大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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19 / 2,022
本編

祝勝会とお疲れさん会

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あのあと、鞘を回収(フィールドをブチ抜いてて、だいぶ探した。煌覇こうはの威力、結構あったな…)して、部屋を目指そうとしたら、ラウクムくんに呼び止められた。
何事?
「レィアさん、十五号室おめでとう!これから、恒例の祝勝会だよ!」
「何ぞそれ?」
「うん、まだ夕食前だろ?」
そりゃそうだ。夕食食べる前にアンタに呼び出されたんだから。腹減ったの忘れるぐらい今疲れてるけど。
「んでね、今日の健闘をたたえて、みんなで表彰と慰労を兼ねて、食堂で祝勝会するんだ!まぁ、お疲れさん会も兼ねてるけどね」
「なんにせよ、自分達、行かなきゃダメ?」
「主役がいなくてどうするんだよ?」
掴まれた手は、万力のように力は入ってはいないが、振り切れる気がしない。
そのまま、流れるような動きで肩を組まれた。
まぁ、助かるけど。
「ほらほら!早く!アーネさんも!」
「ちょっと待ってくださいませ!こっちも魔力枯渇してて大変なんですわよ!?」
「食堂まではすぐだから!頑張って!」
アーネには肩を貸す気はないらしい。
正直、あっちの方が重症だから、あっちに貸した方がいい気がするのだが…。
ちなみに自分はほぼ無傷。まぁ、連戦の関係で体力ないからヘトヘトではあるけどね。
一方、アーネの方は、体も服もボロボロで、自分で言ってたように、ほぼ魔力も枯渇してるっぽい。
どちらが重症か、ひと目でわかるだろうに…。
まぁ、譲る気はサラサラ無いが。
そんなことを思っていたら、ついたらしい。
結構広い…というか、全員が入る寮の食堂だから、そりゃ広いか。けど、そんだけだな。
とか思った瞬間、急に食堂が動き始めた。
いや、誇張とかじゃなくて、ホントに。ゴゴゴゴ…って。
「な、何事ですの!?」
あぁ、アーネ、ホントにいい反応するよね、お前。
「心配しなくてもいいよ、二人共。これ、いつものパーティの流れだから」
…パーティで食堂が変形するとか聞いたことないんだが…。
お、止まったな。
食堂は完全に姿を変えていた。広かっただけの食堂は、外へとせり出し、天井が開き、空が見える。
というか、本来必要ないであろう中庭みたいなのと隣接して、さらにデカくなってる。
ちなみに、ほとんどの生徒が中庭にいるんだが。
そこで、尋常じゃない量の飯が並んでる。んだけどさ…。
「うおおおぉ…!何アレ!めっちゃみんな食ってるんだけど!」
主役、自分達なんだよね!?
「…」
アーネは喋る気力すらないか。飯さえ食べれば、魔力は結構回復するはずだから、だいぶマシになると思うんだけど。
あ、フラフラと歩いていって…みんなにもみくちゃにされてるや。
「ほら、行ってきなよ。主役がいなけりゃ、みんな締まらないよ」
…取りあえずいくか…飯食いたいけど、あれの中に飛び込むのか…。
幸い、量はあるけど、ありつけるか?
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