかったのか?」

『お嬢様!坊っちゃま!大丈夫ですか?!御気分とかは?それより、どうやって?!』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんは急にあたふたしだしたのだ。

そんな2人を私達家族は不思議そうに眺める。何故そこまで驚くのかと疑問に思いながら。

お父さんとお母さんはドラしゃんとムキじぃーちゃんに声をかける。

「リンとアキラは魔法は使ってないですよ?」

「だって呪文は唱えてないんですもの。」

お父さんとお母さんはそうドラしゃん達に話とムキじぃーちゃんとドラしゃんは益々驚き私とお兄ちゃんを見つめる。

「呪文をいっとらんのか?」

『そんな...まさか!』

(そうなんです。私とお兄ちゃんは無意識に魔法を使っていたんです。しかも無詠唱ですよ。
この世界でそれが出来るのは"賢者クラス"の人だけなんだって。
それをたった3歳と5歳の子供がやってしまったらしいのです)

両親も私達もまだ事の重大さには全く気付いていなかった。
特にお父さん達は私とお兄ちゃんが魔法が使えるとは思っていないので、新しく建てた家の機能の一つぐらいだと思っていたのだ。

事の重大さに気付いているドラしゃんとムキじぃーちゃんはお父さん達が勘違いをしているなら勘違いをさせたままで触れずに話を進める方がいいのか??と思いなおす。

「すまんすまん。驚かせたなぁー。まさか、こんな機能まで付いている家とは恐れ入ったよ。」

『そうですね。驚かせて申し訳ありません。私とした事が失念しておりました。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんの言葉にお父さん達はやっぱりっと笑う。
私とお兄ちゃんも魔法の家って凄いねっと言って普通に喜ぶ。

とりあえず全ての料理も完成してメンバーも揃ったので皆んなで夕食を食べることにした。

今日は御祝いを兼ねているので豪華な食事内容(メニュー)にしたようでテーブルの上は賑やかだ。

メニューは...鶏肉の丸焼き、ローストビーフ、サラダ、ロールキャベツ、ペペロンチーノ、ミートソーススパゲッティー、ナポリタン、ハンバーグ、コーンスープ、ポトフ、酢豚、青椒肉絲、回鍋肉、海老チリ、エビフライ、ご飯、パンだけかと思いきやそれだけではなかった。

筑前煮、インゲンの胡麻和え、ほうれん草のおひたし、煮豆、焼き魚、味噌汁、野菜の天ぷら、茶話蒸しまであり更にだ!
大人向けに日本酒、焼酎、ワイン、ビールが別枠に用意されていた。

私とお兄ちゃん用に子供向けにフルーツの盛り合わせ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、アイス、りんごジュース、みかんジュースが用意されていた。

和、洋、中がミックスした食卓となっていたのだ。そんな食卓をみてムキじぃーちゃんは目を見開きながら質問する。

「お前さん達はいつもこな豪勢な料理を食べてるのか?」

(聞きたくもなるよね?イヤイヤ、毎回こんな食事だったら家計圧迫しますよ。そして私達は豚さんになってますって。)

ムキじぃーちゃんの質問にお母さんは笑って答える。

「そんな事はないですよ。今日は御祝いですもの。御祝いする時は豪華にが我が家のモットーですから。」

お母さんの言葉にお父さんは横で頷いていたが...内心ではかなり驚いていた。
確かに祝い事系では普段の食卓より内容が豪華になるが...ここまで豪華になったことはない。

あったとしてもケーキが追加されたり、料理内容がそれぞれが好きなものになって量が増えるぐらいだからね。

私とお兄ちゃんは目の前のご馳走が食べたくて涎を流しながら見つめる。

「お祝いって誰かの誕生日か何か?」

ムキじぃーちゃんが更に聞くとドラしゃんが母さん達の代わりに答える。

『新築・増築の御祝いと貴方の歓迎会といった所ですかね。』

ドラしゃんの言葉にムキじぃーちゃん以外の皆んなが頷く。
そんな皆の姿にムキじぃーちゃんの目には少し涙が溜まっていた...ような??それを隠すかのように照れ臭そうにありがとうよっと呟く。

