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第一章 親父たち追放される
親父たち、スタートの街からスタートできない?
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親父たちが目的に向かって行動を開始して、三日が経ったが、その足は全く進んでいなかった。
原因はグレムリンキングやグレムリンによって各所のゲートが破壊されたことによる物流のストップ及び勇者を一目見ようと集まった観光客たちがスタートの街で足止めをくらっていたのだった。
この問題に追われた役所は問題を下請けのごとく冒険者ギルドに丸投げし、冒険者ギルドは丸投げされた問題を冒険者たちを強制的に使って人海戦術で一つ一つ解決していた。
親父たちも、迷子の案内、喧嘩の仲裁などに追われて、今日も今日とて、問題はやってくるのだった。
「おい、貴様らか、ゲートが壊れた時にモンスターと戦った冒険者たちは?」
難癖つけてきたのは少女漫画に出てきそうな金髪碧眼の騎士とその仲間。
親父たちは一目見て「面倒な奴」と思った。
その予測はハズレいなかった。
「決闘しろ」
「はあっ?」
「なに言っているんだ。こいつは?」
「肯定であります」
「うむ、言っている意味がわからない?」
「そんなことより、迷子の案内をするでござる」
親父たちは理解できないと言っているのに、自分に酔っているのか騎士は話を進める。
「貴様ら、下賤な冒険者が我ら騎士団を差し置いて、グレムリンキングを退治したなど無礼であろう。よって決闘でかたをつけよう」
早い話が手柄を横取りされたから、難癖つけにきたクレーマーあった。
「グレムリンキングを倒したのは警吏だ」
「多くの目撃者という名の証人もいるぞ」
「肯定であります」
「うむ、そのとおり」
「医者に診て貰った方がいいでござるよ」
「………………」(怒)
親父たちにさんざんな事を言われた騎士のこめかみに怒りの四つ角ができていた。
騎士が無言で手袋を投げたが、手袋は親父たちの誰にも当たらなく、後にいた迷子の子供に当たった。
非常に気まずい空気が流れる中、騎士は無言で剣を抜き、「決闘だ」と言い放った。
「おいおい、あんた正気か?」
「三才くらいの子供になんて大人げない」
「大人になれ、大人に」
「うむ、やっていい事と悪い事があるのを知らんのかね?君は」
「騎士団の人達もこの馬鹿を止めるでござる」
しかし騎士団は全員顔を背けた。
まるで「何も見ていない」と言わんばかりに。
「騎士には騎士として通すべきスジというものがある」
決闘を申し込んだ騎士は言う事は立派だったが、やっている事はあまりにもみっとも行動でしなかった。
結局、ブドウが決闘の代理として相手することになった。
場所は、スタートの街の名物の一つである闘技場。
この騒ぎに聞きつけて、多くの野次馬、賭博師などが集まり、お祭り騒ぎになっていた。
「ブドウ。大丈夫か?」
「問題ない。それよりあの迷子は?」
「無事に親御さんが迎えに来たから安心しろ」
「うむ、だが問題なのはこっちの決闘の方だがな」
「相手はフル装備で馬にも乗っているのに、こっちは武器の使用禁止はひどいでござるな」
そう、ブドウが武闘家なのを理由に騎士たちが、武器の使用を禁止したのだ。
「フェアプレイじゃないな」
「騎士とは思えないセコさでござるな」
「うむ、騎士といっても名ばかりの貴族の息子なのだろう」
「勝算はあるのか?ブドウ」
「大丈夫だ。ワシの人体損害拳にとっては武器も鎧も関係無い」
そう言って、ブドウは決闘の舞台に上がって行った。
対峙するブドウと騎士。
そして戦いのゴングが鳴った。
突進してくる騎士に対して、ブドウが紙一重で避けると同時に馬と騎士に突きの連打を浴びせる。
「馬鹿か貴様は、鎧を着ているのにそんな攻撃が通用すると思っているのか?」
「すぐにわかる」
騎士は馬を巧みに操ってUターンして再度突進した。
ブドウはまた紙一重でそれを避ける馬と騎士に突きの連打を浴びせるのだった。
「本当に馬鹿か貴様は何がしたいんだ」
「敗北が決定したからだ」
「今さら降参しても遅い。嬲り殺しにしてやる」
「勘違いするな。降参ではない敗北だ」
ブドウが何を言っているのか、この時点では誰もわからなかった。
しかし、騎士と馬に異常が発生した。
みしり、みしりと奇妙な音が騎士と馬の身体の内側から聞こえてきたのだ。
「おい、貴様何をした?」
混乱しながらも、騎士はブドウに解いを求めた。
「我が人体損害拳の奥義の一つ筋肉構築風船。この技をくらった者はぜい肉が筋肉になり、筋肉はよりぞうきょうされる」
「お前は、馬鹿か。敵に力を与えてどうする」
「本当にそう思うのか?」
やがて筋肉の膨張によって鎧も服も吹き飛んだのだった。そうズボンやパンツも。
結果、全裸騎士が誕生したのだった。
観客席から大きな叫び声が上がった。
一部違い意味での叫び声もあったが、騎士はそれどころではない。
公衆の面前で全裸になったのだから当たり前だ。
どっかの裸がウリの芸人とは違う。
騎士は馬を操ってこの場を離れようとしたが、できなかった。
馬も筋肉が膨張し過ぎて、ダルマになっているのだった。
