あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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それぞれの夢を抱いて

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『2人には感謝してるよ。雪都のことも含めて、いつも仲良くしてくれて…本当にありがとう』


『ちょっと、何改まってるのよ~気持ち悪いんだけど』


笑いながら弥生が言った。


『別に改まってる訳じゃないよ。本当の気持ちだから』


『僕らだって彩葉さんには感謝してます、これからもみんなで仲良くいられたら…って、すごく思います』


弥生とは正反対、理久先生は真面目な顔で言った。


『ありがとう…これからもよろしくね、理久先生、弥生』


『も、もちろんです。こちらこそよろしくお願いします。あっ、じゃあ、次は弥生先生。先生の夢は?』


『…』


数秒の沈黙。


理久先生の質問に、弥生の顔がちょっと曇ったような気がした。


『そうね~お金持ちと結婚してセレブな暮らしをして、海外旅行にもしょっちゅう行って、豪華なドレスを着て、最高の食材を使ったご馳走を食べて…それから…』


また、ちょっと黙る。


どうしたの、何だか弥生こそ変だよ。


いつもと違う様子に心拍数が上がる、何かあったの?


『弥生先生…?』


理久先生も心配そうに弥生を見ている。


『あっ、うん、ごめんね。嘘だよ、今のは全然、嘘』


苦笑い?無理に笑おうとしてる?


『弥生?』


本当にどうしちゃったの?


『今の私にはね、夢を語る資格なんて無いの』


その言葉に驚いた。


明らかにトーンダウンしてる弥生を見てたら悲しくなる。


『…そんな、資格が無いなんて言わないでよ』


『そうですよ。弥生先生、毎日一生懸命頑張ってるじゃないですか』


『…ありがとうね。私だっていつも助けてもらって感謝してる。でもね、私、そんな大切な2人にずっと黙ってたことがあるんだ』


今まで見せたことない深刻な表情。


可愛くて明るい弥生から笑顔が消えるなんて嫌だよ。


『私ね…』
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