大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

訓練とタッグ

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結構ったと思う。
えーっと、新クラスの人数が三十人にプラスしてシエルで三十一人、そこから俺を引いてプラスマイナスゼロで…三十人?と戦わなきゃ行けなかったわけだ。
大体は班単位で俺に立ち向かって来たけど、まぁ…拙い。
銀剣だけで…ってか銀剣すら要らなくね?今はもう銀腕でよくね?とか思ってる。
あぁ、もちろん無傷。カスリもしなかったね。
…で、えーっと、何人とやったんだっけ?
『さっきので二十三だな。あとはお前さんの班と、お前さんに稽古をつけてもらってる長剣男と剣盾女だ』
あぁ、わざわざ班から抜け出してまでそんな事をしようとしてるのか。
…それと言い忘れてたが、リーザは一応戦闘に参加はしてる。事情を公にしたくないらしく、普段と変わらない風にして槍を振ってた。もちろん、アーネとシエルにはそれとなくフォローするようにお願いしてたけど。
「…次」
「「はい!」」
…ため息を漏らしながら、銀剣を担ぎ上げる。
やはりと言うかなんと言うか、男子くんと女子ちゃんがタッグを組んできた。
「来いよ。先攻、譲ってやんよ」
特に構える訳でもなく、自然体に。
緋眼すら使わず、銀剣を担いだそのままに。
笑みすら浮かべながら、余裕綽々と言った風に待ち構える。
あまりにも勝負を舐めきったフォーム。しかし彼らの表情は一切の余裕がなく、それどころか顔はどんどん真剣味を増していく。
重心を低く落とし、足に力を込め、身体の中に力を溜め込んでいく。
一秒…二秒…三秒程たった頃、男子くんの足元の地面が爆ぜた。
…いや、比喩表現とかじゃなくて。
「ぜあっ!!」
本来なら有り得ない程の速度を出し、宙を舞いながら俺に急接近した男子くんはその勢いのまま横薙ぎの一閃。
それを俺は。
「しっ」
銀剣を担いだ状態から横に滑らせるようにして剣を奔らせ、正面から打ち据える。
金属同士がぶつかり合う甲高い音が一瞬鳴り、男子くんはそのまま俺の後ろへ飛んでいった。
が、即座にその長剣を地面にでも突き刺したのか、地面を滑る音が後ろから聞こえた。
が、俺はそれを見ていられない。
なぜなら、既に間合いに入られた女子ちゃんの攻撃に合わせなければいけないから。
恐らく、男子くんが飛んだ直後に間合いを詰め、自分に有利な間合いに入っていたのだろう。
俺は大剣、相手は標準的な剣よりやや短めの片手剣。
俺の間合いをすり抜け、自分の間合いに入った女子ちゃんが、俺の喉めがけて突きを繰り出すと同時に、背後でも剣を振る風切り音が聞こえた。
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