973 / 2,022
本編
黒法師と棒
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「だっ、ちょっ、待てっ、てっ、ばっ!!」
突き、薙ぎ、払い、目潰し、金的、その他諸々。
ありとあらゆる攻撃が流れるように俺を襲う。
お陰で剣を抜く暇すら無く、リーチ的にどうすることも出来ない。ついでに言うと、向こうの得物である棒のリーチは二メートル級。俺の剣よりもさらに長い。
それを手足より器用に扱うのだから、正直俺が剣を持っていても互角か…それ以下か。
とにかく攻撃を避けつつ、隙を見て銀剣を出す、話し合いはそれからだ。
バックステップで距離を取り、胸元に手を突っ込──
『危ねぇ下がれ!!』
シャルの声に従い、即座にもう一度後ろへステップ。鋭い突きが俺の髪に穴を空けるようにして繰り出される。
「あっぶねぇ!!当たったら死ぬ勢いだぞ!!」
『多分殺す気だもんなぁ…』
「っざけんな!!」
横に飛び、振り下ろしを避ける。
棒の先端は地面に衝突する直前で真横に跳ね、俺の方に追撃してくる。
「っ」
髪と飛んだ勢いを利用して真逆の横へと飛び、《黒法師》の攻撃を紙一重で回避、しかしそれを読んでいた《黒法師》の回し蹴りが俺の顔目掛けて叩き込まれる。
「マキナぁ!!」
ゴガァン!!と。
尋常ではない轟音と共に《黒法師》の蹴りが防がれる。
「っ!?」
『状態/大盾・《千変盾》・緊急展開します・マスター』
僅かに《黒法師》が息を呑む音、その隙。
この瞬間、逃しはしないッ!!
「来い!」
『了解しました』
ザアッ!!と幾千の花弁のように舞う《千変》。その向こうには遠心力を限界まで貯めたであろう《黒法師》の一撃が黒い棒と共にこちらへと向かってきていた。
回避はしない。
迎え撃つ!!
「一撃必殺!!」
繰り出す拳、それに乗せられた白銀の髪。
尋常ではない硬度と強度を持つ俺の髪が緻密に、綿密に束ねられて作られた一撃のためだけの杭。
当たれば一撃で戦闘不能になるようなそれを、《黒法師》は僅かに目を見開いて最小限の行動で防いだ。
「重硬の盾」
瞬間、俺と《黒法師》の間に突如差し込まれたのは、先ほどの《千変盾》とは比較にならないほど巨大な壁──否、盾。
「っ!?」
今度は俺が息を呑んだ。
しかしもう止まらない。止められない。構うものか。
このままブチ抜く!!
めきゃっ。
「あっ、え?」
壁のような盾は微動だにせず、ヒビひとつない。
代わりに砕けたのは俺の拳。俺の右手。
「なんっ、」
次の瞬間、巨大な盾が突然消え、代わりに槍のような刃物が先端についた武器を持った《黒法師》が俺の心臓目掛けて穂先が見えないほどの勢いで突きを叩き込んだ。
突き、薙ぎ、払い、目潰し、金的、その他諸々。
ありとあらゆる攻撃が流れるように俺を襲う。
お陰で剣を抜く暇すら無く、リーチ的にどうすることも出来ない。ついでに言うと、向こうの得物である棒のリーチは二メートル級。俺の剣よりもさらに長い。
それを手足より器用に扱うのだから、正直俺が剣を持っていても互角か…それ以下か。
とにかく攻撃を避けつつ、隙を見て銀剣を出す、話し合いはそれからだ。
バックステップで距離を取り、胸元に手を突っ込──
『危ねぇ下がれ!!』
シャルの声に従い、即座にもう一度後ろへステップ。鋭い突きが俺の髪に穴を空けるようにして繰り出される。
「あっぶねぇ!!当たったら死ぬ勢いだぞ!!」
『多分殺す気だもんなぁ…』
「っざけんな!!」
横に飛び、振り下ろしを避ける。
棒の先端は地面に衝突する直前で真横に跳ね、俺の方に追撃してくる。
「っ」
髪と飛んだ勢いを利用して真逆の横へと飛び、《黒法師》の攻撃を紙一重で回避、しかしそれを読んでいた《黒法師》の回し蹴りが俺の顔目掛けて叩き込まれる。
「マキナぁ!!」
ゴガァン!!と。
尋常ではない轟音と共に《黒法師》の蹴りが防がれる。
「っ!?」
『状態/大盾・《千変盾》・緊急展開します・マスター』
僅かに《黒法師》が息を呑む音、その隙。
この瞬間、逃しはしないッ!!
「来い!」
『了解しました』
ザアッ!!と幾千の花弁のように舞う《千変》。その向こうには遠心力を限界まで貯めたであろう《黒法師》の一撃が黒い棒と共にこちらへと向かってきていた。
回避はしない。
迎え撃つ!!
「一撃必殺!!」
繰り出す拳、それに乗せられた白銀の髪。
尋常ではない硬度と強度を持つ俺の髪が緻密に、綿密に束ねられて作られた一撃のためだけの杭。
当たれば一撃で戦闘不能になるようなそれを、《黒法師》は僅かに目を見開いて最小限の行動で防いだ。
「重硬の盾」
瞬間、俺と《黒法師》の間に突如差し込まれたのは、先ほどの《千変盾》とは比較にならないほど巨大な壁──否、盾。
「っ!?」
今度は俺が息を呑んだ。
しかしもう止まらない。止められない。構うものか。
このままブチ抜く!!
めきゃっ。
「あっ、え?」
壁のような盾は微動だにせず、ヒビひとつない。
代わりに砕けたのは俺の拳。俺の右手。
「なんっ、」
次の瞬間、巨大な盾が突然消え、代わりに槍のような刃物が先端についた武器を持った《黒法師》が俺の心臓目掛けて穂先が見えないほどの勢いで突きを叩き込んだ。
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