あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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可愛い子どもを守る母の思い

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雪都にはまだパパのことは詳しく話していない。


ただ…


亡くなってしまったとか、離婚したとか、そんな風には言えなくて。


理由があって別々に暮らしてる…そう伝えてる。


今はパパのことを詳しくは聞いてこないけど、いつかはやっぱり九条さんのことを話さないといけないのか…


その時はどういう風に話せばいいのか…


それとも九条さんのことは雪都にも一生秘密にするべきなのか。


子どもの立場に立てば、どうするのが正解なのか?


そんなことを悩みながら、今はただ毎日、この子の成長を見守り、好きな仕事をしながら親子2人で頑張って生きていきたい、今の一瞬一瞬の幸せを噛み締めたい、そんな思いでいっぱいだった。


『ママ、これ美味しい!ママのお弁当大好き』


『ありがとう~嬉しいなぁ、ママ、雪都に褒められちゃった』


『よしよし』


そう言って、小さな手のひらで私の頭を撫でてくれるその仕草が、なんともいえず愛おしかった。


『ママ、あとでボールで遊ぼ』


『そうだね、ボール遊びしようね。さっ、もう少し食べてね』 


『は~い』


2人だけのかけがえのない楽しい時間。


私は、毎日、雪都に癒されてる。


何があってもこの子がいるから頑張れる。


いっぱい幸せをもらってるよ。


それに、私は母として、人間として…子育てを通してすごく成長出来てる気がするんだ。


そう思うと、自分を産んでくれた母に、今さらながら感謝の思いが溢れ出す。


母は、私が小さい頃に父と離婚した。


体が弱かったせいもあって、体調を崩すことも多く、それでも必死に仕事をして、私を大切に育ててくれた。


その苦労は到底計り知れない。


ある時、そんな母を見かねて、近所の知り合いの人が陶芸教室に誘ってくれた。


昔、学生時代に陶芸に興味を持っていたらしく、母も、唯一、その教室には喜んで参加するようになった。
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