あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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仲間の想いに触れた夜

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『…ありがとう。そんな風に言ってくれて嬉しいよ。でもね、家族になるってことは雪都の人生を見守るってことだよ。一生だよ。そんな大変こと…理久先生にはさせられないよ。先生にはもっと別の人が…』


それって…


私がマリエさんに言われた言葉だ。


嫌だったのに、理久先生に同じこと言ってしまった。
 

『そんなこと…僕には別の人なんて必要ないです。僕が好きなのは彩葉先生だけだから』


理久先生…


『雪都君の人生を僕が死ぬまで見守ることは、僕の幸せでもあります。彩葉先生と雪都君と一緒にいられることが、僕の夢なんです。一緒に…保育園をやって…ずっとずっとあなたと雪都君の笑顔をすぐ近くで見ていたい』


あまりに真剣な想いに触れ、すごく戸惑った。


正直、まだ信じられない、だけど…


その気持ちは…やっぱり嬉しかった。


理久先生の思い、泣きそうな顔を見てたら本気だってわかるから。


でも、今、この場で簡単に理久先生の誠意を受け入れることは出来ない。


だって、私の中には…


ずっとずっと慶都さんがいるから。


理久先生のことはもちろん嫌いじゃない。


男性として好きかと言われれば…まだよくわからないけど、でも、雪都は理久先生が大好きで。


雪都にとって、1番幸せな選択は何なのか?


そして、私自身にとっても…


『理久先生。すぐに答えが出せなくてごめんなさい。私の頭の中にあることを、いろいろちゃんと整理して考えたいの。少し時間をもらえたら…嬉しい。わがまま言ってごめんね』


『謝らないで下さい。もちろんです。わかりました…』


理久先生は、とても優しい微笑みを浮かべてうなづいた。


『最後に1つだけ、プライベートな質問をさせて下さい。気に障ったら許してください。あの…雪都君のお父さんは…今日、夏祭りに来ていたイケメンさんですよね?』


直球の質問に、一瞬ドキッとした。


申し訳なさそうに唇を噛み締める理久先生。


『…あっ、えっ…あの…』
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