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本編
食堂と相席
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そんな訳でアーネとシエルも連れて晩飯。
自分が食べる分を食堂のオバチャンから貰い、席を探す。
夕飯の時間になってから少し時間が経っていたが、かなりの人数が残っていた。
「………おかあさん、あっち」
「んー?おっと」
小さな姿で大きめのトレイを持ちながら、精一杯俺に伝えようとしてトレイを落としかけたシエルに気をつけるように言いつつそちらを見ると、いつも使うような六人掛けのテーブルが空いている。
「いや、今日はそっちじゃないんだ。ありがとうな」
「………ん」
頭を撫でてやりつつ、もう少し辺りを見渡す。
んー、少し前の改装で広くなった上に配置やらデザインやらが変わったから、ちょっと探しにく──ん?
「お、っと。いたいた」
そう独り言を呟き、目当てのテーブルに向かう。
「よぉ《不動荒野》。相席いいか?」
「?」「べつにいいよー?」
「そか、んじゃ遠慮なく」
そう言って、どかりと同じテーブルにつかせて貰う。
遅れてシエル、アーネが順に座っていく。
つーかこいつら、横に並んで食うのな。向かい合って食ったりしたら…あぁ、ほぼ鏡だな。
「失礼しますわ」
「「はーい」」
ちなみにシエルは無言。《不動荒野》にはまだ慣れていないらしい。
「けど」「急にどうしたの?」「席はまだ」「余ってるよ?」
「んー、まぁな」
《不動荒野》の言う通りだ。
かなりの人数が残っているとは言え、空いている席は幾らかある。
いつもならアーネとシエル、そして俺の三人(プラスして一班メンバーが同席することも)で夕飯を取るのが主なのだが、今日は唐突に《不動荒野》のテーブルについたのだ。
そして今日はさらにオプションもついている。
お陰で六人掛けのテーブルに少し収まりきっていない。
「ところで」「レィアくん」
「んー?なんだ?」
「「それ何?」」
《不動荒野》が揃ってスプーンで指し示したのは、俺の髪に包まって寝ている紫の頭。
まぁ誰かって隠すことでもないがユーリアだな。
「穏やかな顔だろう?眠ってるんだぜ、これ」
「「知ってる」」
なんと冷たい切り返しか。
「ユーリア。ユーリア・グランデンジークだよ」
「……それが何で」「寝ながらここに来て」「レィアくんの髪に覆われてるの?」
「かいつまんで話すと、ついさっきまでコイツと二年の…ルルシェルだったか?そいつと決闘してたんだよ。で、ユーリアが負けて、怪我をアーネが治したら副作用で寝ちまった」
「なるほど、」「それで部屋に帰そうにも」「鍵がかかってた訳だね?」
「察しが早くて助かる。そういう事だ」
流石に廊下に放置は冷えてきた最近でやってしまうと風邪を引きかねんからな。仕方なく連れてきた。
さて。
「ところで《不動荒野》よ。俺も一個聞きたいことがあるんだが」
「んー?」「なーにー?」
「そこのお前らの隣にしれっと座ってる人、誰?」
ずっと気になっていたのだが、先に聞かれたのでひとまず置いておいた。
だが、流石に気になる。
そして答えは簡潔だった。
「この子?」「リザちゃん」
…ん?
自分が食べる分を食堂のオバチャンから貰い、席を探す。
夕飯の時間になってから少し時間が経っていたが、かなりの人数が残っていた。
「………おかあさん、あっち」
「んー?おっと」
小さな姿で大きめのトレイを持ちながら、精一杯俺に伝えようとしてトレイを落としかけたシエルに気をつけるように言いつつそちらを見ると、いつも使うような六人掛けのテーブルが空いている。
「いや、今日はそっちじゃないんだ。ありがとうな」
「………ん」
頭を撫でてやりつつ、もう少し辺りを見渡す。
んー、少し前の改装で広くなった上に配置やらデザインやらが変わったから、ちょっと探しにく──ん?
「お、っと。いたいた」
そう独り言を呟き、目当てのテーブルに向かう。
「よぉ《不動荒野》。相席いいか?」
「?」「べつにいいよー?」
「そか、んじゃ遠慮なく」
そう言って、どかりと同じテーブルにつかせて貰う。
遅れてシエル、アーネが順に座っていく。
つーかこいつら、横に並んで食うのな。向かい合って食ったりしたら…あぁ、ほぼ鏡だな。
「失礼しますわ」
「「はーい」」
ちなみにシエルは無言。《不動荒野》にはまだ慣れていないらしい。
「けど」「急にどうしたの?」「席はまだ」「余ってるよ?」
「んー、まぁな」
《不動荒野》の言う通りだ。
かなりの人数が残っているとは言え、空いている席は幾らかある。
いつもならアーネとシエル、そして俺の三人(プラスして一班メンバーが同席することも)で夕飯を取るのが主なのだが、今日は唐突に《不動荒野》のテーブルについたのだ。
そして今日はさらにオプションもついている。
お陰で六人掛けのテーブルに少し収まりきっていない。
「ところで」「レィアくん」
「んー?なんだ?」
「「それ何?」」
《不動荒野》が揃ってスプーンで指し示したのは、俺の髪に包まって寝ている紫の頭。
まぁ誰かって隠すことでもないがユーリアだな。
「穏やかな顔だろう?眠ってるんだぜ、これ」
「「知ってる」」
なんと冷たい切り返しか。
「ユーリア。ユーリア・グランデンジークだよ」
「……それが何で」「寝ながらここに来て」「レィアくんの髪に覆われてるの?」
「かいつまんで話すと、ついさっきまでコイツと二年の…ルルシェルだったか?そいつと決闘してたんだよ。で、ユーリアが負けて、怪我をアーネが治したら副作用で寝ちまった」
「なるほど、」「それで部屋に帰そうにも」「鍵がかかってた訳だね?」
「察しが早くて助かる。そういう事だ」
流石に廊下に放置は冷えてきた最近でやってしまうと風邪を引きかねんからな。仕方なく連れてきた。
さて。
「ところで《不動荒野》よ。俺も一個聞きたいことがあるんだが」
「んー?」「なーにー?」
「そこのお前らの隣にしれっと座ってる人、誰?」
ずっと気になっていたのだが、先に聞かれたのでひとまず置いておいた。
だが、流石に気になる。
そして答えは簡潔だった。
「この子?」「リザちゃん」
…ん?
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