この時点で、騎士の心は折れ、敗北した。
こうして決闘はブドウの勝利で終わったが、それは新たな問題の始まりでしかすぎなかった。
原因はグレムリンキングやグレムリンによって各所のゲートが破壊されたことによる物流のストップ及び勇者を一目見ようと集まった観光客たちがスタートの街で足止めをくらっていたのだった。
この問題に追われた役所は問題を下請けのごとく冒険者ギルドに丸投げし、冒険者ギルドは丸投げされた問題を冒険者たちを強制的に使って人海戦術で一つ一つ解決していた。
親父たちも、迷子の案内、喧嘩の仲裁などに追われて、今日も今日とて、問題はやってくるのだった。
「おい、貴様らか、ゲートが壊れた時にモンスターと戦った冒険者たちは?」
難癖つけてきたのは少女漫画に出てきそうな金髪碧眼の騎士とその仲間。
親父たちは一目見て「面倒な奴」と思った。
その予測はハズレいなかった。
「決闘しろ」
「はあっ?」
「なに言っているんだ。こいつは?」
「肯定であります」
「うむ、言っている意味がわからない?」
「そんなことより、迷子の案内をするでござる」
親父たちは理解できないと言っているのに、自分に酔っているのか騎士は話を進める。
「貴様ら、下賤な冒険者が我ら騎士団を差し置いて、グレムリンキングを退治したなど無礼であろう。よって決闘でかたをつけよう」
早い話が手柄を横取りされたから、難癖つけにきたクレーマーあった。
「グレムリンキングを倒したのは警吏だ」
「多くの目撃者という名の証人もいるぞ」
「肯定であります」
「うむ、そのとおり」
「医者に診て貰った方がいいでござるよ」
「………………」(怒)
親父たちにさんざんな事を言われた騎士のこめかみに怒りの四つ角ができていた。
騎士が無言で手袋を投げたが、手袋は親父たちの誰にも当たらなく、後にいた迷子の子供に当たった。
非常に気まずい空気が流れる中、騎士は無言で剣を抜き、「決闘だ」と言い放った。
「おいおい、あんた正気か?」
「三才くらいの子供になんて大人げない」
「大人になれ、大人に」
「うむ、やっていい事と悪い事があるのを知らんのかね?君は」
「騎士団の人達もこの馬鹿を止めるでござる」
しかし騎士団は全員顔を背けた。
まるで「何も見ていない」と言わんばかりに。
「騎士には騎士として通すべきスジというものがある」
決闘を申し込んだ騎士は言う事は立派だったが、やっている事はあまりにもみっとも行動でしなかった。
結局、ブドウが決闘の代理として相手することになった。
場所は、スタートの街の名物の一つである闘技場。
この騒ぎに聞きつけて、多くの野次馬、賭博師などが集まり、お祭り騒ぎになっていた。
「ブドウ。大丈夫か?」
「問題ない。それよりあの迷子は?」
「無事に親御さんが迎えに来たから安心しろ」
「うむ、だが問題なのはこっちの決闘の方だがな」
「相手はフル装備で馬にも乗っているのに、こっちは武器の使用禁止はひどいでござるな」
そう、ブドウが武闘家なのを理由に騎士たちが、武器の使用を禁止したのだ。
「フェアプレイじゃないな」
「騎士とは思えないセコさでござるな」
「うむ、騎士といっても名ばかりの貴族の息子なのだろう」
「勝算はあるのか?ブドウ」
「大丈夫だ。ワシの人体損害拳にとっては武器も鎧も関係無い」
そう言って、ブドウは決闘の舞台に上がって行った。
対峙するブドウと騎士。
そして戦いのゴングが鳴った。
突進してくる騎士に対して、ブドウが紙一重で避けると同時に馬と騎士に突きの連打を浴びせる。
「馬鹿か貴様は、鎧を着ているのにそんな攻撃が通用すると思っているのか?」
「すぐにわかる」
騎士は馬を巧みに操ってUターンして再度突進した。
ブドウはまた紙一重でそれを避ける馬と騎士に突きの連打を浴びせるのだった。
「本当に馬鹿か貴様は何がしたいんだ」
「敗北が決定したからだ」
「今さら降参しても遅い。嬲り殺しにしてやる」
「勘違いするな。降参ではない敗北だ」
ブドウが何を言っているのか、この時点では誰もわからなかった。
しかし、騎士と馬に異常が発生した。
みしり、みしりと奇妙な音が騎士と馬の身体の内側から聞こえてきたのだ。
「おい、貴様何をした?」
混乱しながらも、騎士はブドウに解いを求めた。
「我が人体損害拳の奥義の一つ筋肉構築風船。この技をくらった者はぜい肉が筋肉になり、筋肉はよりぞうきょうされる」
「お前は、馬鹿か。敵に力を与えてどうする」
「本当にそう思うのか?」
やがて筋肉の膨張によって鎧も服も吹き飛んだのだった。そうズボンやパンツも。
結果、全裸騎士が誕生したのだった。
観客席から大きな叫び声が上がった。
一部違い意味での叫び声もあったが、騎士はそれどころではない。
公衆の面前で全裸になったのだから当たり前だ。
どっかの裸がウリの芸人とは違う。
騎士は馬を操ってこの場を離れようとしたが、できなかった。
馬も筋肉が膨張し過ぎて、ダルマになっているのだった。
この時点で、騎士の心は折れ、敗北した。
こうして決闘はブドウの勝利で終わったが、それは新たな問題の始まりでしかすぎなかった。
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