大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

体つきと戦技

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こういう時、俺の外見ってのはまぁ便利だ。
加えてユーリアは見事俺の性別を女だと思っている系だしな。
そんな訳で上下インナーだけになったユーリアがこちらを向く。
「で、いきなりどうして脱げと?」
顔をやや赤く染めながらユーリアが聞く。
同性と思っていてもやはり気恥しいものがあるらしい。
へー、綺麗な身体だな。
というか意外と胸あったのな。コイツ。
まぁ…だからどうしたという話だが。
「とりあえず後ろ向いてくれ…そうそう」
俺がお願いした通りにユーリアが後ろを向く。
その背中に流れる紫の髪が少しばかり邪魔だったのでまとめて持ち上げる。
するとその下には薄くも強靭に作られた筋肉が背中を覆っていた。
「ふむ…少し両手を上げてくれるか?あぁ、両手揃えて」
すっ──と綺麗に上がる白い腕。
……ふむ、やっぱりか。
「よし、もう服着ていいぞ。風邪引くしな」
「筋肉でも見ていたのか?」
「もちろん。流石にわかるか」
「当たり前だ」
もぞもぞと服を着ていくユーリアの背中を見ながら、さっきの素肌を思い出す。
「右肩の筋肉がやっぱり強いな。左もない訳じゃないが、どうも弱い」
「そうなのか?一応偏らないように気を配って鍛えているのだが」
着替えが済んでユーリアがそう言う。
「それでも、だな。やっぱり日常生活とかで使う利き手が強くなるのはある意味当たり前だし、仕方ないっちゃ仕方ない」
ちなみに俺はそう言う筋肉のバランスは完璧に調整してある。もちろん両利きだ。
「とりあえず、日常生活じゃ左手を常に使う事を意識しろ。物を上げ下げするだけじゃなくて、ペンやスプーンも当然左な」
「むうぅ…わかった」
左手で生活するのはかなり負担だろうが、こういった所から始めないとな…器用さも必要だし。
「次は…連戦技アーツ・コネクトか」
「全部先に話すのか?」
「そっちの方が楽なんだ」
「…?、わかった」
ぶっちゃけ、解説話は出来るだけまとめたいんでな。
連戦技アーツ・コネクトってのは『戦技アーツを撃つ』って言う動作そのものを『戦技アーツで繋ぐ』…って言ったらわかるか?」
「分かるぞ。…だが、そんな事が可能なのか?」
戦技アーツは無数の反復練習によって起きる………現象?技?まぁそんな感じのものだ。別に剣技だろうと槍技だろうと戦技アーツは発現するし、掃除でも戦技アーツは存在するし、料理だって洗濯だって戦技アーツはある。…なら、戦技アーツ戦技アーツ……連戦技アーツ・コネクトがあったっておかしくはないだろう?」
「なる…ほど?」
こっちは理解し難いらしい。まぁ、普通はそうそう考えもしない事だろうからな。
「さて、それじゃあ時間がもったいない。今すぐ始めよう」
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