大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

ミーティング終了と剣

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…一応、これでみんな理解してくれたみたい。
ついでにミーティングもお開きに。みんな、自分の部屋に帰っていった。
ラウクムくん?ナタリさんが樽を担ぐみたいにして持っていった。
クアイちゃんが羨ましそうに風呂場のドアを睨みながら帰っていったのは印象的だった。今度来る時に入るかどうかみんなに聞いてみようか?
というかさ。
「なんでアーネまで『おぉ…』って言ってたんだよ?」
お前、自分を男と理解してそれをネタにいじってたじゃん。いまだに自分のこと呼ぶ時なんか変な感じするし。
「それは、貴女が男だった場合の方が嫌がらせのネタが増えてやりやすいからに決まってますわ!」
言い切るな!しかも力強く!
「…もう突っ込む気力すらねぇよ…」
ちなみに、ミーティングが終わった時点で正午少し過ぎたぐらい。
「まぁいっか。いや良くないけど。良くないけど!…昼飯食いに行こうか」
「いいですけど、なんで貴女と一緒に行かなければならないので?」
「どうせお前も行くだろ。タイミングがズレると武器が預けられないからな」
「武器ぐらい、部屋に置いとけばよろしいのではなくて?」
「…この剣、昔盗難されそうになってな?それ以来怖くて手放したことないんだ…」
だって、剣の表面に細かい文字が書いてあって、銀に輝く大剣(実際は鞘)だぞ?実戦的じゃないけど、美術的な価値とかがありそうってな話で、たまに盗まれそうになったんだよな…。
「…その大剣を?重くて持てそうにないのに?」
「実際、自分以外が持つとアホみたいに重いぞ?その時は確か、下から魔法で持ち上げて運んだらしい」
「貴女以外?どういうことですの?」
あ、そっか、まだアーネには説明したこと無かったか。
「ほれ、持ってみろ」
自分が剣を放り投げる。
「なんですの?…あら?けっこうぐっ!」
うん、いいリアクション。受け取った直後は軽かった剣はすぐさま重くなり、アーネは剣を必死に持ち上げようとしている。
「こういうこと。わかった?」
「(コクコクコクコク!)」
喋るのすらキツそうだな。自分が持ち上げると、すぐさま軽くなる。
あ、ギャグみたいに尻餅ついてる。
「こ、これを魔法で?いくら何でも無理でしょう!」
「そうでもないぞ?実はこれ、体の一部に触れたりだとか、盾とか剣で防いだ時以外は発動しないんだよ。だから、触れずに持ってけば簡単にもってかれる」
ついでだから簡単に教えておくが、この世界には魔法による障壁と魔法による人体強化はたった一人にしか出来ない。
ただし、内側には強く、外側には脆くてもよい障壁なら、金と技術があれば張れなくもない。あのフィールドがいい例だな。
そんなことを話していると、アーネの腹が鳴った。
「…行くか」
「……」
はずかしそうに顔を真っ赤にしてるが、無視で。 
そして案の定、アーネは山ほど飯を食ってる。
…マジであの飯はどこに消えてるんだ…?
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