ムキじぃーちゃんの反応に私達家族はドッキリ成功!って喜び、私とお兄ちゃんのおかなの虫がご飯を催促しだす。
皆んなで笑いながら慌ててご飯を食べ始めることにした。

その日皆んなで食べた夕飯は格別だった。
私とお兄ちゃんはドラしゃんとムキじぃーちゃんにおかずを装ってもらいながら満喫。

ドラしゃんとムキじぃーちゃんは見た事ない料理を一品一品味わうように食べ進めていく。

特にドラしゃんはお母さんに料理の味付けの仕方、調理の仕方を聞きながら食べていた。
中でも私とお兄ちゃんが好んで食べる料理に関しては詳しくリサーチしていた。

どうやらドラしゃんが自分で作って振る舞いたいそうだ。
ドラしゃんの熱意を感じてお母さんはドラしゃんに料理の仕方を教えつつ後でレシピメモを渡すことを約束していた。

お父さんはムキじぃーちゃんにお酒を薦めて酒盛りを始めていた。
ムキじぃーちゃんもワインはこの世界にもあって飲んだ事があったようだが日本酒、焼酎、ビールは飲んだ事なかったので気になっていた様子。

まずは"日本酒"から飲んでみることにしたようで瓶を手に取るムキじぃーちゃん。
お父さんはムキじぃーちゃんから酒瓶を預かり

「良かったらこちらをどうぞ。中身は同じものなんですが...こちらの方が飲みやすいと思いますよ。」

といい小さなお猪口ムキじぃーちゃんに渡してお酌をする。
ムキじぃーちゃんは小さなお猪口に並々と注がれたお酒を見つめると一口だけ口に含む。

「コレは美味いぞ!」

ムキじぃーちゃんは目を見開いて喜びお猪口に残っていた日本酒を一気に飲み干す。
そしてお父さんが手にしていた日本酒の入った徳利をもらい次々と飲み干していく。

そんなムキじぃーちゃんの姿を私達家族は微笑みながら見つめた。

ドラしゃんは下品なっと呟き呆れ顔で見つめる。
そんなドラしゃんにムキじぃーちゃんが

「おめぇーも飲んでみろよ。酒好きだろ?こっちの世界の酒とは違う旨さがある!ワシ達の、日本の酒だ!飲める機会はそうそうないぞぉ~。」

と自慢げに語り、自分の側にある未使用のお猪口をドラしゃんに差し出す。
その言葉にドラしゃんは少しそそられているようで、自分に差し出されたお猪口とムキじぃーちゃんを見比べていた。

ムキじぃーちゃんのその言葉にお父さんとお母さんは驚いた顔でドラしゃんを見つめる。

今迄も夕食にはお酒を出していたが、お父さんが晩酌をするだけだった。
一度もドラしゃんが興味を示す事は無かったのでお酒を飲まないのだと思っていたのだ。

しかしドラしゃんは大の酒好きだったようで、毎晩お父さんが晩酌する姿を見てずっと気になっていたし我慢もしていたのだった。

ドラしゃんが少し気まずくそうな顔をしていたので

「ドラしゃん、どうじょ。」

私はムキじぃーちゃんからお猪口を貰いドラしゃんの渡す。
私の行動に皆んな驚くがお父さんがドラしゃんにそっと声を掛けた。

「一杯、よかったら一緒に飲みましょう。」

その言葉にムキじぃーちゃんを含めお母さんもドラしゃんに促す。
私もお兄ちゃんもどうぞっと促した。

ドラしゃんは観念したかのように微笑し私の手からお猪口を受け取り

『負けました。では...一杯だけ頂きましょうか。』

ドラしゃんのお猪口にお母さんがお酒を注ぐ。ムキじぃーちゃんと同じ日本酒を。

それを確認したらムキじぃーちゃんは新しい日本酒の入った徳利を、お父さんはいつも飲むビールの入ったコップを手に取り3人揃って"乾杯"と言ってコップを掲げてお酒を飲んだ。

