大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

戦闘解説と戦闘不能

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さて、ここでスキルと戦技アーツ、あと、自分は使えないけど、魔法について説明しておこうかな。
まずは使えない魔法から。
魔法っていうのは、人間が魔族から盗んだ技だ。
身体の中にめぐっている、魔力という力を一定の場所から取り出して、特定の事象を引き起こす。具体的に、さっきの試験官の回復魔法の場合、大概は手のひらから、魔力を放出、回復という現象を引き起こす。
ん?攻撃魔法の場合?それはコイツがいたるところから火の玉や氷の礫を飛ばしてくると同じで。
「このっ!避けるな!こらっ!」
…避けなかったら一発で倒れる威力だからよけない訳にはいかないでしょうに…。
魔力を放出して、現象を引き起こすのは同じ。けど、これは回復魔法より簡単で、極論、まわりにぶっ散らしても構わない。
この女―アーネだっけか?―はその散った魔力から物質を作り出して投げてる。
魔法使いだったのな。いや、でも、よく見ると腰にナイフか?ありゃ?吊ってあるな。でも、見た所魔法がメインっぽいな。
ちなみに、魔法にはランクがあって、下から下三級、下二級、下一級、中三級と上がっていき、上一級、その上に特三級から特一級、となり、個人での運用は上一級が限界だとされている。
さて、次は…戦技アーツだな。
戦技アーツってのは、ヒト種が魔族に対抗するために編み出した、個人の特殊技能みたいなものだな。
まぁ、詳しくはわからないが、端的に言うと、特定の行動をとると、身体が加速、攻撃が重くなる、本来ありえない動きをする、などが起きる。
…言ってもわかんないよな。とりあえず見せようか。
グッと拳を握る。
そのまま、相手の懐へ飛び込み、腹にくっつける。
「破ァ!」
それだけで拳が一瞬鈍い赤色に光り、腹にくっついた状態から、尋常じゃない速度で加速、相手の腹に突き刺さった。
これが戦技アーツ。ちなみに今のパンチに名前はない。
戦技アーツってのは主にアホみたいな反復練習の賜物としていつの間にか付くもんだ。
たまに、特定の道場に通わなきゃいけないとかあるけど、ほとんど我流。
名前をつけて、叫んだりすると威力上がったりだとか、出やすくなったりするけども、ただのパンチだし、いらないでしょ。
ちなみに、魔法もそう。
名前つけたり、詠唱っていう、魔法を呼び出す正しい手順を踏むと、いろんな能力がついたりだとか、威力が上がったりする。
…大剣を使わない理由?あんなの、仮に刃がなくても鈍器として優秀すぎて撲殺しそうで怖いから。縦もデカイけど、横にもデカイし。
さて、…最後にスキルだけど、アイツ、あれでへばった?
まぁいっか、とにかくスキルの解説だな。
スキルってのは、この世界が作られた時に、ヒト種に神様が授けてくれた、一種の祝福なのだとか。
ただの特殊技能なら、例えるならパン職人みたいなパンをつくる技術がうまい人の事を言うんだろうけど…あいにく違う。
ここに、スキルが少し絡んでくると、まるで別物になる。
パン職人の例えだと、それは月日がもたらした努力の成果だ。けど、スキルは違う。
生まれたときに既についていて、それを消すこととかは出来ないし、一つしか持てない。
パンをうまく作れるというスキルがある人と、パン職人が作ったパンを比べると、同じ素材、手順で作ったのに、職人のできた黒パンは固くて、まさに黒パンってものが出来上がる。
けど、スキル持ちが作ると、何故か果物の味がしたりする。
まぁ、スキルってのは星の数ほど種類があって、中には、炎がめちゃくちゃ仲良くなってくれる(つまり、炎魔法、あとは鍛冶とか?の技能がつきやすい)っていうものから、朝必ず特定の時間に起きれる、っていうものまである。
自分のスキル?自分のは、身体を自分の思った通りに動かせる能力、って所かな?
わかりやすく言うと超器用!
だから、雨あられと降っていた魔法を避けて相手の懐に飛び込めたわけだが。
「これ、気絶だよね?試験官?」
「…ですね。というか、あの戦技アーツ、中二級以下の回復魔法で治りますか?彼女、ぶっ飛んでましたよ?」
…大丈夫だろう。多分!
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