大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

処置と話

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「…少しキツくね?」
頭が結構強く締めつけられるような感覚が…。
「針で軽く縫って固定してありますの。仕方ありませんわ」
「別に縫う必要無かったろうに…」
しかも結構荒く縫ったらしい。
くっそ痛かった。
こう、頭蓋を削るような縫い方を…どんな縫い方したんだ。
「回復魔法ばかりに頼っていたら、いざと言う時に回復力が足りなくなりますわよ!!たまには我慢してくださいまし!!」
とはいえ、魔法も併用するらしいが。
明日の夕方頃に抜糸などをするそうで、それまでは包帯を外すなとの事。
…風呂は…我慢か。
まぁ、一応血は流したから臭くは無いだろうが…。
後頭部を軽くさすりながら、後ろを振り返ってアーネの方を見る。
「…?どうかしましたの?」
「いや、シエルはどうしたのかなー?とと思ってな」
訓練所でお前達と一緒にマッドハウンドと戦ってたのは覚えてる。
その後、多分アーネ達と一緒に聖学祭の話し合いか何かに行ったんだろうってことも何となく分かる。
けど、その後なんでお前だけ帰ってきて、シエルだけ帰ってきてないのかが分からん。
「彼女でしたら、まだ打ち合わせ中ですわよ。私は途中で抜け出してきましたの」
「なんでまた」
最後までいりゃあいいのに。
するとアーネは、これみよがしなため息を一つ。
「話し合いが一段落したところで、私とラウクムさんであなたを探しに行くことになったんですのよ。これより先はあなたにも聞いてもらわないと困るんですの」
「えぇ…正直、俺なんでも良いんだけど…」
学校長から少し聞いた感じ、簡単な食事を作ってそれを売ったり、借りた場所を一日かけてアトラクションパークにしたり、中には聖学の生徒と戦いたいと言った要望に答えるため、丸一日バトルロワイヤル等々、非常に多岐に渡ったらしい。
だが、俺は飯を作れないし、アトラクションパークにするにしてもなんのアイデアもない。唯一バトルロワイヤルなら多少は力を貸せそうだが…フィールドが無いなら、対戦者に大怪我をさせてしまいそうでぶっちゃけあまり気が進まない。
「あら、いいんですのね?言質は取りましたわよ?」
「……ん?今なんか不穏なワードが」
しかしアーネはそれを笑って見事にスルー。
「頭は大丈夫ですの?」
「至って平気だ。…すぐ行ったほうがいいのか?」
「えぇまぁ、ほとんど決まりかけですけど、後から文句言われても困りますし…」
「………。」
…あぁそう、俺が後から聞いたら文句言いそうな内容が決まりかかってんの?
「じゃあ行こう、すぐ行こう、大至急行こう。場所はどこだ?」
なんかもう、既に手遅れな気がするが…行かざるを得ないだろう。
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