大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

文字の大きさ
上 下
362 / 2,022
本編

剣と場所

しおりを挟む
と、いう訳で。
黒ずくめ×一と西校の生徒(多分)×二を全員同じ要領で縛り、俺が二人、ニケが一人担い行く。
ちなみにアーネは縛ってる最中に起きて、なんとか自力で立ってた。
今はかなり回復し、普通に俺たちと一緒に走ってる。
「私が来た意味、ありましたの…?」
「あったさ。多分、アーネがいなきゃニケはもっととんでもない戦技アーツ撃ってたな。そうなりゃ周りの麦畑はほぼ壊滅してただろうし」
タカが刺突だろ?そんな広範囲になるわけが無いだろってか?
なるんだなぁ、これが。
ニケの剣は、イメージとしては前に言ったように先が大きな三角形…というかほぼ矢印のようにになっており、刀身そのものは非常に細い。
だからこそあの一撃が繰り出せるが、故に攻撃範囲が狭く、昔は魔獣に囲まれた時などは非常に苦戦したそうだ。
そこで考えたのが、知り合いの槌人種ドワーフに頼んで作ってもらった例の特注の剣。
この剣、普通に使えば決して折れない剣なだけだが、ニケクラスの勢いで刺突を繰り出す…ってか突っ込むと、その矢印の先に合わせて空気が裂け、辺りを一気に削り取るようにして斬ることが出来るらしい。
詳しくは分からんが、ニケ曰く「弾丸が空気を裂くのと似ていて、引き裂いた衝撃波に魔力を載せている」との事。俺は弾丸が何か知らんが、大概の人はこれで納得するらしい。…今度、アーネにでも聞いてみるか。
「でも、いいんですの?」
「何が?」
「私達の宿にこの人達を連れ込んでしまって」
「いいんじゃね?ってか、仕方ないんじゃね?そもそも、俺たちが使えるスペースなんて、他には馬車ん中ぐらいだしな」
『利点は自分達のホームだから周りを気にしなくていい、弱点は襲撃されやすくなるって所か』
「まぁ、宿に入れば多少の無茶をしてもバレませんし、いいんじゃないんでしょうか!ただ、もし彼らに逃げられた場合、今度は逆に襲撃を受ける可能性が出てきますので、絶対に逃がさないようにしてくださいね!」
シャルとニケが同じような事を言ってる。
「分かってるさ。…尋問か」
俺がやった事のある尋問ってーと…ナーガの時のアレか?いや、さすがにアレをやるのは少しばかり良心が咎める。
「アーネ、お前、拷問とか尋問って得意?」
「はい?そんな訳ないじゃないですの」
『まぁ、普通の奴はそんな心得なんか持ってないだろうしな』
デスヨネー。
「……ひとまず、三名様ご案内って所か」
…そういや、タイムリミットが…。
仕方ない、あまり切りたくなかった切り札を切りますか。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...