異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たち、脱出した＆魔王の情勢

前回までのあらすじ
島に擬態したモンスターであるアイランド・タートルを倒した親父たち。
倒したことによって、島は沈没した。

　アイランド・タートルを倒した親父たちは、アイランド・タートルが沈むことによって発生する津波によって全員が同じ方向に流された。
　幸いすぐに影は流木を発見して、親父たちは流木をビート板代わりにして、泳いでいた。
「村正！」
「何だ？ブドウ！」
「わしら、何で？流木に摑まって、横一列に泳いでいるんだ？しかもバタ足で！」
「他に移動手段がないからだ！」
「それなら、なんでアイランド・タートルを倒すまで、脱出用の船を用意していなかったことに気付かなかったんだ?」
「「「「………………」」」」」
　ブドウの一言に無言になる親父たち。
「わし！何か変なこと言ったか？」
　ブドウの返事に対して親父たちは現実逃避とばかりに無言で（バタ足で）泳ぐ。
　その日の夕方。
　親父たちは次の目的地に着いた。
◇
　親父たちが泳いでいる頃。
　魔王の本拠地である魔王城では、あることが問題になっていた。
「キングマミーと連絡が取れないのか？」
「はい！その通りでございます！」
「通信機の故障か？」
「いえ、装置は正常です！こちらの送信に向こうが受信できていないようなのです！」
「すぐに原因を調べろ！」
「畏まりました！」
　魔王たちはこの時、気付かなかった。
　自分達の天敵となる親父によって拠点が二つ潰されていることを…………。
　彼らがその事に気づくのは、少し後になってからだった。