私とお兄ちゃんお母さんも真似をしてジュースの入ったコップで乾杯をした。

お猪口を一口だけ口にしたドラしゃんは目を見開きながら

『あー...なんて美味しいんでしょうか...。こんな味わい初めてです。甘すぎず...苦みもなく、喉越しがとてもいい。これなら何杯でも飲めますね。』

そんな言葉を呟く。
ドラしゃんの呟きを聞いてお母さんは良かったらと言ってまだ日本酒が入ってる徳利と新品の酒瓶をドラしゃんに渡す。

そしてお父さんとムキじぃーちゃんがそれぞれのコップとお酒とおつまみをドラしゃんの側に持って移動して酒盛りを始めたのだった。

この日はドラしゃんも"少しだけ"ハメを外して楽しい時間を堪能した。

本当に楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
私とお兄ちゃんはお腹がいっぱいになり完全に睡魔が到来しており、船を漕ぎ出していたし、お父さんもいつもよりお酒が進み半分寝ていた。

そんな私達を呆れ顔でお母さんとドラしゃん、ムキじぃーちゃんは見つめる。

「こんな、楽しい夕飯はいつぶりだろうなぁー。ありがとうよ。」

ムキじぃーちゃんはお母さんと半分眠りに落ち掛けている私達に向かって呟いた。
お母さんはムキじぃーちゃんの呟きに笑顔で返した。

「あら、これから毎日一緒に過ごすんですよ?お礼は入りませんわ。
それに、私達夫婦も子供達もムキじぃーちゃんとドラしゃんには返さない程の恩と感謝ばかりです。
ですから、これからも私達の家族でいて頂けるだけで十分ですわ。」

その言葉にドラしゃんとムキじぃーちゃんは嬉しそうな笑顔を浮かべ手元にあるコップに入っているお酒を飲み干す。

「聞いてた通り、御人好しだなぁー。」

ムキじぃーちゃんの呟きにお母さんはそうかしら?ととぼけた返事を返す。

「それより、子供達とお父さんを寝かさないとね。お父さん、起きて!寝るんだったらベッドに寝て下さいね。」

お母さんは半分寝掛けのお父さんを起こそとしたがお父さんはぐずるばかりでなかなか動かない。

そんな様子を見かねたムキじぃーちゃんが、ワシが上に連れて行こうかと言うが、お母さんは笑顔で制した。
そして、お父さんの耳元で普段は見せない笑顔で囁き出す。

「あ・な・た?分かってるわよね?」

その言葉にお父さんはさっきまでの眠気一気にが吹っ飛んだようで飛び起きる。

「もう、夜も遅いし風呂入って寝るわ!母さん、片付け頼んだ。リン、アキラ?行くぞ!」

お父さんは酔いの回った体を動かし私とお兄ちゃんを抱き抱えて2階に上がって行ったのだった。

そのやりとりを見ていたドラしゃんとムキじぃーちゃんの顔は少し青ざめていた。

お母さんはやれば出来るんだからお父さんは困ったさんと言い、片付けをしていく。

「おい、フレア。アレはなんだ。」

『黙るんです。女性は怒らせてはならないんです。』

ムキじぃーちゃんとドラしゃんはお母さんに聞こえないように呟く。

お母さんはドラしゃんとムキじぃーちゃんに

「まだ、お酒飲みますか?追加出しますよ?」

と声を掛けると2人は大丈夫ですと答えお母さんを手伝いだす。

『奥様、片付けは我々がしますので、2階でゆっくりして来てください。』

「そうだ、そうだ。ユウダイだけでは心配だからな!様子見るがてら休んできな。」

お母さんにそう伝えるとムキじぃーちゃんはテーブルの上の食器類をお母さんの居るキッチンへと運んで行きお母さんと代わる。

お母さんは戸惑っていたがドラしゃんも休むよう促してくるので諦めて片付けを2人に託して私達の待つ2階へ上がって行くのだった。













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