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デートです?5.

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俺はイルカの頭を撫でながら繋がれている左手を見る。

手汗がひどかったので触れ合いコーナーに行けばこの手が離れるかと思ったが拓実は離す気がないらしい。

痴漢の件や俺が1人になる度に知らん男から話しかけられてたせいで「目を離したら凪が連れてかれそうだからこの手は絶対離さん」って言われた。

たまたま道を聞かれただけなんだけどな…拓実はフロアマップ見ればいいだろうって言ってたけど。

確かにとは思ったが聞かれた事に無視ができなかった。律儀に答えていれば過保護な拓実ができあがりってわけ。

そんな事されると拓実に大切にされているみたいで勘違いしそうになる。
俺の心臓はずっとドキドキ鳴り止まなくてこの鼓動が拓実にも伝わらないか心配だ。

好きな人とのデートって皆こんなドキドキするもんなのか?俺こんなにドキドキするデート初めてすぎてどうすればいいかわからんのだけど。

はぁー落ち着け俺。拓実との貴重な水族館デートなんだから楽しまねぇーとだぞ。

パチパチと繋がれていない手で頬を叩く。


「凪、見てみろ、すごい顔して食事してるぞ」

「…カワウソですか?」

「あぁ、触れ合えるみたいだぞ?握手するか?」


俺に聞いくるが拓実がソワソワしていたのでカワウソに触りたいのは拓実なんだろうなと思った。
小さい子供みたいで可愛いな。


「触りに行きましょう」

「凪とカワウソを写真で撮ってやるよ」

「いえ、いいですよ写真なんて」

「遠慮すんなって、記念だし」

「…わかりました、お願いします」


どうせなら拓実とツーショット撮ってみたいわーと思いながらカワウソと触れ合っていれば、餌を食べているカワウソが俺の人差し指を握ってくれた。


「か、わいい…ですね」

「可愛いな、人間の赤ちゃんみたいな手してる」

「ですね。あとこんなに力強く手を握ってくれるんですね。驚きました」

「よく見ると肉球もあるぞ」

「本当だ、プニプニです」


初めて触ったカワウソの肉球はプニプニで柔らかかった。癒しだな。カワウソをペットで飼いたくなる人の気持ちが理解できるわ。

拓実がカワウソを連写していたので、俺はそんな拓実の姿をこっそり写真に収めた。


カワウソを触り終えてからはお昼ご飯を食べにお店に入る。
俺は白イルカをイメージしたホワイトソースのオムライス(ソースの上にはパセリで白イルカのイラスト付き)を注文した。
拓実は海鮮丼を注文していた。

…いや、分かるよ、水族館で魚見ると食べたくはなるが海鮮丼…。
魚見る度美味しそうとか思って見てたのか?

疑問に思い拓実に聞いてみれば「そうだな、どの魚も美味しそうだったな」と言われて笑ったのは言うまでもない。

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