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本編
夕暮れと目的地
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それから少し出店をあちこちふらふらと見て回った後、いくつか買い物をしてから御者さんが取った宿に向かった。ちなみに部屋は俺とシエルとアーネの三人部屋、御者さんの一人部屋の二つ取ったらしい。途中でアーネが少し独り言(にしか傍からは見えない)をし始めた時は一体どうしたものかと思ったが、メッセージの魔法だったらしい。魔法とは本当に便利なものだな…。
太陽が完全に沈み、空には星と月のみが散らばり、俺の住んでいた森やプクナイムでは誰も出なくなるような時間になっても明かりは落ちることは無く、ずっと灯っていた。
日が登り、朝飯を食べて一時間後ぐらいにアークリームを出発し、王都を通過。さらに北へと上っていき、北の第一都市に入った時点で大体三時頃。ちなみに昼食は馬車の中で取った。
やがて、ガラガラという音がようやく止まり、馬車も止まる。
「くぁ………ん?今日はここに泊まるのか?」
…あまりに暇だったのでシエルと一緒に寝てた。
寝転がりながら外を見ると、日はやはりかなり沈みかかっていた。季節的に夏である事を考えると、時刻は大体六時頃から七時頃と言った所か。
「えぇまぁ。と言うか…つきましたわよ?」
「あ?」
丁度それを証明するように、前の方の御者台から「アーネ様、ご学友様、つきましたよ」と御者さんが言うのが聞こえた。
がばっ!と身体を起こすと、一緒に寝ていたシエルにぶつかり、シエルも起きたが、まぁどの道目的地だったんだから大丈夫だろう。
改めて窓の外を見てみるが…。
「……何もないじゃん」
かなり広い通りが伸び、何人かの人があちこちへ行ったり来たりしている。…が、それだけ。
「逆ですわよ」
「へ?」
ぐるりと首を百八十度捻ると、そこには俺の家の三倍ぐらいありそうな馬鹿でかい屋敷があった。
…ほら、いつだったかに結界の外に出てディーマとかって言う魔族の屋敷に攻め入った事があったじゃん?その時の屋敷よりもデカい。
「………んぅ、ねむい」
目を擦りながらシエルがそう呟く。
「おうシエル、着いたらしいぞ」
「………んぅ…」
寝ぼけてんな。昨日のようにおぶろうかと思ったが、荷物の入ったバッグを背負わなければならないし、大した距離でも無いので歩かせる。
「さて、行きますわよ。グティ、荷物をお願いしますわ」
「はい、分かりました」
バカみたいな量のアーネの荷物は、一割程をアーネが。残りの九割を御者さん…グティさん?が運んでた。滅茶苦茶力持ちなんですね…。
クソ豪華な扉を見て、ついついぶっ壊したくなったが…我慢我慢。
アーネが扉を押すと、大した抵抗も見せずに扉が開き──三発の爆発音が炸裂した。
太陽が完全に沈み、空には星と月のみが散らばり、俺の住んでいた森やプクナイムでは誰も出なくなるような時間になっても明かりは落ちることは無く、ずっと灯っていた。
日が登り、朝飯を食べて一時間後ぐらいにアークリームを出発し、王都を通過。さらに北へと上っていき、北の第一都市に入った時点で大体三時頃。ちなみに昼食は馬車の中で取った。
やがて、ガラガラという音がようやく止まり、馬車も止まる。
「くぁ………ん?今日はここに泊まるのか?」
…あまりに暇だったのでシエルと一緒に寝てた。
寝転がりながら外を見ると、日はやはりかなり沈みかかっていた。季節的に夏である事を考えると、時刻は大体六時頃から七時頃と言った所か。
「えぇまぁ。と言うか…つきましたわよ?」
「あ?」
丁度それを証明するように、前の方の御者台から「アーネ様、ご学友様、つきましたよ」と御者さんが言うのが聞こえた。
がばっ!と身体を起こすと、一緒に寝ていたシエルにぶつかり、シエルも起きたが、まぁどの道目的地だったんだから大丈夫だろう。
改めて窓の外を見てみるが…。
「……何もないじゃん」
かなり広い通りが伸び、何人かの人があちこちへ行ったり来たりしている。…が、それだけ。
「逆ですわよ」
「へ?」
ぐるりと首を百八十度捻ると、そこには俺の家の三倍ぐらいありそうな馬鹿でかい屋敷があった。
…ほら、いつだったかに結界の外に出てディーマとかって言う魔族の屋敷に攻め入った事があったじゃん?その時の屋敷よりもデカい。
「………んぅ、ねむい」
目を擦りながらシエルがそう呟く。
「おうシエル、着いたらしいぞ」
「………んぅ…」
寝ぼけてんな。昨日のようにおぶろうかと思ったが、荷物の入ったバッグを背負わなければならないし、大した距離でも無いので歩かせる。
「さて、行きますわよ。グティ、荷物をお願いしますわ」
「はい、分かりました」
バカみたいな量のアーネの荷物は、一割程をアーネが。残りの九割を御者さん…グティさん?が運んでた。滅茶苦茶力持ちなんですね…。
クソ豪華な扉を見て、ついついぶっ壊したくなったが…我慢我慢。
アーネが扉を押すと、大した抵抗も見せずに扉が開き──三発の爆発音が炸裂した。
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