大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

始末と戦技

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先生に結構怒られた。
理由?例のウロボロスを殺しちまったから。
どうやらあの個体、心臓が二つある特殊個体としての研究真っ只中だったらしい。かなり貴重なサンプルを失ったと先生は嘆いていた。
んじゃ、あんなもんを出すなと先生に文句を言ったら、「仕留めるのではなく、捕獲可能な程度に弱らせると私は言ったはずですが?」と言われた。あれ、俺はそんなこと聞いてないんだが。
視線を少し横に向けると、ユーリアが「そう言えばそうだったかもな」みたいな顔してやがった。ちなみにこいつも叱られた。
ともかく罰として、訓練所の後片付けを命じられた俺達はウロボロスの死体を何とか始末し、終わる頃には昼をすっかり回っていた。
「仕方ない、先に飯食って来ようぜ」
「それもそうだな。私も少々空腹だ」
と言う訳で飯食った後に訓練所へ。部屋に帰っていないため、シエルはまだ寝ているのか起きているのか分からないが、流石に起きているだろうと思いたい。
そう言やアーネにも会わなかったな。てっきり食堂にいると思ってたんだが…早く終らせて、午後からの座学でもしてんのかね。
午後の部は既に始まっており、結構な人数の生徒達が首のない騎士の軍団と戦っていたが、それを無視。
先生に許可を貰って訓練所の隅で二人の練習を始める。
「んで、成功率は二割だっけ?」
「あぁ、今の所は片手戦技アーツの《ライジングブレイド》を右手で撃ったあと、左手でもう一度撃つ《デュアルブレイド》しか出来ないが。と言うより、双剣の形として戦技アーツを発動することその物が難しいんだが……」
「ま、その辺は慣れだな。とりあえず《デュアルブレイド》だっけ?その戦技アーツを確実に出せるようにするか。それと並行して、双剣用に組み直した戦技アーツに移るぞ」
「うへぇ…」
なんだその顔は。まるで《嫌いなもの三点セット山盛り福袋》でも開いたような顔じゃないか。
『たとえが訳分からん』
悪かったな。
「双剣で連戦技アーツ・コネクトを撃てとは言わん。いくらお前でも、もっと時間がかかるだろうしな。だが双剣の戦技アーツ、片手剣の連戦技アーツ・コネクトは出来るだろ。実際、連戦技アーツ・コネクトは発現しかかってる。コツさえ掴めば、簡単に出せる様になるはずだ」
この辺りは本当に勘と言うか慣れと言うか…まぁそう言ったモノに頼るしかない。なんせ身体に馴染んだ動きこそが戦技アーツなのだから。普通は。
「んじゃ、まずは《デュアルブレイド》十本な。次は双剣アレンジの流れを最初から最後まで。これは二十本な。ゴー」
「鬼!!」
いえいえまさか。
《勇者》ですとも。
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